ひげよ、さらば --- 上野瞭/作 理論社 1982
いやー 分厚い本やった(780ページ)
これ
児童文学?
いや
「児童」じゃないな…
分厚いからではなく
活字が小さいからでもなく
最初の100ページほどは個人的にあまりノリませんでページが進みませんでしたが
そのあとは一気でした
出自のわからない(本人?本猫も)新顔猫ヨゴロウザが
いろんな経験をしながら立派な大人の猫になってそしてじいちゃんになってそして…
という物語ですが
おもしろいのですが
(今、ググってみたらNHKのテレビ人形劇にもなってたのね!?しらなかったーー!!)
でもですね
わたし大きくは二つほど納得できないところが…
いや、タレミミたち(野良犬グループ)のあっけない最後は、まぁ、これも納得いかないけど(実は犬好きであってタレミミファンだから)、ひとまずよしとしましょうか
でもさ
動物は自殺しませんから!
ま、そういう意味でもこの物語はねこの姿を借りた人間世界の物語なんだけどさ。
でも
動物は、人間のように、頭の中で違う現実をつくりだして、違う夢をつくりだして、苦しんだり、自分の命を絶ったりすることはしないから…
絶対に自分の命を絶たずに生き続けてほしかったよー…
子どもの読む本ならばなおさら...
もうひとつはねー
この物語の老犬、老猫はみんな
「…じゃよ」「わしが若かったころは…」「…しておった」「…だわい」
っていうんですけれどもね。
猫や犬がその寿命のたかだか数年で
「ぼくは…」から「わしは…」に
「…なんだよ」から「…じゃよ」に
なりますかい!??
人間の(日本の)おじいさんはさー
老人になったから老人言葉になったんじゃなくてさー
ちいさい頃からそのことばでおおむね暮らしてきて
(そりゃ、歯が少なくなって発音するとき息が漏れるとかはあるだろうけど)
時代の方が、若者言葉の方が変わってきたから、古い言葉が老人言葉に聞こえるんじゃぁ
ないだろーか???
(スミマセン、だいたいは私の憶測ですけども)
だってうちの父、アラ80だけどそんな言葉遣いしないもんさ。
…いやでも…猫には猫の時間があるからな…たかだか数年、と人間の時間で測っちゃいけないのかもな…(なんても思わなくもないがまぁいいか)
なんてことや若干強引な展開が気になるけど
猫たち犬たちが個性的でいい味出してて(いるいるこんな人たち!)、
面白い…そして結構チクリチクリとくる…話であることには間違いがないのだ。
中高生くらいで読むとおもしろいかもよ?
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