2024年01月10日

「わたしは地下鉄です」

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わたしは地下鉄です--- キム・ヒョウン/文/絵 万木森 玲/訳 岩崎書店 2023

今日久しぶりに本屋さんの絵本コーナーに行きまして
うれしくて( ^ω^ )
何冊か買ってきた中の1冊。

声に出して読んだら13分かかります

舞台はソウルの地下鉄で
(地下鉄2号線らしい)
以前乗ったっけかなぁ!?(以前ってもう35年も前やわ)

この本のストーリーは
地下鉄さんと
順に焦点の当たる乗客1人ずつの独白が交互になっていて

読んでいると
演劇を観ているような気持ちになる

絵もとても素敵です

子どもと一緒に読んでもいいだろうけど
1人で読むのもとてもいいな

大学の卒業旅行で訪れた韓国は
バスに乗っても、地下鉄に乗っても(でもソウルは違ったかもなぁ)
目の前で立っている人の荷物を膝に受け取るのが慣習みたいだったなぁ

無言で突き出されたカバンにびっくりしたっけ。。

今でもそうなのかなぁ
(もう違うかもなぁ)


posted by しろくま at 17:17| Comment(0) | 絵本

2023年05月16日

"What Can I Be ?"


What Can I Be ? --- Ann Rand/text, Ingrid Fiksdahl King/illustrations, Prinston Architectual Press, 2016

寄らんでもいいのに(もう買った本が家に積んである)妙に気になって
買い物のついでに本屋さんに寄ったら
洋書のセール♪のコーナーがあって

そこで見つけました
(で、またもや数冊お買い物。)

本屋さんで1200円ほどやったのに今見たAmazonで8000円してびっくりしたぁ(しかも中古)

わたしこの絵本すきー
いつもあとをついてくる
Iてだれー
楽しい
そして読みようによったらものすごく深い。
posted by しろくま at 18:25| Comment(0) | 絵本

2022年05月31日

"Knots on a Counting Rope"


Knots on a Counting Rope --- Bill Martin Jr. and John Archambault / text, Ted Rand / illustrations, Square Fish, 1966

随分前に手に取った記憶があるんだけどなぁ
邦訳は金原瑞人さんで、魔使い(Spook's)シリーズで翻訳があまり好きではなかったので
原書の方を読んでみた。

アメリカで書かれた、アメリカンインディアンものの絵本は、結構当事者(アメリカンインディアン)ではない人が書いていることが多いよね。
だから、原書でもすでに翻訳物みたいなところがあることが多くて(という印象をわたしは持っていて)
この本でも
惜しい!!!と思っちゃうのは

主人公の少年の名前(Boy-Strength-of-Blue-Horses)を
この人たちの言葉でも書いてほしかったぁ(気になるー)

ま、そこはともかく

blue horsesが山から降りてきて、弱く生まれたこの男の子を祝福してくれたんだけど

blue horseって多分芦毛(roan, blue roan)のことだなー
(と、いう辞書もあったんですけど、もっとしらべてみたらroanって粕毛のことらしいです。
黒粕毛?mustangの、かっこいい写真見つけましたー)
アパルーサだろうから、少し斑があったりするのかも?


無邪気そうな男の子とおじいさんの会話で物語が進むのですが
小さな ん? ん?が少しずつ集まって
中盤になってこの少年の境遇がわかってきます

そして最後にはこの子は自分の馬に乗ってレースに出るのです
いつもは鞍をつけているのにこの時は鞍も載せず、ハミもつけず、裸馬なのは
なぜかなぁ
より一体ってことかなぁ。。
それか偉大な先祖のように?(そんな像を見たことがある気がするー)→これこれ〜〜(Boston Musium of Fine Artsの前にあるそうですー)
(Obamaさんの大統領執務室にこの像のレプリカがあったんだってー)

ほとんど手に汗握りながら彼を応援している自分に気が付きます

そうして
読み終わるとまた最初から読みたくなる

世界中の、読者がこの少年の幸せを願っていると思う
posted by しろくま at 21:02| Comment(0) | 絵本

2022年03月24日

青と黄色のはなし


昨日オットが言ってましたが

大阪で青と黄色の2色のものを肩から羽織ってるような女の人を見かけたんだってー
ウクライナの国旗か!??反戦アピールか!??
と思ってよーく見たら
フードみたいな部分がついてて
??

ミニオンズの着ぐるみかなんかだったらしい・・・すごない!??

3月1日に保育所でおはなし会(絵本の読みきかせ)があったので

てぶくろ(ウクライナ民話) --- エウゲーニー・M・ラチョフ/え うちだりさこ/やく 福音館書店 1965

など読んできました。
この絵本だいすき。なんとわたしが生まれるより前からあるのねぇ

これと

おおきなかぶ(ロシア民話) --- A.トルストイ/再話 内田莉紗子/訳 佐藤忠良/画 福音館書店 1966

この2冊がこの頃並んで紹介されることが多いですね
「おおきなかぶ」は、タイトルにロシア民話とありますけども
以前、大阪国際児童文学館からいらした土井安子さんのお話を伺った時に

土井さんはこの絵本はリトアニアだかエストニアだかラトビアだか(忘れた…バルト三国のどれかでした)の
民話なんですよと話してくださって
(結構熱弁でしたっけ。一番大好きな絵本とおっしゃっていたような。。)

最後に、一番小さいネズミが、キャスティングボートを握る形になるでしょう?
小さな小さなねずみの、ほんの一押し。(押し、じゃないか)

そこに、この小さな国の気概やら大国に翻弄された歴史やらが表れている。

みたいなことをおっしゃっていたのが大変印象的でした。

ロシアはかつて今よりももっとずっと大きかったものね。
(今も十分大きくていろんな民族が暮らしているけども)

この絵本も1966年とご長寿。
次の改訂の際には、「ロシア民話」のとこ、変更されたらいいのになぁと思いました
(がらがらどんも変わったものねぇ)

このウクライナ国旗の美しい空色と黄色というのはわたしの好きな色でもあり
(あ、そういえばこのブログのデザインもそうかー)
たまたまだけど
先日児童館でのおはなし会のために
みんなでそれぞれ希望の2色ずつ購入したシフォンスカーフを引っ張り出してきたらば
青色と黄色だったー
(結局、使わなかったんだけどさー)





posted by しろくま at 17:16| Comment(0) | 絵本

2022年02月24日

「旅の絵本 X」


旅の絵本 X --- 安野光雅/作 福音館書店 2003

フラメンコの発表会が終わりました〜〜〜〜〜〜!!

もうさ、あんなに練習したのにさ
本番で何回も間違ってしまったわ。
いつも練習しているスタジオと
個人的に練習していた公民館の部屋より
ずっとずっと板の上は滑りが悪くて
(滑りすぎると踊りにくいのですが)
なんかその辺りの具合を、修正できなかったと言いますか。

悔!

まぁでも、
しっかりステップ踏めていたらよかったんだわぁ
次回は(あるのか・・・???!!)もっとできるようになっていたいなー

まぁ、精一杯がんばりました。
オットや姪っ子や友人たちも見に来てくれて、ありがたかったですー
(きつめのステージメイクで脅かしてしまった。)

終わったけど抜け殻って感じにはならなくて、
次の日にはもう馬に乗りに行ってたけど
でもやっぱり3日ほどは眠くて眠くて(疲れていたんだなぁ)
しばらく夢見もフラメンコでした

安野光雅さんのこの絵本はスペイン編です
文字はないこの絵本。

スペインのいろんな村や町で
フラメンコやセビジャーナスを踊っているひとたちも描かれています
音楽が聞こえてくるようだし
乾燥した、香ばしい風も頬にあたるようだわ
あと馬(や牛や羊なんか)もたくさんいます
どこでも
子どもたちは遊んでいて、人々は仕事をしていて、男女は揉めている。

菊酒の酒屋さんになった気分。

コロナ禍中で海外旅行には行けないけど
その分じっくり眺め倒すんだわ
posted by しろくま at 19:46| Comment(0) | 絵本

2021年06月28日

「細菌ホテル」


細菌ホテル --- キム・ソンファ、クォン・スジン/文 キム・リョンオン/絵 猪川なと/訳 岡田晴恵/日本語版監修 金の星社 2020

この頃、絵本をあんまりご紹介しておりませんでした。結構読んではおりますんですが



わたしはこども(ちゅん2)を育てるとき、
まぁそもそも大してきれい好きでも潔癖でもないこともありまして〜
「菌との共存」を心して暮らしていたわけですが

菌との共存っていうのはあれですわ
もちろん、有用な菌は利用する(お味噌作ったり、EM菌使ったり。味噌は素手で作るから、家族の常在菌入り〜)一方で
適切に雑菌を浴びて育つ。病院のスリッパの裏とかはダメだけど、大抵のものは舐めてよい。公園の土くらいちょっとは食べてよい。
大体、産道を通る瞬間から、菌にさらされ菌と共生するのが人間なんでありますから。
そうやって丈夫になっていくわけですから。
(でも現代日本人は、インドに行くと下痢したりするんだけども。)

なんですが
去年からのコロナ大騒動で
なんだかなー・・・ってことが増えておりますねぇ。
抗菌剤じゃぶじゃぶ使って。。それが河川から海へと流れてるだろうな。

そんな中
この絵本を手に取る機会がありました


細菌ホテルっていうのは人間の体のことです
「あったかくてジメッとした、すばらしいホテル」

語り手は「大腸菌」

「ところで、体重は何キロ?
『えっ?30キロだけど・・・・?』
ふーん。なら、そのうちの3キロは細菌だ!
体重の10ぶんの1は、細菌の重さなんだ。
これからは体重をきかれたら、細菌の重さをひいて『27キロです』っていうべきだね」


つまり、「菌もわたし」なんであります。しかも結構な割合で。

体の中に菌がいないとどうなるか。「無菌ホテル」

抗生物質をどんどん使い続けるとどうなるか。

なんてことも、ユーモラスな絵とともに、楽しみながら体験できるような絵本になっています。
作者は生物学・分子生物学者だそうです。


個人的には、
シーソーの片方に地球上の細菌が乗っていて、もう片方に地球上の動植物が全部乗っていて
シーソーは細菌の方に傾いてる、っていう絵がインパクトがありました。

そりゃ、たまには強い困った菌もいるけどさ。
(ここではウィルスは扱われていないっぽい)
これ全部を、目の敵にするのって不毛どころかむしろ破滅だわね。

細かいところが面白いから、読み聞かせというよりは
おうちで手に取ってじっくり読んでほしい絵本です〜
posted by しろくま at 12:29| Comment(0) | 絵本

2021年06月13日

「ぜつぼうの濁点」


ぜつぼうの濁点 --- 原田宗典/作 柚木沙弥郎/絵 教育画劇 2006

今朝起きて、トイレに行って笑ってしまった。
(朝からスミマセン〜)
トイレットペーパーが無くなったから換えたんだけど、芯を横っちょに立てておいたら
そこに印刷されているロット番号みたいなのを、無意識に読んでいる。
10桁以上あるような、ただの数字の羅列なのに!!

わたしは昔から(小さい頃から)自分では活字中毒かも?とおもっておりましたが
なんか目に入るところにある文字は須く読んでしまう。

特に不都合はないんだけどさ
以前通っていたピラティスのレッスンに行く時だけはちょっと困ったな。
そこのエレベーターには、共用トイレの使い方について張り紙がしてあって、
毎回読むんだからもう空で言えるくらい内容はわかっているはずなのに
しかも
読んであまり気持ちの良いものではない表現が使ってあるにもかかわらず
いつもいつでも、ついまた読んでしまう・・・┐(´-`)┌

ところで。

この絵本ですが、先日知り合いのかたが
「今のコロナの時代に合う絵本で〜〜〜!!!」
とかなり気に入られて力説されていたので読んでみました。

作者は原田宗典さんです。なんか懐かしいね。
というかあまり作品は寡聞にして存じ上げない気がするんだけど、コラムなんかでお名前をよく見た覚えがあって、
わたしの中ではどーも、中嶋らもさんとかぶってしまう。なんで??
なので、つい、ご存命かしら、と気になって調べてしまった。スミマセン。もちろんでした。そして、原田マハさんのお兄さんなのかぁ〜ということを初めて知りました。

ともあれ。

この本は絶妙な絵がついていて絵本の体裁ですけど
まぁ高校生以上、大人びた子なら中学生でもいけるかもだけど、って感じがわたしはしますのよね
文に独特のリズム感と言い回しがあり
さりげないユーモアと
批評眼と

あと、ことば への愛がある。
気がする。

ストーリーはもう、実際に読んでいただくとして

「し」の沼に「 ゛」を投げ込んだらあらあなた、「じ」になるじゃん
とか思いつつ

最後はカタルシス。

そうそう、その知人が絵本を紹介してくれたときに
ストーリーを全部説明してくれて
だから決着は読む前から知っていたのですが

やっぱり
言わんといてほしかったわー ┐(´-`)┌


コロナ時代の、っていう視点はとっても面白いね。
posted by しろくま at 03:09| Comment(0) | 絵本

2021年06月07日

「アオサギとツル」


アオサギとツル(ダーリ採集によるロシア民話より) --- ユーリー・ノルシュテイン/原案 フランチェスカ・ヤールブソヴァ/絵 こじまひろこ/訳 未知谷 2001


Amazonによると、今は新版が出ているらしいですが、どこが違うんだろう?

6月に「大人のためのおはなし会」を開く予定で、この本を準備していたんですけれども
ちょっと趣向を変えて、(小さい本でもあるので)プロジェクターで映す予定で出版社にも許可をいただいて

でも
コロナの自粛関連の波に呑まれて、会は中止になってしまったのですが
代わりに
ごく内輪の会を主催の方が企画してくださったので、昨日お披露目してきました

プロジェクター映写に馴染む絵本だなぁとおもったんだけど
調べてみたらそもそもこれは、ノルテンシュタインのアニメーションによるショートムービーが元になっていたそうで
たまたま!今、7月2日までの期間限定で、この方の他の作品とともにネットで公開されています。
https://gyao.yahoo.co.jp/episode/ユーリー・ノルシュテイン傑作選%E3%80%80「アオサギとツル」/5f73400f-17d6-4a42-bc1e-5473c47a8874

(↑うまくリンクが貼れないので、最後の8884まで全部コピーして貼り付けてください〜)
おおー!動くともっと素敵。


それに
(絵本ではあまり感じられない)水墨画の技法を取り入れている感じが、もっとよくわかります。

本だけ読んでいたときは

(それにロシアだけに)
ツルとアオサギって、なんかの(例えば他のどこかの国とロシアとの)暗喩・・・???

なんて思いながらいたのですが

映画を見ると、もう少し無心に、あるあるこういうこと、あるよねー
って物語を眺められる感じがしています。

さて

このおはなしではツルが男性でアオサギが女性なんでありますが
どうしてー?って思いません?

この面白い小さい本には、ロシア語が併記されているんですけれども

わたしもう意味は分かりませんけど、アルファベットを追うくらいなら(音だけなら)できます。
(大学の教養課程時代第2外国語がロシア語だった)

アオサギはцапля(チャプリャー)

ツルはжуравли(ジュラーブリ)
なんですけど

aで終わる語感はやっぱり女性だし
iで終わるとどちらかというと男性ぽいですよね。

ロシア語の名詞には「男性名詞」「女性名詞」「中性名詞」があって
(フランス語は「男性」「女性」だけだし、ロシア語は格変化もあるからもっとずっと複雑で、びっくりした記憶があります〜)

アオサギはやっぱ女性名詞でツルは男性名詞なのでありました。

こういうの、面白い。

フランス語でもテーブルは女性で椅子も女性でベッドは男性だし(ここ面白い)
別に深く考えて決められた訳じゃなさそうで、語尾の文字とか発音とかで分かれたんじゃないかと思うんだけども
面白いね。これだけで、物語が立ち上がってきそう。


というわけで脱線しましたが

間に合ううちに映画見てください^^
(字幕ついてるし、ナレーションの音が面白いです!)
posted by しろくま at 10:40| Comment(0) | 絵本

2021年05月11日

“That Book Woman”


That Book Woman −- Heather Henson, pictures by David Small, Atheneum Books for Young Readers, 2008

昔の自分のblogを読んでまた読みたくなって本棚から出してきた。
今度はこっち(原書)の方を

この主人公の山の中に住んでる男の子の独白だから
英語もきれいな書き言葉ではなく聞き慣れなくて多少読みにくいわけなんですが
それだけに素朴でまっすぐで

途中3回ほどは胸がいっぱいになって鼻の奥がつんとして泣きそうになる。

そして
少年の心を動かした、
勇敢で真摯なbook women達のようにありたいと思う。


posted by しろくま at 11:17| Comment(0) | 絵本

2020年03月12日

"A Bad Case of Stripes"


A Bad Case of Stripes --- A book by David Shannon, read by Sean Astin


A Bad Case of Stripes --- David Shannon, Scholastic 2004 はなんとも奥深い本といいますか
今日ふとしたところでこれの朗読をyoutubeで見つけて聞きましたらば

はーーーーーーーーーー!!

ってやっぱり大変身につまされたという。

(とくに)女の子によくある、自分の本当の気持ちとくに「すき」をごまかすっていう
自分で自分に嘘をついちゃうっていう
自分ではないまわりの誰かに合わせるためにさ

そういうことの悲惨さをたいへんユーモラスにかつシニカルに
描いた絵本であります

女の子が主人公ではあるけれども
わたしなんてもう五十路なのにもかかわらずまだこういうことやってるわ。

┐(´д`)┌


邦訳はこちら

posted by しろくま at 20:13| Comment(0) | 絵本

2018年09月21日

今週のおはなし会

市内の小学校の育成センターでおはなし会をしました
まぁいつものことなんですが
今回はなんだかわたしも子どもたちもとっても楽しかったので
(あと今時間があったので)書いてみます

いつも二人組で行くのですけど
最初にその仲間が

ぼくのジイちゃん --- くすのきしげのり/ぶん 吉田尚令/え 佼成出版社 2015
を読んでくれました

わたしこの本初めてだった(んだとおもうなぁこのごろ記憶力にあんまり自信ないんですけど、でもこういう忘れんぼなら毎回新鮮でいいなぁ)んで
子どもたちと一緒にはらはらしながら見ていました
学校の運動会のPTAリレーに、アンカーで出るはずだったお父さんに急用ができて
かわりにじいちゃんがはしることになったんです

後ろから見ていたら子どもたちも心配そうです
心配そうに絵本を一心に見つめています(かわいい…)
そしたら!そしたら!!
じいちゃんってば!!!

(* ̄m ̄)

もう子どもたちもわたしもびっくりしてさぁ
わはは
あー楽しかった

つづいて 工藤直子さんの詩「あいうえ・おーい」を朗読。

わたしと交代しまして

ストーリーテリングで「団子むこ」
うふうふ。短いお話ですけどこれもだんだん語りなれてきて
あと小学校低学年くらいはとても反応がいいんですけども
こどもたちにこにこ。大爆笑〜

そのあと

どうぶつしんちょうそくてい --- 聞かせ屋。けいたろう/文 高畠純/絵 アリス館 2014

ちょっと時間が余ったので

ふしぎなナイフ --- 中村牧江・林健造/さく 福田隆義/え 福音館書店 1997

終わった後みんなであいさつしてくれて代表の子がみんなと一緒のおやつをくれるんですけど
子どもたちわらわら集まってわいわいと準備しながら「目つぶって〜〜!!」
もうなんてかわいいのっ

部屋にいたみんなが子どもも大人もみーんな楽しんだおはなし会でした^^
しあわせだなー

 
そうそう。
晩ごはんの時息子にこの「ジイちゃん」のおもしろかった話をしたらね

「…… ママ 純粋だね…… ┐(´∇`)┌」

ですと。(* ̄m ̄)

そんな話をこんどは仲間にしたら、また大爆笑。すてきな仲間たちです
わたしの老後はきっと楽しいな
posted by しろくま at 19:53| Comment(0) | 絵本

2018年09月14日

「てとゆび」からの messenger or message?

この頃雨がちで寒いですねー

今日は昼から何にも予定がなくて、
わーい♪ いっぱい本が読める―♪♪
と思ってたら、シャワー浴びて横になって寝てしまった。(ノ_-;)むむむ。この喪失感。

ところで


てとゆび --- 堀内誠一/ぶん・え 福音館書店 1969

この夏、ものすごく暑かったでしょう。
わたしはどうも、今年ばかりはこの暑さが無理で体調を結構崩していました。
(まあ日々熱中症気味といいますか)
それでだとおもうんだけど

先月、左手の親指に、小さな水泡ができて、それが次々つぶれて、
これたぶん(昔は主婦湿疹とか言ったよね)汗疱っていうやつじゃないかと思うんだけども
むかし中学生くらいのころに少しなったことがあったんだけど
それからは10年に1回くらい、時折かる〜く(水泡が数個くらい)出てくることはあっても
放っておいたらそのうちいなくなるくらいで
こんな風にこじれたことはなかったのに。

今回は親指の先端の半分くらい、結局ぐるりと皮がむけていまようやく治って
キレイなうっすーい皮状態になっています。

で、その間左手は親指が使えなくって
するとまともに料理もできなくって
とってもとっても困りました

もう親指って本当に本当に大切!
親指さんありがとう!
いや、指さんみんなありがとう!
ありがとうわたしの体のみんなたち!!!!!

って気持ちに今なっています

この絵本を読んでると

「おやゆびは ほかのゆびと ちがう ところに ついている
どのゆびにも さわれるのは おやゆびだけ」

「ものを つまんだり
しっかり にぎったり できるのは
おやゆびが あるから
おやゆびを つかわないで ふくの ぼたんを はめられるかな
ためしてごらん」


 と、特に親指をけっこうフィーチャーしています

ほんとにそう!!!!!

この1か月でわたしは実感いたしましたよ。

いま一皮むけて、うすーい皮がむきだしになっているんですけど
この親指で他の指を触るとね。

ごわごわ。

びっくりして思わず二度触りするくらい分厚くてごわごわです。
無事だった右手の親指だと、コレガまったく違和感なし
(むしろほかの指をすべすべと感じる)

すごいわぁ。指の感覚。
指の皮って固いんだ!(いや、主婦でございますから)
それに受けとり手の感受性によって、まわりの印象ってこんなに変わるのねぇ

この
親指、に症状が起こるって
しかも ほら、「おやゆびだけが ほかのゆびと むきあってる
どのゆびにも さわれる」
っていうのは
なんだか比喩的と申しますか示唆的と申しましょうか

わたしに何かを伝えようとしているって気がしませんか
今それがとってもセンシティブ。なのでついつい
あれこれと思いめぐらせてしまいます(おおむね堂々巡りですが)

↑のようにつらつら考えているとつい先日まで車の中で聞いておりました。
ゲド戦記 "A Wizard of Earthsea"の一節
ほら、ゲドがfalconになってOgionのところに帰ってきた時のOgionのセリフ

"Are you messenger or message ?"
をふと思い出すのでございます
(そしていちいちシビレルのでございます)

この物語はこういう深すぎる表現に溢れてるね


posted by しろくま at 18:57| Comment(0) | 絵本

2018年06月28日

ホタル


ホタル --- 栗林慧/写真 日高敏隆/総合監修 リブリオ出版 2009

来月、3回目になる中学生向けのおはなし会をするのに
ホタルのわらべうたの追いかけっこをしようか〜って相談してて
ホタルの絵本を探してましたら、この本を見つけました
(ホタルの写真絵本てあんまりないのねぇー)

他にも数冊目を通して見ましたが
これがサイコー!すごく面白くって夢中になってしまいました
(で、古本で飼えないかなぁと思ったけど、amazonで14000円の値段がついてた。がっかり…)

まず表紙も秀逸でしょう?
なんかホタルが哲学してる風情^^

空中を飛んでるのがオスで、地上で光ってるのがメス。
「メスにまっしぐら!」

オスの発光器はお腹の節2つ、メスは1つ。とか
(でも体はメスの方がずっと大きい)

幼虫のいろんな振る舞いとか
(絞り6時間開放で撮られた上陸写真なんてすごーーーい!)

もうなんか、写真も文章も、すごすぎる。

最後に、
ホタルの好きな川は水温が高くて流れのきつくない川、
それは人間の住む近くなんだって、
人間の生活に深くかかわる虫なんだって、いうところで終わるところもじーんとします

ホタルが何倍も好きになったよ
posted by しろくま at 14:11| Comment(0) | 絵本

2018年03月27日

「ぼくのブック・ウーマン」


ぼくのブック・ウーマン --- ヘザー・ヘンソン/文 ディビッド・スモール/絵 藤原宏之/訳 さ・え・ら書房 2010

はじめは、あらぁ絵が好みじゃないわぁって思ったけど
そんなことどうでもよくなるわね

ブック・ウーマンは今でいう移動図書館の先駆け
アメリカの山岳地域を馬に乗って雨の日も風の日も雪の日も…
本を携えてやってくるのです

そういう方々がいたのねぇ
人間には本が必要!っていう(たぶん)このゆるぎない信念と行動は、
どういうところから生まれるのかなぁ
西洋だと、聖書があるから、より切実なのかなぁ

ともあれ

読んでいるうちに、胸がいっぱいになって、涙ぐんでしまうのは
この主人公の男の子の気持ちも
お父さんの気持ちも
本を届けるブック・ウーマンの気持ちも
なんだかわかるような気がするからかな

妹のラークって名前が、ひばりなんだけど!ひばり!!って叫びそうになってしまうのが
相当もったいない気がするけども

でも
原書を読まなくてもこの日本語の絵本で十分なきもちなのでありました


…… と、おもっていたんだけどさ……

youtubeで原書の朗読を発見。
やっぱ…… 原文、いいわぁ…

田舎の少年のラフな口調も生き生きとしてるし
writtenとか、makeとか、同じ単語で複数のことを描いているから
表現はシンプルでなおかつ、深いのよね...

英語と日本語の両バージョンで、胸にグッとくるところが違うっていうのもおもしろいね。


That Book Woman --- Heather Hanson, David Small/illustrations, Atheneum Books for Young Readers, 2008


原書も買いました

That Book Woman −- Heather Henson, pictures by David Small, Atheneum Books for Young Readers, 2008
posted by しろくま at 13:38| Comment(0) | 絵本

2018年03月08日

"The Old Woman Who Named Things"


The Old Woman Who Named Things --- Cynthia Rylant, illustrated by Kathryn Brown, Houghton Mifflin Harcourt, 1996

先日この本の日本語版を読みまして
相当気に入りましたけど

英語の原書は予想を越えてきました
よかったです
泣けて泣けて

手元に日本語版がないので(図書館で借りた)比べて味わえないのが残念ですが


ものに名前をつけて読んでいるかわいらしいおばあさんという雰囲気からはじまって
毎日のルーチンが紹介されるんだけども
だれからも手紙がこないのは、友だちの誰よりも長生きしているからだということがわかってきて
ぐっと切なさが増してきます

「もの」に名前をつけているのは誰かの名前を読んでいたいというおばあさんの気持ちがわかって
しかも自分よりも絶対に長生きしてくれるものだけに名前をつけるって決めてて……

そんな毎日変わらぬ彼女の生活に、突然現れる茶色の子犬。

心の中で言っているだろうこのセリフが切ない

だって、ベッツィーに子犬が乗ったらきっと酔うわ。
フレッドはぜったいに座らせてくれないわ。
ロクサーヌは子犬とおばあさん両方には小さすぎるし
フランクリンは犬の毛が嫌いなの。

ぜんぶ
変わらぬものの擬人化にすぎない名前。
目の前の生きてて、温かくて、動いてて、呼吸してて、生き生きしている子犬との対比。

この辺りからもう胸が切なくなってきます

「名前」が導き手になって、このおばあさんと子犬をむすびつけ
そしておばあさんは
自分が
取り残された淋しいおばあさんじゃなくて、
あんなすてきな友だちがいた、とってもラッキーなおばあさんなんだわ!ってことに気づいて
そして……

終わりから3つ目の絵もすてきで切ないわねぇ

そして
犬が来てみんな(擬人化されてたものたちも)幸せそう!!



なんでこんなに泣けるのかわからないわー


お話もすてきだし絵もとても楽しめます
posted by しろくま at 23:33| Comment(0) | 絵本

2018年03月05日

「じごくのそうべえ」


じごくのそうべえ --- たじまゆきひこ/さく(桂米朝 上方落語 地獄八景より) 童心社 1978

先日、小学校の育成センター(うちの市ではこう言いますけど、学童のこと)で
この本を読んできました

そこは、指導員の方のご意向で
(支援の必要な…たぶん発達障害とかの…子どもたちが結構たくさんいるということで)
読み聞かせは合計20分まで、本は4冊まで
ってはっきりとしたご要望がありまして

ペアでいった仲間が先に2冊読んで
わたしの番になって、本は状況に応じて選べるように5冊くらい持っていっていたのですけども

もう(そのときは)2月だしね。
学年末で、こどもたちもぐっと成長してよく聞けるようになっているいいときだし
なにより
この本面白いでしょう

12分はかかるんですけれども
だから
時間も少しオーバーしちゃうかなぁ
4冊じゃなくて3冊になるけども(ま、減る分にはいいでしょう)
長いーって言われるかなぁ
なんてちょっと心配もあったけど

思い切って読んでみた。

でもね。
やっぱ強力おはなしの力。
こどもたちも、指導員さんたちも、とーっても喜んでくれました

よかったぁ♪

こんな長いお話を、楽しんでもらえたのも何よりだし、
聞けた〜おもしろかった〜 っていう、達成感や、自分への自信や、
もっと聞きたいっていう気持ちに(ひょっとして)つながってくれるといいなぁって思いました
(なにより指導員さんたちにも!)

ここはもう、来年度から私たちのグループは担当を外れるので
行くことがなくなるのですが
これまでお世話になりました! ありがとうございました^^



posted by しろくま at 19:26| Comment(0) | 絵本

2018年02月22日

「名前をつけるおばあさん」


名前をつけるおばあさん --- シンシア・ライラント/文 きゃすりん・ブラウン/絵 まついたかえ/訳 新樹社 2007

ひとりぐらしのおばあさん。元気でアクティブ。
でも
誰よりも長生きをしちゃったもんだから、誰の名前も呼ぶ人がいなくなってしまって……
モノに名前をつけ始めた。ぜったいに
自分よりも長生きするに違いないものだけに。

そこへ……

こういう本は
子どもたちにっていうよりも
これから老いていく自分たちに読んであげたいわ。

元気が出るわ


作者は
「ヴァンゴッホカフェ」の人でした。あらまあー

原書も読みたくなりました



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2017年08月22日

「アリになった数学者」


アリになった数学者 --- 森田真生/文 脇坂克二/絵 (月刊)たくさんのふしぎ2017年9月号 福音館書店

先日、武道家の甲野善紀さんのセミナーに行きまして…

そこで買った絵本。
先生が2冊だけ持ってこられてたそうで、その1冊をゲットハートしましたのですが
(それはそうと、セミナーのこと書く前にこの絵本のことってどうよ)

どうしてこの絵本を?とお尋ねしましたら
この著者の数学者、森田真生さんと対談をされたことがあって云々…

と先生はおっしゃっていました
(甲野先生は各界の方とのコラボが多いものね)

絵本の体裁ですけど(そして絵も素晴らしいですが)
なんで絵本なのかな

数学者がある日アリになっていて、
アリの目から数学を考える、っていうストーリーなのですが


すごーい ふかーい っていうか
おもしろーい
数学のことはちっともわかりませんが(わかったらもっと面白いんだろうなぁ)

数学者っていうのは、数や図形や、実は「存在しないもの」のことを考えている人たちなんだ
ってことや

自分ではない相手の心をわかるってことは、「自分ではない相手の心と、深く響きあうこと」
「数学を分かることも、これに似ている」


個としてのアリと、集団としてのアリのこと。

人間とは全く違う、アリたちの「数」と「計算」のこと。

とくにこのアリの数学の描写が
とても不思議で瑞々しくて

人間以外の存在への敬意も感じられて

とてもすてきです

中学生や
高校生になんても、読んであげたいなぁ。と思う、絵本

自分で読むより人に読んでもらった方が素敵だと思うよ?

だからやっぱり絵本なんだな


posted by しろくま at 23:07| Comment(1) | 絵本

2017年07月28日

「山おとこのてぶくろ」


山おとこのてぶくろ --- 松谷みよ子/ぶん 田島征三/え ほるぷ出版 1984

(その前に…
先日の件、「Aクラス」っていうと、もしかしたら上手なんじゃ!?って誤解を与えかねない
ということに思い当たりまして…
正式名称「ビギナーAクラス」に、訂正いたしました。てへへ)


この本をご紹介するのは2回目です。(1回目はこちら

と、いうのも…

3月に、大人のためのおはなし会で語るために覚えたんおはなしなんですけれども
(この時はストーリーテリングじゃなく、「言語造形」で語りました)

この心を揺さぶるお話を、子どもたちにも語ってあげたいなと思っていて

先日中学校でおはなし会をする機会があったんですけれど
(あ、これ書いてなかったわ。そのうちね)
その時はメンバーと相談して、わたしはこれをやりたかったけれどほかのお話に変更…

今日、恒例の図書館での夏休みおはなし会で、ようやく小学生の子どもたちに語る機会に恵まれました。

本当はちょっとだけ心配してました。

内容的に、中学生以上や、大人の方が楽しめるのではないかなって。

でも
仲間はみんな、いいよ、これ、って背中を押してくれて。
一度覚えたお話を、少し寝かせておいて、また改めて練習すると
わたしなりの、また少し違った世界が立ち上がってくるようで
このお話のもつ、豊かな世界がさらに広がるようで
驚きつつ、わくわくしながら、心を込めて練習しました。


今日はいつもより少なめのお客さまでしたが
小学生の子どもたちが、目をしっかり見ひらいてわたしの顔を凝視しながら
聞いてくれました。
そんなひとりひとりの目をしっかり見つめながら、語りました。

さっきまで小さい弟とうろうろしていた幼稚園くらいの男の子も
いつのまにか
前列のおにいちゃんとおねえちゃんの間から、小さい顔をのぞかせてじーっと、聞いてくれました

そんな小さな顔がとってもかわいかった

わたしはいちばん最後に語ったのですけど
会の後、ひとりの女の子が
「さいごのおはなし、おもしろかったーーーー!!」
って言ってくれました

この子は2年生。
1年生の時には100冊本を読んだんだよ、って得意げな様子がかわいい^^

終わってからもこの日の出典を展示している机のところで、お母さんと絵本を手に取りながら

「お花はかしこかったな…」
「やっぱり、三人目が賢いんやな」
「でも、へやも開けなかったらよかったんちゃう?」
とかってひとしきり(* ̄m ̄) でも… 開けなかったら若者は助からなかったね

そのお母さんとも少しおはなしをしましたが
「これ、いいお話ですね… 借りたいです。絵本を見たら、絵にまたびっくりしました」っておっしゃっていました
田島征三さん渾身の絵ですもんね


実をいうと、本当は、リハーサルの方が(ゾーンに入ったというか… ぐっと入り込んでしまって)お話の世界が立ち上がって、出来がよかったの。
でも、
子どもたちを前にすると、大人だけに語る時とはまた違った語り口になるようで(無意識)
仲間には
「リハーサルの方がよかったけど… 子どもたちには本番の方がよかったんちゃう」って言ってもらいました。



ということで
今日学んだこと。

あんまり、わたしたちが、大人が、大人向けかな、子ども向けかな、って
忖度することは、案外不要なのね。
力のあるお話は年齢の壁をやすやすと越えていく。

壁なんか、ないんだわ


今日聞きに来てくれたみなさま、教えてくれたこどもたち、どうもありがとう。
勇気凛凛です

posted by しろくま at 17:10| Comment(0) | 絵本

2017年03月13日

"The Tale of Mr. Jeremy Fisher" "The Tale of Two Bad Mice" &ピーターラビット展


The Tale of Mr. Jeremy Fisher
The Tale of Two Bad Mice --- Beatrix Potter, Penguin Random House UK, 1906


先週ですが
ただいま大阪で開催中の、ピーターラビット展、(っていうかBeatrix Potter展よね?)
行ってきました〜

まず会場で迷い。
(なぜかわからないけど、あぁ以前6階でナレッジキャピタルのなんとかの展示を見たから、はなから6階にあると思っていて…)
実は1階に入り口がありましたのよ。ぜんぜんわからなかった。広いしねぇ

そうそう、先月、滋賀県立近代美術館でやっていた
「ウォルター・クレイン展」に行ったんですけど
これ、本当にすごくって

ちゅん2を隣の図書館に待たせて、1時間くらいで戻るからね〜♪
って言って見に行ったら
ふと気づくと1時間半経っていてしかもまだ4分の1くらいしか見ていなかった。

あと4分の3を30分で流して見ました。もったいなかった。

それにくらべたら

まぁ規模の小さな、展示でしたが
(作品は絵だけで字がなかったの)

原画が、間近で見られるのはやっぱり素敵だったし
絵本になったイラストよりも
わたしは
農場のスケッチなど…が心に残りました。

久しぶりに水彩画を描きたくなった
(久しぶりっておおかた30数年ぶりですが…)



あークレイン展よかったなぁ


あ、そうそう、それで、この本を2冊買いました。
ちょっと癖のある主人公が面白そうだった。


なんかねぇ、ちっちゃいこどもが、あれをやっちゃだめ、これをやっちゃダメといわれたり
こんなことしてみたいなぁと思っている(だいたい悪いこと)があったり
あとなんだったかなぁ
そういうことがサラリと描いてあったり
ツッコミもなんかちょっぴり皮肉っぽいような
冷静に澄ましてるけど横目でちらっと様子をうかがっているような
そんなテイストがおもしろいなぁ

子どものため(の本)だから、って甘ったるくないところがたいそう好きです。
posted by しろくま at 12:43| Comment(0) | 絵本

2017年03月05日

「山おとこのてぶくろ」


山おとこのてぶくろ --- 松谷みよ子/文 田島征三/絵 ほるぷ出版 1984

「大人のためのおはなし会」をすることになって、
仲間とテーマを「涙」にすることに決めて、
ストーリーテリングのためのおはなしを探して探して…
なんかもう絶望的になっていたとき。

運命的な感じで(と、思ったんだけど…)出会ったのがこの絵本。

みちのくに伝わるいくつかの昔話をベースに、松谷みよ子さんが書かれた物語です。


東北の厳しい自然。そのなかで、働いて、働いても苦しい暮らし。
疲れて、疲れて、あくびをしただけで、
いつくしんで育てた何よりも大切な娘を、山おとこにとられてしまう…

山おとこは、娘をさらい、人を食い、宝物を蓄えている存在であっても
そういう存在であるからこそ
深い悲しみを抱えていて…

なんだか暗いおそろしい話のようだけど
クライマックスの場面で
切実な気持ちを語って涙を流す、山おとこの姿に

そしてそのことをのちのちも「ふと、おもいだす」お花の姿に

心の深いところがじーんとします

大好きになってしまったお話。

あす、伊丹の酒蔵(文化財)の中で語ります。
「大人のためのおはなし会 その4 わたし、が、なくとき。」

よろしければどうぞお越しください。
絵本を中心に、切ない涙、嬉しい涙、可笑しい涙…を取り揃えてお待ちしております。

満席となっておりますが、会場が酒蔵なのでスペースにまだ余裕があり
若干のお席を増やすことは可能です^^


posted by しろくま at 02:01| Comment(0) | 絵本

2017年02月27日

「走れ!!機関車」


走れ!!機関車 --- ブライアン・フロッカ/作・絵 日暮雅通/訳 偕成社 2017

まず表紙。ううむ、やっぱり原書の方がかっこいいわね!?

見返し。前面に、大好きな地図♪
西海岸のサンフランシスコと、東のネブラスカのオマハから
双方向に二つの鉄道会社が競って線路をつくっていったって…
ほほー。
イラストもたくさん、説明も結構たくさん。熟読!

タイトルページ。当時のチケットやらのイラスト。きれいに日本語にしてあるけど、これやはっぱりオリジナルの英語で見たい!

本文。敷設の様子を解説しながら、
男の子のいる家族がオマハからサンフランシスコまで旅をする様子を描いています。

この人たちがどんな人たちでどんな事情でだれに会いに行くのかってことは
語られていないんだけど(自由に想像すればいいよね)

蒸気機関車の先頭に、雄鹿の角、ついていたのねぇ!!!


イラストもきれいで迫力があって
それにちゃんと、
工事にかかわったたくさんの中国からの移民のことや
鉄道によって草原を荒らされ住むところを追われたアメリカ・インディアンのことや
あるいは鉄道技術の進歩と、経費の点からそれをなかなか採用しなかった事業者側のことや…

などなどが(巻末の解説などでも)盛り込まれていて
なかなかフェアな感じ。

おもしろいです!!
絵本だけど、読み聞かせに向く体裁ではないけど
ハマる子ははまるかも… で、わたしも。

そうそう、Sarahはこの列車のユニオン・パシフィック側に乗ったかもね!!
なーんて思っても読んでました
(東海岸から西海岸まで、鉄道がとおったことで1週間で行けるようになったそうです。
ちなみにオマハからサンフランシスコまでは4日。)

これはやっぱり、原書が読みたい。

どっち買おうか、迷ったのよねぇ…

デザイン重視ならだんぜん原書、でも説明も結構多いから、和訳も読みでがあって良かったなー!

そうそう
カバーを外すと(わたし、結構カバーは捨てる派ですが)
……

全然違う絵が!!

鉄道が来る前の、鉄道が壊してしまった、豊かな自然へのオマージュ(って言っていいのかしら?)のようで
これはこれでぐっと胸に来るものがありました


posted by しろくま at 23:54| Comment(0) | 絵本

2016年11月07日

小学校3クラス連続おはなし会

今日♪
尼崎市のN小学校でおはなし会をさせてもらいました。

わたしたち3人は、6年生の担当。
2時間目6-1、3時間目6-3、4時間目6-2と連続で同じプログラムのおはなし会でした。

読んだ本や語ったお話はこんな感じです↓

どんどこ ももんちゃん --- とよたかずひこ/作 童心社 2001


メアリー・スミス --- アンドレア・ユーレン/作 千葉茂樹/訳 光村教育図書 2004


子どもに聞かせる世界の民話 --- 矢崎源九郎/編 実業之日本社 2000 より、
ストーリーテリングで「王子さまの耳はロバの耳」(ポルトガルの昔話)


ぽんちんぱん --- 柿木原政広/作 福音館書店 2014


サルビルサ --- スズキ・コージ/作 架空社 1996


ついでにペロリ --- 東京子ども図書館 2000
より、ストーリーテリングで「あくびがでるほどおもしろい話」 --- 松岡享子/作


ふしぎなやどや --- 長谷川摂子/文 いのうえようすけ/絵 福音館書店 1990


三連続でしたから目まぐるしかったですが
楽しかった!!
子どもたち、目をキラキラさせてお話の世界を楽しんでくれました。
先生も口を開けて聞いてくださったりしてました(* ̄m ̄)

クラスによって
ラップ調の「ぽんちんぱん」にノリノリになるクラスもあれば

「あくびがでるほど…」で大爆笑になるクラスもあれば

「王子さまの耳…」のアシの笛の歌を一緒に歌ってくれるクラスもあれば

それぞれで
いろいろで
子どもたちがかわいくて
おもしろかったし
すごーーく勉強になりました。

それにしても素敵な小学校だったなぁ。

あー――楽しかった!
ありがとうございました!!!



posted by しろくま at 23:56| Comment(0) | 絵本

2016年11月03日

「つちはんみょう」


つちはんみょう --- 舘野鴻/作・画 偕成社 2016

今年出てすぐ買ったんだけど、やっとゆっくり読めたかも。



圧巻です
!!!!!


ちっちゃな虫の、偉大なドラマ。

なんだか、ははーーってひれ伏す感じになってしまった。

あ、それから、わたし読み聞かせの邪魔になるので絵本のカバーは惜しみなく捨てる派なんですけども
この本に限っては捨てられません
だってさー
見返しで隠れちゃう部分まで絵がつながってるんだもんね

すごいです ぜひご一読を
posted by しろくま at 17:04| Comment(0) | 絵本

2016年10月29日

"Goodnight Moon" 「おやすみなさい おつきさま」


Goodnight Moon --- Margaret Wise Brown/text, Clement Hurd/illustrations, Harper & Row, Publishers, 1947
今手に入るのはHarperCollinsの1975年初版発売の本とおもいます

ご長寿ね


おやすみなさい おつきさま --- マーガレット・ワイズ・ブラウン/さく クレメント・ハード/え せた ていじ/やく 評論社 1979

「おやすみなさい おつきさま」のほうが、版型が少し小さいのね。
ふしぎなリズムと静けさのある本で、
でもすこーし意味不明で、
ちゅん2が小さい頃にはそんなに読んであげた本ではなかったのですけど

原書の方を読んで、
あーー 詩なんだ!って改めてっていうか今更ながらっていうか思いました


ああああ詩だったら、しょうがないなぁ!!!
名手瀬田貞二の訳も、ずいぶん工夫されてるなって思いますけれど
けどこのリズムをなんとか日本語で楽しもうってのは無理なのかなぁ…


音は意味とかわかんなくてもコレハ英語で楽しむのがいいのかもね。

In the great green room
There was a telephone
And a red balloon
And a picture of ---
The cow jumping over the moon

And there were three little bears sitting on chairs

And two little kittens
And a pair of mittens

And a little toyhouse
And a young mouse

And a comb and a brush and a bowl full of mush
And a quiet old lady who was whispering "hush"

Goodnight room

…と、続きます。あとは、読んでのおたのしみ♪

posted by しろくま at 23:20| Comment(0) | 絵本

2016年09月23日

山本忠敬展@kyoto



水曜日、京都まで電車に乗って…

山本忠敬さん展をみてきました!
山本さんと言えば(絵本はたくさんあるけど)やっぱり

じぷた!!!

ちゅん2がちっちゃかった頃、本当にちっちゃかった頃から
これが大好きで
もうびりびりになるまで読みましたっけ

今年、ご生誕100周年なんだそうですよ!

手書きの原画。なんともあったかい、すてきな絵ばかりでした
車や電車が、
機械のはずなのになんだか生きてるみたいなのよね…

じぷたの絵は、残念ながら、ありませんでしたけれどもね…^^

東本願寺の北の端っこにある「しんらん会館」が会場でしたが(無料)
新しそうなきれいな建物で
一階のロビーが展覧会場になっていて
その奥に、絵本コーナーがあって

そこで一時間も読みふけっておりました。


帰りは本願寺さんにお参りして帰りました
涼しくて、すてきなひとときでした
門前に、彼岸花が咲き始めておりました


25日まで。あとわずか!おすすめでーす
posted by しろくま at 22:47| Comment(0) | 絵本

2016年09月09日

「おじいちゃんのところ」


おじいちゃんのところ --- ヘレン・V・グリフィス/文 ジェームス・スティーブンソン/絵 あきのしょういちろう/訳 童話館出版 2007

先日本を探していたら本棚の中からこれを見つけた。
あれ? こんなのあったっけ?
(と、いうことはたまにあるのですが)

童話館だから昔、配本してもらっていたときに来たものかも。

読んでみましたら
いい本やった〜〜 
絵もすてきねぇ、ちょっと、クエンティン・ブレイクを思いだすね?

大人側の事情はよくわからないけれど
お母さんと一緒に、初めておじいちゃんの家に、おじいちゃんに会いに行った
女の子ジャネッタのお話。

古ぼけた家にはおじいちゃんと猫とにわとりとラバとたくさんの生きものがいて…

お話はちょっと現代的。
ジャネッタは都会の子なんだなぁ

いいなぁ。このおじいちゃん^^

これ、原書も読みたい。
posted by しろくま at 22:21| Comment(0) | 絵本

2016年08月29日

「はるふぶき」


はるふぶき --- 加藤多一/文 小林豊/絵 童心社 1999


馬の絵本 その1〜 (って、読んだの全部を紹介するのは無理かも…)

帯には、「現代の民話」とありました
版型が横長で、文章が縦書きっていうのはあんまりみたことないような。

はじめの
4行で
もういきなり怒涛の勢いで引き込まれます

あらすじ自体は、子どもが一人でおつかいに行く話。

でも
舞台は北の大地。
まだ雪の残る浅い春。
厳しい自然、命にかかわる出来事。


感動って、演出するものじゃないと思う。
そういうことを、(昨日やってたTVと)この絵本からしみじみ考える。

馬モノだー♪とおもって、開いたけれど、とてもとても心に残る絵本。
posted by しろくま at 21:43| Comment(0) | 絵本

"Rocks in his Head"


Rocks in His Head --- Carol Otis Hurst, pictures by James Stevenson, Greenwillow Books, 2001
「あたまにつまった石ころが」の方を以前に読みましたっけ
この時もいいなぁと思いましたけど

原作の方は「いいなぁ」ポイントが違うところにあったり
(っていうのは翻訳ものでは結構ありますよね)

rocks in his/my head
っていう言葉がたいそうよく出てきますけど(そして英文の方がコレが目立つ印象。)

コレ、「石頭」っていうより「ばかもの」っていう意味だそうで(辞書で調べた)
そう思うと
ちりばめられたこのフレーズがリフレインのように、心地よく心に響きます

お父さんのセリフも、訳文よりもっと優しく。穏やかで


あーやっぱり原文が好き。原文が素敵。
読むのも原文の方がすんなりとひっかりなく読めた分なんだか短いような気がしたよ。
(文学を訳するってホント難しいよね…)


そうそう
訳書の表紙のタイトルは、ちょっとそこらにないいい仕事されてるなって改めて感激しました〜
posted by しろくま at 12:55| Comment(0) | 絵本

2016年08月19日

「ちびっこサッカー」


ちびっこサッカー ブラジルサッカーはここからはじまる --- クリステネス・オリヴェイラ/作 まふねかずお/訳 新世研 1998

先ほど用事がありまして酷暑の中近所を歩いていました
あーーー なんて暑い!!!!!!

そうしたら、そうそう、今日は空き缶と空き瓶を出す日で
収集のおじさんが軽トラに空き缶を積み込んでいて
少年がそれを手伝っていました

あーそうか 夏休みだもんね!

お孫さんかなぁ、小学校6年生くらいの男の子と
年の離れたお父さんかもしれないけども御歳からするとおじいさん

いいですねぇ

で、この本を思いだした。

ちょうどオリンピック期間だし、先週だったか小学校の育成センター(学童保育)で読みました
でもね
サッカーのゲームシーンは全然出てこないのよ

子どもたちがサッカーしよう!って相談して
整地やらチームづくりやら練習やらを初めて
ユニホームがないからみんなでお金を貯めよう!って考えて
ビンを集めたり靴磨きをしたり
さぁ、準備ができたぞ!っていう、そこで終わりの、おはなし。

今どきの子どもたちはこういうの、面白いかなぁ…

でも。
でもでも、なんか変わった絵の絵本を聞いたなぁって
それで
いつかふっと、このサッカーの大好きなブラジルの子どもたちのことを
このわくわくする気持ちを
ちらっとでも、思いだしてくれたらいいなぁと思って読みました


ちなみにポルトガル語の原書は

これなんですねー

"o time" (チーム)

なんと かっこいい!! タイトルも、表紙のデザインも!!!

posted by しろくま at 12:02| Comment(0) | 絵本

2016年08月17日

"Fireflies!"


Fireflies! --- Julie Brinckloe/ story and pictures, Aladdin Paperbacks, 1986

表紙に惹かれて読みました

もう30年以上前ですけど、アメリカのIowaの片田舎で
これとほとんど同じ情景に出会ったことがあります

畑のあぜ道(とはいえ、車も通るくらい広い)を大勢で歩いていて
蛍を見に行ったんですけど
ずっと左手にあった川が、右手に変わる、その橋の両側から

星が… 
地面に下りてきた星が、またゆっくりと空に昇って行ったのを見たのでした


このお話は、小さな男の子がビンの中にいっぱい蛍を捕まえてきて
枕元に置いて寝る…という素朴な話なんですけども

この絵が!! 蛍が!!! 
そりゃfireflyですけどもね。
絵が蝿…… ビンいっぱいの、蝿。



なんという興ざめ。

この人蛍みたことあるのかしら。


そうそうアメリカのホタルって、ロッキーの東にしかいないのねぇー
posted by しろくま at 14:59| Comment(0) | 絵本

2016年02月16日

大人のためのおはなし会〜絵本を楽しもう〜

201602大人のためのおはなし会.jpg
大人のためのおはなし会〜絵本を楽しもう〜

というイベントを、先週金曜日に伊丹で行いました。
本当は事前に告知すればよかったのですけども…なんだか手が回らず
(スミマセン)

↑のイラストは、主催者の方がチラシに入れてくださった
わたしたち出演者(フルート奏者の吉岡さんと、わたしたちおはなしグループ「ぽぽんた」から4人)の
似顔絵です^^

手作りの、あったかい会になりました。

念願かなった、大人対象のおはなし会。

しかも、生フルートとのコラボなんって、初体験でしたけども
とっても素敵でした…

前半絵本30分、フルート30分、後半絵本30分、って按配で
ラインナップは↓のとおりです






より、「ありんこの夢」(ストーリーテリング)








より、詩2篇


より、「スワファムの行商人」(ストーリーテリングで)





盛りだくさんですよね(* ̄m ̄)
でも
あっという間の時間だったとおっしゃっていただきました(よかったぁ)

わたしは「きぼう」「スワファムの行商人」「きたきつねのゆめ」を担当しました

あーーたのしかった…


お越しくださったみなさま、ありがとうございました。
また、どこかでできたらいいなぁ。

posted by しろくま at 23:34| Comment(0) | 絵本

2016年01月23日

「デルス・ウザラー」


森の人 デルス・ウザラー --- アルセーニエフ/作 パヴリーシン/絵 岡田和也/訳 群像社 2006

少し前に東洋文庫の「デルスウ・ウザーラ」を読み始めて
(字は小さいけど装丁は大好き!イマドキな箱入り。)
こちらの方は読み進めないでおります

そうそう、ハバロフスの博物館に行ったときに、ガイドのお兄さんから
デルス・ウザーラのことを初めて聞いたのですが
(黒沢映画があるって)

ロシア行く前にこの本読んどけばよかったわ!!!!!!

って感激しながらでも
東洋文庫にはほとんど地図がなく…
(地図を見つつ本文を読みたい私としては)
いちにちデルスウのことで頭がいっぱいになるくらいすごい感激したのに
ちょっといまストップしておりまして


そんな時にこの絵本。

内容は、もちろん、だいぶん(アルセーニエフの原作からは)絵本向けにかいつまんであるのですけども

結構詳しい地図があるし!
風景や動物たちの絵が素晴らしいし!!

ということで
堪能いたしました

この地図見ながら「デルスウ・ウザーラ」に再度取り組もう♪


posted by しろくま at 22:08| Comment(0) | 絵本

2015年12月13日

「みつばちじいさんの旅」


みつばちじいさんの旅 --- フランク・ストックトン/作 モーリス・センダック/絵 光吉夏弥/訳 童話館出版 1998

bookoffで見かけて

うぉぉぉぉぉーーーなつかしいぃぃぃぃーーーー!!!!

と速攻買ってしまいました

わたしがほんの小さかった頃に読んだんだから、
その時は別の出版社から出ていたんだろうなぁ
本の体裁も少し違う気がしました

でも。
この顎!この絵!!
モーリス・センダックだったんだぁぁ

(ググってみたらあった。これだぁこれ♪たぶん。学研の!↓)


そうそう、このしょぼい顔の若者の^^
この「新しい世界の幼年童話」シリーズが家にあったんですよね
みんなみんな、何回も何回も読んだっけ。
なつかしいなぁぁぁぁぁぁぁ

また、読みたいなぁ。
posted by しろくま at 22:30| Comment(0) | 絵本

2015年10月06日

「ロバのジョジョとおひめさま」


ロバのジョジョとおひめさま --- マイケル・モーパーゴ/文 ヘレン・スティーヴンス/絵 おびかゆうこ/訳 徳間書店 2015

もういっちょ!モーパーゴ。
この作家が好きかどうか、手探り中。
っていうか、代表作の「戦火の馬」を読むべきか?

ロバってさぁ、馬と比べてよく、バカにされるよねぇ。
ロバと暮らす地域の人たちにとっては、そういう(気軽というか身近というか卑近というか。)な
ものなのね??

でも
かわいいなぁ。プラテーロみたいな。穏やかで優しくてちょっとかなしい。
(乗ってたよねぇー。ちっちゃいのに〜)
飼いたいなぁ。


posted by しろくま at 21:14| Comment(0) | 絵本

"The best Christmas present in the World" 「世界で一番の贈りもの」


The best Christmas present in the World --- Michael Morpurgo/ author, Michael Foreman/ illustrator, Egmont UK limited, 2004

「戦火の馬」の原作はこの方なんだそうです
へぇぇ〜〜〜児童文学?やったんやー

そいでもってこの絵本も
no-man's landが一方の舞台です
第1次大戦中の、ドイツ軍とイギリス軍のクリスマス休戦のことは
結構有名な気がしますが
その物語。と、後日談。

クリスマスの日に、不意に始まった祝いの宴とサッカーゲーム。

"I think this is how we should resolve this war.
A football match.
No one dies in a football match.
No children are orphaned.
No wives become widows."


ってドイツ軍の方の将校がいうんです
ほんとうにそのとおり!!

そしてこの、素晴らしい出来事を心から楽しそうに希望に満ちて
妻に書き送ってきたイギリス軍の若い将校は

やっぱり戦場から帰ってこなかったんですよね

この手紙を見つけた人が、年老いたこの妻に届けたシーンでは
ぐっと胸に迫るものがあって涙が出た


原書を読んだ後で和訳も読んでみましたが


和訳では泣けないわぁ

本当に注意深く良い訳をしてくださったんだろうとは思うんだけど
こればっかりは
どうしたってしょうがないのよね...

原文ではその青年が老婦人を訪ねて
"Happy Christmas, Connie"って呼びかけるんだけれども
日本語では「コニーさん」に、なっちゃうでしょう。どうしても。

初対面の人、しかも年上の方に「コニー」は、無理だもの。

(あ、それから、「ミンスパイ」は、「ごちそうしてくれた」っていうよりも
「すすめてくれた」だという気がするんですけど
どうでしょうね?だって、訪ねて行って会う前に食べてたらおかしくない?)

原書版おすすめします〜
posted by しろくま at 20:51| Comment(0) | 絵本

2015年09月27日

"Moon Man" 「月おとこ」


Moon Man --- Tomi Ungerer, Phaidon Press Inc., 2009
(first published in German, 1966)


月おとこ --- トミ・ウンゲラー/作 評論社 1978

今日は中秋の名月だそうでございます
なるほど
冴え冴えとなんとも美しいお月さま…(満月は明日なんだって)

そういえば先日もTomi Ungererのこと書いたばっかりですが
今日はたまたまこの2冊を読んでて

まぁ読(中&)後感の違うこと…



もちろん
文章のシンプルな絵本の翻訳って
ものすごく大変な、難しいことだろうなっていうのは想像ができるし
訳者の皆さんはそんな大変なお仕事に最善を尽くされているわけで

その苦労を知らない者の、さらには全くの好みの問題であるのですけどね


だいたい「フィジカル」って言葉でさえ一語で置き換えられないんだものねぇぇ
(ビジネス用語に限りませんね)

まぁそれを承知の上で(と、いうことで)



"Look! Someone has come as the man in the moon," a lady cried.
(「あらッ!月おとこみたいな男がきてるわ」ひとりのご婦人がさけびました)

のところで え????って思ってしまいまして

The Moon Man, who had realized that he could never live peacefully on this planet, agreed to go.
(この地球では、ぜったいにのんびりとくらせないことが、はっきりわかってしまったので、月おとこは、行きますと、こたえました)



英語の文章いいよなぁってしみじみしました
(原著はドイツ語ですけどもね^^ )

まぁ好みなんでしょうけども〜


子どもの読者を意識せず
純粋に自分のために和訳してみたらどうなるかなぁって思いました
一回やってみようかなぁー




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2015年09月16日

"Fog Island" "No Kiss for Mother"


Fog Island --- TomiUngerer, Phaidon Press, 2013

先日「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」に行ってきました
今年は、とっても好きだったなぁ〜
今までで一番気に入ったかも。

それにしても
手書きのようなタッチでも、「デジタル」(手法)っていう作品が多いんですねぇ
まぁ、そうか。

そこでこの本を買ってきました
トミ・ウンゲラーの比較的新しい絵本のようですね
(そのうち邦訳もされるでしょう。今はないみたいだけど?)

アイルランドの人々にささげます、っていう絵本ですが
暗い暗い
空の色も人々の顔色も
はははー
でも
おもしろい〜
子どもたちの冒険。
ながーいながーい髪の毛&おひげのおじいさん
マットみたいに足の下に敷いてるし!

あれは、何だったのかしら。


Tomi Ungererはとっても好きです
割と最近読んだのはこれ
No Kiss for Mother --- Tomi Ungerer, Phaidon Press; reprint, 2012
はたぶんTomiが30年以上前に、最初に描いた絵本?のようですけど
(これはTO Maurice Sendakなんですね)
爆笑しながら読んで

最後にすこしジーンとするっていう…
(すごいテンポがよくって楽しいので、邦訳を読むのがちょっとコワイかも)

posted by しろくま at 10:48| Comment(0) | 絵本

2015年04月19日

えいごのえほん たまごとクレヨン


Two eggs, please. --- Sarah Weeks (auther) and Besty Lewin (illustrator), Aladdin Paperbacks, 2003

英語の絵本講座
っていうのに行ってみて、教えてもらった本^^

↑初めてでしたけど来てらっしゃる方のほとんどは英語教室の先生で
他己紹介やらフツーに英語だったのでたいそう驚きました
(久々に英語しゃべった)←助走なしで


結構心に残ったのは
アメリカだとほら、ディズニーアニメ観てても思いますけど
登場人物に一定以上の割合でいろんな人種を登場させないといけないとか
ありますでしょ

絵本の登場人物を動物にすることで
以前はともかくこの頃はそういった縛りをスルーするような傾向もあるって
お話されてました

なるほど…(ってか結果は同じでもプロセスが逆やね)




この本も、いろんな動物が出てきまして
絵がとっても楽しくって(ホント「絵を読む」って醍醐味が味わえます)

そんでもって
「差(別)」と、でも(人間って)「共通」
っていうメッセージが込められています

卵のシンプルな調理法(とその名前)がたくさんあるアメリカならではのお話でもあります


もうひとつ。
これは日本語を先に読んだんだけど、原文が気になって買ってみた本。

The DAY the CRAYONS Quit --- written by Drew Daywalt, illustrated by Oliver Jeffers, HarperCollins, 2013

なんでかなー和訳本だと途中で読むのが嫌になったのに
(好き嫌いがあってごめんなさい〜)
こっちは楽しい♪

クレヨンたちが手紙を書いてあれこれ意見する、っていうおはなしですけども
(表紙の顔もなんだか切実そうでしょ?)
文面も色がそれぞれ個性的でねー^^

それにしてもこの子のお絵かき、ぬりえが結構多いなぁ(。・m・)


こういう外骨格のあるお話も好きですー


posted by しろくま at 11:59| Comment(0) | 絵本

2015年02月21日

「あたまにつまった石ころが」


あたまにつまった石ころが --- キャロル・オーティス・ハースト/文 ジェイムズ・スティーブンソン/絵 千葉茂樹/訳 光村教育図書 2002

ちょうど卒業を控えた6年生向けの物語を探していたところ
つい先日朝日新聞でこの本がおすすめされていまして…

朝8時だったかな すぐにamazonで見てみましたら「配送までに2〜3週間」

うひょ〜!

ジュンク堂のネットショップだと(少し前にここで頼んだばかりで、結構簡単で配送料もかからなかったので…)
すぐに送ってくれるというので、頼んでよかった。
書店で注文した知人は、取り寄せがキャンセルになったって言ってました。

恐るべし、朝日新聞。


…と、いうのは、この本には何の関係もない俗世の出来事でございました


サブタイトルみたいだけど原題の"Rocks in His Head"からは、どーにも石頭なおじさんを想像しましたけれども
なんのなんの
好きなものを大切にし続ける、とても柔軟なお父さんが主人公じゃありませんか。
(著者のお父さんがモデルだそうです)

小さいころから石ころが大好きだったのね。
きちんと相当の教育を受けたら、
若いとか年配とかかかわりなしにチャンスがあるというアメリカの社会の良さも
伝わってきますが

わたしが一番ぐっと来たのは

「わたしの石もそうなんです」

っていう言葉…


主人公が博物館の石の部屋で
館長と話しながら言ったセリフ。
自分の石たちへの、そして自分自身への、誇りと愛情があふれるようでね。

世界で一番幸せな人のおはなしです

ほんと
夢中にかなうものはないわねぇ


わたしも鉱物大好きなんで
作中のいろんな鉱物…azurite, turquoise, hematite, pyrite…
なんってみていてワクワクしました。



声に出して読んだら15分はかかります。
読み聞かせに使うことがあるかどうかわからないけど


いい本でした。小学生というより、中学生、高校生に読んでもらいたいな


posted by しろくま at 22:20| Comment(0) | 絵本

2014年10月15日

★おしらせ★植物園でイベント開催中♪

botanicalgarden2.jpg
先日、初めて(練習は前にしたけど…)
屋外でのおはなし会(絵本の読み聞かせ)をしました^^

場所はうちの近所の、市立の植物園。

ちょっと田舎にあって…( ´艸`)英国風のナチュラルなガーデンと
数寄屋造りの山荘と和風庭園(水琴窟つき〜)もあって
本物の川(夙川の源流)と
巨石と(あ、これは単なるわたしのツボかも)
ハイキングコースにつながる豊かな自然がウリの植物園です。

だから、ハイキング前や後のハイカーさんたちもたくさん訪れます。

ゆったりとした芝生があって、木かげも多くて、
今の時期お弁当を持って遊びに行くには絶好のところです

わたしも、ちゅん2がちっこかった頃は、しょっちゅう遊びに行ってましたっけ…♪
2002-11-10b.jpg
(↑12年前、石を見つけて喜ぶちゅん2… 11月には紅葉がこんなになります)

そこで、11月3日まで
「絵本にふれよう 自然にふれよう & 木かげでおはなし会」
っていうイベントをやっています。
evententrance.jpg
植物・動物(昆虫や虫なども)・その他自然に関する絵本を
物語も昔話もかがく絵本も詩もあれこれ含めて170余冊を展示しています
(絵本は西宮市立図書館が貸してくださいました^^)

eventbooth.jpg
もちろん手にとって読んでいただけます(椅子もちょっとだけある)

pond.jpg
これは、「池」に関する絵本のコーナー。

展示は毎日、(水曜休み)
おはなし会は日曜と祝日の11時半からです

よろしければぜひおでかけください♪



posted by しろくま at 20:47| Comment(0) | 絵本

2014年10月11日

「ちいさなオキクルミ」など


ちいさなオキクルミ --- 松谷みよ子/文 西山三郎/絵 ほるぷ出版 1985

次の春の、「ストーリーテリングの会」に向けて何を練習しようかなって
ここしばらく考えておりますが
アイヌの昔話で何か…と思っていろいろ読んでみているのですけど


オキクルミのぼうけん --- 萱野茂/文 斎藤博之/絵 小峰書店

アイヌの伝説などの絵本は、
ご自身もアイヌの生まれでいらっしゃる萱野さんの絵本がたくさんあって
おもしろい!のですけども

ちいさい子どもたちに素で語るには
なじみのない言葉が多かったり(イナウ とか… カムイも、じつはそうなんだよね)
あとやっぱり
文章が語り向きではなくって

それにじっくり読んでみると
ストーリー展開に結構独特な特徴があってムズカシイ…


で、↑の松谷みよ子さんが書かれたものは
さすがにこなれていて
語りにも向きそう

でも最後のページに
別の神謡(のリフレイン)が載っているのが気になるかな
(アイヌ民話の雰囲気は出るんだけど…でもなんかつぎはぎで誠実でない気がするし)


悩むなぁ。


って思っているうちに

ぜんぜん違うところで面白い素敵なお話を見つけたのでアイヌの物語はあきらめてしまった。

でも
いずれ挑戦してみたいです…(ちいさいこども向けじゃない時にでも。)


萱野さんの絵本はたくさんあるし
宇梶静江さんの刺繍絵の絵本も迫力があるし
またゆっくり読みなおしてしみじみしてからご紹介したいです

そのほか語り向けに探した中では
この↓2冊も素敵でした。
tonupekaranran.jpg
トヌペカ ランラン〜ちりゆきえのアイヌしんようしゅうより〜 --- かいせ みほ/ぶん・え (財)アイヌ文化振興・研究推進機構 2009(非売品)


karasutokakesu.jpg
カラスとカケスの物語 --- したく ともこ/文 いのうえ ちせい、たなか まりこ/絵 (財)アイヌ文化振興・研究推進機構 2002(非売品)

しかも
朗読の映像があった!うれしい!!


カラスとカケスの物語

素話とは感じが違うけれども
やっぱいいわねぇ…


posted by しろくま at 13:36| Comment(0) | 絵本

2014年09月28日

"Time Train"


Time Train --- Paul Fleischman, illustrations by Claire Ewart, A Charlotte Zolotow Book, 1991

今Fleischmanにハマっていて、
「風をつむぐ少年」ももう一度原著("Whirligig")をぼちぼち読んでいるところで、
日本語で読んでストーリーはわかっているのに原文だとなんでこんな更に
感動が深いのかさ…

けど上橋菜穂子さんの新刊も出たし(読んだ!後で書きますね)
こんな絵本も読んだりして並行してあちこち読み散らしておりますが


これは絵本。

The Rocky Mountain Limited (Express)---ロッキー山脈特急 に乗車するはずが

「お、それなら、The Rocky Mountain Unlimitedだよ!」って
( ´艸`) Unlimited… すげー

で、それに乗って、春休みの子どもたちが恐竜を学びに行くわけなんですけど


個人的にツボだったのが
引率の先生 Miss Pym.

アメリカの学校ってさぁ、どこにも結構 Missナントカって(独身の)
私の通ってた高校にも二人ほどいらっしゃったけど
偏見って怒られそうだしそうじゃないMissの方もたくさんいらっしゃるとは思うんだけど

ちょっと風変わりなっていうか…^^
(そういえばこの本にもいたね!Missトランチブル♪)

そんなちょっとズレてる先生Miss○○の雰囲気がよく出てて

このMiss Pymは子どもたちといっしょに次々起こる妙なことに
一生懸命誠実(疑問を持たず!)に対応して

でもたくましくって

恐竜にスーツケースを取られて追いかけたり
裸子植物の巨木の間に洗濯ものを干したりして( ̄w ̄)

でもちゃんと子供たちを連れて帰るのだ

わたしもこんな大人でありたい。


posted by しろくま at 14:30| Comment(0) | 絵本

2014年09月18日

P.フライシュマン絵本まつり♪

(...と、勝手におまつりにしている)( ´艸`)

先日から急遽ハマっているP.フライシュマンですが
前にも書きましたが初めに読んだのは絵本でした(たぶん)

ウェズレーの国 --- ポ−ル・フライシュマン/作 ケビン・ホークス/絵 千葉茂樹/訳 あすなろ書房 1999

でも正直言うと、これはそんなにおもしろいと思わなかった。
むしろ絵の鮮やかさがつよく心に残るような。(文章が負けてるっていうかさ)


次は

The Matchbox Diary --- Paul Fleischman, illustrated by Bagram Ibatoulline, Candlewick Press, 2013

これは先月多賀先生の「本の会」に初めて行った時に
日本語版の「マッチ箱日記」

を紹介してくださって
(長いのでそのときは拾い読みでしたが)

けど…
この(日本語版の)表紙のタイトル字は、絵的にあり得ない!!!
もうちょっと何とかならんのか〜!と思って
原書を取り寄せて見たらやっぱりさ。  どうっすかコレ?
(大変だとは思うけどこういうところも大切に翻訳してほしいものだ…)

なので
和訳はきちんと読んでいないのですが原書の方を読みまして
素晴らしかったです

この作者は、社会のなかで弱い立場の人に心を寄せて物語を書くひとね。
(と、"Seedfolks"でもそう思いました)

で、味をしめたわたしが次に読んだのは

The Animal Hedge --- P. Fleischman, illustration by Bagram Ibatoulline, Candlewick Press, 2008(paperback)
もうこれがさー
またツボでさ―

お父さんと3人の息子。
っていう
昔話っぽい設定ですが

それぞれが
いちばん好きなものを見つけるのよねぇ
それが
アタマで考えても見つからないのよねぇ
そのときに父はどうしたか…

あーーー深い話っ(それでもってミッション探し系)

邦訳は

「おとうさんの庭」
そこそこ素敵だけど、でも、やっぱ原文の方がいい…
でもって
表紙の上の方の枠が2重になっているところにはぜひ文字を入れていただきたかった…
(作者名でもタイトルThe Animal Hedgeでもいいから)

(うふっ わたしってばヨクバリ♪)



そうそうちなみに
「ウェズレーの国」の原書も読んでみましたよ

Weslandia --- P. Fleischman, illustrated by Kevin Hawks, Candlewick Press, 2002 (paperback)
これ絶対原文の方がいいです。
和訳ではずいぶん省略されている部分に、
フライシュマンのぴりっとした文章が楽しめる個所が
詰まっています

この方は小説家でそれでもって絵本も絶対に(そりゃ、それぞれ絵もすてきだけれど)
「文章」が素晴らしいので…


翻訳って難しいわねぇ。訳者の方もきっと悩まれたでしょうねぇ…



posted by しろくま at 17:27| Comment(0) | 絵本

2014年08月30日

「アイウエ王とカキクケ公」「九月姫とウグイス」


アイウエ王とカキクケ公 --- 武井武雄/原案 三芳悌吉/文と絵 童心社 1982


九月姫とウグイス --- サマセット・モーム/文 光吉夏弥/訳 武井武雄/絵 岩波書店 1954

昨日アメリカに住んでる方の妹と電話しておりましたら
(妹のところは男の子が3人もいてそれはそれはやかましいし、外国だし、なにかと心配ごともあってたいへんそうなことがあるのだー)

そういえば…って思いだして「MINDSET」の話をしてました。

読んだのはもう半年前なので、大して覚えてはいないんだけどでも
要するに
あり方が(大人であっても子どもであっても)頑なで自己防衛的になってしまうのは
結局
「人間は成長できるものだ。失敗は糧になる」
っていうことが身についているかどうか、なんだよねきっと。



妹が「じゃぁどうやって(そういうmindsetを持てるように)育てたらいい?」っていうので
いろいろおしゃべりをしていたのでございますが

昨日ご紹介した本
を そういえば…思い出して、ふと
思いつくことがありました。

わたし、ちゅん2がほんの小さい頃から
いえ、大して自慢できるようなちゃんとした育児はしておりませんのですが(特に生活時間なんってテキトーでしたわ)
これだけは…とできるだけ心がけていたことがありまして

それはね
「ものごとのよい面をみる」っていいますか
「現象やら人やらのいいところをひとこと補足する」っていいましょうか

たとえばねー
ある日ショッピングセンターの駐車場から出てきたら外は土砂降りで、
出口では係員のおじさんがカッパ着てびしょぬれになって誘導してくれている
とするでしょう。

「おじさん、びしょぬれだねー」

っておわっては
(大変そう…)とか(しんどそう…)はたまた(かわいそう…)な後味なってしまうといけない
と思い

「でも、おじさんがんばってるね!すごいねー」

とひとこと添えるとか。

まぁ、いわば、
ものごとには大抵いい面があるってこと、そっちにフォーカスできるような
こころの癖がつくといいなぁ、っていう親心なのでございますが
(でもね、人と接するときなんかも、こういう癖を身につけてると大変心安らかだったりするのでございます)

だからあるときちゅん2@8歳が、学校のクラスメイトのことを

「ママ、ふつうしずかにしてる人は、知力高いよ。
わーわーわーわー言ってる人は、
せんとう力高いよ」
(これ、三国志キャラブックの能力データでたとえているのでございますが…彼なりに…)
っていみじくも言いました時
結構嬉しかったのでございます^^

そしてこの「よい面をみる」っていうことは
昨日の本の和平さんが
日々実践されていることと同じなんじゃないかなぁと思ったのでした


と、前置きがずいぶん長くなりましたが



絵本です( ̄w ̄)
武井武雄さんつながりで2冊。

どちらも、おもしろーい
(ウグイス姫は、若干教訓的ではありますが…)

とくに
「アイウエ王〜」が面白くってだいすき!
読んでて笑えてきます。

小さい子も楽しめると思うけど
意味がちゃんとわかって「ぷぷぷ」って笑えるのは実は中学生以上だったりして。




posted by しろくま at 17:42| Comment(0) | 絵本

2014年04月25日

"The Bake Shop Ghost"


The Bake Shop Ghost --- by Jacqueline K. Ogburn, Ilustrated by Marjorie Priceman, Houghton Mufflin Harcourt, 2005


…ということで、やっぱり原書が気になるぅ

読んでみましたらばまぁ
(訳書とは)味付けの違うお料理みたい

こちらの方が軽妙で、スピーディーで、wittyでございました


…物語の翻訳って大変なお仕事だわぁ。


そうそう

「あくまの心臓よりもくろぐろとしている」チョコレートケーキは
てっきりdevil's food cakeだとおもっていた

"The chocolate in her Mississippi mud pie was darker than the devil's own heart"

なんだってー mud pie!!

ナンダロウMisssissippi mud pieって!!!!
妄想炸裂しますこと〜



英語の原文の方を読んでいると、
"sweet"っていう単語がとっても大切に思えてくる。

そもそも死んで幽霊になっちゃったケーキ屋のおばあさんCora Leeは

"Cora Lee must have poured all her sweetness into her work, because there wasn't much sweet about her looks."

だったんだものね。

彼女が出した条件、食べたいって言ったのは

"Make me a cake so rich and so sweet, it will fill me up and bring tears to my eyes.
A cake like one I might have baked, but that no one ever made for me."


でした。このおばあちゃん、sweet^^


posted by しろくま at 22:23| Comment(0) | 絵本

2014年04月19日

「ケーキやさんのゆうれい」


ケーキやさんのゆうれい --- ジャクリーン・K・オグバン/作 マージョリー・プライスマン/絵 福本友美子/訳 フレーベル館 2007


ランチに入ったカフェで窓枠に飾ってありました。

このお話、だいすき!
絵もすてきなんだけど、絵がなくても十分おはなしが好き〜〜


おいしいケーキを作り続けた偏屈おばあさんコーラー・リーのゆうれいと、
若いケーキ職人アニーとの、ちょっぴりふしぎな友情の物語^^


いちばん最初に出てくる、
「あくまの心ぞうよりも黒ぐろとしている」チョコレートケーキって
もしかしてもしかすると
アメリカ人の大好きなDevil's food cakeのことだわね!?

あー懐かし!!



うふうふ



いいなぁいいおはなしだなぁ。



posted by しろくま at 23:52| Comment(0) | 絵本

2014年03月17日

「やこうれっしゃ」


やこうれっしゃ --- 西村繁男 福音館書店 1983

つい先日(ダイヤ改正の前の日か〜)
寝台特急(ブルートレイン)「あけぼの」がその日で引退だとかで
朝からTVで紹介されてました

最後まで残っていたブルートレインなんでしょうかね?

TVには、昔田舎から上京してきて、
いつか帰省のときに「あけぼの」に乗ろう、と必死で働きました
って方々が
何人も出ていらして

「大げさみたいだけど、(あけぼので帰ることは)故郷に錦を飾るようなものでした」
っておっしゃっていました。

そうかぁー…


私もブルトレには、なんどか乗った記憶が…

小さい頃、北海道から父の実家に帰省するときに一度乗った覚えがあったり
(すごいわくわくした!!電車にベッドがあるなんて〜〜)

高校時代に留学の試験やら手続きやらで何度か東京へ行くときに、
一度ブルトレで行ってみようと思って一人で乗ったこともあるし

スキー(今はなきSPUR号)にいく時ブルトレ仕様のものに乗ったこともあったっけなぁ

夜中にふと起きて
窓際の小さい
椅子(壁から出すようになっている)に座って車窓を眺めたり

朝起きて顔を洗って歯を磨いたり

なんともいえない旅情がありました
(わたしは帰省ではなかったしなぁ)


って、前置きだけでもう終わりそうですが


この絵本は文字がないんです
絵だけなんだけど

読むのに大層時間がかかりますよ?( ´艸`)


乗客たちのそれぞれのドラマが幾重にも描き込まれています



ブルトレをしのびながら、じっくり読んでみた…


posted by しろくま at 01:15| Comment(2) | 絵本

"The Great Race"


The Great Race --- an Indonesian Trickster Tale Retold by Nathan Kumar Scott, Art by Jagdish Chitara, Tara Books, 2011

インドネシア民話の再話ですが、画がなんともいえず素敵です…

これは、インドの伝統的なテキスタイルアート…巻末にその説明がありましたが、
作者はWaghariっていう、代々女神(低いカーストの人々が進行する母神)の絵を布に描いてきた人々の一族の出身で
今回初めて本のために絵を描いてもらったのだそうです


お話はねー
マメジカとカタツムリが走る競争をして、カタツムリが計略で勝つ
っていう話ですけど
似たようなものを読んだことがあるよ
カタツムリじゃなかったと思うなぁ、しかも、親類総出だったような...


画がすごいです








(写真はこちらから)

これ見て思ったんですけどー


あのねーえ
「胎内記憶を語る」子どもたちが描く絵の中に、よく出てくるらしい
似たようなモチーフがあって(たしか、映画で言ってた)
おなかの中を描いてもらうと、ぽこぽこした丸いものを壁っていうか周りにびっしり描くんだって
それが、この↑絵の中にもある…


こういうのってどきどきします

posted by しろくま at 01:04| Comment(0) | 絵本

2014年02月10日

「河原にできた中世の町」


《歴史を旅する絵本》河原にできた中世の町〜へんれきする人びとの集まるところ〜 --- 網野善彦/文 司修/絵 岩波書店 1988


河合隼雄先生との対談で作家の今江祥智さんがこの本に感動したっておっしゃっていたので
読んでみました

(絵本だけど小さい子ども向けではありません。なんせ、「歴史を旅する絵本」だからねー)


いやーー
圧巻でした
絵もすごいんだけど

時代絵巻みたいな!
(絵を見ていると物語がたちあがってくるみたい)
それに
白い人と黒い人がいるんだよ〜〜
(脈絡もなくDarren Shan思いだしたりして…)

何か食べながらは見れないよ。


でも
やっぱり凄いのは(絵も凄いけど)文章とそのあとの解説と
そもそもこの企画自体ではないでしょうか

そういえば、網野善彦さんってつい先ほどこの本で中沢新一さんが「叔父さんです」っておっしゃっていたのを読んだばかり。
(この頃こういうことがよくあるなー。なんかバトンリレーみたいさぁ)



河原、っていう

この世とあの世の「あわい」のようなところ


どんな人が集い
どんな「場」として発展?しやがて町になり
日本の社会と人々の意識が変わっていったか

歴史の教科書にはほとんど出てこない庶民の、そして意識の、生々しい歴史やね。



ひょえ〜〜おもしろい。


それでね。

最後にこんな一文が。

「おこもり <29ページ>
なにか大切な願い事があると、人びとは神社や寺院におこもり(参籠)をしました。
子どもがないので子どもがさずかりますようにと祈ったり、悩みごとの解決を願い、何日間か神仏の前ですごし、夜も昼もお祈りをしつづけるのです。
とくにそこで見た夢は神仏の意志として非常に重んじられました」



これ、
今読みかけている本へのバトンです。あーおもしろ〜



posted by しろくま at 23:30| Comment(0) | 絵本

2014年01月13日

" Between Earth & Sky "


Between Earth & Sky -- Legends of Native American Sacred Places --- by Joseph Bruchac, Thomas Locker/illustrations, Harcourt Brace & Company, 1996

去年「英語絵本」の講演会に行きまして
そこでいろいろ紹介されていた本(この本とか♪)のうちの
一冊です。

アメリカの(北米のnative Americansの)いくつかの部族の神話・伝説が
見開きで載っています
1ページに文章、もう1ページに絵。


著者のJoseph Bruchacは「それでもあなたの道を行け」の著者ですねぇ
わたしの読んだことのあるところだと…

ご自身もAbenake族の血を引いていらっしゃるようです(wikipediaによると)


たとえばこの本にも収録されているHopiの伝説などは
本当はものすごく長く詳しく壮大なものを短くして紹介されているのですけど

(だからそれぞれ調べたらもっとおもしろいと思うな)

でも
この本の趣旨(っていうか…)は、
ストーリーにもなっているように少年に、彼のおじさんが
世の中にはたくさんの人々がいて、それぞれ神聖なる土地をもっていて
「どこだって聖地なんだよ」
っていうことを
尊重しようねっていうことを伝えているのだから

"Here is where we must look to see the sacred places that are all around us.
We must look within, through the eyes of our hearts.
Everything is sacred between Earth and Sky."



わたしは
「びんぼう神とふくの神」のお話をじっくり考えていたこのお正月休みのあとに
この絵本を読んでよかったと思いました

人が生きるということは
一心に誠実に
かかわる人や物を大切にして生きて

自分の住む所を、天と地の間のこの土地をほんとうの聖地にしていく営みだと思うから

posted by しろくま at 20:09| Comment(0) | 絵本

2014年01月09日

"Little King December"


Little King December --- Axel Hacke, Michael Sowa/illustration, Bloomsbury 2002


もともとはドイツ語で出版されたもので、これはその英訳だそうです。
体裁は絵本だけど、大人に向けた物語かなぁ

ドイツ語で読めないのが残念だけど、ドイツ語と英語は近い(もともとドイツ語の方言から派生したんだよね?)からまぁいいか…
(何がいいんだか分かりませんが)

声に出して読んでみた。



すごーくシニカルでもあり
すごーくかわいくもあり
すごーく美しくて
それで哀しくて

すごく素敵…


主人公の男の人の暮らす部屋の本棚の後ろには
指ほどの小さな王様が住んでいるんです
師走王2世(あるいは十二月王2世)
ぷっくり太鼓腹でね 結構短気でね


この王の世界では、人は大人の姿で生まれていきなりなんでもできて、
それから年をとるほどに少しずつ小さくなって
ものも少しずつ忘れていって、出来ることもどんどん減っていって
どんどんどんどん小さくなってある日見えないくらい小さくなって「いなくなる」んだって


理屈(いや、表現か)にあっているでしょう??
「文字通り」


王様と主人公は一緒にいろんなことをするんだけど
なかでも心をうたれたのは

ふたりが一緒に寝転んで夜空を見上げている場面
(王様は主人公のお腹の上で寝転んでいるんだけどね)




最後の、家中におびただしい絵を収集している人の話のところ

「想像してごらんよ。頭の中みたいなもんだよ」




そうだ 王様のいうとおり
私たちもわたしたちの頭の中に
(あるいはみえない「からだ」のうちに)
それはそれはたくさんの「絵」を集めてしまっているんだよね



王様は
想像することのすばらしさ
その可能性を教えてくれて
それは
王様の世界の人たちは成長する日々に豊かに得ているもので
この世界のわたしたちは成長するにつれ失っているもので…







絵もすごーく素敵。
このペアの、他の本も読んでみたい。


posted by しろくま at 00:18| Comment(0) | 絵本

2013年12月27日

「雪虫」


雪虫〈月刊たくさんのふしぎ〉 --- 石黒誠/文・写真 福音館書店 2013-11

先日阪急デパートに行きましたらクリスマス前で
大層ごった返しているおもちゃ売り場の片隅の絵本売り場で
この本を発見〜♪(会計にエライ時間かかった)

わたし札幌育ち(10歳までだけどさ)なので
初冬、たしか1日2日だったとおもうけど
そこらじゅう雪虫だらけになる…大人だったらキモチワルイって思う人もあっただろうなぁ〜
記憶があります

当時団地の3階に住んでいて、
3階までは登ってこないのも不思議でした。1〜2階あたりの、空気がそこらじゅう
雪虫だらけ。


そういうのって関西では見られなくて
でも
たまに1匹2匹、飛んでいるのを見かけることがあって
でも、群生しないものねぇ。違う種類かも…
(って思ってました。いまだによくわかりませんが)


この本。
科学・写真「絵本」とは言わないかもねぇ
今まで、全く!知らなかった雪虫の生態を丹念に追った本です

まさに目から鱗〜〜〜〜〜


トドノネオオワタムシ、っていう大してかわいくない本名のこの虫が
(いや虫の名前なんてそんなもん)

アブラムシの仲間で
1年に、単為生殖を繰り返して(アブラムシだねー)やっと羽根が生えて

それまで住んでいた「トドマツ」の根っこから「ヤチダモ」の幹に
卵を産むために集団でお引越しするのがあの
雪虫の乱舞
なんだそーなーーー!

(だから、「トドノネ」オオワタムシっていうのね)

ちなみに
ヤチダモ(タモ)からトドマツへのお引越しは初夏で
このときにも羽根が生えた雪虫になるんだって
あれー 見たことあったかなぁ





おもしろかった!


アブラムシの一生…単為生殖のことは、そういえば
小学校4年生のときにわたしはなぜか

放課後(あるいは休日)の小学校の校庭の「うんてい」をしている場面と一緒に…
うんていで遊びながら、アブラムシのこと考えていたのを思いだします。
ちょうどその頃、図鑑で読んだんだっけか?


へんなのー( ̄w ̄)

でもなんか、いろんなところで記憶っておもしろくつながっているもんだね。


posted by しろくま at 12:26| Comment(0) | 絵本

2013年12月15日

絵本を読んでもらうこと

昨日、多賀先生の絵本の講演会を聞きに、大阪は阿波座まで行ってきました。

(レトロな建物を改装した小さな会館で、なかなかすてきなところでした)

あのねー
行って帰ってきて、まだ調子が戻っていなかったからってのもあると思うんだけど
頭痛くなってまた寝込みました

たぶんねー
ちっちゃいときにタイムワープしたからだと思うのね
(いや、どうかな…でもたぶんね)

でもホントはわかってるけどね。
手放しで泣けたら頭痛はしなかったと思うの。やっぱりがまんしちゃうでしょう



前半はちょっとした講義で、後半は沢山絵本を読んでくださったんです
聞いてて
子どもだったころのこと、その時の気持ちをすごく思い出してた

わたしは
絵本の読み聞かせ会に参加しているので、練習とか本番とかで、
他の大人が絵本を読み聞かせてくれるのを聞く機会はわりとあるんですね

だけど
ホントに子どもの気持ちになって聞いているかっていうとそうではなくて
そういうときは
やっぱり多少批評的…あらを探すとかじゃなくって、やっぱり大人として
お互いに意見を言い合って高め合う場所でもあるし
いいおはなしだなぁじーん…って聞いてる部分もあるけど、やっぱり大人80%って感じで
「客観的に」聞いていたんだなぁって
思ったんです

だって
昨日のは全然違ったもん


たくさんの人が一度に聞いていたから
自分はその中に埋没して
ある意味安全感を持って聞いていたのかもしれないけどね

たとえば
この本。


アメリカにいる妹に、はじめて赤ちゃんが生まれたとき
わたしこの本と、これの英語版
2冊一緒にプレゼントしたんです
(こっちだったかも…はっきりしないわ)

赤ちゃんのお父さんはアメリカ人だから
お母さんからも、お父さんからも同じように読み聞かせてもらえたらいいなぁって
そう思って

でもわたし自身は、それからこの本をそうたびたび開くでもなく
子どもに読んであげたことはないし
ただ本棚の隅に置いておいたのですけど
(だから特別好きな絵本ってわけじゃぁなかったんだなぁ、ってこと)


でもね
昨日読んでもらうと(自分で読んでたのとはずいぶん)
違ったし、それに
わかったんです

この本は
こころのほんとうのこと」を書いているけど「実際のほんとうのこと」じゃぁないんだなぁって




たとえばこのお母さんは子どもが大きくなってからも、
息子が寝ている部屋に入っていって抱っこして歌を歌うんです
でも
たぶんそれは本当じゃないんです
隣町に住んでいる息子の部屋の窓の下に行って
そこから部屋に入るってきっと無理なんです

でももし、たとえ
息子が遠い国に住んでいたとしても
このお母さんはひと晩でその国まで出かけていってその子の部屋に入って抱っこして歌を歌うんです

だってそれは
こころの真実だからね


12年前もわたしはこの絵本を読んで感動したかどうかは覚えていないんだけど
(実際レビューを見ると、すごく賛否両論なんですねーこの絵本。スバラシイとかキモイとかね。日本語でも英語でも)

でも
昨日は涙が出ました



安全なところで、安全な気持ちで、誰かに絵本を読んでもらうことに
こんなに治癒的な効果があるって実感したのは
初めてでした


「絵本セラピー」とかもあるようですけれどもね。
でも
こういうのって受けたらいいってわけじゃなくって、聞いてる人次第なところってあるかも。
せっかくの読み聞かせも、客観的に、批判的に、
大人の心で聞いてたらもったいないんだろうなぁ




子どもの心で絵本を聞ける
そういう会をしたいな





posted by しろくま at 16:18| Comment(0) | 絵本

2013年12月10日

「しばてん」


しばてん --- たしませいぞう/作 偕成社 1971


実は先週風邪をひきまして、熱はもう下がったんだけども
声が…

全然でなくなってしまったのです
(漫画の吹き出しでいうと点々の線で描いた吹き出しの中に点線の活字って感じ)

まー こんなすごいのって初めて!
電話も出れないし。囁くようにしか喋れないし。
ちゅん2もつられてひそひそ声で喋るので、しろくま家ただ今大層静かでございます。


ところで。



先日、新聞で読んだんだったか…もう定かではないのですが

「学校(小学校)の音楽で短調の歌をさっぱり教えなくなった。
それから、『人の気持ちを察する』ことのできない子どもが増えた」
って主張している方がいらっしゃいました。

へーーー ちょっと短絡的?
なんておもいましたものの
でも
一理あるのかもねーなんて

人間は元気で明るいばかりではないから
だいたい「いつも元気で明るい挨拶をする子」なんて相当嘘くさいんだから
短調の暗い気分のときも(そういう自分も他人も)またいつもの自分であるわけだから
物事の明るい面ばかりを見ようとする、あるいは意義があるとする現実感には無理があるのだ


絵本もね

よく、子どもたちにどういう絵本を与えるとよいか、みたいな話のときに
いろいろ指標や定石があったりするわけで

行って帰ってくる物語
とか
子どもに安心感を与える物語
とか

(たとえば、「悪者」のオオカミが大人の妙な倫理観から「最後には仲良くなって一緒に遊びました」なんてお話は、
実は子どもの不安を…不安材料を残したままにしておくという意味で子どもにとっては安心できない恐ろしい物語であり、
「悪者」オオカミは腹を裂かれて殺されてしまわなければいけない、ということです。モチロンオオカミだけでなく。)

その他あれこれ。

以前長谷川摂子さんが書かれた文章で印象的だったのがあるんですけど
(出典探したんだけど見つからなかったので、表現はうろ覚えです)

ひさの星 --- 斎藤隆介/作 いわさきちひろ/絵 岩崎書店 1972
長谷川さんはこの本↑ は自分は認められないっておっしゃるんですね

「子どもが犠牲になる本は受け入れられない」みたいなことを書かれてました

このことを思い出すと、一緒に、なぜか同じ作者の「ベロ出しチョンマ」も思い浮かぶんだけど
これは長谷川さんがこの本も同じく…とおっしゃっていたんだったかわたしが勝手に連想したんだか(わかんない)

どっちも子どもが犠牲になるなんとも切ない胸をえぐるような物語ですよね
(ベロ出しチョンマは、子どものころ読んで衝撃を受けたのを、内臓感覚で覚えてます)


この
しばてん
も、そんなおはなし。
なんとも神々しい、
小さな子どもが、大人の身勝手の犠牲になる。


わたしもいまや男の子の母親だからか、
切なくて辛くてなんともいえない気持ちになる。



こういうおはなしはやっぱり小さな子どもにはしんどいだろうなぁ



登場人物とまるっぽ一体化する時期を過ぎた、
ある程度客観的に見れるようになった子どもたちになら
慎重に手渡してあげるのも
いいんじゃないかなぁ


「短調の」ものがたりとして。


posted by しろくま at 15:45| Comment(2) | 絵本

2013年11月29日

ともだちって… 「ちいさなろば」


ちいさなろば --- ルース・エインズワース/作 石井桃子/訳 酒井信義/画 福音館書店 1979


クリスマスの絵本といえば、いろいろ好きなのがあって、
以前にもおさかなやでお話したこともあったりしますけど

この「ちいさなろば」はあまたあるなかでも大好きな絵本。

おはなしの作者と訳者は、あの、

の黄金ペアでございますねぇ…(⌒‐⌒)


せつなくってやわらかくてあったかい、すてきなお話なんですけど
読むときに、じつはですよ、かすかな違和感がありましたのでした

違和感っていうかね、それは私の作りだした違和感でしてね…



この主人公のロバくん、クリスマスプレゼントに、サンタさんから
ともだち
をもらうんですけど


あれ?ともだちってもらうもん?
自分でつくるもんじゃなかったっけ?



でもですね

そのあとよくよく考えてみたんですけど
ほら
「友だち作り」って言葉があるじゃあないですか

ふだんあんまり気にかけもこだわりも違和感を持ちもしないありふれた言葉


でもさ

友だちって「つくる」もんでした?
(余談ですが「子づくり」もおかしいんよね。まぁこれはまた別の話。)



大人になって
たとえば仕事上の知り合いを増やすとか
引っ越して知らない環境で暮らすことになったときとか
Facebookでつながるとか
etc.

そういう「自分から友だちを求めてアクションを起こしていく」状況も実際間違いなくあるとは思いますけど



あれ?? でもさ。
ちゅん2が育ってきた中で、友だちとのかかわりも見てきましたけど
なんか…
自然発生的に一緒にいるような感じよ?
それで、そんなともだちが、好きで好きでたまらないみたいよ?



あぁ、そういえば…



自分の子どもの頃、若かった頃のことを思い出してみたら

ともだちって…いつのまにか一緒にいるもの

じゃなかったですか?


あーそうか
「友だちはつくるもの」って
なぜか
刷り込まれていたかな
無意識に
考えもせずに
疑問も持たずに


自分の実際だってそうじゃないってのにね

頭で
頭と心が乖離している「大人」病がここにも
(「中2病」を真似っこしてつくってみました)( ̄w ̄)


友だちって
つくるものじゃなくってできるもの
できるものっていうよりも

気がつけばそこにいるもの
いてくれる人
そして
そこにいてくれる人に気づくこと
その人を大切に思うこと


…やっぱりわたしはそうおもいます…




先日改めてこの絵本を読んで
こころがほっこりしました

そしてこちらも改めて思いました
子どもってあいかわらずいろんな大切なことに気づかせてくれるなぁ
師匠!



( ´艸`)




先日、TVを見てたらコマーシャルで
インスタントだしの宣伝でしたけど

スーパーの棚の前で娘さんがお母さんに
「お母さん!まだ『だし』とってるのー?!」


っていうのがありました

うひゃー驚いた〜

「だし」はとるものじゃん
そもそも
やむを得ないときに使うもんじゃん「インスタントだし」ってのはさ


でもー
このコマーシャルってばさ
出汁、とるのって遅れてること、古いこと、もっとよいことがほかにある、って
言わんばかりじゃないですか

あーおどろいた

まさかコレ鵜呑みにする人はそうそういないとは思うけど
(似たコマーシャルで「お父さん、スマホにしなよ〜〜今はスマホだよ〜〜〜」っていうのもありましたっけ。これも理由はおろか意味不明だけど、こっちを鵜呑みにする人はもっといそう)


みんな考えてるよね?コレ、おかしいって自分で考えるよね??
ってTV見ながらつっこんでたのですが


わたしもそうそうよくじぶんで考えてはいなかったよ。
というのがこの
「ともだち」の件で思い知りましたよ

考えていなかったっていうか…
感じていなかったっていうか?



もうあさっては師走ですねぇ








posted by しろくま at 14:24| Comment(0) | 絵本

2013年11月22日

"There Is a Flower at the Tip of My Nose Smelling Me"


There Is a Flower at the Tip of My Nose Smelling Me --- Alice Walker, illustrations by Stefano Vitale, HarperCollins, 2006


先日聞きに行った「英語絵本」の講座で
紹介されたたくさんのすてきな本の中で
一番好きだったのがこれ。


著者Alice Walkerはあの、あの、The Color Purpleの原作者だって。

とても心惹かれながらどうしても観る勇気の出ないあの映画の。
(本だったら大丈夫やろか?)



There is a flower
At the tip
Of my nose
Smelling
Me.

There is a sky
At the end
Of my
Eye
Seeing
Me.

There is a road
At the bottom
Of my
Foot
Walking me.



...と、つづくのですが



なんて瑞々しく生き生きと

生きてる!!!

ってことを描いた詩なんだろうかって



There is a poem
In the cradle
Of my Soul
Rocking me.




世界がダブルに、新しく瑞々しくaliveに、広がったぁぁぁ

posted by しろくま at 22:09| Comment(0) | 絵本

2013年11月17日

"Roxaboxen"


Roxaboxen --- Alice McLerran/text, Barbara Cooney/illustrations, HarperCollinsPublishers 1991

表紙買いしたら大好きなバーバラ・クーニーだった…♪
(ネットで買ったから画像が小さくって、小さい字まで読んでなかったみたいです)

しあわせ〜^^


それに、お話も、すーごく好き。
こんなに大人数ではなかったけど
小さい頃の遊びを思い出すなぁぁ


いまのこどもたちは
こういう豊かな時間を持っているかな


舞台はアリゾナです
以前訪れたあの空と大地を思い出す…
arizona.jpg


乾いた赤い大地
そうそうトカゲもいたっけ
lizard.jpg

きっと実際の生活は楽ではないはずよ
でも
大人から見ると時に過酷な荒涼とした大地に
子どもたちは想像力で魔法をかけるんやね

Roxaboxenっていう名前がもう魔法の呪文

岩rocksだらけで木箱boxesの転がってる丘が…


比類のない

たぶん厳しい現実の分それだけ一層
豊かな
いつでもいくつになっても戻ってゆける美しいこころの世界



posted by しろくま at 02:18| Comment(0) | 絵本

2013年11月15日

「ロバのシルベスターとまほうの小石」




今日は午前中に友の会行って家計講習会のリハーサルして午後に髪切りに行ってそれから夕方に…

小学校の育成センターで絵本を読んできました
(なんかくるくる動いていたような一日でした)

いつか、いつか読んであげたいと思っていたこの本

ロバのシルベスターとまほうの小石 --- ウィリアム・スタイグ/作 せたていじ/訳 評論社 1975



「いつか」なんていうとなんだか大層でございますが

まぁいつもは図書館や保育所で子どもたちに読むことが多いので
あんまり2、3歳の子だとさすがにコレハちょっとどうかなと思うのと(子どもによるけどもさ)

15分近くかかって長いので

読み手の方にも

結構気合というか根性というか(いや、違うか)覚悟がいる(ヨウな気がする)のでございました
(気合いが足りないと集中力が続かなくってだれるし疲労困憊するのよね)


今日はね…

1〜3年生だったし
いい季節だし(?)


楽しかったなー
なによりいいお話だし


シルベスターが岩に変わってしまったあたりから
一番前に座っていた女の子の顔が
どんどん険しくなっていって
痛いのを我慢しているみたいな

こっちを向いている小さい顔がみんな、浮かぬ顔で心配そう

でも
でもでもっ

「ふたりは、イチゴ山に行きました」


「ほぉぉぉぉ・・・!!」
っと大ーきなため息が


くー
たまらんこの臨場感



せたていじさんの訳は時折言い回しがムズカシイですがやっぱり味があってすてきですねぇ
こういう言葉が子どもの中にしみとおるってなんてすてきなんだろうな
(やっぱり原書も読みたくなってきたな)

このお話は、絵本でなくて語りでもきっといいわね
こどもたち、絵ではなく筋を追っているのがよくわかったもの


楽しかったな
ありがとうございました





posted by しろくま at 21:27| Comment(0) | 絵本

2013年08月28日

「おおきなカエル ティダリク」


おおきなカエル ティダリク ―オーストラリア アボリジニ・ガナイ族のお話― --- 加藤チャコ/再話・絵 2000年 福音館書店

先日この本(「アボリジニのむかしばなし」)を読んで、気に入ってたお話のひとつ。
アボリジニの子どもたちはみんな知っている有名なお話、って書いてありましたのですが

絵本になっているものを見つけたので読んでみました。


絵も楽しいし
テキストも、さすが(福音館?)こちらの方がずっとこなれていて聞きやすい。



オーストラリアの自然はわたしたち日本人にはあまりなじみがなく珍しいものだし
風変わりな動物も多いから(想像できないけど、そこが魅力でもあり)
そういう雰囲気は絵本媒体に利があるわねぇ


やっぱりおもしろい!(^○^)




posted by しろくま at 23:44| Comment(0) | 絵本

2013年08月20日

「しちめんちょうおばさんのこどもたち」


しちめんちょうおばさんのこどもたち --- 吉野公章/さく おのきがく/え 福音館書店 1974

この絵のすてきなこと!
小野木学さんって、あの「かたあしだちょうのエルフ」の人なんだぁ=!

この物語のすてきなこと!

あのさ、これは子どものための本でしょうか
(そうなんだろうけども)


うちのちゅん2も中学生。
思春期の、わたしの羽根の下から飛び立とうとしている、
そういう子どもをもつ母親には全くもってこたえられないものがたり…


読みながら喉の奥がつんとする


わたしは自分の姿を
このしちめんちょうおばさんの中に見るのだわ




相当好きな一冊

posted by しろくま at 20:38| Comment(2) | 絵本

2013年08月12日

「およぐひと」


およぐひと --- 長谷川集平/作 解放出版社

長谷川集平さんの絵本はなかなか読み聞かせで使う機会はないんだけど
(だいたいが幼児〜低学年ですからねー)
だいすき。(っていうか無邪気にだいすき(ё_ё)ってはちょっといいにくいのかも)


8月10日の朝日新聞でこの絵本のことが紹介されていて
次の日の朝にamazonで探したら2〜4週間待ち(確か…)になっていて
それでその日のうちにジュンク堂(たまたま近くの図書館で読み聞かせをする日だったのさー)に行ったら買えました(あと1冊あったよ)


記事によると…

「だが、2011年3月11日を境に、筆が止まってしまった。『原発事故も含む深刻な被害に、表現者としてお前はどうするのかと、人生で一番厳しい問いを向けられた』
昨年10月、散歩から帰って自宅でぼうっと座っていた時、突然、文章が浮かんだ」


で、
「30分で一気に物語を書きあげた」

のだそうです
「長谷川さんは被災地に行ったことはない」



出来た物語(まだ絵はなかったようです)を、でも出版社は
「うーん。今さら」

そのとき震災から1年半、「書店から震災関連本が姿を消しつつあった」

ようやく今年4月、
解放出版社から出されることになったのだとか。





1年半で「今さら」になるのか…





わたしはそれに衝撃を受けました





1年で今さらになるのか


この国は?



だったら



70年近く前の戦争のことなんかも





とっくに忘却の彼方
っていうのは至極当然のことなんだな




社会的に?
忘れようとするの?(忘れて出発しようとするの…??)



それがモンスーンの国の集合意識(?)?




でも人のこころの中には

あるいはからだの中には



年月を経てますますはっきりと形をとりはじめるものもあるでしょう






この絵本は


主人公が日常に戻ってきて描線が赤から青に変わるのが
印象的
(でも一番最後は日常の風景が赤い線描になる)


「まだ ことばに できそうにない」



















posted by しろくま at 22:31| Comment(2) | 絵本

「ざりがに」


ざりがに --- 吉崎正巳/ぶん・え 須甲鉄也/監修 福音館書店

このごろちょっと気に入って
図書館は保育園の読み聞かせで読んでいるのがこれです
小学生の頃、お濠でザリガニ釣りをしたのを思い出すからかな…


先日ちゅん2のお世話になっていた保育園で
(月1回読み聞かせにうかがっているんですけれども)
これを読みまして
(このとき読んだのは他に、



それから手遊びや谷川俊太郎さんの詩であそんだり…デシタ)


終わってから
女の子たちが寄ってきてぺちゃくちゃおしゃべりしたりして
その間
男の子が一人、いつのまにかちんまりとわたしの膝の上に座って
向こうを向いているんです

誰かなーと思って降りたときに顔を見てみたらさっきまで一番前で
聞いていてくれてたやんちゃそうな男の子で
(お話が始まる前は他の子と揉めていた)

その子が何も言わずにわたしに背を向けておひざに座ってじーっと…



かわいーい
(でもちいさい背中にちょっと胸をつかれた)


女の子たちは楽しくおしゃべりしてお茶をもってきてくれて誰が(わたしの飲んだコップを)下げに行くかで揉めていた
うち一人は、読み聞かせ中ずっとわたしの足につま先をくっつけてた子

かわいーい^^

子どもには子どもの事情があるよね
がんばれー



posted by しろくま at 10:21| Comment(0) | 絵本

2013年06月14日

「空とぶライオン」


空とぶライオン --- 佐野洋子/作・絵 講談社



いや〜この写真 ちっさ!(ってamazonのですけど)


先日、小学校の育成センターに絵本を読みに行ったので
その前に何を読もうかなぁって家であれこれ考えてて…


久しぶりにこの絵本を出してきて読んだのですが
(結局育成では別の本を読みました)


この絵本には「ライオン」と「ねこの集団」がでてくるでしょう
(それから最後のあたりには「ねこの親子」も)


この猫の集団がね…

「集団になると、(人は)考えなくなる」のまさに戯画でさ



「おうー これでいこうぜ♪」

って、ノリで一つ方向に流れる…みたいな…(たとえばよ)



誰もふと立ち止まって深く考えてみなかったんかいな



マスコミやプロパガンダに流される市民みたいやな


この絵本自体は、人それぞれいろんな捉え方をするだろうなと思います



苦すぎて子どもの前では読めないのに
子どもの受け取るものが何なのかを知りたくなたりして
(ま、子どももトーゼンいろいろやろけどねー)




最後のページのライオンの顔からブルーの影が消えているのが救い
posted by しろくま at 23:05| Comment(0) | 絵本

2013年04月15日

大切な人を失うことの絵本


じいじのさくら山 --- 松成真理子 白泉社


大きな大きな船 --- 長谷川集平 ポプラ社

「じいじの…」は、今年桜が満開のころに読もうと温めていた本で
今月早々の図書館のおはなし会で読みました

小さい子もいたけれど、そして少し長めの絵本ではあるけれど
表紙のなんとインパクトのあること
2歳の女の子が一番前の席まで回ってきて聞いてくれた

「おれ」の、じいじがだいすきな気持ちが
まっすぐであったかくてあどけなくてせつなくて

練習したんだけどなぁ
読むとやっぱり、かすかに鼻声になってしまう

じいじが植えた桜の木が
じいじのあったかい心のような木が
ずっとみんなを見ていて包んでくれるね
(木の言葉を受け取るあたりは、「満月をまって」をちょっと思いだします)


「大きな大きな船」は

「父さん」の、「ぼく」の、そして「母さん」の
…母さんはじつはそこにはいないんだけれども…
愛がいっぱいに、あふれた本。

見返しの絵も、なんというか象徴的でいいんだなぁ

すこし乾燥しているような空気が
急に潮の香りたっぷりの大きな流れになって世界いっぱいに広がるような

そんな本。(もちろん鼻とのどの奥がつんとなる)



「よい絵本には『人間とは何か』が描かれている」と
絵本伝承師の講座で先生がおっしゃいましたけれども

まぁでも考えてみれば文学作品というのはすべからくそうであって
(そしてたぶん舞台芸術や美術や…も…)
決して絵本に限ったことではないのでありましょうが


いい本だなぁ。

「大きな大きな...」作中にでてくる、シャンソン La Mer ↓
posted by しろくま at 12:33| Comment(2) | 絵本

2013年02月20日

雪の日のおはなし会

今朝起きたら…って日付はもう昨日だけどさ(それに寝不足で時間ぎりぎり

一面の雪!

しかもどんどん降ってくる( ´艸`)

小学校のおはなし会の当番だったので
喜んで雪の本をもって向かいました


25分休みを利用したおはなし会で、時間は正味15分くらいなので

読んだのは

ゆきのひ --- エズラ・ジャック・キーツ 偕成社



おかしなゆき ふしぎなこおり --- 片平孝 ポプラ社


「きょうにぴったりやん!!」とツッコミながら走ってくる男の子(さすが関西)

見慣れない雪の写真に口を開けて驚く子どもたち

あーたのしかった♪寝不足を忘れました( ´艸`)


雪の本は、たくさんあって2つに絞るのは難しいですねぇ^^


posted by しろくま at 00:24| Comment(0) | 絵本

2012年12月23日

クリスマスの絵本

先月お目にかけました
気の早いクリスマス本 その1

その2

に続きまして

…続きましてって…もう明日はクリスマスイブ☆でございますねぇぇぇぇ(ギリギリ!??)

23日の今日は、午前中、図書館で子どもたちに読み聞かせをしてきました

小さい子どもたちが、目をまんまるにし、あるいは笑い、時折息をのみながら、おはなしの世界に没頭している様子…
大変かわいらしくほほえましく一足先にプレゼントをいただいたような気持ちになりました^^


今日は、このごろ好きな、クリスマス絵本のご紹介。
(自分向けっていうかねー、子どもたちには読まないだろうなって本もございます^^いつものことながら)



とってもふしぎなクリスマス --- ルース・ソーヤー/文 バーバラ・クーニー/絵 掛川恭子/訳 ほるぷ出版

絵も素晴らしいし(バーバラ・クーニー大好き〜)、お話も素晴らしいし、訳文も素晴らしいし
これは今一番好きかも。

著者のルース・ソーヤーはおはなしおばさんとして語りや読み聞かせ(たぶんね)などの活動もされていたんだそうです。
お話が始まる前にある、「むかしむかし…」ってランプのそばに子どもたちが集まってお話を聞いている絵の女性は
R・ソーヤー自身かもしれませんね^^


アルプスの山間の村を舞台に、あるクリスマスイブの夜、
つつましく暮らす家族と、ゴブリンの王様のあいだに起こったふしぎな出来事。

声に出して読んでもひとつも引っかかるところがなく
ほのぼのと愉快であったかい気持ちが残る絵本です。


バーバラ・クーニーが手掛けたクリスマス絵本は多いですよね〜
これもそのつながりで。

おもいでのクリスマスツリー --- グロリア・ヒューストン/文 バーバラ・クーニー/絵 よしだしんいち/訳 ほるぷ出版

アメリカの山間の村のクリスマスの伝統と、
そこにくらすひとたちの質実さと誇りを描いたお話。
主人公は女の子だけど、そのおかあさんがすごいんです!

こういう時代の、アメリカのこの地方の絵をかいたらバーバラ・クーニーってホント凄みがありますよねぇ


ただ…声に出して読むと多少読みにくい。
それと、原題は"The Year of the Perfect Christmas Tree"というのですけど
これは原題の方がずっとずっとすてきです…

カンペキなんです。子ども時代は。そしてこの時は!
だからルーシーは、いくつになっても、この年のクリスマスのことを、心にずっとずっと大切に抱いて生きてきたんです。

それに
「バルサムモミ」という木が出てくるのですけど
balsam fir --- と聞いたときに、浮かんでくる凛としたあたりをはらうような香りのイメージが、
日本語の読者には伝わらないかも。あぁザンネン…


もみの木といえば

モミの手紙 --- ロバート・フロスト/作 テッド・ランド/絵 みらい なな/訳 童話屋

これはフロスト(霜)おじさんから届いた手紙の体裁です。(まぁ著者の名前なんだけど。)
一番初めにその手紙が原文で出ています。

詩のようで…(ナノデ原文ちょっとムズカシ)

他者の訪れ、他者の目を通してみたことによって、
じぶんのもっていた宝、誇り…に気づくおはなし。

そうそうこれも、香り高いバルサムモミ。


新しいクリスマスのお話は

水曜日の本屋さん --- シルヴィ・ネーマン/文 オリヴィエ・ダレック/絵 平岡敦/訳 光村教育図書

町角の小さな本屋さん。そこに水曜日はいつも入り浸る女の子。
いつも出会うおじいさん。このひとも
いつも決まった椅子でいつも決まった本を読んでる…

そしてある、クリスマス前の水曜日…


しずかで、おだやかで、あったかくて

こんな本屋さんの近くに住みたーい

「よかったわ。あの本は、そんなに重くなかったんだ。」

本の重さ
人生の重さ
重さもいつかは軽くなること


そんなことを考えてしまう。絵本。



で、この人の絵がずいぶん好みなんですよね

同じ画家の絵本で
(これはクリスマスがモチーフの絵本ではないんだけども)
…あ、そうそう、いつだったか原画展で見た、「リタとナントカ」の人。本読んだことないけど。NHKでアニメも放送していたんでしたよね?


いつか、きっと --- ティエリ・ルナン/文 オリヴィエ・タレック/絵 平岡敦/訳 光村教育図書

わたくしこの絵本はジャケ買いでございました( ̄w ̄)

ひとりのこどもの決意のはなし。
でも
ひとりはみんなで、わたしたちもきっと…

ちゅん2がほんの小さかったころ(4才だったのかぁ…)に、話してくれたことを思い出した...




みなさまに、ハッピーメリークリスマス★
あったかいクリスマスを、お過ごしください

posted by しろくま at 16:10| Comment(0) | 絵本

2012年11月27日

アメリカ奴隷時代を描いた絵本


ヘンリー・ブラウンの誕生日 --- エレン・レヴァイン/作 カディール・ネルソン/絵 千葉茂樹/訳 すずき出版


ぬすみ聞き〜運命に耳をすまして〜 --- グロリア・ウィーラン/文 マイクベニー/絵 もりうちすみこ/訳 光村教育図書

連休でしたが、皆様いかがお過ごしでしたでしょうか?

いいお天気でしたよね^^
わたしは、ちゅん2と軽く山歩きをしたり、図書館で読み聞かせをしたり…
家族がいると、なかなかblog書きにPCに向かえないもんでございます


さて
たまたまですが、図書館で目にとまった絵本がこの2冊でした

いまさらながら
アメリカという国は
長い黒人奴隷時代の…奴隷として物として売買され搾取された人々の…
酷い犠牲の上に成り立った国だなぁって思います

黒人だけではなく、もともとそこに住んでいた人たちも…


もう何年も前になりますが

アメリカから来られていた英語の先生の、授業を受けたとき

その方はぱっと見白人ですけどおばあさまがアメリカン・インディアンとのことで
ご自身の出自に強い誇りと関心とを抱いている方で
(青年でしたが)

アメリカの(アメリカ人も学校では習わないとか)負の歴史についても、いっとき話をしてくださったことがありました

そのあまりの残酷さに…

わたし調子を崩しまして、吐きに吐いて、ひと晩寝込んだことがありました
(いまだに「カラー・パープル」などは観れません)

「ヘンリー・ブラウンの誕生日」のほうは
妻子と引き裂かれ、自由を求めて脱出を企てた(有名な方だそうです)黒人男性のお話です

あのあと(奴隷解放令のあと)一家はまた会えたのでしょうか
彼は自由になった後も、心から喜べたでしょうか

表紙の、
正面からこちらを見据える、男の子(幼いころの彼)の目がとても印象的で
この子がいとおしくてたまらなくなってしまうよね


「ぬすみ聞き」は、原題が"The Listeners"です
大人たちのために、毎晩主人の邸宅の窓の下で
息をひそめて漏れる話を聞いていた、子どもたちの話ですが

Listeners には、それ以外の人たち…発言する権利も与えられず、ただ黙々と働いていた大人たち…や
それをいま聞いている読者のわたしたち…なんかの姿も
大きくは暗示されているような気もします

主人公の女の子の背中、か細くも、しっかりと前を、先を見つめている様子が
そしてどこまでも青い空が
やはり印象的な表紙でした

どちらも、厳しく美しい本です



posted by しろくま at 10:43| Comment(0) | 絵本

2012年11月13日

"The Polar Express"


The Polar Express --- Chris Van Allsburg

ずいぶん寒くなってきましたね〜^^

今年は急に気温が下がったからか、紅葉がとてもきれいですよね

桜もウルシもキレイですけど(あ、そう言えばもみじまだ見てないなぁ)
街路樹のケヤキなんてね
こんなにキレイに変わるんだ〜〜!!!ってくらい(例年は茶色だったりしてたので)
鮮やかな赤や黄に輝いています

クリスマスまではまだ1カ月以上もあるので気が早いようなんですが
ここんとこ続けてクリスマスの本を読んでたので
いくつかご紹介。


まずはこれ!

実は、うちにあるのはこの↓

銀色の枠に赤いリボンとコルデコットのメダルのついてるちょっと華美な版の方でね

今思えば白いシンプルな方が好みですけど

この派手なやつは25周年記念って書いてあるんです

この本がはじめて出版されたのは1985年…

もう長いこと愛されている絵本なんですね

余談ですが和訳は村上春樹さんだとか
この本 も村上訳でしたっけね。読んでないんだけど

どっちもだいすき。村上氏と好みがあう?(なんちゃって)


クリスマスイブの夜
おふとんのなかでぴくりともせず耳をそばだてている少年。

友達がね、「サンタなんていないんだよ」っていうんですね。
これで、主人公はちゅん2よりちょこっと年下の男の子なんだなって分かりますよね。

友達はそんなこと言うけど、そんなのウソなんだ。
サンタのそりの鈴の音が聞こえるはずなんだ。

でも、本当に聞こえてきたのは…

しゅーしゅーいう蒸気と金属のガチャガチャいう音。
家の前に停まっていたのは、

大きな蒸気機関車!



中にはたくさんの子どもたちが乗っていて
大好きなお菓子を食べながら
みんなが向かったのは
北極にあるサンタの街…


あー これ、ちゅん2に読んであげたかったな
願わくば4年生くらいのころに


主人公の男の子はたった一人、選ばれて
その年の「最初のクリスマスプレゼント」をもらえることになるのです

男の子がほしいと願ったのは、あの、サンタのそりについている鈴でした
お布団の中で身じろぎもせず、待っていたあの音色の…


でもこれがね
このちっちゃい鈴が
本当に不思議な鈴だったんですね


絵も美しいし、なんともいえない読後感。
夢を見たあとのような...幼いころのeuphoriaに包まれているような。


ちゅん2がいつか大人になってから
英語を読めるようになってから
この本を手に取ってくれればいいかなぁ

(なーんて、思いつつ、やっぱり和訳を探してしまうかもね〜)( ̄w ̄)



posted by しろくま at 22:49| Comment(0) | 絵本

2012年11月02日

“HIAWATHA"


HIAWATHA --- Henry Wadsworth Longfellow/poem, Susan Jeffers/pictures, Dial

以前「ハイワサのちいさかったころ」っていう絵本をご紹介しましたでしょう

あんまり好きじゃなかったんですけども

先日BookOffをふとのぞいたら
これの、英語版がありまして^^

しかも、絵はこの↓本のSusan Jeffersでしたのよ

(「ハイワサの…」より)ずっといいでしょう?


調べてみてわかったのですけど

この絵本はどちらも、
Henry Wadsworth Longfellowという19世紀のアメリカを代表する詩人による
アメリカンインディアンの伝説を下敷きにした一大叙事詩"The Song of Hiawatha(ハイアワサの歌)"

長い長い詩編の一部である"3 Hiawatha's Childhood"の
そのまた抜粋だということで

かなり有名な詩のようで

この本の序にS. Jeffers自身が書いていますけど
彼女も小さいころから親しんで憧れて育ったとのことです

詩だから、っていうか叙事詩とはいえ、しかもそもそも違う伝説の人のことだったようでもあり
実在したハイアワサとは違うある意味ステレオタイプな「インディアン」像が
この詩によってあまりに有名になってしまったようでもあるみたいです(上記リンクより)

一口にアメリカンインディアンといっても
たくさんの部族とたくさんの文化があるものね


それにしても、ハイアワサがとっても有名なのは
(わたしの小さい頃は「ヒアワサ」の名前で伝説を読みましたけど)
そもそもの伝説のためなのかこの詩の故なのか…??


ともあれ

「ハイワサのちいさかったころ」で気持ちの悪かったのが
この美しい英文の詩でようやくすっきりしましたワ!!!


二つの本は詩の同じ部分を取り上げていますが
HIAWATHAの方はその前の部分…祖母ノコミスがどんなふうに月から地上に降りてきたか、
が見返しやら扉やらに絵で表現されているのですけど

これはたぶん

そもそもこの詩に親しんで育った文化を持つ人であるからこそ
(こんなところに絵だけで描いてあっても)理解できるのかなーとも思いました
(要は予備知識がないとねー)


それにしても

いっぺん全部読んでみなあかんなぁ
(いつか読めるかなぁ)<---若干弱気?( ´艸`) えへへ




posted by しろくま at 23:17| Comment(2) | 絵本

2012年10月23日

"little blue and little yellow"


little blue and little yellow --- Leo Lionni

たくさんの美しい絵本(絵本だけじゃないけど)を描いている、レオ・レオーニ。

邦訳は

「あおくんときいろちゃん」というタイトルです。

すごく美しくて、しかも人間を表現して深い…とびきり素敵な絵本なのだけれど
読むとなーんだか微妙に好きじゃなくって

それは

訳すると男の子と女の子になってしまうからなんだなー


パパとママに分かってもらえなかった二人は泣きすぎて"they were all tears"

全身散り散りの涙になってしまったふたりが
"they finally pulled themselves together"すると文字通りまた「自分」っていう塊になって
( ´艸`)


英語で読むと爽快でwittyで大変よろしい。(←エラソウ)

little yellowの性別も最後まで分からないまま〜^^

ま、どっちでもいいんだけどね。
どっちにも読めるこっちの方がずっと好き。



posted by しろくま at 16:13| Comment(0) | 絵本

2012年10月12日

ひょうご絵本の伝承師(講座)修了★

certificate.jpg
9月の上旬から毎週金曜日、
丸一日を神戸駅の近くで過ごしておりまして

兵庫県主催の
「ひょうご絵本の伝承師養成講座」っていうのに通っていたのですが

本日6日間の日程が終わりましてこのような
修了証をいただきました


「絵本の伝承師って… 何??」
と思いながら申し込んだ講座でしたが(なんと無料)
運よく抽選に当たりまして

運よくっていうのはコレガ本当に“よかった”みたいなのです

今回第6回目の開催でなんと最終回でもあり(知らなかった)
それに
「初回から応募してやっと(抽選に)当たりました…」っていう方もちらほらいらっしゃったのです

講座は当初思っていたよりずっとずっとずっと興味深いものでした


★ 絵本作家・イラストレーターの永田萌さんの講座では
作り手がどれほど誇りを持って創作していらっしゃるかを学びました
どんな本も…敬意をもって扱わなければと思いました


★ 編集者の松田素子さんからは
何歳になっても、人のなかには子どもだったころのその人がいる、ということ、

「10歳くらいまでの子どもたちに何かを届けるということは
最も遠い未来に球を投げるということ」

「目に見えない地下水のところに根を伸ばして描くこと…」


子どもたちと本とに携わる頂点からすそ野まで(まぁ何が頂点っていうかも考えどころですが…制作者だけじゃなく、わが子を含め子どもと関わるひとりひとりまでも含む)全ての人にとって
大切な心得を教わりました


★ 絵本画家の黒井健さんからは
…黒井さんの講座では、「絵本に挿絵をつける」実技の時間があったのです

これが楽しかった!!
どの部分を絵にするか、文章で直接語られていないことをいかに汲みとるか…

「深い理解が絵にも現れる」
ということを、実際のご自身の例をあげて語ってくださったことがとても貴重でした
それに

画法の説明まで!してくださって!!うぉー


★ 児童文学作家の大内曜子先生の講座では
(2日間もあったし、talkも面白く、そして内容もとても濃かったのです)
…そしてノートも一番たくさんとりました…


「子どもに絵本を読むということは、文学の入り口に子どもを案内するということ」であり
「他の芸術への一番の入り口になるのが絵本」

そのような位置づけにある絵本(児童文学)には

「人間とは何か」「人間とはどういうものか」
が描かれていないといけないし

(特に死を描こうとした絵本などは
作者自身が
「人を愛するとは何か」「生きるとは何か」
という哲学をしっかり持っていないならば、書いてはいけないと)


どんなかわいらしい動物の物語でも
「人間」がその中にきちんとえがかれているものが優れた絵本
ということを教わりました。


そして

「ページは必ずめくられる」…!!!

いま直面していることだけがすべてではなく
場面は必ず展開する

このことを
何度も何度も小さいころから浴びせるように与えることが必要…

と強調されていました

ページは必ずめくられる…
状況は必ず変わる…

このことに
生きる勇気を見出す人はきっと多いだろうと思います
その人の人生をどれだけ応援することか

(先生の発言は今自殺を選ぶ子どものニュースがとても多いことへの問題意識からでもありました)

それを頭で理解させるのではなく
体験によって体にしみこませる

そんな大切な役割が
絵本を読む 本を読む ということにあるのだなぁ…





貴重な1ヵ月半でした。栄養をたくさんいただきました


追記ありマス)

posted by しろくま at 22:49| Comment(0) | 絵本

2012年10月09日

「トラのじゅうたんになりたかったトラ」


トラのじゅうたんになりたかったトラ --- ジェラルド・ローズ/作 ふしみみさを/訳 岩波書店
(↑の表紙、表と裏を開いて一枚にして見たらもっと楽しい〜〜)

先日の「読み聞かせ」講習会で、頂いた「おすすめ本」リストの中で
真っ先に目が止まったのがこれ!

トラのじゅうたんになりたいトラ って…ヾ(@^▽^@)ノ


なんでかな?
さみしいのかな??
りっぱなおうちに住みたいのかな???
よっぽどの覚悟よね…????

と、モーソーは膨らみつづけ

ようやく手に取って読んだらその楽しいこと、面白いこと、美しいこと…

(´▽`)


ちゅん2にも読んであげましたのよ
このごろは
絵本?ふふん! っていかにも「卒業したぜ」オーラを出しまくってるちゅん2ですが

さすがにこれは面白かったらしい…( ´艸`)


「このトラ、しゅんちゃんみたいだね!
ママが来たらゲームしてないふりする!いなくなったらする!^^」


そーなのか ってかバレバレでしたけどね( ̄w ̄)


お話もなんともいえず面白いのですけど
絵も大層すてきです
トラくんの表情のなんとも魅力的なこと
王宮を覗いてる後ろ頭のなんとも切ないこと…(きゅん)

このトラくんは
森ではヨレヨレしてて辛い生活だったようですけど
でも
いつも一緒にいてくれた友だちがいたんだよね^^
ほんとうはね
愛されていたんだね

ちなみに…

原題は、"The Tiger-skin Rug"とのことです
邦題の勝ちー!(私的に)



あーおもしろかった♪




考えてみれば“トラもの”の本って結構好きやわぁ
これとか…

これも、子どもの頃すっごくすきで何度も何度も読んだよ


(本は違う体裁のでした。訳は違ったかもです)

懐かしい!!!!


posted by しろくま at 21:21| Comment(0) | 絵本

2012年09月18日

"Thumbeline"


Thumbeline --- Hans Christian Andersen / author, Lisbeth Zwerger / illustrator

雨の日の息抜きに。


アンデルセンの「おやゆびひめ」(英訳)ですが

やっぱりアンデルセンってすごいですよね〜〜〜〜

小さいものへの愛にあふれていて
美しくて
(で、弱いものの視点を痛いほど感じる)

ツヴェルガーの挿絵も繊細で詩的で美しく


ニホンジンとしましては(?)

生まれていきなり少女デスカー?

とか

ヒキガエルとかモグラもかわいいじゃんねぇ

なんて思わなくもないですが…( ´艸`)


そうそう
最後に王子さまに出会ったおやゆびひめは
違う名前をもらうってご存知でした?
(Thumbelineはけったいな名前なんだって。「おやゆびひめ」はかわいいのにねー♪)

ちなみに、中国語では「拇指姑娘」と書く模様



アンデルセンラブ…heart05-002anime.gif


posted by しろくま at 14:23| Comment(0) | 絵本

2012年08月11日

行ってきました◆兵庫の絵本作家原画展


やっぱりおおかみ --- ささき まき

加古川総合文化センター、っていうところで
兵庫の絵本作家原画展 --- 佐々木マキ、ススキコージ、たじまゆきひこ、永田萌

っていうのをやっています

今日は、読み聞かせ会もあるというので

お盆だし道こんでるかなぁ…
と思いつつ
行ってまいりました

(別に混んでなかった♪)




わたしとしては主にスズキコージさんの原画を見に行ったつもりでしたが

田島征彦さんの原画のすごい迫力にすっかりやられたのと

佐々木マキさんって男性!? 
佐々木さんの原画もすごく素敵でディテールが超好みで
しかも
「やっぱりおおかみ」…なんだかここで出会えたのが運命って気がして

この方の絵本↑買ってきました

(この本は若干センダックっぽくない?)

それから、これも↓

かさぶたってどんなぶた --- 小池 昌代/編 スズキ コージ/絵

very inspiring!
詩のラインナップが、とってもセンスがいいんです♪



そうそう読み聞かせは…

地元のグループさんでしょうか?
(朗読グループとおっしゃってました)

絵本のページを大きな画面に投影して
効果音やBGMの音響ありで
NHKとかのテレビ絵本みたいな感じでした

アナウンサー(元とか…)がご指導されているのかも?
っていう雰囲気の読み方や声色を使っての読み聞かせでした

(声もキレイだし、声色、上手!)

わたしの理想の読み聞かせとはちょっと違うけれども
こういうのもあるのねぇ〜
勉強になりましたー^^

(TV見慣れてる今の子は、こういうスタイル好きかな?どうかな?)
posted by しろくま at 20:08| Comment(0) | 絵本

2012年08月08日

「メイヴィスのふしぎな赤ちゃん」


メイヴィスのふしぎな赤ちゃん --- ブロック・コール/作 ゆあさふみえ/訳 あすなろ書房



Larky Mavis --- Brock Cole


これはたまらなく原書が読みたくなる絵本^^


ツギだらけの服を着て、
その辺に落ちているものを道端で煮炊きして
教会には来るなと言われて

そんな赤毛の女の子メイヴィスのほうが

校長先生やお医者さんや神父さんみたいな「ご立派な」方々よりも
「きちんとした」町の人たちよりも

ずっと「なにがほんとうかって」のびやかに分かって(見えて)いるのよ、
って話。
(って書いちゃうのもいかがなものか)


「ちゃんとした」大人にはどうも対等に扱われないメイヴィスだけど
いつも周りには子どもたちがくっついていて

彼女がくるんで抱えている「あかちゃん」はどんどん大きくなって


彼女のささやかな望みもかなって^^


それにしても彼女の「ふしぎな荷物」が
なんとも魅力的ですよねぇ



わたしたちは自分を縛って偏見と固定観念の中で生きている〜〜


(でも楽しい絵本よ)

この本は英語(原書)のほうがすきだなー
posted by しろくま at 16:42| Comment(0) | 絵本

2012年07月12日

「でんでんむしのかなしみ」


でんでんむしのかなしみ --- 新美南吉/作 かみやしん/絵

今朝びっくりするのどの大雨(しかも激しい雨)で
警報が出て小学校が休校になりました

オットが出かけるときに門の横の壁になにかついてるなぁ
…落ち葉??

って思って近づいてみてみたら

殻が4cmくらいもある大きなカタツムリでした


9時前に警報が解除になり
がっかりして( ´艸`)出かけたちゅん2が帰ってくる頃には
件のかたつむりくんは
玄関のドアの横に〜

snail2.jpg


殻に葉っぱがついているでしょう

雨が激しかったからか
葉っぱの中をのそのそ這ってきたからか



新美南吉作「でんでんむしのかなしみ」は

自分の背負っている殻の中には
哀しみがいっぱい詰まっているんだ!と
気づいたカタツムリの話です

どうしてよいかわからなくなって

他のカタツムリの知り合いに聞いてまわります

そして…

(しみじみといいラストなので、ぜひ読んでみてね^^)



うちのカタツムリはもうあそこで夜を明かすつもりなのか
手足を…もとい、頭とおなかを
早々に殻の中に引っ込めてしまいましたが

彼(カタツムリは雌雄同体デスガ)が背負っているあの殻の中にも
哀しみがいっぱい詰まっているのかなぁ


っていうかわたしたち一人一人が
やっぱり殻を背負って歩いているのかなぁ



この人(新美南吉)のこういうナンテイウカ繊細な温かさが
だいすき〜〜



posted by しろくま at 22:48| Comment(0) | 絵本

2012年06月21日

「ウラパン・オコサ」と「番ねずみのヤカちゃん」


ウラパン・オコサ --- 谷川晃一

なんだか話には聞いていたタイトルだったのですが
先日小学校の図書室でふとみかけたので
借りてきてその辺に置いておいたらちゅん2がハッケンして
(おもしろかったらしく( ̄w ̄))


「うちの家族は、オコサ、ウラパンだねぇ」

「あ、さくらちゃんもいれたら、オコサ、オコサだねぇ!!」

なんって水を向けるときゃっきゃっと喜んで(コドモだわ)

しばらく遊べましたとさ。今度、おはなし会で読んでみよう♪






番ねずみのヤカちゃん --- リチャード・ウィルバー 作、 松岡享子 訳、大社玲子 絵

これも、おもしろいなぁ〜!

ヤカちゃんって、へんななまえですけど
やかましいから、ヤカちゃん( ´艸`)


隠れて暮らす宿命のねずみだから、みんな困っていたんだけれど、
でもその、一見致命的な欠点が…


痛快なものがたり。

こどもには、こたえられないよね、こういうの!
(大人にも♪)


これ、ストーリーテリングで話すと何分かかるんだろうな?
そのうちやってみたいです〜〜 (てへ。もくひょうにしておこう)



posted by しろくま at 12:40| Comment(0) | 絵本

2012年05月28日

「すみ鬼にげた」


すみ鬼にげた --- 岩城範枝/作 松村公嗣/絵

法隆寺見に行くって言ったら
映画に誘ってくれた友だちが
この本読んで行けって言うのです^^

結局読んだのは帰って来てからになりました



この本のすみ鬼(屋根の四隅の隅木をささえている鬼の姿の彫り物)は
唐招提寺のものですが
日本ではあと法隆寺にだけ、「すみ鬼」があるそうで

唐招提寺は奈良時代の建立ですから
法隆寺の方が古い鬼さんってことになりましょうか

(ちらりと聞こえた、法隆寺のツアー客のガイドさんは
「天邪鬼です」と説明されていたようでした)



物語のすみ鬼は4つのうちの一つ、
鬼と言っても(出てくるその他異形の闇の生き物たちも)大層無邪気におおらかに
えがかれています

さいごに
仏様軍団につかまってしまうのが何だか気の毒だったな…



父親が死んでしまって大工見習いとして働く少年ヤス。
宮大工だった父親が作ってくれた形見の、無敵の独楽。
(これが結局、ヤスの身を守ってくれることにもなるのです)
父のような立派な宮大工になる夢を持つ、一人ぼっちの少年と、
望みをあきらめきれない大きな鬼。

寺に戻ってつかまる直前、鬼は、ヤスになにを言おうとしたのかなぁ。



今度法隆寺に行ったら、すみ鬼たちをもっとよくみてこよう
(いや、唐招提寺に行ってから、薬師寺に寄るっていうのもいいかも…)


先日撮った、法隆寺五重塔のすみ鬼です↓
sumioni2small.jpg


★追記

こんな記事見つけました

魔よけの「邪鬼」じゃ申し訳ないと
「隅鬼」に公式に名前変更ですってよ( ̄w ̄)

記事に「唐招提寺が最古」とありますね。あれ?そうなのかな(法隆寺の方が古くない?あとでもいっかい調べてみようっと)
posted by しろくま at 12:43| Comment(0) | 絵本

2012年05月20日

"The Giving Tree"


The Giving Tree --- Shel Silverstein

日本では「大きな木」っていうタイトルで訳されています
(すてきなタイトルと思う)でも、まだ読んでいないのですが…


本屋さんでふと見つけたのです
結構高かったので、amazonならもっと安いかもぉとちらっと頭をかすめたけど
えいっ!と即決買ってきてしまった
(あとでみてみたらamazonでは半額以下でした…涙)


うちの子は男の子ででもまだ小学生なので
分かるわかるっては言えませんけど

でもこの木の気持ちはわたしの気持ちに近い気がするな



さいごの
すっかり小さな切り株になってしまった大きかった木が

疲れた老人になってもどってきた男の子に
「おすわりなさい」って言って

" straightening herself up as much as she could "


このとき木はどんなに誇らしかったか



読むたびに泣けます



この本すっごいだいすき


(裏表紙の作者と思われる写真だけはちょっとびっくりなんですけどー)
posted by しろくま at 17:15| Comment(0) | 絵本

「てんごくのおとうちゃん」「おかあちゃんがつくったる」

より 大人のための絵本かな?
って思うんですけど

てんごくのおとうちゃん --- 長谷川義史

読んだら泣くでしょ?


おとうちゃんにあらたまって精一杯の丁寧な言葉で
それに

おとうちゃんにあったよ、というところだけがセピア色



でも
子どもに読んであげるのはどうなんだろうな??
っていまいちよくわかりませんでした
(今でも)

その
続編があるっていうので!

さっそく探して。それがこの本


おかあちゃんがつくったる --- 長谷川義史

あーせつない
わかるわかる

子どもの気持ちも、お母ちゃんの気持ちも沁みてくる気がする

でも
大阪のお母ちゃんはたくましいな^^ 


ほっとします


これも泣ける絵本シリーズに認定。( ̄w ̄)




posted by しろくま at 16:52| Comment(0) | 絵本

2012年02月19日

「ストライプ 〜たいへん!しまもようになっちゃった」


ストライプ たいへん!しまもようになっちゃった --- デヴィッド・シャノン/文と絵 清水奈緒子/訳

この方、

(邦訳 だめよ、ディビッド!)
の作者なんですねぇ〜♪

タッチがずいぶん違うから、ちょっと分かりませんでしたけど
やっぱ、絵、うまい。素敵。
それと
おはなしも!


これおもしろかったわ〜♪っていうと
表紙のインパクトもあってか
ちゅん2さっと取り上げてぱらぱら読んでましたが

「リマ豆ってどんな豆なんだろうね?」

「ほんとねー^^ でも、グリーンピースみたいなんじゃない?
ママは大好きだけど、みんなきらいでしょう?」

「うん しゅんちゃんグリーンピースきらーい!!」

この本は、たぶんだけど
ちゅん2くらいの女の子はきっと
うんうんって 分かってくれるんじゃぁないかと思うんですよね

ちゅん2はピンと来ていない様子だったので

「でもね、しゅんちゃんのクラスの女の子とかだったら、
この子の気持ち、わかるんじゃない?
みんなと違うことして、笑われたくないなーって思ったり。」

って言うと

「うん 女の子って、そうだねー」

申しておりました(わかっとんのかいな)


PTAの図書ボランティアの中でも
子ども達に読み聞かせをする本をみんなで選ぶときに
5、6年生(の、特に女の子)に…ってかんじで

人と違ってもいい
とか
仲良しグループで違う意見を言いにくい子の葛藤
みたいな内容の
本をチョイスすることがあったりするんだけれども
(一歩間違うと説教くさくなっちゃう気もするのよね)


この「ストライプ…」は
それをシュールな設定に乗せて
(でも、子ども達の心の中が既にシュールよね)
あっけらかんと
そんな状況を…そこから自由になる姿を
(そしてただおろおろするだけの大人の姿も)

描いているのかもしれませんねー


原題は

A Bad Case of Stripes
ストライプ病のこじれたやつ… ってかんじでしょうかね〜^^






posted by しろくま at 14:43| Comment(0) | 絵本

2012年01月30日

泣ける絵本 その5


ピートのスケートレース --- ルイーズ・ボーデン

ちなみに
その1 その2 その3 (その4
となっております^^


この本は、ふとしたことで手にとったのですが
(っていうかほぼジャケ買い^^)

読んでみて
(戦時下の)10歳の男の子の決意と子どもらしいまっすぐさが、
母親目線としては本当に胸に来ましたので

先週だったちゅん2のお誕生日のプレゼントにしました


ちゅん2は、ついおととしまでは
サンタさんがちゅん2によかれと思って選んだプレゼントを
もらっていたというのにね〜

今年はリクエストを聞いたりしたもんだから(?)

そのすぐあとの、お誕生日にも
自分がほしいと思っていない(リクエストしていない)、プレゼントをもらうことに
ちょっと不満げでしたが

( ´艸`)でも、いいのだ!



今度一緒に読んでみよう〜♪


10歳はこのピートのようにこんなこともできるんだもんね
りっぱな一人前として扱わなくっちゃね とおもいました




おすすめです!


posted by しろくま at 16:13| Comment(0) | 絵本

2012年01月25日

「かあさんのいす」


かあさんのいす --- ベラ B. ウィリアムズ/作、佐野洋子/訳

(これもおなじくレポートから。読んだのは、こっちの方がずっとずっと前でした。)


表紙のタイトル文字がタイル風なのは、「かあさん」が働いているお店の名前が「ブルータイル食堂」だからです。
女の子はこちらに背中を向けていて、窓越しに女の子に笑いかけているお母さんが見えます。
読者はこの瞬間から、主人公の女の子に自分を同化させるでしょう。
彼女にとっての、「かあさん」の存在のかけがえのなさを感じます。

しかし同時に、お母さんの姿は周りの環境の中にあり、けっして女の子の視界のすべてではないのです。
この女の子が、母親を心のよりどころにしつつも、母だけしか見えていない小さな子ではすでになく、自分を取り巻く社会をとらえていることが分かります。

店のブルーのファサードは、ハードで確固とした印象ですが、店の中は暖色が多くカラフルで、人物の表情も明るく、心をほっと温かくさせます。
この女の子が生きる状況の厳しさと、それとは対照的な内面(あるいは家庭)生活の温かさとを思わせます。
窓の下でスズメがなにかをついばんでいる様子も、小さく弱い者の姿であると同時に生き物の愛らしさと力強さを思わせます。

女の子らしい語り口の物語を読み進むにつれ、この子がお母さんとおばあさんと3人でつつましく暮らしていること、お互いを思いやる温かな家族であることが分かってきます。

すべてのページには場面にあった模様の外枠がついていて、女の子の多感な心を思わせます。

原書の方が女の子の口調の子どもらしさと、けなげさを良く伝えていると思います。
タイトルも、かあさんの“ための”いす、なのです。   

*注:原題(A Chair for My Mother, 1982)
posted by しろくま at 12:57| Comment(0) | 絵本

「おとうさんのちず」


おとうさんのちず --- ユリ・シュルヴィッツ/作 さくまゆみこ/訳


(以下、絵本の勉強会用に書いたレポートです^^
字数の制限があるので、中途半端な気もしますけど、まぁそのまんま。)


表紙には絵地図が描かれています。
異国風の建物や人、木などの自然、象・ラクダなどの動物や魚、近代的な都市や船などの、親しみやすくわかりやすいイラストが描かれています。
まるで実際にその地を旅するようで、たのしい、わくわくした感じがします。

空を飛ぶような男の子の後ろ姿も描き込まれています。
旅人はこの男の子なのでしょう。

その地図を、遺跡の石造り風なレリーフが取り囲み、左右の上端には、これも古代風な月と太陽。
昼と夜、すなわち一日、そして毎日の生活を表しているようです。

 ストーリーは、戦争で家族が遠い国に逃亡するところからはじまります。
シュルヴィッツはユダヤ系であり、この戦争は第2次世界大戦で、死から辛うじて逃れてきた家族なのだとわかります。

ある日なけなしのお金で、パンの代わりに地図を買った父。
その教養の高さ・知的さを感じさせるとともに、知的飢えをも思わせます。
同居人は作家であり、やはり文化人です。
でもみんなぎりぎりの生活。
物静かな作家は、大きな音を立てて乏しい食料を食べます。
イマジネーションで心を満足させ、生きる力を支えているのです。

イマジネーションは人間の持つ最高の力・能力であり、この絵本のテーマであると思います。

はじめは父に怒りを感じた少年でしたが、地図に魅せられ、ふしぎな地名が「魔法の呪文」になり、狭い部屋にいても心は遠くの国々へ旅します。
イマジネーションは飢えを忘れさせ彼の心の成長をも支えます。

「やっぱり おとうさんは ただしかったのだ」


posted by しろくま at 12:54| Comment(0) | 絵本

2012年01月18日

「かぜひき ころわん」


(今日は、よかったからご紹介するんじゃなくってその反対。)

今日図書館(読み聞かせ)ボランティアの
練習日だったのです

来月の当番がみんなの前でリハーサルをするのですけれど

この本を読んでくれた方がいて

そもそもころわんシリーズって食指が動かないので
(要は好みじゃない)
この本も初めてだったのですが

聞いててだんだんむかむかしてきました

ストーリーは(絵本ですから)単純で
風邪をひいた子犬がお医者さんに注射をうってもらって元気になる
っていうものですが


そりゃぁね
この本を読んで
「ころわんもがんばったんだから あなたもがんばろうね」
って優しくお子さんに呼び掛けることもできると思うけど
(そして素直にそう思う子どもたちもいると思うけど)


そもそも
犬はそんなことして治しませんから。
動物は
だれかに「治してもらう」なんていう世界で生きていませんから。

この犬は現代の人間の姿ですよね。
(ま、絵本の動物はほとんどが大なり小なり擬人化なんですけども)
それも、人間の、美しい姿じゃなくって、ひ弱で依存的な姿…


犬という生命に対する真摯な姿勢も
生命の強さに対する尊敬もなく
ただ「かわいさ」に媚びた甘ったるい様子にどうしたって怒りが湧くのでした。



まぁねー
ネイチャーものや所謂「科学絵本」ではないんだしねー
読むのに反対はしませんけど


たまにはこういうことも書いたりして^^


posted by しろくま at 23:18| Comment(2) | 絵本

2011年10月19日

「太陽へとぶ矢」「ハイワサのちいさかったころ」


太陽へとぶ矢〜インディアンにつたわるおはなし --- ジェラルド マクダーモット作 じんぐうてるお 訳

このごろ(ご承知のように)ネイティブアメリカン特にホピ族関連の本ばかり読んでいて
この本はたまたま手にしたんですけれども

描かれている絵はメサの上に立つ、レンガか岩の家だし
人物はカチナ(精霊)のようだし
主人公が試練を受けに入る四つの部屋は、キヴァ(聖堂)だし!

ダンスのシーンもホピ(あたりのプエブロ諸族)のにそっくりで


シンボルや伝承・習俗に詳しい方ならもっともしかすると
楽しめるのではないでしょうか
(ただ母系社会だし、お父さんのいない子をいじめたりはしないような気もするんだけど)

神宮輝夫さんの訳も、とっても自然。

子どもに読んでみて、いったいどう反応するかも見てみたいデス^^



ハイワサのちいさかったころ --- ヘンリー・ワズワース・ロングフェロー 文/エロール・ル・カイン 絵/しらいしかずこ 訳

ヒアワサ

って
ちいさいころ多分伝説か神話かなんかで読んだんでしょうか

お話も、どこの人だったかもきれいさっぱり忘れているのに
妙に名前だけ印象強く覚えていて

アメリカのモホーク族の英雄なのだそうですが

その人のものがたりをもう一度読みたくて
探していたらこの絵本がありました

あぁきっと、この子は、えらくなるんだろうな・・・・

ってところで終わっちゃうのですけど( ´艸`)


絵がとっても美しい絵本ですが
もうひとつなんだか気に入らないのは(シツレイ・・・)
この訳者の方、詩人でいらっしゃるそうで、
すてきな言葉で紡いでくださっているはずなのだけど

この本も訳していらっしゃると知ってナルホドと思いました

「空がレースにみえるとき」も好きじゃないって思ったんだったわ
大好きなバーバラ・クーニーなのに


こればっかしは好みなのでいかんともしがたいです


posted by しろくま at 23:38| Comment(0) | 絵本

2011年10月15日

ネイティブ・アメリカンの絵本5冊

続けて5冊読みました。


うちの本棚、ネイティブアメリカン関係はこの頃
そこいらの本屋さんよりは充実してるかも( ´艸`)?





大地のうさぎたち --- バージニア・グロスマン作 シルビア・ロング画

訳はぬくみちほさんです。

各ページのうさぎたちが、
それぞれ違う、ネイティブアメリカンの部族を表しているのねー
かわいい^^・・・ そして、きれい。。。



Hawk, I'm Your Brother --- Byrd Baylor/ Peter Parnall

The Desert Is Theirs --- Byrd Baylor/ Peter Parnall

どちらも、これや、これと同じ
お二人の本。(どちらもおすすめ!)

アメリカ南西部(アリゾナ、ニューメキシコあたり)の砂漠に生きる人たちと
その大地が
美しい詩(のような文章)とイラストとで描かれています

動物たちは人間より以前から
ここにいたのだから
人間たちよりもずっとよく知っている。


そして大地を、植物を、虫や動物たちを
尊敬し共に生きる人々なのね。

そうそう ここでご覧にいれたこの植物♪
sedonaFlower.jpg

'The Desert is Theirs"の冒頭から出てきて、
最後のページでは花が咲いています
ウレシイ・・・

ネイティブアメリカン(あるいはアメリカンインディアン)たちが、
存在するものにはすべて、スピリットがあると考えた(知っていた)こと、
その声を聞こうと耳を澄ましていたこと、
そのスピリットのために歌を歌っていたことが


When Clay Sings --- Byrd Baylor/ Tom Bahti

に描かれています
(これは、同じ方の本だけど、違うイラストレーターですね)


最後は

コヨーテを愛した少女 --- ナンシー・ウッド作 ダイアナ・ブライヤー画

この方は「今日は死ぬのにもってこいの日」の著者でした。

はっきりしませんけど・・・
ネイティブアメリカンの民話をもとにした
創作童話なのかもしれません。
ネイティブの民話自体も、
スペインやアメリカの侵略や移民の歴史の中で
変化してきているようです。

どの本に書いてあったんだったか(今読んでる途中のやつかな?)
スペイン人とイギリス人(清教徒)、
スペイン人はどんどんネイティブたちと交わり混血していったのに対し

清教徒が「インディアン」を排除しようとし、ほとんど混血がすすまなかったこと

この違い、というより清教徒のもつ特殊性(純血主義?)は
人類史の中でも例外的な特徴、とどこかで読みましたが

この民話のなかに溶け込んでいった異邦人の要素は
スペイン色の方が豊かであるような気がします


オオカミ好きのわたしとしては、
今度はオオカミの民話も読みたいなぁ


どれも絵本だけど、子どもたちに読んであげるというよりは、
私の楽しみのための本かな〜^^

(ま、見せてあげてもいいけど〜( ´艸`))



posted by しろくま at 00:18| Comment(0) | 絵本

2011年10月11日

このごろこどもにウケた絵本



今日ちゅん2と大笑いして読んだ絵本。



楽しーい♪
谷川俊太郎さん、さすがです・・・・・

「キング・ジュリアン」調バージョンもやってみました( ̄w ̄)






たまごの大好きなおうさまシリーズ(なつかし〜!!)
長新太さんの絵の絵本だなんて新鮮。(1986年からあるらしいんですけどもね)



先日、小学校で読んで、1年生がええ反応してくれた本。





これは、盛り上がって読む楽しい絵本じゃぁないけど
こどもたちが固唾をのんで(とでもいいますか・・・)
目をいっぱい開いて、じーっと聞いてくれる絵本。

読みながら、最後にちょっと ほろっとなっちゃいます。

「おはなしのろうそく」にもテキストが載っているので、
語り(story telling)でもいけるかも。

これ、練習してみようかな〜^^



posted by しろくま at 23:03| Comment(0) | 絵本

2011年10月03日

"The Table Where Rich People Sit"


The Table Where Rich People Sit --- Byrd Baylor


これと同じ作者の本。

アリゾナに両親と弟と住んでいる、女の子が主人公です。



普通、「お金にはかえられない」といわれているものを
お金の価値にして数えあげていって

自分たちがいかに豊かかと認識する
っていう内容なんですけど

次第次第に、わたしたちにも
この家族が何を大切にしているのかが分かってきて
胸をうちます

お金に換算すると言っても
そもそも

何千ドルとか

(まず間違いなく)見たこともないだろう人たちなんです
その非日常感もせつないと同時に一脈明るく

○○が何千ドル っていう言葉は
価値を推し量っているというよりは
○○がとってもとっても大切!!に聞こえます


そしてこの家族の
何よりも大切にしているものは多分
このリストには挙げられていないものじゃぁないのかな



おすすめ。


幸せってなにか
誇りってなにか

自分にも問いかけることになります


posted by しろくま at 13:26| Comment(0) | 絵本

2011年09月30日

'Everybody Needs a Rock' 'The Other Way to Listen'


Everybody Needs a Rock --- Byrd Baylor

納戸を片付けていたら
去年だったか買い換えたサンダルの箱が出てきて

ARIZONA
って書いてあった。

そうかー
ARIZONAを履いて
アリゾナを歩きまわっていたのねぇ

なんだろうこれ?たまたま?偶然?シンクロ?
そしてこの本も



まずはこのタイトルに惹かれました

読んで、ふと、ずいぶん以前に読んだ・・・

パワー・オブ・ストーン―石の力と力の石
とよく似てるわって思って本棚から探してみたら

北山耕平さんじゃないですかー

似てるどころか、
そもそもこの本の中でこの絵本の内容が紹介されているのでした
ワタシ、この本ちゃんと読んだんだったっけ・・・??

(おさかなやに書いてないし途中で放り出した可能性高し)

----改めて読んでみようっと。


と、今日の絵本に戻って。


同じ著者

The Other Way to Listen
も一緒に読みました。

どちらの本にも、描かれているのは
私がアリゾナで見た石と岩と、あとほんの少しの草が生えた大地と
そこに生きる人々です


大地のかけら、その人にとってのかけがえのない石を大切に持つ人々
(’Everybody Needs 〜'には、その選び方、が書いてあります)
大地や生き物たちの声を聞く人々。


詩のようなhaikuを思わせるような余韻の残る文章proseと
ときに人間も岩かと見まごうような不思議な素敵な絵

通奏低音のように響く、静かで確かな大地への敬意と信頼
(自分で突っ込むと、「通奏低音」って音楽的に理解せずにイメージで書いてるわ)


和訳されてるけどもったいないのであえて原書で読んでみました^^
詩だもんねー
(でも、どう訳されてるかはちょっと気になるな)


この本はこどもの本なのかなぁ。大人の本なのかなぁ。

posted by しろくま at 13:24| Comment(0) | 絵本

2011年09月01日

「とんでとんでサンフランシスコ」


とんでとんでサンフランシスコ --- ドン フリーマン



昨日の朝

ちゅん2の熱がずいぶん引いたので

これを読んであげました



本当は

アメリカに出発する前に、読んであげられたらよかったんだけど



(そのときは、もう寝る間もないほど時間がなくて・・・)





サンフランシスコで訪ねたゴールデンゲイトブリッジや

フィッシャーマンズワーフや



泊まったホテルや、その目の前の四角い公園や



しがみついて乗ったケーブルカーなどなどがたくさん出てきて



お話を何倍も楽しんだ感じ^^





ドン・フリーマンの絵本ってワタシ、好きなんですよね〜



たくさんあると思うので、全部はとても読んではいないんですけど

知ってる限り、どれもこれも、すてきな本です



はもちろんですが


ターちゃんとペリカン も、ちゅん2は大好き^^







さて、霧のサンフランシスコは、寒かったです



まずはとりあえずお約束の、

ggb.jpg

Golden Gate Bridgeと・・・

(&どこにでも登るコドモ)



todo.jpg

フィッシャーマンズワーフの、トドの群れ。

(お店はたいして見るとこなし)





Ferry Building Market Place ↓ (ここは面白かったな!)
FB.jpg


の、きのこ専門店

fungi.jpg



と、レストランで食べた、クラムチャウダー ↓

clamCS.jpg

すっごく美味しかったです♪♪

('Steamer' clams もとってもおいしかった^^ ちょっとピリ辛?なあさりの酒蒸しデシタ)




posted by しろくま at 11:40| Comment(0) | 絵本

2011年08月30日

'Cloudy With a Chance of Meatballs'


Cloudy With a Chance of Meatballs --- Judi Barrett

アメリカで、のぞいた本屋さんで
あまりゆっくりできなかったので、ろくろく中も読まずに
絵本を何冊かかってきたのですけれど

これが面白かったのです

もしわたしが訳すとしたら、タイトルは
(意味としてはあんまり正確ではないのだけども)

「くもり ときどき ミートボール」 やなぁ〜

なんって思いながらふとググってみましたら


ほんまにあったので くもりときどきミートボール (ほるぷ海外秀作絵本) おかしかったです
( ´艸`)


サンノゼ(San Jose)に住んでる妹(の、ところに数日滞在したのですが)と
昔読んだ絵本の話をしていて

そういえば・・・何度も何度も読んだおはなしのシリーズがあったのを
思い出しました


amazonで、「新しい世界の幼年童話」で検索すると
でてきました

うわー どれもこれも、懐かしいな〜〜

妹はこれ を子どもたちに読んであげたいわって言ってましたけど
(しつけ的観点からやわきっと ぷぷ)


マンロー・リーフ作、渡辺茂男訳
ってなんか贅沢な本やったんですねー


どれもほんとうに
なんどもなんども読んだ本ばかりです^^


全部絶版で手に入らないのかと思ったら
まだ新刊で売ってるのもあるのですねぇ

久しぶりに読んでみたいなって思いました


posted by しろくま at 00:00| Comment(0) | 絵本