「やればできる!」の研究〜能力を開花させるマインドセットの力〜 --- キャロル・S・ドゥエック/著 今西康子/訳 草思社 2008
少し前に書評で読んだんだったか?
amazonで原書がkindle版だと
おもしろい…
で、英語版と迷いましたがこちらを買ってみました
冒頭
"belief"を
「信念」と訳してあったのでがっくりきましたが
(「思いこみ」ってほうが適切でない?)
でも
やっぱり日本語は読みやすいしねぇ よかったです!(にしたってやっぱりよくあることながら邦題は何て興味をそそらないのかしら)
っていうか
すごーくいい本です!soooo inspiring!!
分かりやすく両極端に書いてはあるけれども
人の考え方に二つのタイプがあって
fixed-mindset(訳では「こちこちマインドセット」)
growth-mindset(同「しなやかマインドセット」
こちこちの方は「人間の能力や知能は生まれつきのgiftであって変わらない」
という基本認識を持っていて
しなやかの人は「知能や能力は努力次第でいくらでも伸びていく」って思っている
という…
「こちこち」タイプはだからいかに自分が努力なしでうまくやれるか、
自分は能力があるかを証明することに汲々とし
(だから失敗すると自信喪失)
「しなやか」タイプは失敗をエネルギーに変えていくという…
いやー
昔仕事をしていた時にね
会議などで、自分の意見に反論されると、まるで人格を否定されたみたいにムキになって反応する人が結構多くて
とくに「東大」とか出てる人がそんなんだったのを思い出して
いやー
「こちこち」さんでしたか!
っていうか
人ごとじゃないんですマッタク
本書にもこうありますが
「ほとんどの人が両方のマインドセットを併せ持っている。(中略)
「同じ人でも分野ごとにマインドセットが異なる場合がある」
わたしも
覚えアルアル
すごく「しなやか」なところと根深く「こちこち」なところと両方ある。
だいたいさぁ
「学歴主義」ってこちこちど真ん中の発想じゃない?
そんな社会で育ってきているものねぇ。(で、うまく行ってた人ほど!他の価値観の世界を経験していなかったら尚更強固!)
いやー 自分で気づかないとね!
(だから「こちこち」方式にも「人生のある時点までは、それがよい意味での目標になって」いる、というメリットもあるとの解説デシタ)
「こちこち」だとねぇ
自分が何が本当に好きなのか
わからない…って状況に陥るんですよね
少なくともわたしはそうで
いろんなことやって、好きなこと好きにやってはいるんだけど
でもわたしって本当にこれ好きなのかな?って
なんだかわからない気になるし
そのココロは
(これも好きなんだけど、もっと好きなことをなにか封印してないかな?)
むむむ。なんか気がついちゃった。
わたしの日頃からの疑問の根っこにはこの「こちこち」式fixed-mindsetがあったのだわ。
4章では、「いじめ」の起こるダイナミズムについても
このセオリーで説明しています
なぜなら「人にはもともと劣った人と優れた人とがある」というのが
いじめの根っこにあると著者は主張し
それはまさに「こちこち」な考え方の特徴であるからです
「学校全体のマインドセットを変えていくことによって、いじめをなくすことができる」
としています
これ、試す価値あるのでは…
5章は子育てについて。
「結果よりプロセスを誉める」というアプローチは
まさに
野口晴哉がしつけの本で書いてあったことと同じで
(玄関をキレイにした子に声をかけるときに、「きれいに掃除したね」はいけない、「お前はキレイ好きなんだね」と誉める。「その行為でなく、行為を生む最初の心の角度」をほめるよし。野口晴哉著「叱り方褒め方」全生社より)
これはとても印象深くて
私も子育ての中で注意してきたことではあるのですが(いつも成功したとは言い難いが)
こうやって、この本のようにセオリーで捉える事が出来るともっと理解しやすいし
いろんな場面で応用ができそう
いやー
いい本でした
「能力は伸ばせると信じている分野の能力は、実際に伸びていく」
「マインドセットがしなやかならば、かならずしも自信など必要としない」
「失敗を何かのせいにしないかぎり、その人は失敗者ではない」(by ジョン・ウドゥン:バスケットボールコーチ)
こんなあたりも心にとめておこう…
そうそう6章に「さてどうしたらマインドセットを変えられる?」っていう内容があって
「マインドセットを変えるにはまず、その自己を返上する必要がある。
想像される通り、長年、本来の自己だと思っていたもの、自尊心のよりどころとなっていたものを捨て去るのは容易なことではない。
とくにたいへんなのは、マインドセットを切り替えることによって、それまでずっと恐れてきたもの―――チャレンジ、苦闘、批判、挫折―――を全て受け言えれざるを得なくなることだ。
また、自分が自分でなくなるような不安にも襲われる。(以下略)」
と、ありますが
これは
心屋仁之助さんが(ご著書は未読ですが)よくblogなどで書かれている説と同じですねー?
「しなやか」マインドセットを維持できると
「努力することそのものを楽しめる」
うふ
「好きなこと」やってるときってそうじゃぁないですか?
これ
めざしたーい
2章ほど和訳では割愛されているらしいので
もういちどこんどは原書を読むかどうか、いま考え中…
(そうそう、この本に関しては追記がありマス)
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