2024年01月26日
「ふわりん」
ふわりん --- カルメン・クルツ/作 オディール・クルツ/絵 徳間書店 1998
スペインの作家によるおはなし。
「ふわりん」っていうのは(主人公)生まれなかった子どものことで
この訳語がわたし的にはちょっと物足りなく(もう一音節ほしい感じ。。ふわりぼんとか??♪(´ε` ))
でも
お話はとても面白い。
っていうか
なかなかに深い
たくさんいるふわりんたちには、名前がなく
(でもつけられるはずだった名前とかも知ったりする)
生まれかわりもせず(カトリックだから?)
なかなかに切ない
でも
目に見えないけどたくさんのものたちに守られている
っていう
子どもたちばかりでなく大人も
元気づけてくれるお話しだなぁと思う
生まれなかった「ある」ふわりんが自分の両親の元を訪ね
そこには体の不自由な弟がいて・・・
なんですが
今の!わたしに1番響いたのは
この弟がふわりんといっしょに
恐怖を乗り越えていくところ
だなぁ
ふわりんの道中にも
いろんな人たちが出てきて
クルツの知的な観察眼を感じます
イラストは、息子さんだそうです
面白かった!
posted by しろくま at 09:37| Comment(0)
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2023年01月16日
「馬と明日へ」
馬と明日へ --- 杉本りえ/作 ポプラ社 2021
こどもの森は分類が独特で
動物(の本・絵本)の下カテゴリは動物の種類ごとになっていて
「馬」のところでこの本を見つけました
余談ですがうちの「馬」本棚にある
加藤多一さんもこどもたちにお薦めしたいなぁ。
さて、この本。
去年出た新しい本ですねー。
こどもを対象とした乗馬クラブが舞台で
障害(ジャンプ)競技の様子やら馬たちの様子やらも描かれていて
面白かった!
ただ
ただー
作中にある、そして馬を描写するときによく使われる
「馬は繊細で臆病」っていうのにはわたしはちょっと異論があって
繊細で怯えやすいけど臆病じゃないよねー
臆病な動物があんな高い障害をジャンプしない
って書いてらした方もいたし
それに
人間と共に戦場に行ってくれる動物は馬しかいないんだって
あんなに忠実な犬だって
火や砲弾の降り注ぐ中、怯えて逃げてしまうって
わたしは体験してないからもちろん伝聞ではありますが
そう思うと馬って本当に勇敢ではないですか
もちろん、動物の種の違い、本能の違いによる行動でもあるわけで
一概に勇敢だとか臆病だとか言えるものではないですが・・・
でもだから一層
馬は臆病だってことも言えないとも思うのよね
馬はその怯えやすさで、自分達の身を守ってきたわけですが
そうか。
「臆病」という表現自体は別に良くも悪くも不適切でもないわけで
人間と同じ観点で、人間の価値観に馬の性質を(それが劣ったもの、何か足りないものというニュアンスになるなら尚更)当てはめることに違和感を感じてる(ってか、ちゃうんちゃうって思う)し
その言葉を使いたくないって思う
ってことですねー
やっぱり、馬へのリスペクトを感じないから。
まぁ
臆病、っていうより、「驚きやすい」って言おうよ〜
posted by しろくま at 23:23| Comment(0)
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2022年03月10日
「ぺちゃんこスタンレー」
ぺちゃんこスタンレー --- ジェフ・ブラウン/作 トミー・ウンゲラー/絵 さくまゆみこ/訳 あすなろ書房 1998
寝ている間に上から押しつぶされて、厚さ1.3cm(半インチですねー)になってしまった男の子の話。
大人が、揃いも揃ってぼんやりしてるのがおかしいわー
子どもの方がずっとまとも
飛行機代がかかるからって息子を封筒に入れて送ったりするわけ。
こういうお話はだいすきです♪
ぺっちゃんこの間の大冒険を、もっとみてみたかったなー!
posted by しろくま at 10:31| Comment(0)
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2022年01月12日
「カゲムシャのたび」
カゲムシャのたび --- 昌子武司・文 河原靖子/絵 ひかりのくに 1989
先日ご紹介しました、「東海道を馬で行く」の著者が文を書いて
絵本を作られたんですねぇー
こちらの主人公は馬のカゲムシャくんです。
(鹿毛だから本当は鹿毛武者だそうな)
おおむね、「東海道を〜」と同じエピソードが書かれていますが
崖を落ちたってのは初耳ですけど!
すごくない?ホントかな?脚大丈夫だったのかな?(馬の)
行く先々でいろんなことが起こる1人馬の旅。
これは、読んでもらったら楽しそう。
ともあれ
カゲムシャくん本当に子どもたちに愛されたんですねぇ
気性の激しい馬だったカゲムシャくんが、この旅で
「子どもが大好きになりました」
ってことがよくわかりますー
著者は児童心理の専門家だから、きっと、素敵な具合に、子どもたちと交流されたのでしょうねー
ところで
このようなロングライド、
たぶん、ウェスタンの鞍の方が乗りやすかったでしょうね?
posted by しろくま at 19:04| Comment(0)
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2021年11月02日
「原野にとぶ橇(そり)」
原野にとぶ橇 --- 加藤多一/作 偕成社 1978
図書館で、加藤多一さんの馬の本を手当たり次第借りてきた。
そのなかで
これがめちゃくちゃおもしろかった。面白くて切ない。
たぶん作者の原点っていうか、この方の中にある北海道の人たちの姿、そして馬の姿が詰め込んであって
他の本や絵本にも出てくるモチーフや描写がいくつも入っていた。
北海道の北の方の山間に入植した一人の男の一生と
それを支えた馬たちの話。
うちの母も北海道の山奥の出身で
でも農家ではなかったから、馬は飼っていたのかなぁどうかなぁ。
けど
暮らしの厳しい昔の北海道で、馬はほんとうに大切なパートナーやったのね。
わたしが妙に馬が好きなのは、そんなルーツも関係してるのかなぁなんて思いました。
いつもは弱気なお母さんが、疎開のこどもたちをいじめたらだめだぞ、と息子に言う場面。
「よわいものをかばおうとするときは、やさしさよりも、その人のつよさが表へ出る。
松四は母をはじめておそろしいと思った」
人間の弱さも、強さも、愚かさも貴さもずるさもやさしさも
戦争の罪深さも描かれている。
たくさんの子どもたちに読んでほしい。でも絶版なのね?
posted by しろくま at 12:49| Comment(0)
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2021年06月07日
「あるきだした小さな木」
あるきだした小さな木 --- テルマ・ボルクマン/さく シルビー・セリグ/え はなわかんじ/訳 偕成社 1969
この版形の子ども向けの本は、小さい頃ずいぶん読んだ気がするんだけど
(シリーズがあった)
この本はなぜかうちにあったのをちょっと前に発見して
読んでみました。
わたしの生まれた頃に出版された、古い本。
主人公の「ちびっこの木」が
両親の元を離れて、外の世界に行きたいと願い
「でも 本当に 木は あるけないかしら。
それは いままで、試しに あるこうとした 木が、
一本も なかったからです。
本当に いっしょうけんめいに あるこうと おもった 木が
一本も なかったからです」
こうしてこの「ちびっこの木」が
自分の居場所を見つけていくまでの冒険のお話ですが
わたしはどうしても息子ちゅん2のことを思いながら読んでしまうけど
でも自分のことも、どうしてか、考えはじめてしまうこの物語も素晴らしいと思うんだけど
大好きなのはこの、美しい中にユーモラスな、絵です。
にしては、表紙はそんなに美しくないでしょう。
原題は'le petit arbre'(小さい木)といってフランス語の本なんだけど
原書も読んでみたいなぁとおもってググってみて、軽く衝撃を受けました。
素敵じゃないですか!??
なんでこのまま出版しなかったんだろうね
まぁ縦書きにしないといけなかったからとか
色んな大人の事情があるんでしょうけど。。。
この(日本で採用された)版型に合う、似た色の別の絵を
作品の中から引っ張ってきて表紙にしてあって
文中の挿絵の配置も
すごくオリジナルとは変わっていて
美しさが10%(or less)くらいになっているわ
あー原書読んでみたーい
(わたしのフランス語レベルでも辞書引きながらなら読めるかも。)
posted by しろくま at 10:13| Comment(0)
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2021年04月28日
「山をこえて昔の国へ」
山をこえて昔の国へ −- ウィリアム・メイン/作 神宮輝夫/訳 岩波少年文庫 1989
図書館で何気なく手に取ったのですけど
(馬に乗った赤毛の女の子の表紙が印象的だった)
たくさん馬が出てきそうな雰囲気だったしさぁ
おもしろかったー
古代のイギリスと、現代のイギリスが交錯する物語。
サラッとしすぎていて、(描かれていないところも結構あって)
よくいえば想像の余地が大きい。
リッチモンド、ベンデール、キャリック山…
って
わたしは地図を見ながら読み進めるのが好きなんですけど
(イギリスの作家の物語は、結構実際の土地が作品の中に出てくるよね。郷土愛が強い??)
この本も、最初なかなか地図で(実際の場所を)探せなかったんですけど
作家をググって、北ヨークシャー出身だとわかってから
北ヨークシャーで探したらすぐに判明。
(キャリック山はまだわかんない)
ともあれ
こんな作家がいたのかと発見した気分〜
あとがきで
神宮輝夫さんが
タイトルはマザーグースの一行って書かれていた。
見てみたら
“Over the Hills and Far Away”
んまー
好み。
ええな〜!
いいわねぇこのタイトル!!
このタイトルを読んで物語を思い返したら、
またそこに遥かな時の空間が広がる思いがします。
それから。
子どもたちとずっと一緒に旅をするポニーたち。
ポニーよねぇやっぱり。イギリスの上の方は?(なんか鷲を思い出すんですけど)
馬同士の会話とか、馬の習性みたいなものが丁寧に描かれていて
この人(作家)馬が好きなんだろうなぁ(あるいはよく知っているんだろうなぁ)と思ったし
そういえば
バルサの物語なんかでもよく馬は出てきたけど
まるで乗り物のように描かれていただけで、こういう親密な視点はなかったな〜
古代の、まだアングロサクソンが入り込んでいない時代のイギリスの
人たちが描かれているのもなかなか興味深かったです。
他の作品も読んでみたい。
posted by しろくま at 12:20| Comment(0)
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2021年03月29日
「古森のひみつ」
古森のひみつ −- ディーノ・ブッツアーティ/作 川端則子/訳 岩波少年文庫 2016
イタリアものでファンタジー(ってことになってた)って珍しくないですか
読み始めたら、最初の方、主な登場人物の退役軍人(大佐)がなかなかとんでもない人物で
あんまり面白くなくって読むのやめたくなったけど
もう最後まで読んだら面白くって
最初へんてこな味だと思うけど食べてるうちに病みつきになる
ってまさにそんな感じでした
面白かったところはまず
風が!
人格があっていろんなキャラがいて。
あとランダムにいきますと
5人の「悪夢」が訪ねて来るのよ。夜中。
大佐と一緒に暮らしていた病気の甥っ子のところへ。
すると大佐は
「驚きもせず、懐中電灯を手に、ベンヴェヌートの部屋まで5人の悪夢を案内しました」
ってなにそれ・・・!!きゃはー!
大佐はさ。この甥っ子が死ねば彼の財産(森)も自分のものになるって考えて
甥っ子を殺そうとするのよね。
森に置き去りにしようとしたり。。。
風に頼んだり。。。
まぁ失敗するわけだし
最後は甥っ子を助けようとして。。。(と、ここからは書かないでおきますわー)
でも
このとんでもない大佐だけど、
普通大人になったら見えなくなる森の妖精たちが見えたり
風と話せたり
するわけなんです
なんかムーミンシリーズを思い出したな。
変な人、感じの悪い人、どうしようもない人たくさんいるんだけど
それもみんな
愛おしい個性じゃないかって
自分の狭量さの方に気がつくっていうか
ともあれ
この人のお話は面白いです
うちにある
「シチリアを征服したクマ王国の物語」の作者だって知らなかった。
これも(積読中。。)読んでみようー^^
posted by しろくま at 21:16| Comment(0)
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2021年01月16日
“Earwig and the Witch”
Earwig and the Witch” −- Diana Wynn Jones, Greenwillow Books, 2012
Diana Wynn Jonesは、1番好きかもしれない作家。(Paul Fleichmanもかなり好き。あとUrsula Le Guin。一人には絞れないねぇー!)
NHKでこの物語が原作のアニメ(「アーニャと魔女」)が始まったそうで、
見ていないんだけど(だいぶ改変されているらしいですが)
原作に興味が湧いて読んでみました。
小さい子向けのお話で、こんなに大きな活字で(シンプルな英語で)
こんなに面白いお話を書けるなんってやっぱりすごいわぁ。
あとこの本は(わたしの読んだのはペーパーバック)イラストも楽しくて、
特にページ数のところにカエルのイラストがあって、各ページで違うので
凝ってるわぁ。
読後、お母ちゃんはどうなったの?
とか、ツッコミどころが結構あるので
これはもしかしたら続編を前提にしていたのかも?
D. W. Jonesらしい皮肉も利いてるし
面白かったです!
ホメオパシーのレメディーになってる毒草の名前がいっぱい出てきてそれも楽しめた〜!
そうそう。
魔女Bella Yagaってやっぱり、ロシアのバーバ・ヤガーから来てるよね…^^わはは
posted by しろくま at 18:02| Comment(0)
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2020年08月31日
「おとうさんがいっぱい」
おとうさんがいっぱい --- 三田村信行/作 理論社 2003
小学校低学年で十分読める、子どもの本ですけれどもね
SFみたい……
自分(や家族)の、存在、というものに、
ナナメの方向から疑問を投げかけるストーリーで、なかなかにコワイです
(星新一さんをちょっと思い出す)
おもしろかった……
主人公はみんな、ひとりっ子。
わたしとはずいぶん違う環境だけど
コレ子どもの頃に読んでいたら、どう思ったかな。
posted by しろくま at 15:25| Comment(0)
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「ムーミン谷の仲間たち」
ムーミン谷の仲間たち --- トーベ・ヤンソン/著 山室静/訳 講談社(青い鳥文庫) 1983
ちゅん2が小学校の頃愛読していた本です。
古い版なので、表紙はこれと違っています
ムーミンシリーズは(アニメの印象とは逆に)割と読みにくくて、
わたしはこれしか読んだことなかったんですけど(2012年でした)
今回これでやっと2冊目。
そして
また衝撃を受けてしまった。
やっぱり、出てくる人(?妖精ってことになってるわ)たちはあくが強くでこぼこなんですが
なんかさぁ。
1冊目読んだ時にはこう思ったけど
この時のわたしにはさぁ
こうするべき、っていうほどの強い調子ではなくても
こうしたほうがよい。っていうやんわりとした、でもわりかし強めの
常識感、まぁいえば、不自由さ、がたくさんあったんだなぁって…
やっと客観的にそう思える自分がいるのであります
で
そんな私が今回これを読んでみたらば
これはなかなか爽快な物語なんであります
いわば短編集ですけどもね。
一番心に残ったのはフィリフヨンカの話かなー
ムーミンの物語を楽しめるようになるということは
自分のなかの弱さや歪さにOKを出せるっていうか
それも愛おしく思えるようになるってことなんだわ
うわぉー
posted by しろくま at 15:18| Comment(0)
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2020年08月18日
「39番目の世界」
39番目の世界 --- ミシェル・フィリパール/著 評論社 1990
図書館で借りて読みました。
舞台はフランスの(架空の)地方都市クレザンフォン、
9歳の少年が主人公の、子ども向けSFです。
フランス語からの訳文なんだけど、日本語がとても妙というか読みにくくて
最初の2ページで読むのやめようかと思いましたけど
まあでも、子どもの頃以来??のSFだしー と思い直し
(小さい頃、何年に一度とか妙にSFばかり読みふける時期がありまして
第1SF期とか第2SF期とか自分で呼んでおりました)
結局、結構面白かったのです
ストーリーがおもしろいというよりも
意外性のある異界の描写と
ちまちました(失礼、とても日常的な)主人公と
権力者たちのばかばかしさ。
一番まともなのが子どもだもんねぇー^^
(あと、ママ:唯一女性の登場人物 が、最後にはなんだか素敵になっている。)
そうそう
気になるのは町の場所ですけど、北緯47.8度東経5.4度はだいたい
このあたり。パリの南東。
ディジョン(マスタードで有名ね)の近くだったみたいな気がしたんだけど、探してみたら別に近くとは書いてなかったわ。
確かに、ディジョンのちょっと上(北東)みたいです
( ̄m ̄〃)案外ハマっている。
posted by しろくま at 23:48| Comment(0)
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2020年07月11日
"The Spook's stories: Witches"
The Spook's stories: Witches --- Joseph Delaney, Red fox, 2010
いや〜久しぶりに読みました。
このシリーズ(The Wardstone Chronicles)ではこれが最終巻じゃない?(たぶん)
短編集なのですが
最初(Megのはなし)と二番目(Dirty Doraの話)が、なんていうか、
男の人の魔女いじめみたいなのが読んでて面白くなくてさー
途中でほっぽってあったのですけど
改めて読んだらそのくだりすぎたら面白かったわ。
最後は、Tomが出てきたし♪(言わずと知れたTom推し)
Dirty Doraのとこのね
一家を皆殺しにしようと思って潜んでいたらそこの小さい娘に見つかってね
(死んだ魔女だもの)不潔な髪の毛をその女の子が櫛ですいてくれてね
で
お母さんと逃げな。っていうところが
なんだかほっこりして好きだ〜
さて
この続編は、もうどれがどれかよくわかんないんだけど
たしかStarblade Chronicles seriesを読みかけていると思うので(1と2)
続きを(きっとどこかに買ってある)探して読むとするかなぁ
子どもの本だけど、なんかスキ。
posted by しろくま at 22:51| Comment(0)
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2020年04月14日
「ヨーンの道」
ヨーンの道 --- 下嶋哲朗/文と絵 理論社 1979
少し前に読んだので、細かい記憶はおぼろになってしまいましたが
作者は石垣島で出会った「味噌屋のばあちゃん」の生きてきた話を聞いて、
この作品を作ったのだということでした
石垣市から川平湾まで、いまは立派な道がついているけれども
これは本最近にできたことで
ばあちゃんは小さい頃から、人がすれ違えるかというくらいの山道だったここを
裸足で走りながら働き、家族を養い、暮らしてきたんだってこと
日本の端っこで
こんなことがあったんだ……
と
心がしんとなるような
なんとも迫力のある物語でした
こういうの もっと知られてほしい絵本だと思う
posted by しろくま at 11:44| Comment(2)
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2020年03月23日
"Ghost Drum"
Ghost Drum --- Susan Price, Priceclan, 2014
文章はとっても易しい子どもの本ですけど、独特のリズムがあって、
おもしろかったな……
世界観はなんというか、民話のような。
一年の半分を冬の闇と雪に閉ざされる、北の国の物語。
訳本ではどんな日本語にしてあるのかわからないんだけど
暗い空に星がきらきら瞬き
真っ白な雪に氷のかけらがきらきら輝き
その白と黒のはざまにうす闇が広がる世界。
なんていうかこの書き出しにやられました。
登場人物の心理描写に筆は割かれず事実が淡々と語られて
昔ばなしのような
なつかしさ
すごくおもしろかったです。
続編読みたいけど、絶版なのかなぁ kindleだと安いんだけど…
それにしても。
ghostとか、好きねぇ!^^ イギリスの子ども向け物語〜
posted by しろくま at 13:42| Comment(0)
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2019年12月08日
「フラミンゴ ボーイ」
フラミンゴ ボーイ --- マイケル・モーパーゴ/著 小学館 2019
モーパーゴの新作。新聞の書評欄で見て
即買い♪
原書を買おうか迷ったんだけど、原書がamazonで見つからなかった...
舞台はフランス。
主人公ははじめ18歳のイギリスの青年で始まるんだけれども
彼がフランスの南海岸に一人旅をして
そこで(行き倒れて)中年の男性と女性に救われて
その女性が語る話が劇中劇(これもそうだったね?)となっています(というかほとんどその話。)
面白くって一気に読んでしまった。
この女性が、英語を話せるフランス女性だもんだから
ところどころに(カタカナで)
フランス語のフレーズが出てくるもので
それを
余白にフランス語でメモしながら読みましたが
こういうのもいいなぁぁぁ
(和訳で読むと、若干妙な感じですが)
google mapでみたら、舞台カマルグはマルセイユの近くの大きな国立公園。
湿地で、フラミンゴがたくさんいるらしい。フランスで!
行ってみたい。
先日、フランス語クラスで
たくさんパリの話を聞いたけれども(私以外みんな、パリに旅行したことのある人ばかりだったの)
わたしはフランスのなかでも
こういうところがいいな。
ところで…
ちょっとよくわからないなぁって思ったのは
この女性が、まだ中年なのになぜ見事なくらいの白髪になったのかということと
この(兄弟同然に育った)二人はどこかでお互いに惹かれあわなかったのかしらということ
この物語の先にはこの本で語られなかった別の物語があるのかも。
posted by しろくま at 19:32| Comment(0)
| こどもの本
2019年10月01日
「王への手紙」(上)(下)
王への手紙(上)(下) --- トンケ・ドラフト/著 西村由美/訳 岩波少年文庫 2005
「青い月の石」がおもしろかったので、去年この本も買っておいたんですけど
なんだかみつからなくて(退院後発見〜)
図書館で借りて、病院に持っていった。
おもしろかった〜〜〜!!!
この物語も、昔話風で、善悪がハッキリしてて、
主人公は少年で
出来事がおもしろくって……
騎士に叙任される直前に掟を破ってしまい、そこから旅が始まるんだけど
苦難の中親友を得て、勇気と真心で冒険を成し遂げる物語。
ちょいちょい作者の大人からの知恵を放り込んであるところもね。
子どもを応援する気持ちを感じるよね
「下界へおりて、遠くから見て知っていることを、近くで観察してくるといい」
「わたしに祈らせてください!いちばん大事なことが、また、いちばん楽しいことでもあるように!」
「人は、ときどき悲しみにしずまなくてはならないのだ。そうすれば、よろこびのありがたみがもっとよくわかる。陽光の輝く日々のあいまに、雨がふらなくてはならないように」
「その仕事を引きつぐ人が、つねにいる」
もう一回読みたいんだなぁこれが
posted by しろくま at 21:58| Comment(0)
| こどもの本
2019年09月15日
「南風(ぱいかじ)よ吹け」
https://amzn.to/2UUJdAx
南風(ぱいかじ)よ吹け〜オヤケ・アカハチ物語〜 --- 新川明/文 儀間比呂志/絵 琉球新報社 2003
波照間島の宿の本棚にありました。
オヤケ・アカハチは波照間(と石垣)の英雄。
もっときっといろいろとはあったのでしょうけど
子ども向けにかみ砕いて書いてありました。(たぶんけっこうな推測も…)
立派な人なのに非業の死をとげます。辛いなぁ…
石垣島の図書館にももちろん並んでいました〜^^ (amazonではすごい値段になっています)
(集落に残る、生誕地の碑です↓)
posted by しろくま at 22:23| Comment(0)
| こどもの本
"My Name Is Yoon"
My Name Is Yoon --- Helen Recorvits, pictures by Gabi Swiatkowska, Square Fish, 2014
ハードカバーでは2003年に出ているみたいです。
アメリカに来た、韓国生まれの少女が主人公。
はじめは、あぁ(わたしがアメリカにいた頃結構多かった)韓国からの養子かな?
っておもっちゃったけど
違った。
家族で移住してきた女の子でした。
誇り高くて
自分の気持ちに正直で
それこそ
ユーモア(なのかしら)があって自由で結果大変assertiveであるという
サイコー^^
私たち日本人の名前と同じように
韓国の名前にも 音 に 意味 があるのねぇ
(わたしたちの場合はまずは「音」に、というより「漢字に」ですが、この子の場合はどうなんだろうねぇ?
韓国の方の名前は、今では漢字をもたないハングルの名前の子が多いって聞くけれども。)
そうそう、今日みた、シチェチニン先生の学校のドキュメンタリー映画でも
(スラブ系)ロシア人の名前の音にも意味があるって言ってた。
ここまで行くと言霊の範疇っぽかったな...(と、わたしは思いました)
好きな絵本。お話も、絵も好き。
posted by しろくま at 22:11| Comment(0)
| こどもの本
2019年08月08日
「ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集」
ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集 --- 斉藤倫/著 高野文子/画 福音館書店 2019
なかなかに凝った造りの本なのです
カバーの色も、帯の色も、あとカバーを外してみたらひえー!ってなる
著者は詩人だそうですが、そうだよね。詩のような物語
詩を書く人と
短編小説を書く人と
長編小説を書く人とでは
「ことば」に対する態度がとっても違うよなぁってつらつら思いながら読んでいたんですけど
あれこれ考えたことをもうすっかり思いだせないっていうか
じつは
先週の月曜日にうちの老犬さくらちゃんが倒れましてん
実に暑い日で
外犬なもんですから
熱中症ですね
気がついて、玄関に入れて、横の和室の戸を開けてクーラーをかけて
扇風機を二つ回して
私はその日からというもの玄関にお布団を敷いて看病というか常に様子をうかがって
(いや、夜は結構熟睡しておりますが…)
予定は全部断って外出もほとんどせず体を拭いて水を飲ませておしっこの始末をして
今日で11日目ですが
もうね、看取る覚悟をしていたのよ。でも
さくらちゃん超絶生命力を発動してすこしずつ
回復してきました
すこし障害は残りましたが
声もたてずに
寝て、時折立ち、震える足で少しずつ前に進み
そしてまた時間をかけて横になる
さくらちゃんをみながら
この小さな体の中にある生きる意志というか
圧倒的なものを目の前にしてその大きさにうたれました
そんな時に読んでいたこの本でした
一人で暮らしているらしい主人公のおじさんと
そこをときおり訪ねてくるかわいい、でもなかなかにピュアで鋭い小学生の男の子
この二人の関係は語られないまま、でも少しずつ分かってくる
その穏やかなやさしい感じがたまらないです
途中では事情があって一緒に住めないパパかなと思ってたんだけどねー
優しいやりとりが続くうしろに、なかなかに切ない設定があります
おじさんが男の子に紹介する体で詩がたくさん出てきて楽しめます
そして子どもは成長するんだよね
なかなかにすてきな本です!
「ひゆは、ことばのいちばんだいじなぶぶんで、
詩のいちばんだいじなぶぶん」
posted by しろくま at 10:58| Comment(0)
| こどもの本
2019年05月11日
「帰命寺横丁の夏」
帰命寺横丁の夏 --- 柏葉幸子/作 講談社 2011
ハイ今月のお題(「子どもの本を読む会」)の作品でして
昨日図書館で借りたんですがそのままお出かけしたので
ランチしながらや電車の中で読みふけり帰るまでに読んでしまった
というのも
おもしろかったので^^
作品(現代の田舎の町が舞台で男の子が主人公)中作品(どこかわからない中世くらいの異国・昔話風で女の子が主人公)というのも楽しい趣向でした
作者はこの方です
他の作品も読んでみたくなりました
一つだけ文句言いたいのですけど挿絵です
(いつも言ってる気がするが)
すてきな絵だとは思いますけどやりすぎです
想像とあまりに違うので興ざめしてしまいました〜
posted by しろくま at 13:42| Comment(0)
| こどもの本
2019年04月17日
「ラスト ラン」
ラスト ラン --- 角野栄子/著 角川書店 2011
今月の、「児童文学を読む会」のお題なので読んでみた。
この会に出るのも久しぶりです〜
それにしても
児童文学の主人公が70代のおばあちゃんって意表をつかれたわ。
30代のバルサでさえ、「子どもの本の主人公が中年女性…」って(アメリカで)絶句されたのにね。
ということで最初おばあさまの独り言のあたりは結構退屈でしたけれども
一旦旅に出たらば展開がそれはそれはおもしろくて
やめられなくなりました
で、結局帰ってきたけどこの小さな女の子は一緒なのね……
(絶対いなくなると思ってたからなんか肩透かしではありました)
とはいえこれからもなにかありそう。それは楽しみなんだけど
でもきっと
今回の旅はラストランのつもりだったのにラストではなくなりそうね?
文庫も出てます。表紙は、文庫版の方がちょっとかわいいね
posted by しろくま at 18:39| Comment(0)
| こどもの本
2019年02月02日
" The Secret Garden "
The Secret Garden --- Frances Hodgson Burnett, Wordsworth Editions Ltd, 2018
(この本は2018年だけど初版は1911年に発行されています。100年以上たつのねぇ。)
2月の「子どもの本を読む会」でバーネットの「秘密の花園」が取り上げられることになり
「秘密の花園」といえば!
少女時代(わたしのよ)もう何度読み返したかわからない、大好きだった物語。
(札幌にいた頃だから、小学校低学年くらいかな。これと、「石の花」(バジョーフ)と「愛の妖精」(ジョルジュ・サンド)がスリートップだったような……??)
もう40年以上ぶりくらいに読むものだから、せっかくだから原書にしようと思って
で、せっかくだからこのかわいい表紙のハードカバーにしようと思って買いました。
あーかわいい♪
読みだしたらもうやっぱりおもしろくって、すぐ読んでしまった。
broad Yorkshire ひどいヨークシャー訛りが随所に出てきて、分かりにくいんだけど
音読してみたらそこそこ想像がついたりして
それで音読しながら楽しみました。
Maryが一生懸命ヨークシャー訛りで喋ろうとするところがとってもかわいらしい^^
昔々に読んだきりで、ストーリーも結構忘れていたんだけど、
(この本はインドの暮らしから物語が始まりますけど
小さい頃に読んだ本は荒れ野に着いたところからだったような……???
それが疑問だわ。そんな訳もあったのかも?)
読みながら、ところどころの場面のイメージが蘇ってきました
きっと脳内に刻まれているんだよね
荒れ野の風景とか
風で蔦が揺れて、秘密のドアがみえるところとか
枯れて見える薔薇の枝を折ったら芯が緑色に見えるところとか
夜中にColinを発見するところとか
Maryがきれいにした地面をDickonが褒めるところとか
Colinのヒステリーのシーン
Mr Cravenが奥さんを思い出すところや
頑固な庭師のおじいさん(Ben Weatherstaff) が梯子の上から拳を振り上げて怒るところとか
Dickonのお母さんがMaryに、あなたはきっと美しくおなりですよ、っていうところとか…
あと
最後の、Mrs MedlockとBen Weatherstaffが窓から外をみながら話しているシーン。
そのたびに、
今読んでいるわたしと、こどものわたしが重なるような不思議な体験でもありました
そうそう、"Anne of Green Gables"を読んだ時にも似たようなことを思ったんですけど
今回はこの、old Ben Weatherstaffの気持ちがなんだかとても心に響いて、
よくわかるようで
Benのぎこちない愛情表現に泣けました……
昔はそんなこと気づかなかったと思うんだけど。
Colinのrajahぶりが笑えたのと
あと
この本、前半の主人公はMaryだけど後半はColinになるのかしらね?
一か所、語り手(作者)が顔を出すところも発見。(p.214)
あーおもしろかった
posted by しろくま at 20:27| Comment(0)
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2018年11月30日
"Tehanu"
Tehanu --- Ursula Le Guin, 1990
あ、ちなみに、私が読んでるのはこっちの本です↓
これは新しい本を買わずに以前読んだもの(The Farthest Shoreより字が大きいし!)を再読。
前にも書きましたけど車の中でずっと "The Farthest Shore"を聴いていて
(ナレーションがホント素晴らしくってほれぼれします)
余談ですが "dune"っていう単語を[dju:n}って発音されてるので気になって調べてみたら
イギリスではそうなんだって。ちなみに、アメリカでは[du:n]
へええ。そうなんだ〜
で、続きのこれを読みたくなったわけ。
今までの3作とはがらっと違いますよねぇ
down to earthとでも言いましょうか
だって人外のパワーをもつ魔法使いのGedが
力をなくして
フツーの人になって……
でも
フツーの人でないとえられない幸せを(まぁ、苦悩とともにですが)
がっつり手にしたということでやっぱり流石。
ドロドロしたとこも多いですがしみじみと好きな物語です
これまで、「男」にしかなかった「力」が
変わっていく予感がしますよね
posted by しろくま at 15:02| Comment(0)
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2018年10月28日
「犬になった王子」→「シュナの旅」
犬になった王子 〜チベットの民話〜 --- 君島久子/文 後藤仁/絵 岩波書店 2013
後藤仁さんの日本画の雰囲気が、湿度の少ない空気の薄いチベットの雰囲気をうまく表現している気がします
若い王子が、人々のために穀物のたねを得る苦難の旅に出る物語。
この民話をアニメ化したいという思いで描かれたのが宮崎駿さんの
シュナの旅 --- 宮崎駿/作 アニメージュ文庫 徳間書店 1983
なのだそうです
原作通りではなくずいぶん脚色されていますが
驚いたのは、これ以降の宮崎さんの作品のモチーフが既に
この小さな作品の中に現れていること。
その人の一生の仕事は若いうちにその人の中にもう生まれているのねぇ
ノーベル賞の科学者の方々のお仕事なども連想してしまいました
posted by しろくま at 08:59| Comment(3)
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2018年10月12日
"The Farthest Shore"
The Farthest Shore --- Ursula K. Le Guin, 1972
Audiobookを(車で)聴きだしたら…
やっぱり本が読みたくなりましたー♪
Earthsea 4部作の中で、もちろん一番なんというかダイナミックなのは1作目のThe Wizard of Earthseaですけども(私見)
わたしはこの The Farthest Shoreがいちばん好きかも。
主人公が少年っていうのがいいなぁやっぱり……
しかも美少年(* ̄m ̄)
"His face might have been cast in golden bronze, it was so finely molded and so still."
ですもんねぇー!しかもGedとの苦難の旅の末にすっかり面がわりしちゃってそれでも
" this was a thinner face, harder, and much stronger. But it was not less beautiful."
この、Gedが眠っているArrenの寝顔を眺めながらひとり語る場面が
切なくてだいすき^^だし
Gedが世界の果てでCobを追い詰める場面も
なんともいえずカッコよくてホントすき
このときGedは雄弁。
ArrenとGambleの会話のシーンは( ̄m ̄〃) と笑えます
そうそう、やっぱり(汗)ストーリーは概ね忘れていてまた新鮮に楽しめましたけれども
GedとArrenが死者の国の奥へと入って、それでMountains of Painがでてきた時に
あ!!!って
以前(読んだ時に)描いたイメージをありありと思いだしました
(おー!)
この本を読みながら
今回思ったのは
ただ「王が玉座にいる」ということが実は、(わたしたちのこの世界でも)
案外この世界の(見えない部分で)秩序を形作る重要なことなのかもしれないなぁって
(っていうかそういう考え方も)
いつもながらこれをアメリカ人のLe Guinが書いたっていうのがおもしろいね。
(あとdragonの造形とか。言葉や人種についてとか…もですが)
あーおもしろかった!!
改めて世界でいちばん好きな物語だ〜
(以前読んだのはこの本↓でしたが(Earthseaシリーズの1〜4が一冊になっている)
活字が小さいし、分厚いので、持ち歩いてちょいちょい読みたくて新しい本を買いました^^
posted by しろくま at 09:28| Comment(0)
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2018年09月23日
"The Last Wolf"
The Last Wolf --- Michael Morpurgo, Corgi Yearling Books, UK, 2002
マイケル モーパーゴは好きな作家で
というほど読んではいないかもだけど
男の子が主人公で大好きなオオカミの出てくるお話でモーパーゴ。きっと大好物じゃぁないですか
いわゆる額縁ものっていうか現代のイギリスのおじいちゃんと孫の日常の設定から
舞台は300年ほど前のスコットランドに飛びます
幼くして孤児になって辛い思いをしていた少年(このおじいちゃんと孫の先祖)が
どうやってオオカミと出会って
そしてアメリカに渡って生きたか……
子ども向けの短いシンプルなお話だし
とくにオオカミとの別れのところなどは既視感がなくもない物語で
わたしの中のbest of Morpurgo になったってわけにはいきませんでしたが
スコットランドからイギリス軍に追われアメリカに逃げていく人々のひしめく船の中で
この主人公とオオカミは人々の無知と無理解と偏見にさらされるのです
国を追われた人々が、立場が変わると同じことを
自分よりも弱いものにしようとするのです
このとき
篤志家の船長キャプテン・マッキノンが人々に向かって声を荒げて怒るシーンなんて特に
胸にグッときました
子ども向けのわりには結構辞書引いたなあ
(イギリスの昔の風俗とか特殊な単語とか… これにもいっぱい出てきたけど。)
posted by しろくま at 00:08| Comment(0)
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2018年09月14日
"The Tombs of Atuan" audiobook
The Tombs of Atuan Audiobook (youtube) --- written by Urshla Le Guin
"The Wizard of Earthsea" のaudiobook はCDを買ったんです
もうamazonで扱ってないみたいなんですけど
Atuan〜も聞きたい〜♪と思ってさぁ(でも売ってない…)
しらべてみたら
Youtubeにあるじゃあないですか すごいクオリティのが!
しかも
この イントロの朗読者の方
うちにある製品版のaudiobookの方と同じじゃぁ!????
すごいわねこの時代。無料でいいのかしら。
で
堪能いたしました
(ただ、製品版と違ってトラックに分かれていないので、うちの車のaudioでは巻き戻し…こまかく再生ができなくって
始まったら最後イッキ聴きっていうか
あ、今のとこもう一回聞きたい…と思っても、戻れないのだけが難点なんですが…)
つぎは"The Farthest Shore"も聴く♪♪
このTombs of Atuanでは、
ゲドがテナーにイリュージョンのドレスを着せて見せてあげるところと
"... Take care, Tenar"っていうところが一番好き。うっとり
あー幸せ かみさまありがとう
posted by しろくま at 19:20| Comment(0)
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2018年09月09日
「影との戦い」
影との戦い --- アーシュラ・K・ル・グウィン/著 清水真砂子/訳 岩波書店 1976
ここのところ車でずっと、"A Wizard of Earthsea" のaudiobookを聴いてます
(たぶん3〜4回転したなー)
わたしの最大最強の愛読書。
でも、日本語でちゃんと読んだのは、はじめてかもー♪
(と、思ったら、12年前に読んでた。いやはや、どんだけ(^^; )
あー?こんな場面だっけ?
ってところもありました(* ̄m ̄) 読み飛ばしていたのかイメージできてなかったのか忘れてるのか
(まあそのどれもでしょう)
でも
やっぱ英語とは違うわねぇ。すばらしい訳だけど、子どもっぽいというか、カッコよくないわねえー
(と、勝手に思ってるだけですが)
Vetchのキャラももったいないわ…
Tombs of Atuanも朗読で聞きたくなった。ル・グゥインさいこー!!
posted by しろくま at 02:11| Comment(0)
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2018年08月27日
"The Horse and His Boy"
The Horse and His Boy --- C. S. Lewis, HarperTrophy, 1954
Narnia国シリーズの2巻目というか3巻目というか。
ナルニア建国前夜の話がおもしろくって、
いわゆる世に出た1作目がつまんなかったんですけど
その続きのこれは、
おもしろかった!!!
やっぱ男の子が主人公のものが好きだ。(* ̄m ̄)
Narniaの南のArchenlandのもっと南の、Calormenっていう国に住んでる男の子が
ひょんなことからNarniaへの旅を始めるんですけど
そこからもうおもしろい〜
途方に暮れ馬を撫でながら、「きみが喋れるといいのにね……」って呟く主人公Shastaに
馬が
馬が(* ̄m ̄)
「いや、しゃべれるけど?」
ここからもうウププ でして
その後の、少年と少女の冒険のはじまりからは
もうなんというか… なにが起こるか、いつ捕まるかってどきどきして… だって
子どもだしさ!
読みながら気が気ではなく心臓がもたなく途中で読むのやめようかと思った(マジか…)
二人と二頭(Talking Horsesね)の冒険旅行なんですけどもね
それぞれキャラが立ってて面白いのよね(もちろん馬も。)
あと、終盤の方で
Breeってお馬さん(誇り高きwar horse)がすっかり自信を無くして
で、同時に貴族の少女Aravisも反省してるシーンがあるんですけど
このくだりは読んでてぷぷっと笑って、それから泣けてしまった。
ところで
このCalormenって、なんていうか、描写によるとイスラムのっていうかアラビアの国のイメージなのよね
で
人々の(特に上流の)喋り方がなんとも装飾的なのよね
(「おお わが娘よ 目の中の真珠よ!」みたいな。)←テキト―です
これ
Howlのシリーズの"Castle in the Air"でも全くおんなじだったんですけど
実際そうなの?
英語圏ではそう思われてるの?
むかーしむかし読んだアラビアンナイト(千夜一夜物語)とかそうだったっけかなぁ…
ともあれ
Aslanはやっぱりキリストやねぇー
汝の一番暗きときに共に歩む みたいな。(←テキトーです すいません)
Aslanがでてくると話が教条的になるし
なんでも奇跡でやってしまうから
出てこない方がストーリーは面白いでーす
この勢いで次も読もう♪
posted by しろくま at 20:14| Comment(0)
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2018年08月21日
"The Lion, the Witch and the Wardrobe"
The Lion, the Witch and the Wardrobe --- C. S. Lewis, The HarperCollins, 1950
ナルニア誕生秘話がとってもおもしろかったもんだから
勢いで買って読んでみた
例によって、和訳はずっと前に読んでいるはずなのに、ちっとも覚えてないし
(* ̄m ̄)
でも読んでて思いだしてきた。
なんじゃこりゃ。
これちっとも面白くなかったって前にも思ったんでしたわ
ストーリーも大した冒険じゃないし(っていうかホントちっちゃい子向けの本)
キリスト教的価値観ベースのたいそう素朴?なお話だし
(アスランきっと蘇るわ!ってすぐわかっちゃうもんねぇつまんないったら)
大体すぐ善と悪の二手に分かれて戦うのよね
(自分じゃないものは全部悪、っていうのがなんともはや。)
悪もんがdeformedなやつら、って書いちゃうって素朴というか単純というか能天気というか短慮的というか
仲間が(みんな動物や伝説上の生きもの)死にそうだ、すぐ助けろって話なくせに
hunting行くって何? あと、お肉食べてますよね?
そもそも、まったくの異世界のおはなしなのに動物がイギリス式のお茶とか
(まあでもこの辺はPeterRabbitとかもそうなのである)
アダムの息子とかイブの娘とか何?
人間だっていうだけで、王と女王になるって何?
それを動物がみんな受け入れるって何?
…って、なんかもうツッコミどころいっぱいでわたしの美意識にも合わなくって
基本的にはオモシロくなかった。いい大人が読む本じゃない。
これが世界のファンタジーの古典?
でも
続巻も買っちゃったのよねぇー。面白くなっていくのかなぁ。これから。
(例によって覚えていない カスピアンくらいまでは読んだような気もするんだけど。)
posted by しろくま at 01:35| Comment(0)
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2018年08月18日
「ニルスのふしぎな旅」(1)〜(4)
ニルスのふしぎな旅(1)〜(4) --- ラーゲルレーヴ/作 香川鉄蔵・香川節/訳 偕成社文庫 1982
ニルスのふしぎな旅ってわたしの世代ならだれでも知ってるじゃぁないですか(たぶん)
小さい頃読んだし、テレビアニメもやってたし(見たような)
でもー
あれって「全訳」じゃぁなかったって
あんまり知られてないよね(しかも読んだはずの内容も忘却の彼方)
去年でしたか、NHKの番組のテキスト
で、読んだのよね
それでがぜん興味がわきまして
古本で買っていたのを
ようやくこのお盆休み(って何の休み…)を利用して読みました
4冊がっつりありますが
読み始めたら案の定ハマってしまい目が上げられず4冊なんてすぐでした
(例によってその間家事等は停滞しております)
なじみのないスウェーデンの地図を、ネットで探しながら読みました
楽しかった!!!!!
そもそもがスウェーデンの国の地誌や歴史を子どもたちにわかりやすく教えるためにって
企画された物語であったらしく(で、書き手として彼女に白羽の矢が立ったそうです)
そう思って読むとあぁここはずいぶん説明しているなぁとか
もっというとどうしようもなかったニルスがあっというまにいい子になったなぁとか
っていう若干興ざめなところもあるにはありますけどでも
なんといったってお話がおもしろいわ。
ところどころに昔話が挟まったり
クオレや、飛ぶ教室(も、そうだったかなぁ)を思わせるような作中作品(物語)もあったりして
(っていうか別の系統か)
まあるいくちばしのガン(アッカ)がイヌワシの子どもに魚を運ぶところ
なんって
かわいすぎ(≧∇≦)
100年に一度現れる幻の町の話や
湖の干拓を思いとどまる話なんて
あー!って思いだしました。小さい頃に思い浮かべたイメージや感覚を。
今回読んでわたしが一番すてきだなーと思ったのは
作者の独特の擬人化の感覚というか
まるで、大地が意志や意図や感情を持っているかのような書きぶりのところどころ。
すてきだなー
あーおもしろかった
遠くのスウェーデンをとても身近に感じたし
行ってみたくなったよ(もう心は飛んでいましたkが)
そうそう、こういうのはできれば原書で読みたいけれどスウェーデン語はとても無理だよねー
最後に、賢いアッカがニルスに語る
「あんたがたは大きな土地をもっているのだから、すこしばかりのはだかの岩礁や、
沼や、湿地、さびしい山や、遠くの森などを、
わたしたちのような貧しい鳥や獣が安心していられるように、
わたしたちにわけてくれることは、じゅうぶんできるのだ、ということを考えてもらいたいのだよ」
っていうセリフがあるんだけど
この「貧しい」は、個人的には気になったところです
「かわいそうな」でもないんだよね。
「なにももたない」っていう風に読み替えて読みたい気持ち。
posted by しろくま at 14:04| Comment(0)
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2018年07月17日
「ディダコイ」
ディダコイ --- ルーマー・ゴッデン/作 猪熊葉子/訳 評論社 1975
これは児童文学ですけど
(知的さと家庭的あたたかさ…いや…温かさっていうとちょっと違うかもだなぁ…??が共存しているゴッデンはわたしとっても好きです。読んだことがあるのって、「人形の家」「台所のマリアさま」「おすのつぼにすんでいたおばあさん」「ねずみ女房」「クリスマス人形のねがい」くらいでしょうか)
でもこの「ディダコイ」が一番好きになった。
なんとまぁ、巧み。
主人公の、みなしごになってしまったジプシーの少女。
彼女を保護し一緒に暮らす賢い女性。
いじわるをする同級生たち。だけど…
同級生の一人のお母さん。町の名士?
お屋敷の男たち… 提督と二人の使用人。
そして馬!
あーおもしろかった
英語でも読んでみたくなりました
posted by しろくま at 15:15| Comment(0)
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2018年06月23日
「青い月の石」
青い月の石 --- トンケ・ドラフト/作 西村由美/訳 岩波少年文庫 2018
作者のトンケさんは、オランダで最も愛されている児童文学の書き手なのだそうです。
そしてこの作品は
本当はもっと長い作品の、一部を取り出して出版されたもののようです
ナルホド、それで〜!
(って、「あとがき」を読んだ後に合点がいった)
とくに最初の方、おもしろそうな冒険譚が省略されている感じなのよね。
と、それにしても
てんこ盛りの物語。
ドイツとあんまり私の中で区別がつかないんだけど(まぁ行ったことないしぃ)
オランダの魔法使いがいるっぽい森や
地下世界の王…なんかがでてくるし
そもそも
どこから来たの?
マホッフ、マホッフ、マフッヘルチェ
どこから来たの? マホッヘルチェ
なーんていう
(はないちもんめ、みたいな)遊びうた……
なんかが
とっても昔話風で
でも、少年たちの心の動きやら学校の様子なんかがなんとも現代風で
おもしろいですー
子どもたちはこの遊びうたで
地下の王を呼び出してしまうわけですが
そうそう、遊びうたってそういう呪文的なところありますよね
なんとも凄みのある...
主人公の少年ヨーストが王子さまにいう
「そんな、ばかな。姫ぎみは、王子さま、あなたが好きだから助けてくれるんですよ」
地下世界からみんなで逃げるとき、お姫さまの魔法が底をつきかけるんですけど
王子さまが首から下げていた、お母様に貰ったお守りの十字架をみて、ヒヤシンタ姫が叫ぶせりふ
「母の愛は、力よ!」
なんかがツボでしたけど、この王子さま、ちょっとぼんやり……(* ̄m ̄)
最後までお話がどうなるのか、どきどきして
おもしろかったでーす♪
そうそう。作者トンケさんは、このヨーストのおばあちゃんっぽいかも...
posted by しろくま at 18:22| Comment(0)
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2018年06月22日
「だれも知らない小さな国」
だれも知らない小さな国 --- 佐藤さとる/作 村上勉/絵 講談社 1985
今月の「子どもの本を読む会」のお題でしたん
今日だったんですけど
昨日の晩家にある本を出して来たら、ちょうど10年前に読んでたし
(初読は子供の頃でしたけど…… 当時すっかりはまって、続編も結構読んだ気がする)
今ちょうど別の本読んでてそっちを読みたいし
まぁ今回は読まずに出席してもいいかなぁって
頁をめくってちょこっと読んだら、もうおもしろくって、やめられなくなって
夜なべして読んでしまいましたとさ。
(舞台は)戦後すぐのはなしで
主人公は大人で
しかもこの人(「せいたかさん」と呼ばれる)ごくごく普通の人でただの真面目な青年で
そんな素朴な若者が不思議な世界との懸け橋になって
そんなところがなんともいえずすてきだな。
このせいたかさんのような、がっつりと素敵な場所ではなかったけれども
幼い頃のわたしにも、「ひみつのばしょ」があって
それは広い原っぱの中のそこだけ毎年ネジバナの咲く岩の陰だったり
雨が降ると水が溜まってカタツムリの湧く窪地だったり
そんなことを思い出しました
そうそう、このシリーズの続編を、著者から託された有川さんが
書いています
「だれもが知ってる小さな国」
でもこの世界はやっぱり
佐藤さとるさんのものなんだなぁ
posted by しろくま at 15:37| Comment(0)
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2018年06月08日
「こんぴら狗」
こんぴら狗(いぬ) --- 今井恭子/著 くもん出版 2017
これ面白かったわぁ! もったいなかったけど一気に読んでしまいました。
表紙はなんだか一昔前の感じなんだけど、去年の暮れに出たばかりの新しい本のようです。
むかし、庶民の娯楽がお伊勢参りだったりこんぴらさん参りだったりしたころ…
(もちろん娯楽というだけでなく願掛けも熱心にされてのことではございましょうが)
代理参拝、のなかにあろうことか、犬を!
犬を、飼い主のかわりにお参りに行かせる、っていうことが行われていたんだそうです
犬よ犬!!
首に、「こんぴら参り」と札をかけて、
初穂料と道中の餌代相当のお金を首につけた袋に入れて…
もうこれだけで半分くらい読めちゃうよね
思えば
昔の日本って、前にこれを読んだ時にも結構びっくりしたんですけど
道中の(ときに見知らぬ)人々の善意を信頼して何かを託すようなことが結構行われていて
しかもわりかしそれがきちんと届いたようなことで
これはイマドキは難しいような気がするね。
(逆に、犬の代参みたいなことは、SNSでフォローしたりされたりして話題になって案外うまくいくような気も…するけど…)
ええとようするにこれ(こんぴら狗、と呼ばれたそうです)は歴史的事実だそうで
この物語のエピソード自体はもちろん(調査に基づいた)創作でしょうけれども
お江戸から、
睦月くんという(どう見ても雑種の)わんちゃんが
道中いろんなことがありながら、3か月ほどで金比羅さんに行って帰ってくる…という話です。
どうも小さいことに引っかかってしまうのは同じく今日読み終えたこの本にもあったんだけどさ
作中では名前が漢字で書かれたのは命名時の一回だけで、
あとは全てカタカナで「ムツキ」って書かれ呼ばれるんですよねこのわんちゃん。
わたしの頭の中ではついつい「襁褓」に変換されるわけ。だってさぁ…
これは…… どうも具合が悪かったです(最後まで完全には慣れなかったわ)
最後の道連れの一行とのくだりもなかなかよくて。
大変面白かったです!
posted by しろくま at 23:18| Comment(0)
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2018年06月01日
「流れのほとり」
流れのほとり --- 神沢利子/作 瀬川康男/絵 福音館日曜日文庫 1976
ということでつづきも読んでしまいました
ここでは作者(作中では麻子)が小学校高学年になっていて
女学校への入試に向かうところで終わっています
舞台は樺太の小さな村、内川。
もうこっちの方が断然好きだなぁ
やっぱり村では特別扱いのお嬢様なんだけれども
それに自分でも少しづつ気づいてきて、いたたまれないような思いもして。
思春期の入り口で
当時、日本の辺境であった彼の地には、いろんな事情のある人たちも流れてきていたでしょうし
そもそも日本人自体が今よりもっと
粗削りであったのだろうと思いますけど
そんなさまざまなこと、にんげんの美しくないこと、にも
と同時に、人がどういおうと美しいものがあることにも
直面して気づいていく。
読みながらなによりも
土地の空気感が…… わたしの生まれ育った町札幌に近いのが感じられて
もちろん
札幌市内よりもっとずっと自然がおおきく厳しいのですけれど
50年近く前の札幌を思い出しながら読みました
今ではきっと
ずいぶんちがうかもしれないけどね。
「おばあさんになるなんて」に収録されていた記念写真の
くだりなんかもあって
本棚からまた出してきて眺めたりしたのも楽しめました
勇くんとはどうなったのかな
たしか突然東京に転居になったんだったから… それ以降は一度も会えなかったのかなぁ
勇くんのその後も気になる^^
posted by しろくま at 00:57| Comment(0)
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2018年05月29日
「銀のほのおの国」
銀のほのおの国 --- 神沢利子/著 堀内誠一/画 福音館書店 1972
というわけで、なんですか40年ぶりかと思いますが
読んでみました
なんかさぁ、予想通りお話は全く覚えていなくって
というよりあろうことかアンデルセンの「雪の女王」と記憶内でかぶっておりまして
(まぁだって、男の子と女の子が魔法の北の国に旅する話でしょう^^)
あれだよね、あの、男の子の目の中に氷のかけらが入って…
なーんて思っておりましたらぜんぜん違った。
主人公はたかし(とゆうこの兄妹)。
不思議の国に入っていく、その入り方がほんとーにドラマチック、劇的よね!
その世界では食うもの(青犬=狼)と
食われるもの(トナカイを筆頭にうさぎやらビーバーやら鳥やらリスやら…)が
覇権争いをしておるのですが
わたし個人的にオオカミだいすきなもので。
一方的に悪役に描かれているのがなんだか納得はいかないのですけど
(だって残酷で悪辣なのは人間であってオオカミじゃぁないものね。)
まあでも。
印象深かったのは
動物たちの喋る言葉が、まぁなんというか、やっぱり昔のこういう… 年代記ものっぽいというか…
それと
「食われるもの」が、現実の厳しさを理としてわかっているということね。
甘ったれ感の出ている妹キャラはやっぱりあまり好ましくない。(わたしには、ってことです)
でも
終わりに近づいたあたりの、ビーバー爺さまの、わが身を犠牲にした一世一代の太鼓のシーンは
感動して涙が出た。
やっぱりすごいファンタジーだなと思います
これを夢中で読んでいた当時のわたしは
何を受け取っていたのかなぁ。
まだ小学生だったのに夜の夜中もやめられず読んで読みまくって2時とか3時とかになってやっと読み終わったときの
感じはまだ覚えているんだけれども。
posted by しろくま at 00:28| Comment(0)
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2018年05月25日
「いないいないばあや」
いないいないばあや --- 神沢利子/作 平山英三/絵 岩波書店 1978
さきほども書いた通りこちらの本が「児童文学を読む会」のお題でした
でもねえ この主人公の橙子ちゃんというのがねぇ
6人兄弟の5番目なんだけれども、だから上のお兄さんたちにいじわるされたりするんだけども
そのたびにびちびちと泣くわけ まあそりゃぁしょうがないだろうけど
わたしには面白くないわけです
まあ長女ですから
小さい子でもただ泣いて甘えてるっていうのがなんだか胸がざわざわして腹が立つわけ
で、つまんなくなってこっちを先に読み……
でまあ、そうか、ご自分の思い出を名前だけ変えて書かれてるのねぇって
(ご自分以外は読みも全く一緒で漢字だけあて変えた名前ですけど)
で、そうやって流れが見えてくると(こういう人生のこの時期のことなのねって)
舞台は札幌だし、わたしの子どものころ(札幌時代)とそっくりなところもあったりで
こちらにまた戻ってあとは思いのほか楽しく読めました
(そうそう、遊び歌なんてね、
♪じゃんけんほかほか北海道〜♪ ですけど
もうほんとこれ、歌って遊んだわわたし♪ 神沢さんより40年以上あとですけども)
この小さい女の子が、まだ口も回らず頭も回らず
でも自分の中にいいたいこと言えないことをたっぷり溜めて大きくなったんだなぁって
そのはちきれんばかりの胸の内が、のちの神沢利子をつくったのだねぇって
今日(でした)読む会でみなさんと話し合ったことでした
そのあまったれだった女の子が
樺太に転居することになり、頼りにしていたばあやとも別れ
自分のことを「とこちゃん」じゃなく「あたし」って呼ぶようになる
そんな感動的なシーンで終わります
続きの本も借りてしまった〜
posted by しろくま at 14:12| Comment(0)
| こどもの本
2018年05月05日
「レイミ―・ナイチンゲール」
レイミー・ナイチンゲール --- ケイト・ディカミロ/作 長友恵子/訳 岩波書店 2017
フロリダに住んでる、10歳の少女たち3人が主人公。
3人ともお父さんがいなくてね
なんだか事情はいろいろありそうなのよね
アメリカの子どもたちらしく、日本の同世代よりずいぶんしっかりしているというか
やることが大胆だし
それから両親の存在自体が薄いっていうか
(この頃のアメリカの児童文学ってそういう感じじゃない?)
親ではない大人たちが、彼女たちを折々に支えてくれる。
南部の小説にしては黒人のキャラクターがでてこない。
出てくる人の姓が、なんだか非英語圏の出自(なんていうか非主流派)っぽい。
暗闇に小さく輝く黄色い光のイメージがところどころに。
ナイチンゲールがランタンを掲げるイメージと重なるなぁ
そもそもわたしフロリダって(といいますか南部自体)行ったことないのですが
夜の空気のとろっとした感じが、でもこんな感じなのかなぁと思いを馳せました
おもしろかったです
posted by しろくま at 18:26| Comment(0)
| こどもの本
2018年03月30日
"Hop-o' My-Thumb and the Seven-League Boots"
George Cruikshank's Fairy Library : Hop-o' My-Thumb and the Seven-League Boots --- edited and illustrated by George Cruikshanks, published by D Bogue, 86 Fleet St., London, 1981
(わたしが読んだのは左の本)
図書館で見かけて、7-league bootsのひみつが知りたくって読みました。(* ̄m ̄)
ペロー童話の「おやゆびこぞう」だと思いまーす
7-league boots --->「7里の長靴」
(コレ、つい「ちょうか」と読んでしまうけど、「ながぐつ」?)
ハウルに出てきましたよね。あのときは、
一歩で7リーグ(21マイル、おおよそ34キロ)って、おおざっぱで使いにくそうだなぁって
(実際にソフィーもこれで行きつ戻りつ、苦労してましたよね〜)
思ったんですけど
なぁんだ。
ちゃんと使い方があるんじゃぁーないですか
それに、ぶかぶかのどた靴のイメージでしたが(ソフィーの店ではバケツがわりにしてたっけ)
履いた人にフィットするんだぁー
さすが魔法の靴っ こうでなくっちゃぁ!
しかも
最後の王様の午前のシーンで
" and they then made most polite bows to the King and Queen,"
って… ブーツがよ… たしかに脱いだらくたっとするよね かわいい…
文章のリズムも独特で(昔話ならでは?)、黙読よりも音読ががぜん楽しかったです^^
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2018年03月27日
「ハナさんのおきゃくさま」
ハナさんのおきゃくさま --- 角野栄子/さく 福音館書店 1987
角野栄子さんは有名だし多作でいらっしゃるけれどわたしはたぶん
読んだことないの…
(あの有名な魔女の宅急便も。たぶん。)
で、ひょんなことからこの本を手にしたのですけど
おもしろかったわ!
お客様好きのハナさんが主人公なもんで
しかも
森と町との間に住んでて、
森側にも町側にも扉のある家なんだもんで
舞台装置はばっちり!
次から次へとお客様が来るので、延々とお話が続くという。
げんきでしあわせな、初老のハナさん。
こういうおばあさんになりたーい^^
そうそう
今朝TVで、角野さんが国際アンデルセン賞を受賞ってニュースを見ました。
びっくりしたのは、もうwikipediaにも載っていたこと
おめでとうございまーす
posted by しろくま at 11:10| Comment(0)
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2018年01月06日
"Spook's: The Dark Army"
Spook's: The Dark Army --- Joseph Delaney, Red Fox, 2016
お正月の疲れが出たのか、昨日は急に調子悪くなって吐きまくって寝込み
一晩明けて体調はずいぶんよくなったけど
今日ものんびりゆっくりしています。あーあ
でもこんな感じののんびり具合が、本来のお正月かも。
シリーズのA New Darkness の続編。
この後勇んで読み始めたんだけどさぁ
1/4ほど読んでしばらく中断
年末年始、そうだそうだと思い出してまた読み始めて
今年初めて読み終えた本になりました。
なんかさー
相変わらず面白いんだけどさー
ちょっと中だるみ? Old Godsの一人冬の神Golgothとの対決もなんだか
ご都合主義な気もするし(主人公グループみんな無事)
そもそもこの巻でまだまだこの事件が終わらない「続く」だし。
新しいapprenticeのJennyも、なんだか生意気でわがままで気に入らないし。
けど
すっかり成長した(でもまだ4年くらいしか経っていないのよねー?)Tomが立派で
"Kratch!"って叫ぶところなんってカッコよかったわー
で、勢いで次の巻"The Dark Assassin"を買ってしまったんですけど
届いちゃってから気づいた。これ、もう持ってるし!Σ(゚д゚lll)
(いつもAmazonで買ってるのに…いついつ買いましたってメッセージ出なかったぁぁ)
あーあ。この本どなたかに差し上げたいわ
このシリーズみんな読んでて次この巻を読みたいなんって人いるかしら。
posted by しろくま at 13:16| Comment(0)
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2017年11月23日
"Little House on the Prairie" 「大草原の小さな家」
Little House on the Prairie --- Laura Ingalls Wilder, HarperCollins, 1973(初出は1935)
わたしの小さい頃はTVでこのドラマをやっていて(アメリカ製作)
見たことはなかったんだけども、お父さんの容貌が記憶に残っています
本は読んだことがなかった!
この度(「子どもの本を読む会」の今月のお題でしたので)ようやく読んでみようと思って
どうせならと思って原著を手に取ったのですけど
おもしろーい!
とにかく、このお父さんがすごい。
強くて、賢くて、愛情深くて。
原野で生きていくすべを知り抜いていて。
小さな家族が、このお父さんを心から尊敬して、まとまっている様子が伝わってきます
実は、このシリーズはこの本が3作目のようで
この本の視点は主にLaura(著者の幼いころの姿でもある)となっていますが(ただし1人称の語りではない)
シリーズ自体は(たぶん)ひいおばあちゃんの世代からはじまっているのねー
これはこれで読んでみたい。
白人がどんどんインディアンのテリトリーに入っていって
(彼らは「耕作すること」だけが土地を生かしそこに暮らすことだと素朴に固く信じている)
どんどんインディアンたちを西に追いやっていることを
その理不尽さを
このお父さんと
聡いローラだけが気づいているのです
(でも子どもだから、身勝手なところもある)
このあたりが
読んでいてつらいですが
でも
アメリカ人(白人系アメリカ人)にはこの本はこたえられないだろうなぁ
強くたくましく勇気と規律のある彼らの先祖の物語だもんね
で、読み終わった後(「読む会」の主催の方が「直訳っぽい…」とつぶやいていた)邦訳を読んでみた。
大草原の小さな家 --- ローラ・インガルス・ワイルダー/著 こだまともこ、渡辺南都子/訳 講談社(青い鳥文庫) 1982
違う表紙のバージョンで、bookoffで100円だったしつい買って読んだんですけど
これは、訳がもうひとつだったな。
丁寧だとは思うんだけど、文学じゃないんじゃあ?っていうかさ……
今amazonみてたら、福音館のもあるのね。
(しかも表紙絵も原著と同じ)そっちを読めばよかったかなぁ。
posted by しろくま at 23:41| Comment(0)
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2017年09月26日
"Frog and Toad are Friends"
Frog and Toad are Friends --- Arnold Lobel, HarperCollins, 1970
いまNHKで「この声をきみに」っていうドラマをやっているでしょう
先日楽しみにしてた第1回を見ていたら、秋田で地震っていうえらいことが起こって
急遽中断してしまったという…
(後日再放送があったそうです。それは見そびれた)
先週録画しといて第2回を視まして(TVドラマをみる習慣がないもので)
この本(の和訳版「ふたりはともだち」)を俳優さんが朗読されてました
(&、テレビだから、場面のファンタジー映像)
なんかじーんとしてしまって。
また手に取ってみました
(ちなみに、ドラマで使われたのはこの本の最終章 "The Letter" です)
仲の良い、FrogとToadの様子がほほえましいなぁ
"The Letter"では、最初に一緒に悲しんでいるシーンと
最後のほうに一緒にワクワクしているシーン。
やってることはおんなじなのに、こころの中が全く違うのね
つい吹き出してしまったのは
二つめ、"The Story"の… 調子の悪いFrogに、Toadが心配していう、
大真面目なこんなセリフ。
"Frog, you are looking quite green." (とってもかおいろわるいよ)
いやあの、カエルですから…(* ̄m ̄)
ひとつめの"Spring" では、
訪れた春にうきうきしているFrog。
ぜんぜん起きないToadが、あと1か月以上もたってからまた起こしてっていうの。
Frog が "I will be lonely until then."
うふうふ。
しみじみかんじるのは、二人とも、お互いを本当に大事に思っているんだなぁ… ってきもち。
あー ほのぼの^^
posted by しろくま at 22:45| Comment(0)
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2017年09月09日
「生きているだけでいい!」
生きているだけでいい!〜馬がおしえてくれたこと〜 --- 倉橋燿子/作 講談社青い鳥文庫 2017
出たばっかり!の本
子どもも読める、ドキュメンタリーです
主人公は、千葉で乗馬クラブを営む沼田恭子さん。
存じ上げなかったけど、「NPO引退馬協会」の設立者であり代表はこの方なんだそうです
んまー。知らなかった。(って、わたしはfacebookでフォローしてるだけだけどさー。あ、カレンダー買ったことあるかも!)
とにかく
行動の方です
ご主人との出会いから、主婦・母としての生活と葛藤、
ご主人の病気と乗馬クラブ設立、直後のご主人の逝去、
それからのクラブの経営と苦労、馬との心の交流、NPO設立、そして東日本大震災…
いろんなことに体当たり挑戦して、たくさん失敗しながら
大きなことを成し遂げてこられたのね
そのたびに馬がそっと寄り添ってくれるシーンや
あと、夢に馬が出てきて会話するシーンは心を打つし
被災場を助けに行くシーンなんて圧巻であっという間に読み終わってしまった。
著者が、子どものころからの沼田さんの親友ということもあってか
とても温かいまなざしで描かれています
子ども向けのシリーズだけど、
大人にこそ読んでほしいなと思うような。
何度も繰り返される
「生きているだけでいい。生きているだけで価値がある」
が、
心にずっしり響いています
おすすめです。どなたにも。
posted by しろくま at 09:01| Comment(0)
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2017年07月25日
"Spook's: A New Darkness"
Spook's: A New Darkness --- Joseph Delaney, Red Fox, 2015
Spook's Apprenticeのシリーズが終わって
Spookとして独り立ちし始めたTomのあたらしいシリーズ。
(とはいえ、まだ2冊しかないみたいなんですけども)
いやー
前作にちらっと出てきた通り、
Tomに新しい見習いが… しかも、女の子!!!
いいじゃん。なんか。
a seventh daughter of a seventh daughterなのよ。しかも!
持って生まれたgiftも違うのよ。
Tomと2歳しか違わないから、なんだか見習いといいつつちょっと生意気なんだけど
(男の子は闇払いで女の子はwitch、っていう設定が実は若干不満だったので、このシリーズも作者も?進化したなぁと思う)
さて今回後半の舞台は
イギリスを遠く離れて、ポーランドあたり(この作者って実際の地名をちょこっといじるのよねぇ。)
までKobalosを追ってやってくるのですが
あのー
savageなKobalosってなんかロシアとかあたりを??(っていうのは穿った考えだけどそう思っちゃう人はいるかもぉ)
冷戦中か?っての
それから
Tomが結構なイケメンだ、ってちゃーんと書いてあったしそれがうれしかったり。
(ファンですから)
あとGrimalkinにコスプレもさせられたり…(* ̄m ̄)
………
なーんて楽しく?読み進めておりましたが
最後に…
(屮゜Д゜)屮 (屮゜Д゜)屮 (屮゜Д゜)屮 (屮゜Д゜)屮 !!!
(いやー書いちゃったらいけないと思うのよ)
次の巻をすぐに読みたい!
です
表紙になってるから死んでないと思うのよ…(あ、書いちゃった?)
posted by しろくま at 22:10| Comment(0)
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2017年07月19日
The Spook's Revenge
The Spook's Revenge --- Joseph Delaney, Red Fox, 2014
シリーズ13巻。最後の巻が終わってしまう〜〜〜
と思って、ちびりちびり読んでましたけど、なーんだ 続くんじゃん。
要はこれまでは
The Wardstone chronicles ってシリーズで
Tomが正式にChipendenのspookになってこれからは
The Starblade chronicles が始まるわけね
ってことはやっぱり、掘り返すんだ… お棺の下に埋めた剣を……
この巻は
え!!! ええええ!!!!! えええええええ!!!!!
ってことの連続でございまして
やっぱり面白かったです。
Tomが、なんていうか、一皮むけて大人になっていく。
渋い。
そうだ。そうそう。あのSlither's Tale が外伝ではなかったわけでー
これからあの怪物たちの世界との関わりが始まりそうね
この巻で絆が深まった、
家付きboggartとのパートナーシップの行方も気になるところ。
つづきもまだまだ読めるのでうれしいです♪
posted by しろくま at 22:28| Comment(0)
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2017年07月05日
「その角を曲がれば」
その角を曲がれば --- 濱野京子/著 講談社 2007
久々に行った中学校の図書準備室で
この本を発見
読み始めたら面白くって…
表紙見ても分かるように女子の友情の物語なんだけどさ
なんとも言えない穏やかでおちついた空気感が好きです
まぁ細かいことを言うとさ
いやー女子からのプレゼントにあの場所でイニシャル入りのブレスレットはないでしょ(しかもむき出し)
とか
きみが本当は〇〇なのはわかってるんだよ攻撃”は必殺なんだからこんな多用しちゃダメでしょ
とか
ツッコミたいところはちょいちょいありますけど
おもしろかった。
あるある。こういうの。ある。え?あるかな?
って読後感です
自分の中学時代に思いを馳せてみた―
この子たちみたいに、こんなに、自分の気持ちを分かっていなかったんじゃないかなぁ
posted by しろくま at 22:46| Comment(0)
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2017年06月04日
"Spook's : Alice"
Spook's : Alice (book12)--- Joseph Delaney, Red Fox Book, 2013
Spooksシリーズも12巻目になりました。
今回のは、アリスの魔界での冒険で、
Tomは全然出てこないし
(とはいえ、AliceがなんどもTomのことを思いだすので、名前は時折出てくるし、
Tomのことを思いながら自分を奮い立たせている様子がなんともかわいくいじらしいのであります)
にしては(しつこいですが、Tomが出てこないにしては、ってこと)
情景や描写はずいぶんグロテスク(血がいっぱい流れたり、気持ち悪い生き物が出てきたり…)なもんで
去年1/4くらい読んで、しばらく放置しておりましたのですが(結局前作から半年あいた)
まぁ気を取り直して手に取ったらやっぱり面白いのよね
なんでだろうね?
こんなグロいのにね?
AliceやTomが純粋だからかなー?
今回のこの話は、Aliceの回想部分がとても多くて、
(本の1/3くらい読んだら、つぎの1/2ほどのボリュームが回想シーンだったりする)
なんだか妙な感じの構成でしたが
このシリーズの特徴でもある、
もうだめだ!!!!って状況からの意表を突く怒涛の生還、っていうのが何度も楽しめました
もうだから、さすがに、
あーーーーーー!!!!!って読みながら絶望することがなくなったよ。
ある意味安心して読める。って不思議なホラーだわぁ
遠山の金さん的な?水戸黄門的な?
てこれ、ホラー??(ホラーって怖いのでほとんど読んだことないです)
なんだかよくわからないのよね
(そして今回は特に、思わせぶりな伏線たっぷり)
このシリーズも残すところあと2冊?
急がないで大事に読もう。
posted by しろくま at 18:36| Comment(0)
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2017年04月30日
「永遠の出口」
永遠の出口 --- 森絵都/著 集英社文庫 2006
そうそう、これを書くのを忘れていたわ。
先週、いつもの(月一の)「子どもの本を読む会」があって
そのお題がこの本でした
森絵都さんといえば、たくさんご著書がありますが
わたしは「カラフル」「リズム」「Dive!」と読んできた中で
これが一番好きかもしれない。
ひとりの女の子が主人公で
彼女が小学生〜大人になるまでを、1章づつの展開で追った短編集。
きっちり眉毛の上1センチの前髪だった女の子が
髪を染めてお酒を飲んで友達と外泊する中学時代
家族の危機や、高校時代の失恋やバイト…
最初はちょっと「ガールズ」な感じに入り込めなかったけど
だんだん面白くなってきて
この子の(っていうか著者のやね)独特の人を見る目の鋭さがなんともスリリングだし
同世代感にも共感できて楽しめました
解説を書かれているのが北上次郎さんって方ですが
「小野不由美の『十二国記』シリーズを第5部が出るまでしらなかった!」って悔しがっていらっしゃるのにも
また同感!!!
いやーまた十二国記読みたくなってきたわ。危険だー
posted by しろくま at 15:45| Comment(0)
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2017年03月31日
「リズム」
リズム --- 森絵都/著 講談社 1991
↑画像は文庫ですが、図書館で借りたのは講談社のハードカバーでした
Dive!がおもしろかったので、ちょっと手が伸びた。
わたしのリズム……
それだけが、心に残る小説。でもさ、思春期の頃に、こういう言葉、聞きたかったなー
posted by しろくま at 23:16| Comment(0)
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2017年03月23日
「Dive!! 2〜4」
Dive!! 2 スワンダイブ --- 森絵都/著 講談社 2000
Dive!! 3 SSスペシャル'99 --- 森絵都/著 講談社 2001
Dive!! 4 コンクリート・ドラゴン --- 森絵都/著 講談社 2002
読んだ――♪♪(今朝はちょっと寝不足)
章ごとに、いろんな人が主人公になって話が進むんですけど
私はやっぱり中学生の知季くんとこがいいなぁ 素直でひたむきでかわいいなぁ
「一瞬先のことなんて誰にも分らない。
わずか1.4秒後のことですら」
「美しいものはどこかに繊細さを忍ばせている」
特に4巻なんて、疾走感と盛り上がりがすごかったです
あんまりおもしろいんで、youtubeで高飛び込みの動画見たりしてしまった。
地味だった…
でも わくわくした♪(あんまりなくて、そのあと目についた落馬の動画に走ってしまったけど)
いやーよくできたお話だわ……!!!
そうそう
映画もあるんだって、1巻を読んだあたりでは観てみたいなーっておもってたんだけど
読破後、すっかり興味がなくなっちゃった。
わたしの中でDive!!の世界がすっかりできあがって完結しちゃったのかなぁ
posted by しろくま at 08:24| Comment(0)
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2017年03月21日
「Dive!! 1」
Dive!! 1 前宙返り3回半抱え型 --- 森絵都/著 講談社 2000
児童書好き仲間の友達が教えてくれて
早速借りに生きまして
(このごろは図書館で借りることを覚えましたのよ^^ 賢くなったわ〜〜)
でも先にこれとこれを読んでたりして
今日お買い物に行った先でご飯食べながらようやくこれに手を付けましたらば
まぁなーんとおもしろいこと!!!
もう早速読んじゃってさぁ つづきを借りようと勇んで図書館に寄ろうとしたら
今日は休みだった… やっぱり、全巻借りときゃよかったわ。ぶぅぶぅ
これも中学生男子部活ものでーす
今回は高飛び込み競技でーす
やっぱり少年が主人公の話が好きだ!!!!!
森絵都さん、「Colorful」よりずうっと面白い。
桜の幹はゆがんでいる、っていうのが妙に心に残っている。
posted by しろくま at 19:28| Comment(0)
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「百年後、ぼくらはここにいないけど」
百年後、ぼくらはここにいないけど --- 長江優子/著 講談社 2016
中学生部活モノでーす
主人公は中3の男の子で、地歴部でしかも鉄道好き寄りでーす
スポーツ系みたいにさわやかじゃありませーん
始め読みだしたときはどうしようかと思ったけれども
おもしろかったです……
暗めで友達少な目でちまちました男の子だけど
すっくなーい部員たちと一つのこと(ジオラマづくり!)に取り組む中で
他人を、そして自分を知っていくのだなぁ…
しかし、読了後、なんでジオラマにしたんだっけ??
ってところがあまりにも記憶に残っていなくて
そこだけもう一度読み直しました
まぁ展開が結構調子がいいというかタイミングがいいというかTVドラマみたいねぇと思っていたら
著者はTVのお仕事をされている方のようでした
しかし、わたしってば
連休だったのに
ちゅん2は部活やライブ行っててオットは仕事やらゴルフやら行ってて
わたしは家でぼーーーっと 本読んだり、寝たり
あぁなんてこと……
(ま、ぜいたくともいう??)
posted by しろくま at 19:02| Comment(0)
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2017年03月09日
"Under the Egg"
Under the Egg --- Laura Marx Fitzgerald, Puffin Books, 2014
たぶん小学校高学年〜中学生(日本だとね)あたりむけの本だと思うんだけど
(主人公のTheoは13歳)
こないだまでSarahシリーズを読んでいたでしょう
あれは少し昔の牧歌的なアメリカが舞台だったし
小学校低学年〜中学年向きだったろうし
この本は現代のニューヨークの子どもたちが主人公で、
同じ児童文学でもずいぶん違うわぁ 単語も、結構難しいものや今風の言い回しや
(そこそこ辞書引いた)
ミステリーというか、謎解きの要素もあって
おもしろかった!!
最後の方(18章の冒頭)でねぇ
もうここまででおわかりでしょうけど〜
ってあるんですけど
ああああ!!全然ひらめいてなかった!!!Σ( ̄ロ ̄lll)わたし!
結構高度なのであります(わたしがうかつであるともいうー)
Theoの家は昔からある豪邸(街にある一軒)なんだけどボロいの
おじいちゃんとお母さんと3人でつつましく暮らしていたんだけど
お母さんは心を壊して?引きこもってるし
Theoは街角で拾った服や靴を履いたり古い服をリフォームしたりしてなかなかクリエイティブに
懸命に暮らしてる
その、たった一人の頼りにしていたおじいちゃんの死からはじまる
Theoの行動力と謎解きもおもしろいけど(一人で背負っていて、切なくいじらしくもある)
結局すべてがうまく収まったラストになって
状況は何にも変わっていないのよね
でも
Theoは知り合いがたくさんでき
バイトも紹介してもらい(結局彼女がこの家の生計をたてていくのだ)
Bodhiっていう友達もでき
なにより…
おじいちゃんと自分は、あえて自分たちを孤立させて、暮らしてたんだゎ
って気づくところが
なんともいえずうれしいです
おもしろかったなー
ホロコーストが背景に描かれているお話だけど
「ミュージアム(美術館)もの」でもあり
ラファエロの絵や人物像がカギになって話が進んでいく。
ストーリーの面白さでいうと、松谷みよ子さんのおはなしよりはずっと、よくできてる。
(もちろん、意図も扱いも違いますけど!)
posted by しろくま at 08:54| Comment(0)
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2017年03月06日
「屋根裏部屋の秘密」
屋根裏部屋の秘密 --- 松谷みよ子/著 偕成社 1988
本当は「ふたりのイーダ」を読んだあとこの本を買ってたの
でも、この本の前に「死の国からのバトン」が(続編として)あるっていうじゃないですか
死の国…を読むまでは読めないわって手を付けずにおりまして、今回、ようやく…
(本当はさらに「私のアンネ・フランク」が間にあるらしいんだけど、まぁこの際それはいっか、って
飛ばしてこっちを読んじゃいました)
なんかねぇ、やっぱり大人の読み手としてはねぇ
もうごく最初の方であらかた分かっちゃうの、
このエリコちゃんの「じじちゃま」が製薬会社の人で元医者で戦時中は中国にいて、って
あぁあの人体実験してた部隊の人だったんだろうな、って
だけど読み進めていると
松谷さんが、「現代民話」の最終で全国を歩かれたときに
出会った、実際のその舞台にいた人からの証言をもとに書かれたこの物語が
児童文学としては想像を超える正確さで
というより大人って思ってる私もここまで詳しくは知らなかった(知ろうとしていなかった、どこかで読んでも忘れていた)
戦時中の日本軍のおぞましい行為の様子が…
ああわかってるわなんて思った自分が恥ずかしく情けなく
「アウシュビッツだ、日本人も日本のアウシュビッツを持っていたんだ」
って、成長し大学生となった直樹が思うのです
そういえば、日本人とドイツ人って似ていると思う
よく言われることだけど
命令され意義を与えられると
恐るべき正確さと勤勉さでこういうこともやってしまうところも
いま「日本人」「ヤマト民族」とかって声高にその優越性を主張する人たちがいて
その昔ドイツ人もアーリア人優越とか言ってませんでしたか
なんか背筋がぞっとした……
部隊のあった平房(ピンファン)を日本人が訪れると必ず嵐になる…
というジンクス通り、松谷さん一行が取材に訪れると現地は大荒れの天気、
踵を返した途端に虹がかかったという、あとがきに書かれたエピソードも何とも重い
松谷さんの渾身の作。
こういう本は読み継がれないといけないって思います
それはそうと…
直樹、って、ちいさいころ(前作)も まぁーなんかいい子すぎるんじゃないの
って思いましたけど
青年になっても「いい青年」すぎるわね?
母親(ってか松谷さん)の理想の息子像??( ̄m ̄〃)
posted by しろくま at 22:10| Comment(0)
| こどもの本
「死の国からのバトン」
死の国からのバトン --- 松谷みよ子/著 偕成社 1976
「ふたりのイーダ」の続編ということで
というわりにはこれまで読む機会がなくて
わざわざ探して読みました。思いのほかの手間
なんていうのかなぁ
わかったのは
たいそう社会派の物語で
こういうのってもしかすると社会(っていうか経済優先の社会)ではうさん臭く扱われたりしがちかも?
土地の名前は変えてありますが
新潟の阿賀野川の第二水俣病のことだとすぐにわかる(大人なら)
「イーダ」より少し大きくなった直樹(と、ゆう子)が亡き父の故郷を訪れ
苦しい苦しい時代の先祖(の霊)と邂逅し
ふしぎな猫のふるまいからはじまる、公害病の兆候が出てくる頃の話
直樹はイイカンジに現代っ子で
でも柔らかい魂を持っています
松谷みよ子さんらしい
昔話のモチーフや
民俗民話の世界が素敵に織り込まれています
おもしろくも心に重いはなしです
直樹は、わたしより10年ちょいくらい上の世代なのかなー
posted by しろくま at 21:53| Comment(0)
| こどもの本
2017年02月19日
"Grandfather's Dance"
Grandfather's Dance --- Patricia Maclachlan, Joanna Cotler Books, 2006
さてさて
Sarahシリーズも、最終巻。(第5巻)
あーあ おわっちゃった
この巻では、語り手は前作同様Cassieですが
弟もちょっと大きくなってすっかりお姉ちゃんらしく落ち着いて
いいかんじ…
弟のJack(でも本名はJohnってなんだか妙〜)が
おじいちゃんのまねばっかするのもとってもかわいくて
でも(確実にくる)世代交代を暗示するようで切なくもあります
Annaの結婚式の準備が着々と進んで
農場に新しい車が来て
そうそう前作では電話が登場したし
時代が結構なスピードで進んでいるわねぇ…
結婚式のためにPapaは張り込んで車を買ったけど
でもやっぱり馬がいい…っていうのがおかしくて、でもちょっとしんみりした
そして最後に……
この巻もなかなかすてきでしたが
(とくにpebblesのところ!!)
シリーズで一番はやっぱCalebの巻かな。わたしには。
そうそう...
でも、唯一、この本の表紙のおじいちゃんは、わたしのイメージではない。
もっとleanで鋭い感じ。まぁね、想像は、人それぞれだけどさー
posted by しろくま at 23:00| Comment(0)
| こどもの本
2017年02月18日
"More Perfect than the Moon"
More Perfect than the Moon --- Patricia MacLachlan, Joanna Cotler Books, 2004
と、いうことで、Sarahシリーズ5巻中の4巻目。
こんどは、Calebの妹のCassieが語り手です。まぁ大きくなったこと!8歳です。
交代してるのに、ついつい、I=Caleb で読んでしまう。いかんいかん。つじつまが合わないわ
(っていうことが何度かありました)
この巻で起きる事件はね…
って、
言わないでおくわ!(聞きたくないでしょう?(* ̄m ̄))
けどさ。
Cassie、女の子だしさぁ、末っ子だしさぁぁ
わたしは、やっぱり男の子が主人公のおはなしが好きだ!
で
女の子なら長女の話がいい!!
(個人的な好みの話です、ハイ)
posted by しろくま at 23:14| Comment(0)
| こどもの本
2017年02月17日
"Caleb's Story"
Caleb's Story --- Patricia MacLachlan, Katherine Tegen Books, 2001
Sara, Plain and Tall(のっぽのサラ)のシリーズ3作目。
邦訳はまだかも。
主人公(語り手)が、姉のAnnaから弟のCalebに変わります。
お姉ちゃんが家を出て、そして思いがけず、存在も知らなかった、おじいちゃんがやってきて…
後半、買い物の後スーパーのカフェで読んでたんですけど
もう
泣けて泣けて
ずっと鼻をかんでる変なおばさんになっておりました
Calebのなんとsweetなこと…
心が柔らかくて、注意深くて、やさしくて。
83ページ以降泣きっぱなし。
なんて素敵な物語だ―!
読んで?おすすめよ?英語だけど、(たぶん)中学生レベル。
posted by しろくま at 19:28| Comment(0)
| こどもの本
2017年02月15日
"Skylark"
Skylark --- Patricia MacLachlan, Katherine Tegen Books, 1994
Sarah, Plain and Tall の続編。
邦訳はたぶん「草原のサラ」
(1作目と2作目で訳者が替わったのねぇ。読んでみたいような…)
これも字が大きくて薄い本なのでたいそう読みやすいです
パパとサラが結婚して、幸せいっぱいの一家に、
今度は夏の灼熱と干ばつがおそいかかり……
それにしても
この作者って、なんて上手なんでしょうねぇ
登場人物の気持ちを、どう描くか。どう描き分けるか。そしてその繊細さ。
パパの言った、
"We were born here. Our names are written in this land."
がとってもすてきなモチーフとして使われています
AnnaがSarahの誕生日にプレゼントした本、
Annaの作文ですけど、
Sarahがそれを読むシーンや
Papaと離れてMaineのSarahの実家にいる(疎開のような…)AnnaとCalebの様子には
胸がいっぱいになって泣けてきます
そしてお父さんの手紙は、とってもいい味。
2作目もよかった…(このシリーズ、全5作中あと2冊getしてあるの。うふうふ♪)
posted by しろくま at 00:25| Comment(0)
| こどもの本
2017年02月14日
「のっぽのサラ」
のっぽのサラ --- パトリシア・マクラクラン/作 金原瑞人/訳 中村悦子/絵 徳間書店 2003
それで、訳書の方も読んでおかなくっちゃね。
短いお話なので、比べ読みもらくちんです
この本は、挿絵がとっても素敵です
(わたしが挿絵を気に入るのって結構珍しいかも)
この表紙になってる、干草の山を滑り降りるシーンは(実際は位置が少し違うけど…表紙用なのでしょうか)
やっぱり印象的な場面のひとつですよね
訳文はなんというか正確!で
ほほーーーそう訳すかぁ〜〜!なるほどーー!
って思ったり
うーむ わたしならこうする…
と思ったりしながらでしたが
やっぱりさ。
読んでる時の肌触りっていうか雰囲気が、英語と日本語では違うわねぇ
意味をとるか、肌触りをとるか、っていうところがあるのかなぁと思いました
(あと私の読解力もファクターのひとつかもしれないが…)
例の、"I am plain and tall."は
「わたしはのっぽで、ぶさいくです」となっておりました
ぶさいく、かぁ。plain and tallっていいかたには、なんともいえない、crispなユーモアと
ちょっと凛とした、
頭をしゃんと上げた佇まいをかんじますけれどもね。
あと…
やんちゃな馬Jackを御するときに、パパがサラに言った言葉"strong hand"は、
訳されているように「てごわいからな」ってまぁそういうことだとおもうけれども
あぁ、そうそう、手綱を強い力で持っていないと、ぐいっと持ってかれるんよね〜〜〜!
なんて
(馬車は運転したことないけどもねー)日頃の乗馬レッスンのことなんか思いだすと
実感を伴った、そんな表現の箇所なんでありました
^^
そうそう
作中に出てくる、サラがみんなに教える歌は "Summer is Icumen in" (夏は来たりぬ)
輪唱ソングなんですねー!
youtubeですぐに聞けるってなんてありがたいんだろうなぁ♪
(ちょっとわたしのイメージと違ったけど…)
posted by しろくま at 23:44| Comment(0)
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"Sarah, Plain and Tall"
Sarah, Plain and Tall --- Patricia MacLachlan, Kodansha International, 1995
(初版の発売は、1985年だそうです)
今月末の「子どもの本を読む会」のお題が「のっぽのサラ」なもんで
こっち(原書)を先に読んでみました
なんと
図書館にあった♪♪
これは日本の出版社から、子どもたちの英語学習のために出版された本のようで
翻訳者の金原瑞人さんのちょっとした解説と、
何カ所か゚の訳文の解説がついています。
英語は平易なので、中学生でも読めそうだけど
でも現地でないとわからない言葉や表現もあるから、やっぱり解説が少しあった方が子どもたちには読みやすいわねえ。
たくさん出てくる、花や動物の名前なんかは、
原書の方がググりやすくていいんじゃないかなと思います
だってさ
どんな姿か写真見つつ読み進めたいじゃないですか^^
登場するのは、アメリカのプレーリーのど真ん中の農場に住んでいる
Papaと少女Annaと弟のCaleb。
Calebはたぶんまだちっちゃくて、お母さんは彼を生んだ次の日に死んでしまったの。
顔を知らない、お母さんを慕うCalebの様子がいじらしくって(涙)
そこに
東海岸のMaine州から、会ったこともない女性Sarahが
お嫁さん候補としてやってくることになります……
子どもたちの柔らかい心と
パパの素朴な男らしさ、やさしさと
Sarahのサッパリと凛とした様子がとても素敵。
Sarahは自分のこと、Plain and Tallっていうの。
容姿は十人並みで背が高いです、ってことだけど
いいわね。潔い。
とってもすてきなお話でした
posted by しろくま at 23:18| Comment(0)
| こどもの本
2017年01月30日
"Clockwork"
Clockwork or All Wound Up --- Philip Pullman/auther, Corgi Yearling Books, 1997
2005年にアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受けた児童文学作家フィリップ・プルマンの
この文章---
子どもたちには
愛情、食べ物、新鮮な空気、そして遊びが必要なのと同じく
芸術と物語と詩と音楽が必要---
に感動して
この人の作品(の、面白そうなやつ?)と思ってこれを読んでみました。
メジャーどころではないけどね?
真冬のドイツのある町が舞台。
明日に大仕事を控えた意気地のない時計職人の弟子と
物語書きと
王宮の人たちと
凄腕の怪しげな魔術師のような男と、酒場の小さな娘と…
現実と物語が錯綜する、不思議な…ちょっと昔話風な…物語。
おもしろかった!!
そもそも輻輳した設定に、
ちょっとした説明的なコラムもところどころに挟まれて、
おはなしの構造もからくり(時計)っぽいよね。
そのコラムが結構シニカルでー
「王女の仕事は美しい姿でいること」
「金持ちは(その広告効果のため)物を安く買えるが、庶民は定価で買わなければいけない」
「医者の常套手段。(症状に)それらしい適当な名前を付け、害にも薬にもならないものを処方する」
「王子というものは手間暇のかからない答えを今すぐにほしがる生きものだ」
みたいなー
これ、たぶん小学校低〜中学年向け、って気がしますけど
このシニカルさってどうよ?
わたしは、好きだなぁー(* ̄m ̄)
この人の別の本も読んでみたい。
posted by しろくま at 21:40| Comment(0)
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2017年01月16日
"Fantastic Beasts and Where to Find Them: the original screenplay"
Fantastic Beasts and Where to Find Them: the original screenplay --- J.K.Rowling/auther, Little, Brown/publisher, 2016
映画を観て、それから読んだことになります
読みながら
どうしたって映画の俳優さんが浮かぶけど、Harry Potterの本編と比べてそれが全然気にならない♪
のは
やっぱ配役が素敵だからなんだなぁ
大好きなEddie Redmayneだけじゃなくって、脇を固める俳優さんたちも
とくに
QueenieとJacob役のおふたりがだいすきー^^
なんですけど
この本のテキストは、映画のセリフそのまんまなんですよね。(そりゃそうだ)
読み始めは、なんでおんなじの読む意味があるんだろう…??
(だって「原作」を読むのと違って、描かれていない、背景とかが分かるわけじゃないんだもんね)と思いましたが
でも
映像を思いだしながら、セリフをなぞっていくのもまた楽しいものでした
ここから映像を膨らませるのもすごいなぁ!と思ったし
画面の切り替えなどコレきっとJ.K.Rowlingだけで書いたわけではなさそうね。と思ったり
とはいえ!
やっぱりこれは小説で書いてもらいたい!
だってさーあ
なんでGravesが独断で死刑を宣告出来ちゃったりするわけ?!!
とか
魔法界の人たちが「非魔法界Non-Majに存在がばれちゃうこと」を「戦争になる!!」とずいぶん恐れてることも今一歩リアルにわかんないし
Tinaの早とちりでおバカな行動もなんだかよくわかんないし
壊れた街並みを元に戻したってさぁ、死んだ人は生き返らないよね…?
とか
要はいろいろ疑問が残ってしまうわけ。
でもこの映画はまた観たいしDVD出たら絶対買うなぁー!と思うのでした
まぁ動いてるE.RedmayneのNewtをもう一回観たいのであります
posted by しろくま at 17:16| Comment(0)
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2017年01月09日
"Harry Potter and the Cursed Child"
Harry Potter and the Cursed Child - parts one and two- --- J.K.Rowling, John Tiffany, Jack Thorne, Arthur A. Levine Books 2016
ハリーポッターシリーズの最新作。
夏に入手してたんですけど、ぱっと開いてみると
戯曲!? なぜにシナリオ??
わたし、「かもめのジョナサン」以来戯曲は視覚的に苦手感がありまして。
(まああのときはまだ小学生だったけどさ)
で、半年ほど放置しておりましたが
先月"Fantastic Beasts and... " も、みたしー
お正月休みだしー
で、ようよう手に取って読み始めたら面白くってイッキでしたわ。
シナリオだから、おおむねセリフだけでできてるし、読むのはどっちかというと簡単なのかもね。
主人公はハリーの息子のアルバス・スネイプ・ポッター少年。
なんと唯一の友達が、マルフォイの息子スコーピウス。wow。
おとうちゃん(ハリー)とうまくいっていなくて、
ああーとおもってたら、trolly witchの知られざる秘密が出てきて!
time-turnerが多用されて、それはなんというか安直だし
パラレルワールドじゃないの?って思ったらつじつまは合わないし
まあなんか小説よりは作りこみが甘い気もしないでもないですが…
ストーリーの意外さでぐいぐい引っ張っていくあたりはやっぱり面白いなぁ。
We cannot protect the young from harm.
ほんまよねぇ。
posted by しろくま at 16:09| Comment(0)
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2016年12月17日
"The eagle of the Ninth"
"The Eagle of the Ninth" --- Rosemary Sutcliff, Oxford University Press, 1954
「第九軍団のワシ」の原作。
やっと読めた!
一回日本語で読んでるんだけど
あのさぁ
英語原作は
軍隊用語や
ローマ用語(?)や
イギリス(とくに北部の)地形・文化に特有の用語がてんこもりで
あとサトクリフ独特?のいいまわし
けっこうな回数辞書引いた。
lochってそうかぁナントカロッホ、って池田先生もおっしゃっていた
「湖」って意味なのねぇ
とか
(地形でもっというと)Down(丘の一種)とかburn(小川)とか…
それはさておき。
やっぱりおもしろかった。
一番、印象に残ったシーンはここかなぁ
MarcusとEscaがイーグルを盗んで、逃げて逃げて、追いかけられて(hunted)、
もうだめかとほとんど観念して、古い信号塔に駆け込んで追い手が迫って
(なんかさぁ、「ラストサムライ」のラストで、渡辺謙とトム・クルーズが
「それで何人死んだ?」って短い会話をするシーンを思い出すのよねぇ)
そこに一群れのharebellが咲いていて
"It seemed to Marcus that it was the bluest thing he had ever seen."
っていうところかなぁ
もうちょっと小さい花がイメージだけど…
つづきも読む―♪
posted by しろくま at 12:04| Comment(0)
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2016年11月15日
「ケンスケの王国」
ケンスケの王国 --- マイケル・モーパーゴ/作 佐藤見果夢/訳 評論社 2002
モーパーゴは好きです!数冊しか読んでないけど!!
これは11歳の男の子が、無人島に流れ着くという…
子どもたちが好きそうな設定で
漂流ものはわたしも子どものころたくさん読んだっけなぁ
一番好きだったのは「十五少年漂流記」でした
何度も何度も読んだっけ
いまは違うタイトルで確か…「二年間の休暇」?
まぁ断然テンション上がるのは「漂流記」ですかね。やっぱ^^
この本はモーパーゴものらしく(?)
戦争の影がある。
主人公の少年が出会う、無人島に一人で暮らす(って日本語が矛盾してますが)老人
ケンスケ
は、第二次世界大戦の生き残りなのでありました
なんかさぁ
救出のときのできすぎ感とか
二人の間の言葉は「英語」になり少年がケンスケに教えるんだけども
フツー子どもの方が言葉に柔軟じゃないか?
これだから英語の国の人たちは…
(まぁ、日本語の設定で物語をかける程、十分な取材はできなかったんだろうなぁと想像します)
なんて疑問がいろんなところに…大人視点で読むと…あったりもしますけども
そんなことよりね。
もう
(たぶん子どもたちはもちろん主人公視点で読むと思うんだけど)
わたしたちはケンスケの気持ちの方に寄り添ってしまうんだな
どうしても
(あるいは息子を失ったお母さんか)
そうすると
なんともいえない
切なく悲しく美しくうれしい物語。
2000年の、イギリスの子どもたちが選ぶ本大賞に選ばれたそうです
posted by しろくま at 18:24| Comment(0)
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2016年11月05日
「武士道ジェネレーション」
武士道ジェネレーション --- 誉田哲也/著 文芸春秋 2015
シリーズ最終巻。
おはなしは面白くって、楽しんだんですけれども
今回は早苗ちゃんがどうしても好きになれず。
っていうか
作者なんだなー 好きになれないのは
自国の文化に誇りを持つのは当然としても
なぜか歴史観の話を
とくに
「自国に誇りを持つ歴史観」と「自虐史観」のまるで二つしかないようなその書きようが
青少年が読むこういう本にこれはいかがなものかと
その視野と料簡の狭さに腹が立ちました
素晴らしいのは日本の文化だけじゃないです
「愛国」を標榜する人たちが日本を戦争に向かわせようとしてもいます
この本は極端な歴史認識を押し付けかねない有害図書のようになってしまっています
急にどうしたの。おはなしは面白いのになぁ惜しい。「武士道」からこうなってほしくはなかったな。
posted by しろくま at 15:10| Comment(0)
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2016年11月03日
「武士道セブンティーン」「武士道エイティーン」
武士道セブンティーン --- 誉田哲也/著 文芸春秋 2008
武士道エイティーン --- 誉田哲也/著 文芸春秋 2009
今日は祝日でちゅん2はたぶんデートに行った様子だしオットはイベントに駆り出されて行って
うひょー♪ 超時間あるー♪
で、朝からほとんど洗濯しかせずにずっとごろごろ。あ―晩御飯つくるのだるいなー…
ところで
この2冊(これの続編)読んじゃいました
セブンティーンもおもしろかったけど、まぁ早苗のお父さんの事故だとか、
ちょっと都合よすぎん?ってところもありましたし
香織がずいぶん角が取れちゃって
まぁシリーズも2作目は大変よ?みたいな?
でも
「エイティーン」はびっくりするほど面白かったです
特にぃ(ってなんかやっぱりうつってるし)
ダブル主人公の使い分けが絶妙だしそいでもって
サブキャラのストーリーがねぇ!!!
あーおもしろかった
で、
「ジェネレーション」も頼んでしまいましたとさ
posted by しろくま at 17:21| Comment(0)
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2016年11月01日
「武士道シックスティーン」
武士道シックスティーン --- 誉田哲也/著 文芸春秋 2007
「一瞬の風になれ」を勧めてくれた仲間がこれもおもしろいよ〜〜〜♪って
もう
読むしかないでしょう!4冊シリーズだから3冊(なぜに-1…)大人買いしてしまった
で
昨日の夜読み始めて。
うむむ… コレはちょっと、わたしダメなやつかも…
って最初思っちゃったんですけども
剣道少女の話なんですけれども。
(ダブル主人公)
最初に出てくる女の子が、いやー、こんな子、いないでしょう!!
って(わたしも武道をやってただけに)なんかリアリティが感じられなくて
でもさー
いやいや、ところがどっこい、ずんずん面白くなるんですわ
あとは結構イッキで、本日の晩ごはんは手のかからないものになってしまいました
おもしろかった!!!
まぁさー、↑の極端少女がずいぶん変わるんだけれども
その変わり方がなんだかあっけないような気もするんだけども
基本的に前を向いて生きるまぶしい青春なのよね。あーさわやかだった
もう一人の主人公の少女が
「たぶんわたしはかなりの自分好きなのだ」
って思うところ
昨日読んでた本とも共通するメッセージだなぁ
posted by しろくま at 23:09| Comment(0)
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2016年09月11日
「第九軍団のワシ」
第九軍団のワシ --- ローズマリ・サトクリフ/作 猪熊葉子/訳 岩波少年文庫 2007
ずっと前に友人に勧められていたのを
(そしてちょっと読んで止まっていたのを)
やっと読み終えた!そして
おもしろかった!!!(何で最初の時、やめちゃったんだろうね??)
というのも
この表紙の写真を撮った方(池田正孝さん)の講演を聞いてきたんですね
お仕事のかたわら、イギリスやヨーロッパに行ったときを利用して
30年以上、児童文学の舞台をめぐりたくさんの写真を撮ってこられたのだとかで
その回は(来月もう一回あります)この「第九軍団のワシ」がテーマで
たくさんの写真を見ながらお話を聞きました
もうね、なんだかマニアックで
おもしろかった〜〜^^
で、この本です。
登場人物の見た目や風景や…の描写はずいぶん少なめなんですけれども
主人公のマーカスのヒューマンな性格はところどころでとっても魅力的に描かれているし
舞台もストーリーもexcitingで
すっかりはまってしまった。
一番好きなのは、あれかなぁ
アザラシ族のおじいさんのセリフのシーンか
あぁでもやっぱり一番は
最後に砦に逃げ込んで、司令官に会うシーンかなぁ
つづきも読むぞー^^
posted by しろくま at 23:14| Comment(0)
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2016年07月28日
「wonder ワンダー」
ワンダー --- R.J.パラシオ/作 中井はるの/訳 ほるぷ出版 2015
この表紙の色は好きだなぁ、ほんと。
微妙に、実は、原書の色の方が好きではありますが…(微妙にグレイッシュね)
9月の「子どもの本を読む会」のお題なもんですから、時間もあるし、
和訳も読んでみようかと。
やっぱりね、
ぱっとページをあけたときに、目に入る語数が圧倒的に日本語の方が多いでしょう
だからやっぱ日本語の本のほうが
なんか読んでて安心感というのでしょうか、把握してる感というのでしょうか、がある。
まぁ臨場感には影響はないんだけど。
それを今回感じたのと
あとーーーー
訳はとてもこなれてて読みやすいなって印象でした。
「ママ、ぼくはどうして、こんなにみにくいの?」
のシーンでは、
英語の原文よりこっちの訳文のほうがぐっときて泣けてしまった。
とはいえー
原文は「若者言葉」未満の、10歳の子どもたちの、精一杯カッコつけた(?)イケテルkids言葉
が満載で、そこがとってもすてきで
そのテンポの良さと、coolさ。
は、やっぱ原書でしか楽しめないんだなぁとしみじみ感じてしまいました
だから、ジャックのカッコよさが、ジャスティンに言葉で説明されるまでわからない。
さらに、ジャスティンの個性的な若者ぶり(文体)もなぁぁー!
ところで。
わたしね、物語や小説を読んでいて、楽しいポイントって大きく分けて
1 ストーリーのおもしろさ
2 描かれている感情に入り込む面白さ
3 描かれている感覚を共有する面白さ
4 舞台設定のおもしろさ
があるなぁーーとおもうんですけども
(今んとこ思いつくのはこの4つ)
この「ワンダー」は2と4でしょうかね。
ここんとこはまっていた佐藤多佳子さんの物語なんかは
際立って3なんであります。
それにしても。
wonder、これ一冊だけ読むとなんだかジュリアンが浮かばれないわ。
ぜひ、続編のジュリアンの物語も読んでもらいたいです…
posted by しろくま at 22:58| Comment(0)
| こどもの本
2016年07月25日
「第二音楽室」
第二音楽室 --- 佐藤多佳子/著 文春文庫 2013
短編集。
このところ、
男子が主人公の小説が好きだ〜〜〜
と
ほざいておりましたが
これは好きよ。とってもすき。
「第二音楽室」も「デュエット」も「FOUR」も大好き。全部主人公は女の子だけど
みんな好き。
いい感じの男の子が出てくるし〜〜
デュエットの音楽の先生がおもしろくてすきだー
いいなぁ
もっと読んでいたい。
posted by しろくま at 13:40| Comment(0)
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2016年07月23日
「べんり屋、寺岡の夏」
べんり屋、寺岡の夏 --- 中山聖子/作 文研出版 2013
今月の「子どもの本を読む会」のお題。
ということで木曜の晩急いで読んだんだけど、
金曜に行ってみたらお題の本は「春」(シリーズ最終巻、4冊目)だった…
でもさ。
やっぱり最初から読みたいよね。出来事が積み重なっていくわけだしさー
尾道が舞台で、主人公は小学生の女の子。
お母さんとおばあさんが細々とべんり屋をやってて
お父さんといえば売れない画家で家にはほとんどおらず放浪してて…
作中に出てくる家族は、どれもどこか不完全というか問題を抱えてて。
でもさ
そんなもんじゃない?
みんな、そんな中で いいなぁ とか やだなぁ とか うれしい とか思いながら
生きてない?
なんでもない普段の日常がいとおしく思えるような小説でありました
ところでさ
主人公は女の子なんだけど、なんともすてきな子なんだけど
(男の子が主人公の時みたいに)心ががーっと寄ってかない。
なぜだー!
ちゅん2を16年間育てながら…
boysに集中するのが習い性になってしまったのかしらん
posted by しろくま at 14:34| Comment(0)
| こどもの本
2016年06月24日
「盆まねき」
盆まねき --- 富安陽子/作 偕成社 2011
全3回の富安先生の講座で、前回この本の裏話を結構伺ったので
(ご自身の小さい頃の体験からだそうです)
とっても読みたくなって本屋さんに行ったけどどこも置いてなくて
児童書の世界も、入れ替わりが激しいんだなぁぁぁ
で、amazonで入手。図書館にはあるだろうと思うんだけども
地方の大家族のお盆の数日間を
おじいちゃんやおばあちゃんの回想話と交互に描いてあって
なかなか凝った構成だなーと思います
お盆だから
死がいつも隣り合わせにあります
小学校低〜中学年向き(くらいなら読める)だとは思うけど
結構心にずんときます
特に最後の「ほんとうのお話」
前回の本に感じた作り物っぽい都合のよさはこの本には全然なかったな。
posted by しろくま at 20:24| Comment(0)
| こどもの本
「元気なモファットきょうだい」「百まいのドレス」
元気なモファットきょうだい --- エレナー・エスティス/作 渡辺茂男/訳 岩波少年文庫 1988
百まいのドレス --- エレナー・エスティス/作 ルイス・スロボドキン/絵 石井桃子/訳 岩波書店 2006
モファットきょうだいの原作は、1941年(昭和16年)
100まいのドレス(改訳前は「百まいのきもの」)の原作は1944年に初版で出ています
1941年といえばちょうど真珠湾攻撃の年…
この本たちからもうかがえる、当時のアメリカの様子は、
今とずいぶん違っていて、
小さい子どもはひとりでうろうろしているし
大人は結構適当
世界は今よりずっと狭くて
暮らしは大変そうで
なにより
社会に何とも言えない重い雰囲気が少しずつ漂っているのが分かります
けど
子どもたちはそこだけ光り輝いているようで
特にすごい事件も起こらない日常の話なんだけど
でも子どもにしたら大事件の連続で
なによりすごいなぁと驚くのは
作者が、まさに子どもの視点で、そして子どもの感覚で、子どもの生活を描いてるということだなぁ
だから
読みながら楽しくてそして切ない
モファット家の次女ジェーンと
百まいのドレスの主人公マデラインは作者だろうなぁ
そうそう
わたし原書を読むのが趣味なもんで
モファット家も(e-bookならすぐ手に入る)読んでみました
まだ初めの方を読んだだけだけど
結構わかりやすい誤訳があった。(と、思うんだけどー)
渡辺茂男さんでもこんなことあるのねぇ
まぁストーリーにはちっとも影響ないんですけどもね^^
わたしのは2004年の新版第1版だから、最新の版ではもしかして訂正されてるかもしれないかな?
posted by しろくま at 19:59| Comment(0)
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2016年06月19日
「ふたつの月の物語」
ふたつの月の物語 --- 富安陽子/作 講談社 2012
富安さんの講座を聞いていて、この方は著書がとてもたくさんおありになるのだけど
そういえば「ぼっこ」と「まゆおに」くらいしか知らないんじゃないかな…
ということで
読んでみました
スピーディーに物語が立ち上がって
主人公もその設定も舞台もユニークで面白くって
どんどんつづきを読みたくなる話なんですけれども
で、ラストも鮮やかで印象的なんですけども
ひとことでいって
都合がよい……
(なりゆきも、大人の事情も)
なーんかすっきりしない読後感なのであります
あ、でも、おもしろかったけどね?
津田さんとお孫さんのドライブのシーンなんて、やっぱりぐっときますよね
posted by しろくま at 22:23| Comment(0)
| こどもの本
2016年06月03日
Daddy-Long-Legs
Daddy-Long-Legs --- Jean Webster, 1912
いやーーおもしろいわーーーー
おもしろすぎてめいっぱい感想かいたのに全部消えてしまった。
ショック過ぎて立ち直れない……のでちょっとだけにしとく……
「赤毛のアン」のときもそうだったんだけど
小さい頃に読んだ本を大人になってから読み返すと
全く違う読後感を楽しめるっていうか
この本も
Judyがなんともかわいくてお茶目でおもしろくってそしていじらしくって
泣けるシーンが何度もありました。
そして
Master Jervie(ジャービー坊ちゃま)もね!
これ読んで笑ってるだろうなぁ、とか、あーあきっと嫉妬してるだろうなぁぁ とか
( ̄m ̄〃)
このバージョンは無料で思い立ってすぐ読めるのでたいそうありがたいんだけど
イラストが収録されていないのでやっぱりなぁ
紙の本が読みたーーーい!!!
posted by しろくま at 20:40| Comment(0)
| こどもの本
2016年03月27日
「守り人」シリーズ(再読)
先週の土曜日に、楽しみにしてたTVの「精霊の守り人」ドラマがはじまって
家族で視てました^^
映像はすごく美しくて
でも やっぱり…
自分で想像してる守り人の世界とはずいぶん違うものだから
(でも、あのイラストよりはずっと素敵ですが)
どうしても読み返したくなってたまらなくなってしまい〜〜
10冊読んでしまった。
(一番最近読み返した「闇の守り人」以外)
精霊の守り人 --- 上橋菜穂子/著 偕成社 2006
昨日NHKの対談番組で上橋さんがおっしゃっていたけども
この作品は正味3週間くらいで書き上げたのだそうです
バルサの体温も、実際に感じながら書いてました
ってすごいなぁとしみじみ…
夢の守り人
虚空の旅人
これは、チャグム王子が主人公で
のびやかな南国の風景と素敵な少年が鮮やかな素敵な作品。
神の守り人(上)(下)
蒼路の旅人
チャグムと南の海の取り合わせはとても好きなんだなぁ
この作品で、初めてヒューゴが出てきます。ヒューゴが一番好きだ!!
天と地の守り人(1)(2)(3)
これはチャグムの冒険譚。バルサと再会し、二人でさらに困難を乗り越え…
成長したチャグムがなんともすてきで、息子の母としてはコタエられない三冊。
この守り人シリーズは単行本、この軽装版、ときて今は文庫本が出ているみたいですね!
単行本はハードで素敵だけど軽装版は漢字を増やして読みやすくなっているそうです。
文庫版はどうかな?表紙のイラストがまた違うのね。
わたしは慣れないのでどうも手が伸びませんが…
それから
炎路を行く者
(これも軽装版が出ています)
ヒューゴの、少年時代の話がもう涙、涙…
今回これが一番感動したかも。
こうしてまた読み返してみて
しあわせだったんですけども
二つ、以前読んだ時と違うことにふと気がつきました
世の中を、好き・きらいだけで見ていては
見逃してしまう、あまりに興味深いことがたくさんあるなぁということ。
自分の尺度だけで見てたら腹も立つのよねぇ
それを、楽しんでしまえる秘訣でもあるかな。
それから
自分の中にたくさんの「他人(の視点)」を入れること
でも、これって
多角的に理解すれば視野が広がって楽しいわ
っていうことと同じようなことなんだけれども…
そんなことを思いました
守り人漬けの一週間…
そうそう
今回、二木さんのイラストはやっぱり勘弁してくれ…omg…って再認識しましたが
佐竹さんのイラストの方は結構好きかも… ってのが分かりました(どちらのイラストか表示がないところもあるのですけど)
posted by しろくま at 16:29| Comment(0)
| こどもの本
2016年01月27日
"auggie & me"
auggie & me - three wonder stories --- R.J.Palacio, Knorph, 2015
wonderを読んだときに
「Julian chapterの載ってるのがお勧め〜〜」ってたしか書きましたけれども
訂正します
どっちでもいいです!
だって結局は
これ――続編3本が収録されたこの本――を読むことになるわけで
その一つ目がジュリアンでした。
(続編っていうより、Auggieの物語と同時並行して起きている物語なんだけども)
ということで
わたしにとってのnewは
2つめのChristopher(の、長い一日)と3つめのCharlotte(の、5年生の後半、女子たちの話。)
どっちもすごく面白かったけど
Charlotteの話 "Shingaling" がなんといってもサイコーでしたわ
成長していく女の子たち。
でもって一番印象的だったシーンは
"Pluto"(Christopherの話)のラストシーン。
いやー 男子のハハですから〜〜♪
これ超おすすめとおもいます
posted by しろくま at 16:45| Comment(0)
| こどもの本
2016年01月08日
「波のそこにも」
波のそこにも --- 末吉暁子/作 偕成社 2015
特に説明も読まず読みだしたのですけど
海の底の国に上(地上の国)から幼い帝が降ってきて
尼御前とか三種の神器とか味方の赤旗敵の白旗とか...
平家物語の世界とつながっているファンタジーなのでありました
わたしファンタジーは十二国記みたいな緻密にできた世界が好きなので
これはどうも読み進みながら物足りなかったのですけれど
しかも
主人公だれよ?(いや、一番たくさん出てくるタマオが主人公みたいなんだけどさ)
とか
たった一回探したところで逆鱗をひろうなんって都合よすぎね?
ウシオのキャラ変わりすぎじゃね??
みたいな…
でもね
人魚族(ザンの人々)あたりのくだりはとっても素敵だったな
いやー 十二国記読みたくなった
posted by しろくま at 21:00| Comment(0)
| こどもの本
2015年12月25日
"Wonder"
Wonder --- R.J.Palacio, Corgi Book, 2014
わたしはだいたい洋書はamazonで買うんですけども(安いし)
これは書店で…ホボ、ジャケ買いに近い感じで…買ったもので
でも積読状態でずいぶん経ってしまってそのあいだに訳書も(今夏)出てたみたいですね
今週急にこれが読みたくなって
それで
読み始めてすぐに、今がわたしにとってベストのタイミングだったんだなーってわかった
(と、これは別の話。)
そうそう、値段も、いまamazonで(画像をチェックするのに)見てみたら
店頭と変わらないんですねぇ
わたしが買ったのは実は↑の写真とは若干違うバージョンで
こっちです
巻末に、"The Julian Chapter"が収録されています
(と、表紙に書かれていない本には多分収録されていないんでしょうか)
これはamazonには並んでないみたいで?(見た感じ)
やっぱり本屋で買ってよかったのだ。運命的。
このJulian Chapterがまたよかったんですよぉぉぉ
(kindleで200円で読めるならいいわね♪)
これmustです。
主人公Augustは外見は全然「フツー」じゃなくって
でも中身は全く「フツー」の男の子
それが、その対比が、特に前半は、読みつつ心に重いのです
彼は5年生(middle School1年生)から学校に行くことになって
そこでいろんな友達と出会って…
彼らみんな、10(〜11)歳なんですけどもね
アメリカの子どもたちってなんて大人っぽいんだろうね
話し方やら行動やら
なんか(日本の子どもたちで言うなら)中学生くらいの雰囲気よ?
(The Julian Chapterはやっぱ子ども♪って感じでしたが)
でも
思えば、大人たちが子どもたちを子ども扱いしていないんだわ
(日本と比べて)
Augustの両親の(まぁ、できすぎって言えば出来すぎの両親ですが...)態度は
わたしほんっと身につまされたっていうか考えさせられたっていうか。こうありたいなって思いました
結局最後にはよかったな〜って決着になるんですけれども
何度も
切なくて。カッコよくて。いじらしくて
涙を禁じえなかった
素敵な物語でした
やっぱりさ。
こういうお話が好きだわ。子どもが主人公でも後味の悪いエンディングのもの(大人向き小説)ってあるもの。。
で
唯一後味が悪いのがJulianでしたが、
巻末のJulian Chapter読んで、これも心を動かされました。
よかった。
ただ
「フランスのJulian」のミドルネームは、ちょっとやりすぎかなっ
って思わなくもないけども。
ネタバレせずにあれこれ書いたってイミわかりませんよねぇぇぇ
ご容赦!
おもしろかった!!素敵な物語だった!おすすめです♪
そうそう。
日本語でも「ディスる」ってこのごろいうらしいですよねぇ
Yes, I dissed him! (ジュリアン)
同じだねぇ…
posted by しろくま at 00:21| Comment(0)
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2015年11月08日
"Spook's: Slither's Tale"
Slither's Tale: Spook's book 11 --- Joseph Delaney, Red Fox, 2012
これ
おもしろかった!!
わたしの好きな(シリーズの主人公)Tomは全く出てきませんけども
この本の主人公、(しかも人間ですらない)Slitherはなんていうか筋が通っていて
かっこいい♪(この表紙は良くないね…中の、切り絵みたいな挿絵の方がずっと好みです)
Slitherといえばすぐに思いだすのが
Howl(* ̄m ̄)じゃないですか
一作目で、
"slither-outer"(ずるずる逃げ出し屋、みたいな…翻訳書では「ぬるぬるウナギ」だった)って呼ばれてたでしょう
だって緑のスライム出しちゃうんだもの。
(念のため、確かめてみたら"slitherer-outer"でした^^ slitherが動詞だもんねぇ)
でもこのSlitherはあんなダメダメ男(Howlのことですが)とは全然違うのでございます
もっとシャープでキケンでなめらかね
little Nessa(人間の女の子)とのかかわりがねー
何ともドキドキさせますわね
本人が分かってないところがね
でもさー
何百年単位の寿命を持つSlitherと
人間のNessaでは
やっぱりSlitherが辛いよね。
狼面の(そして長い尻尾がある)人間様の生物が暮らす国の物語。
そこでは人間の女性が奴隷という設定なので、人間の女性の読者としては
しんどいシーンが(特に最後の方に)あったりしますが
(と、いうよりも、この設定を書いてる「人間の男」がイヤっていうか…)
でも
やっぱりひねって曲がったラブストーリーなのだわぁ
おもしろかった!!
そうそう、このSlitherをどう訳すのかって興味津々でちょっと訳書「魔使い」シリーズをググってみたんですけども
この巻だけ
訳されてないんじゃないかなぁ〜
これが一番面白いのに!(後回しなのは、外伝っぽいからですかね)
そうそう
見慣れぬ単語(狼人の国の言葉)がたくさん出てきますけども
(最初は閉口しましたが…)
でも、巻末に辞書が載っておるのでございます ご安心ください
さて
シリーズもあと3巻(かな?)になってしまいました
楽しみだけど悲しいわ…(ゆっくりenjoyしながら読もうっと)
posted by しろくま at 15:12| Comment(0)
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2015年10月06日
「だれにも話さなかった祖父のこと」
だれにも話さなかった祖父のこと --- マイケル・モーパーゴ/文 ジェマ・オチャラハン/絵 片岡しのぶ/訳 あすなろ書房 2015
で、
続けてモーパーゴ。
「わしをまっすぐにみてくれて、ありがとう」
いろんなすれ違いと
子どものまっすぐなまなざしと。
これは
原書も読みたい。
posted by しろくま at 20:59| Comment(0)
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2015年09月13日
「岡田淳の世界」展
庭で発見。(でもキノコの同定はもうあきらめてる)
先週でしたか、神戸文学館まで
「岡田淳の世界」展を見に行ってきました
元関学の創立時の建物だったという文学館。
初めて中に入りましたけど
なかなかすてきなところでしたわ
(昔図書館でもあったんですねー。いいなぁ)
展示はこぢんまりとしたものでしたが
手書きの絵や原稿。すてきでしたー
わたし大ファンなのよね。書かれたお話はほとんど読んでるな
(この頃の作品にはまだ手が伸びてないですが)
一番、あらためて、感銘を受けたのは
(作品を通じて)
子どもたちに
この世はいいところ、生きるに値するところだよ
っていうことを届けたい(表現はちょっと違うかも)
っておっしゃっているところ
本当に同感だしおかげさまで
わたしもまた志を新たにいたしました
ありがとうございます
そうそう
会場で(っていうかわたしの他にはせいぜい3〜4人しかいなかったけれども)
知り合いに会いました!うひょ〜!!すごい偶然だね♪
posted by しろくま at 14:13| Comment(0)
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松岡享子さん講演会「子どもとことば」
いとこたち大集合、みんなで腕立て伏せしています
( ̄m ̄〃)おもしろい…
先週、松岡享子さんの講演会に行ってまいりました
すてきなお話だった…
松岡さんは、ゆったりと、大きくて、知的でした
(お話の構成にも、うなってしまいました)
松岡さんはお若い頃図書館で仕事をなさり初めて
当初は
子どもにとっての良い本はなにか、っていうことが主な関心だったそうなのですけど
あるときから
「おもしろく本を読んで、そこから何らかの益を得る子どもに育てるにはどうしたらいいか」
という風に
「本」から「子ども」に関心がシフトしていったそうです
そのきっかけは
高度成長期の70年代、「子どもの様子がものすごく変わった」
これを彼女は
「社会の変化が子どもにあらわれた」とおっしゃっていました
子どもたちに具体的にどういう変化があったかというと
・以前ほど本を楽しまなくなった
・読み方が浅くなった(心に残っていない)
・お話をあまり楽しまない子が現れてきた
・お話を聞いているときに、語る人の目を見ない子が現れてきた
本は変わっていないのだから、変わったのは「こども」のほうに違いない
子どもの中に育つ「ことばの力」が弱くなってきたのではないか
と考えられたんだそうです
現在は、その時期よりもずいぶん子どもたちの様子は元に戻ってきていて
それは自己治癒力のようなものっていうか、生体の健康な恒常性による回復だとおっしゃっていましたが
(すこしほっとしました)
で、何が子どもの言葉の力を弱めてたのかっていうと
指摘されていたのは
・テレビ
本来「経験」は、五感とともに得られるものだけれど、
テレビによる疑似的な経験は、言葉が視覚だけで入ってくる
これが子どもの言葉を弱くしている。
・刺激が非常に増えている
ずっと言葉が聞こえていて、大量の情報量に子どもが(防衛的反応として)「聞き流す」ことを早く身につけている
子どもの中で言葉が軽くなる
・子どもの生活が忙しい
お稽古が多かったり、やることがふえたり
ゆったり静かな「なにもしない」時間が失われている
(ボーっとしている時間が減ったのは、親の目が届くようになったからかもー)
遊びが減っている
ことで、身体とともに養われる言葉の感覚も育たないし
言葉を聞こうとする静けさも
本を読んだ後に「反芻してイメージを定着させる時間」も失われている
・一番大切な、自分の言葉を「聞いてもらえる」そして「わかってもらえる」経験から育つ
安心感、信頼感が一番大切なのだけれど
これが育っていない
っていうのもご指摘のひとつでした
お母さんに気持ちの余裕がなくなっているのかなぁ。
不安だったり。いろいろ焦ってしまったり。
「感じて」育児をできればいいんだけどより「頭」「マニュアル」に頼ってしまったり。
自分の外に基準や指針があると思ってしまうような気がしませんか
(このあたりはわたしの感想)
で、この頃さらにお考えなのは
・言葉を生み出す「前」の身体にも変化が起こっている
っていうことなのだそうです
体力がない。筋力がないから姿勢が悪い。
これは胎児のころの、空間的な(子宮内の)窮屈さにも原因があるそうな。
(近頃は妊婦さんの体重制限も昔より厳しいみたいですもんねぇ)
あと赤ちゃんが何かしたい時にすぐに禁止する傾向は意志を育てない。
こうおっしゃっていました
「しようとしたことができる、
しなやかな体が
次の意欲を生む」
ちょうど森の声さんのblogでも読んだばかりです
(大切なことを、繰り返し書いていらっしゃるものね)
赤ちゃんは、快いことと快くないことの中で暮らしている。
快いこと を ことば と結び付けていく。
機嫌よく楽しそうにしている状態をどう作っていくか。
「静かであるが、覚醒している」状態が、一番知的なことをできるとき。
本もお話も(子どもの中へ)入っていく
テレビを見るようになって、変わった子どもの姿はここにもありましたっけ
まぁ、テレビは象徴的なもので、それだけじゃぁないとおもうけど
posted by しろくま at 13:30| Comment(0)
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2015年09月10日
'The Spook's Blood'
The Spook's Blood (book10) --- Joseph Delaney, Randomhouse, 2012
あかん 読み出したら止まりません!
(このシリーズ、いつもは読み終わったら次を2冊ずつ注文するんだけど、これ読みながらあと残りの4冊、大人買いしてしまった。大人だけどさ)
今回は、っていうか、今回も、
奇想天外な展開で(作家ってその世界の神だよねぇホント…)
しかもやっぱり、Tomがずーっと出てくるのはいいなぁ!♪
「あ、これtrapだから!ぜったい危ないから!!」
なんてやきもきしながら読みました
それでJohn Gregoryがあんなことに……!!!!!!
結局Tomは闇と戦う中で
今回の巻では特に、自分の中の弱さ、と向き合うっていうか
とことん直視させられることになりましたね
でもそれを、立ち向かう力に変えていくのがすごい。そして、かわいい^^
まぁね
Tomもこの本の最後には16になりましたね
それで今後はChipenden Spookとして。見習いを続けつつ、新しいスタートです
がんばれーーー
posted by しろくま at 00:37| Comment(0)
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2015年09月03日
"Spook's (9) I am Grimalkin"
Spook's : I am Grimalkin --- Jpseph Delaney, Random House, 2011
主人公が(この本は)Tomじゃないのよねー(Tomファンなんで)
なかなか手がつきませんでしたが
読み始めるとイッキでした(いつものことか…)
Grimalkin、魔女の闘士なんだけれども
残酷なこともいっぱいするんだけれども
筋が通っていて、正々堂々としていて、冷静沈着で賢くて、強い!
きびきびした物言いなんてうっとりしてしまいます。
Grimalkinと、Alice…結局二人とも、Tomを守る女性たちなのよね。
おもしろかった!トムがほんのちょっとしか出てこなかったけど。
posted by しろくま at 23:25| Comment(0)
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2015年08月18日
「時速47メートルの疾走」
時速47メートルの疾走 --- 吉野万理子/著 講談社 2014
さて
今年も行ってきました、
「中学生の読書会」
市の学校図書館協議会と教育委員会が主催だそうな。(そうな。って3年目ですが)
その今年の課題図書がこれでした
ちなみに去年はこれで
おととしはこれで
どっちも読書会は面白かったもののお話自体はなんだかなぁという感じでしたが
今年のこの本はすごくよかった!!
4章あって、それぞれ別の子が主人公なんだけれども
まず1番初めの慶一って子がさぁ
なんだか自分とかぶるところがあるのか、読んでて苦しくなってきて
この調子でこの本読みとおせるのか!?って正直しんどかったのですけども
(1章だけだったけど)
でもね。
コントロールしようとする(manipulativeな)両親と自分の行動もコントロールしようとする彼。
中学生時代にいろいろあって(苦しいけど)気づけて君はきっと
ラッキーだったんだよ!!
なーんて声かけるような気持ちで読んでました
第3章の大門ってガキ大将キャラの子もね
この子はいいご両親に恵まれているのだけども
いままで強い、大きい、と思っていた自分の中にある弱さ
を知ったっていう成長の姿
最後の章は思春期らしく自意識と「頭で考えすぎ」でがちがちになってる男の子
設定はいちばん芝居がかっている。
でもさ。
くったくたのへっとへとになってふっと「頭の支配」が緩む時ってあるのよね
(そこまでしないと頭・思考って緩まないともいう)
もうわらっちゃうっていうか
それが素敵にえがかれていました
最後のシーンなんって10回は読み返してしまったかも
彼さ
最後は、自分が完全変態だろうが不完全変態だろうが
もうどうでもよくなったんじゃないかな
4人の主人公がそれぞれ
内側の自分(自意識)と外から見られている(他の登場人物の視点でえがかれる)姿に
ずれがあってそれが
あーーーそうなんだよな、そうそうそうなのよ、ってとてもリアル。
おもしろかった!
(本は面白かったんだけど、読書会はこれまでの2回に比べて学生さんたちの話があまり引き出されてなかったっていうかもう一つ残念でございました)
先生の司会にmanipulativeさを感じてしまったのだけど。あら。これがキーワードだったりして
posted by しろくま at 23:15| Comment(0)
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2015年07月04日
"The Spook's Destiny"
The Spook's Destiny --- Joseph Delaney, Random House Children's Publishers, 2011
前作もそうでしたけど
のっけから問題炸裂!
最初から最後まで、これでもかと試練が続きそのたびに絶体絶命
(手に汗握るとはまさにこのことだわ)
「作者は(作中世界の)神」だと本当に痛感いたしましたです
とはいえこの巻は、あまりに都合よくというか簡単に現地の
(あ、今度は舞台はアイルランドです。マン島からボートで逃れてきたのね)
有力者の同盟者が現れて
TomはあちこちでひっかかってふらふらするからそうでもないんだけどSpookはほぼずっとその庇護とともにあり
(あまりにうまい話なので、わたしはこれはトラップじゃないかとずっと疑っていた)
でも
ほらこの、表紙にも(よくみると)なっているこの華美な剣
これと出会うエピソードのあたりなんて
ホントおもしろかったです
あと、OtherworldでアイルランドのヒーローCuchulainが闘う狂気の場面なんかも…
それにしても
Tomたちの「光の正義」の活動はどんどん「Dark/悪」と融合していくわねぇ
このあたり
西欧のミッションものにありがちな割と単純な「善と悪」「光と影」の構図を
どう変えて見せてくれるのかなんてのもちょっと期待できそうな気もします
トムももう、弟子になって何年目?
あと2年で独り立ち…って自覚も生まれてきましたね
つづきも楽しみ〜♪
suspendしていた2巻をこれで読んでしまった。
また2巻注文。これが8巻目。いったい、何冊あるんだろう〜
のんびり読まなくっちゃ他に差し支えるわ
(booklogにこの本なかった…)
posted by しろくま at 12:30| Comment(0)
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2015年06月27日
「真夜中の電話」
真夜中の電話〈ウェストール短編集〉 --- ロバート・ウェストール/作 原田勝/訳 徳間書店 2014
ウェストールは結構好きで、
わりと長編を中心に読んでた気がしますが
初めて短編集を読んでみて
圧倒された。
切れ味がすごい。テンポも最高。
もちろん、特有の、なんとも言えない味もあって。
表題作の「真夜中の電話」だけは原著"The Call"が手に入ったので読みました。
英語ももちろんだけど和訳もおもしろかった。
思えば
「弟の戦争」が(これまで読んだウェストール作品の中でも)好きだしもしかしたら
この訳者さんの文章との相性も良いのかも。
ところで
今回初めて知りましたが
著者は一人息子のために、と初めて(かどうかはしらんけど、出版は最初)書いた本で
賞を取ってデビューして
その後息子さんを交通事故でなくされています
そのあと怒涛のごとくたくさんの物語を書かれていますが
幽霊ものが目立ちます
たった一人の(しかもその子のために物語も書いたって!)大切なbeloved息子を亡くす って
ほんのちょっと想像しかけるだけでも
胸が抉られる思いです
しかも奥様も心痛で亡くされたような格好になっています
…たとえ幽霊でもいいから…
会いたい、話ができれば、っていう気持ちでいらっしゃったのかなって
思うだにやはり心が痛いです
し
いっそう物語が胸に響いてくるように感じます
収録された物語は全部面白かったけど
「羊飼いの部屋」が、好きかなぁ。
ボーイスカウトって、イギリスの、(少なくとも少し前の時代の)、
(そしてもしかしたら階層などで違うのかもしれないけども)
少年の基本的な素養っていう側面があるのかもね?
ウェストールの短編最高ですっ
posted by しろくま at 23:53| Comment(0)
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2015年06月22日
「アーミッシュに生まれてよかった」
アーミッシュに生まれてよかった --- ミルドレッド・ジョーダン/作 池田智/訳 評論社 1992
原題は"Proud to be Amish"だそうです。
アーミッシュと言えば
高校時代、アメリカ留学から戻るときにペンシルベニアに何日かステイして
その時に
「あの人たちがアーミッシュよ」って教えてもらったんです
遠目に見ただけだけど
馬車に乗っていて、ひげが生えていて、帽子をかぶっていて
その人たちの静謐なたたずまいがとてもとても印象的で…
キリスト教の厳格な一派ですが(詳しくは↑のリンク先をご覧くださいね)
いろいろいらっしゃるみたいで、
この物語の主人公(11歳のケティ)一家は
中でも一番変わらない昔ながらの戒律&生活秩序を守っている
Old order Amishという人たち。
17のときに見かけて以来、ずっと心の奥に
アーミッシュの人たちの面影が残っていて(夢に出てきたこともある)
何年か前でしたが京都でアーミッシュ展のようなものがあったときに
見に行きましたっけ。
そこで知ったのは
広く知識を求めないために、一見とてもナチュラルな生活のように見えるけれども
服地(服は手作り)は実は扱いやすい化繊が多かったり
食品添加物などにも無頓着だったり、という面があるということでした
(確かcookbookとか買ってきたような気がするな〜)
それはさておき…
この物語は日本語訳を読んだけどタイトルは原題が好きです。
アーミッシュの生活が丁寧に描写されていて
そこで生きる人たちが、周囲(のアメリカ文化)と悩みながら共存している様子や
なによりも
主人公のケティが、自分も年頃らしい好奇心や欲求に悩みながら
毅然と、よいアーミッシュとなって生きようとする様子が
とっても潔くてさわやかです
この方々の生活を見て(読んで、だけど…)いるとさぁ
なんだか
友の会(婦人の友の読者会のね)の人たちを、思い浮かべてしまうなぁ
質素で
潔くて
丁寧で。
わたしは、いよいよというかとうとうというか
7月末で退会することにあいなりましたが…
(10年間もお世話になりました。ありがとうございます)
一度ランカスターを訪れてみたい。
そういえば、
スリーマイルに近いのではなかった?
posted by しろくま at 00:39| Comment(0)
| こどもの本
2015年06月19日
"The Spook's Nightmare"
The Spook's Nightmare --- Joseph Delaney, A Random House Children's Publishers, 2010
前巻を読んだときに書いた通り今回は
「2冊いっぺんに」買ってみましたがそうするとなんていうか
心に余裕ができたっていうかガツガツ読む雰囲気じゃなくなったっていうか
…しばらく積んどいて安心ってことになっちゃいまして…
なんと2か月以上放置!?
で、やっととりかかりましたらあまりの展開の速さに
やっぱりイッキ読み。でした。
それに特に今回は
スピードが速い!危機が次々に訪れる!
もうだめじゃん〜〜〜っていう最悪の状況から何度も何度もカムバックして
なんていうかさぁ
この物語は一貫して主人公Tomの語り(回想のようなね?)でつづられているんだけれども
the Creatorとしての作者の存在感が大きいわぁ
もうこのストーリーの中では
作者万能よね!(作者なんだから当たり前なんだけど)
今回(シリーズ第7巻)は今までで一番むごたらしいシーンが多いし
(あ、でも、慣れたかも)
思えば、Darren Shan読んでた時はこーゆーホラーなシーンにもっとずっと免疫がなかったけど
でもTomは相変わらず素敵ないい子で
Billの残した犬たちとの感動のシーンはもう胸がいっぱいになって泣いてしまったり
(ちなみに、ちょうど図書館に行く用事があったので、このシーン和訳ではどうかな?っておもってそこだけ読んでみましたが、日本語にされた文章ではちっとも感動しなかったです…)
あと
前巻で彼の心に置かれた「一点の悪」が、でもそれは
"I'd become corrupted by the dark and there was indeed a sliver of darkness within my soul.
It was a danger to me, but also a source of strength."
って理解するところ。
ここがなんとも言えず印象的でした
どんどん、Tomが一人前のSpookに
そして本当に強い存在になっていく〜〜〜〜〜
次も読むぞー
ъ( ゚ー^)
posted by しろくま at 09:03| Comment(0)
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2015年05月18日
「春のオルガン」
春のオルガン --- 湯本香樹実/作 徳間書店 1995
(今手に入るのはこちらの方→みたいです)
この人の本は
「夏の庭」が衝撃的に素敵だったので
BookOffで発見して即買い…
思春期のころの、あの何とも表現しにくいいたたまれないような気持ちが
はっきりくっきり描かれてる
それは素直にすごいなぁって思うんだけれども
わたしはやっぱり
少年が主人公のほうが好きだなぁって思いました
posted by しろくま at 20:44| Comment(0)
| こどもの本
「星の牧場」
星の牧場 --- 庄野英二/作 理論社 2003
(初出は1963年らしい。あら。私の生まれる前)
映画にもなっているのねぇ(でもあえて見たくない気が)
美しくって幻想的なお話。
でも
最初からひと刷毛はいたように哀しい調子がずっとある。
戦争に行って
大切な馬をなくして
記憶もなくして
帰ってきた人が主人公だから
お話は最初から最後まで淡々と美しいのだけど
いつ主人公の体験したことが語られるのだろうって思いながら読んでいたら
どきどきしました
(結局最後までそういう話にはならないのでありました)
だからこれは
ちょっとこわい物語。
posted by しろくま at 20:36| Comment(0)
| こどもの本
2015年04月29日
「ふたりのイーダ」
ふたりのイーダ --- 松谷みよ子/著 講談社青い鳥文庫 1980
(初出は1972年で、この装丁の赤がすごく印象に残っています)→
38年ぶりに読みましたのです
小学生のころ…市の市民会館だったかホールみたいなところに
映画が来てね
妹と母と行きました
映画が先だったか本を読んだのが先だったかもう定かではないのですが
映画の印象が強烈で、
小さかった妹なんかはあのがたがた動く椅子がほとんどホラー映画だったと
椅子の悲しみだけが印象に残っていてストーリーはほぼ丸々忘れておりましたので
こんな物語だったっけってあらためて思いましたけど
それでも
「波打ち際に戻ってくる流し灯篭…」は、しっかりと大人になっても心の中に残っておりました
(っていうか出所はこのお話だったのか!って気がつきました)
あと当時気がつかなかったのは
この「お母さん」は松谷さんご本人に相当近いんじゃないかってこと^^
やっぱり同じものを伝えたければ
文章と
映画とでは
畢竟描くものを描き方を変えなければならないよな〜〜〜って今回しみじみ思いました
原爆投下後20年目の物語です
今年は
阪神大震災後20年目
この符合も心に重いものです
posted by しろくま at 14:46| Comment(0)
| こどもの本
2015年04月17日
"Catwings"
Catwings --- Ursula K. Le Guin, Orchard Books, 1988 (paperback 2006)
うふ♪読んだ♪
先に村上春樹訳(単に「和訳」って書けないなぁなんでかー)読んでましたが
突き合わせて比べたわけじゃぁないけど
やっぱり
原文が好き。
猫たちのお母さん(Mrs. Jane Tabby)のおっとり加減がなんとも…^^
"Owl thinks slowly, but the Owl thinks long."
っていうの(軽い繰り返し)も何とも凄み(とおかしみ)があります
猫の話だからあんまり夢中になれないってのはわたしが犬派だからでしょうけども
こういう話も書いちゃうLe Guinってすごいなぁ。
posted by しろくま at 22:39| Comment(0)
| こどもの本
2015年04月08日
「空飛び猫」
空飛び猫 --- アーシュラ・K・ル=グウィン/作 村上春樹/訳 講談社文庫 1996
これは
ル・グゥインだ!って読む人と
村上春樹だ!って読みたくなる人と
その両方と(わたしはこっちのほう)いるかもね?
村上ファンではないのだけど、興味深い…
あ、猫好き(だから)!って人もいそうね
村上さんの訳は理知的で穏やか。
でも
こんなに漢字のいる物語?!
これはぜひ
原著を読んでみたーい♪
posted by しろくま at 12:31| Comment(0)
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