2024年12月23日

「滅びの鐘」

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滅びの鐘 --- 乾石智子/著 東京創元社 2016

この本をまだ読んでいらっしゃらない方は
この下↓を【絶対に】読まないでくださいー!!!!

あっという間に読み切ってしまったんだけども














結構な酷いシーンの後

ええええええええ
主人公
生き返っちゃうのーーーー??????


っていう・・・

ファンタジーっていうよりおとぎばなしやんねー

もうさぁ
面白いんだけどさぁ
この自由さもとい都合のよさには
なんだかついていけませーん




って多分この方の本はこれで最後?かも??まだあるんかなー?
posted by しろくま at 22:07| Comment(0) | こんなん読みました^^

2024年12月18日

「ディアスと月の誓約」

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ディアスと月の誓約 --- 乾石智子/著 早川書店 2015

表紙はYA調でしょうかね?

やっぱり、途中面白くて1日で(やめれなくて)読んでしまいましたが
この人の本でわりとよく感じるんだけど
最後クライマックス以降はもうなんというか流れというか
小野不由美さんのようなストラクチャーのある構成とは対極と言いますか
(Je préfère ça↑)
もうなんというか濃厚なイメージの渦と怒涛の奔流で結末になだれ込むというか

え?
ってなって
どうしてもすっきりとしない肩透かしな感じがしてしまう。

いやおもしろかったですけども。

王子様とお姫様が外界で苦労して一人前になるお話だから(から?)YAかなぁー

posted by しろくま at 14:25| Comment(0) | こんなん読みました^^

2024年12月17日

春日若宮おん祭

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とはいえ馬です。

本当は期間中夜中とかもやっているすごいお祭りなんだそうですが
(関係者の皆様のご苦労たるやすごいですー)
わたしが見たいのは馬だけなんです

去年はあまりに寒かったので
(あと、落馬とかあったらしく行列がすごく遅れて待ち時間がすごく長かったのよね)
それに懲りて今年は重装備で出かけましたがあったかくてさ!

まぁでも
もう輪乗りはみなくていいな。と思ったので
参道をまっすぐ200mくらい?の競馬のゴール近くで待っていて
ちょこっと写真なんて撮ったりしてみましたが

やっぱ撮るより見るがよろしいですねぇ

今年は最初の2頭の駆け競べの時
2頭の前を(っていうか2頭の間をすり抜けたくらいだったかも)大きな鹿が横切って
わたしはひやっとしたけど馬は特に驚かずそのまますごいスピードで駈歩続けて
(よかったね)

そのすぐ後に、馬の走りに興奮したのか鹿の群れが(多分10数頭)
人間と柵をジャンプして参道を横切って走って
っていうかもうさ、人と人の間とかをぴょんぴょん跳ねながら通って
(わたしと隣のお兄さんとの間も、すごい上手に避けてジャンプしてくれたけど多分少し擦ったと思う)
それもなんかすごいアクシデントというか驚きで
(鹿さんたちのお尻を見ながら唖然としてシャッター切れず)

次の2頭はゆっくりとした駈歩で
最後の3頭は引っかかってこんなんでした
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お馬さんたちも大変だったよねぇ。お疲れさまでした!

それから(いつも通り)春日大社にお参りして帰ってきました。

鹿の群れが通って行った後
もう周りの人たちも大興奮なわけですが
隣に立ってたお兄ちゃんが
「こんなん珍しいわー。厄払いしてもろたんちゃうー」
とかって言ってて
あー古都の(京都や奈良の)人っぽいわ。
って思いました


いろいろとええもん見せてもらいましたー
そうそう、騎手は去年のあのきれいなお兄さんいなかった。残念ー
posted by しろくま at 21:04| Comment(0) | 日々雑感

2024年12月13日

「シサム」



シサム --- 中尾浩之/監督 日本 2024

先日観てきましたー。

お話は多分フィクションだと思うんだけど
歴史的背景は事実に基づいており
何より
日本語とアイヌ語(字幕)っていうのがなんとも素晴らしい〜

俳優さんたちは日本人だけど(アイヌオリジンの人もいたのだろうか)
アイヌ語のセリフ書いた方も発音を教えた方も本当にすごいですね
(パンフレットの物凄いちっさい文字を読んだら、翻訳は藤村久和さんとのこと、発音指導はちょっとわかりませんでしたが藤村さんとかアイヌ協会や保存会の方々が協力されたんでしょうか?)
私言語好きなんで、耳を澄ませて聞いていたら
カタカナで喋ってるような人もいたけど、
日本語にない音を発音されていた方もいて
おおーっと思いました
素晴らしいです

あと印象的だったのは
戦闘シーンがあるんですけど
弓矢や砲弾が観客の方に向かって飛んできたりして
わたしにはすごい目新しい臨場感でした


最初の方のシーンで旅に出るお侍の次男坊が
まぁ主人公なんですけど
えらい頼りなくて

あーこういうんは生死の境を経験して助けられたりしないことには根性変わらんもんやわ
なーんて思ってたら
ストーリーはその通りに進み(なのであまり意外性がなかった)

でも
アイヌの人の言葉や暮らしぶりや料理や漁の様子なんかが
すごいよくて新鮮で

なかなか見応えのある映画でした

私たちはアイヌの人たちの来し方を
日本人が与えた苦悩を
何があったのかを
そしてその文化の美しさを
ちゃんと知って理解する必要があるよね
posted by しろくま at 22:52| Comment(0) | たまに観る映画のはなし

2024年12月11日

「いぬと話す ねこと話す」

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いぬと話す ねこと話す〜生きものの気持ちがわかる本 --- Shiori/著 自由国民社 2019

先日読んだこれとはまた違う、アニマルコミュニケーターの方の本。

って、あれ?
これ ってリンクしようとしておさかなやを探したところ、
まだご紹介してなかったことを発見。。

(後で書きます・・あー、本、探さなくっちゃ。。)

ええと
アニマル・コミュニケーターというのは
テレパシーを通じて動物とコミュニケーションする人たちのことで

ペットの動物が何を考えているか、どんな状態か、などなどを
飼い主さんにお伝えする、いわば通訳のようなお仕事なのだとか。


この本にはやり方や能力upの方法がいろいろ書かれてはいるんだけど
心構えや立ち位置など手法だけではない知識が必要なものだなぁと思いながら読んでいました。

わたしが感銘を受けたのは本当に最後の方に書かれたこの一文

「私がアニマルコミュニケーションに取り組み始めたころ、アニマルコミュニケーションは動物を幸せにするためのスキルだと思っていました。
でも、一年ほど経った頃、
これは『人間を幸せにするためのスキルである』ことに気づいたのです」


というところ。

私たちが動物に学ぶことができることは
たくさんあるし、とても大切なことばかり。

今を大切に生きること。
自分を大切にすること。
自分自身でいる、自分自身であること。


そうやって、一人一人の幸福から、世界の幸福を作っていきましょうよ。
っていう(こんなふうに書かれてはいないけど)
この筆者の思いに心から賛成です





posted by しろくま at 20:24| Comment(0) | こんなん読みました^^

2024年12月09日

「ヘルシンキ 生活の練習」

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ヘルシンキ 生活の練習 --- 朴沙羅/著 ちくま文庫 2024

なんとはなく手に取ったのだけど
「はじめに」がまずむちゃくちゃおもしろくて
すっかりハマって読んでしまいました

筆者はたぶん30代くらいの社会学の研究者で
フィンランドに職を得て
就学前のお子さん二人を連れて移住
とはいえ日本には夫と家があり行き来しているのだけれど
ちょうどコロナの始まったあたりでそれはそれは大変そう・・・

お名前からもわかるように韓国系のルーツの方で
小さい頃からきっと国とか国籍とかいうことを考えすぎるほど考えさせられる環境で
大きなプレッシャーと共に生きてきて
フィンランドに行く決心をされたのもそれが背景にあり
本書にもその辺りの経緯が書かれています

なんですが
軽妙な関西弁がユーモラスで

日本からも韓国からも遠い(価値観や考え方や発想も)国
フィンランドの様子が興味深いです

そして

「だったら、どこでどんな風に生きていようと、
『困った』『しんどい』『助けて』と、
素直に言えばいいのです。
それくらい、他人と法律と制度をーー社会をーー信じていいはずだし、
他人に『自己責任』などと冷たい言葉を投げかけて上から目線を楽しむくらいなら、
自分も他人も信じられる社会を作るべきなのです」



フィンランドの発想の
冷静さ
シンプルさ
客観的さ
先入観や感情的なバイアスの少なさ
にはちょいちょい驚きます。ええと、ほんとに、そうだよね・・・!

一例。
「『感受性が豊かだ』『好奇心が強い』『共感力がある』『根気が続く』といった、
通常なら性格や才能などと結びつけられてしまいそうな事柄が
『スキル』と呼ばれている」


つまり
練習したら身につくものなので練習の機会を与えられるべき
と考えられているそうなのですねー

これは
いいねー心が楽になるわ。

人間というものをよく見つめているプロセスが
基盤にあるというのはいいものですね

だから
例えば幼稚園には毎週1回
「日々の体験から色々な感情を言葉にする練習の時間」
っていうのがあるのだって。

感情を言葉にする練習。
家庭でこれをできない子どもは日本だと集団でまず苦労するでしょうし
自分もイライラや歯痒さや(そして内外への破壊行動となったりも)
辛さをうちに抱えることになってしまうよね
(それがちゃんと認識されてプログラム化されているってすごいです)←これはフィンランドだけじゃないけど

そして自分でそういった感情に名前をつける。
ってこともできるようになろうというもの
そして扁桃体を育てることができるよね
人生の質がよくなるよね

日本でそういう発想にならないのはどうしてなんでしょうねー



一年中寒いんだけど唯一気候の良い6、7月を夏休みに充てるフィンランドと
寒すぎる、暑すぎる時期を夏休み冬休みに当てる(気候が悪くて勉強に向かないから)日本て
やっぱりそもそものところが違うなぁと
しみじみ思っちゃったりもするのでした


あらなんだか散漫な感想になっちゃった。
posted by しろくま at 19:25| Comment(0) | こんなん読みました^^

「ボンジュール、トゥール」

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ボンジュール、トゥール --- ハン・ユンソブ/著 キム・ジナ/絵 呉華順(オ・ファスン)/訳 影書房 2024

フランスのトゥールが舞台で
主人公の少年の名前はボンジュ
お父さんの転勤でフランスに住んでいる韓国人で
トゥールで、転入した学校の同級生トシと出会います

読みながら
(あ、ここから先は、未読の方は読まないのをお勧めします!)



トシは在日朝鮮人の日本人の子どもかなぁと思っていたんだけど
本書に書かれている設定はわたしの想像を超えていた


ボンジュが、自分の好奇心のままにぐいぐい行くので
実は読みながらかすかに不快に思っていました
それをなんでかなー?って自分の中を深掘ってみたのと

それと

トシは、彼の置かれた境遇は本当に
苦しかっただろうし
寂しかっただろうなぁって

ともだち っていう言葉の持つ力と
それを使える子どもっていう存在の強さを
わたしは感じました


それでなんでうっすら不快だったのかなっていうと
自分はそういう強さをちゃんと使ってこなかったのではなかろうか
いやどうかな・・・


(と、自分の子どもの頃に思いを馳せたりしています)
posted by しろくま at 17:54| Comment(0) | こどもの本

だから自分の口から出るもので自分がわかるね

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「人は他者について語っているつもりで、実は己をしか語っていない」

これ似たようなことをわたしは思っているんですけど

人が誰かの「悪口」つまり気に入らないところや、よくないと思うところを
批評なり悪し様に言ったりあげつらうとき
それはその人自身の中にある同じ部分のことだって思っているから

だからわたしは人の悪口を言わない(と気をつけてるつもり)


でもこの日の「折々のことば」
難解だわー

自分自身の眼差しと
自分の立ち位置は
自分には見えないし認識していない


でも


人間は結局自分の中にあるものしか認識できないのではない?
(と、いうのがわたしの意見)
もしかして認識の違う階層の話をしているのかもだけど

だから
最初に黒船を見たひとが黒船を「見れなかった」のだし

そう(自分の中にあるものしか認識できないんだと)思うと逆に
勇気が湧いてきたりするんであります

posted by しろくま at 17:37| Comment(0) | 新聞より

2024年11月26日

ペトロスキー博士講演会

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トミオ・ペトロスキー博士
科学者でお話の上手な方ってレアじゃないのかしら(それか案外いらっしゃるのかしらー)

工学
物理学
数学
の基本的態度の違い。

力学
熱力学
の世界観の違い。

チラシの講演テーマは「科学」っぽいんですけど
よく読むと
「物質と生命、人間の複雑な関係を科学の視点から」
っていうことで

とーってもおもしろかったです

って、小学生みたいな感想ですが(いえ小学生ごめんなさい)

でもね。

科学的 って一口に言っても
複数のものの見方、態度、世界観があるし
観ているものも違うし
得意不得意もあるし

いかに客観的に事実であっても、その「社会のもつ通念になじまない」事実は
社会的に受け入れられない つまり 黙殺される
ということをあらためて認識いたしました
事実は事実として広まるわけではないということです

広まっていることが事実ということでもないわけです
よ(よくあるけどさ)

人間ってそういう生きもの



遠かったけど五条まで運転してよかったな〜
行く道筋もなかなかの景色でした
帰り、一言主神社に寄りたかったけど道を間違えたので断念

またいつか。
posted by しろくま at 21:19| Comment(0) | 日々雑感

「動物界 Le Règne Animal」



動物界Le Règne Animal --- トマ・カイエ/監督 NORD-OUEST FILMS 2023 フランス




もう観てから2週間も経ってしまったー!
すごい映画でした。

人間が動物に変異していくという奇病が発生した、という設定のフランスが舞台。
まぁだれも、マスクとかしてないけどね(日本ならするやろなぁ)

両親と息子、3人の家族でまずお母さんが発症、入院、隔離病棟への移送中に車両が事故、乗せられていた患者たちが森に放たれる。
そして息子にも発症の兆候が・・・

っていう物語なのですが

この架空の設定がとても暗示的で
わたしたちの存在の深いところにかかわるもので
いろいろ考えてしまったな

主人公の少年エミールもすてきだし
お父さん(フランソワ)役の俳優さん(ロマン・デュリス)の演技の素晴らしいこと!!

最後のシーンなんてもうすごかったです
行け。生きろ
っていうのよね
字幕とセリフとはすこーし違ってたけどさ(印象深くて覚えてたのに忘れてしまった)
それもまたよしです

おすすめです!


映画のホームページに載ってた、エミール役の青年
(ポール・キルシェ)のインタビューも素晴らしいので
よかったらご覧ください

posted by しろくま at 16:04| Comment(0) | たまに観る映画のはなし