2013年07月15日

「家守綺譚」


家守綺譚 --- 梨木香歩 新潮文庫


読み終わって奥付を見るまで、「やもりきたん」だと思っておりました
(正しくは「いえもりきたん」)
それでめっちゃ、ヤモリのイメージで読んでた
(もちろんこの小動物の姿も作中では主人公に重ね合わせてあるんですけれども。)

梨木さんって、こういう文章もお書きになるんですねぇ
まるで
明治大正あたりの文豪の若い頃のような風情のね?


100年ほど前の学士さん(で、駆け出しの物書き)が綴ったという設定です
(そういえば…わたしが昔働いてた会社の話ですけど、入社した頃「学士さん」って呼ばれて驚きました。思えばレトロな会社でしたか)

各章はすべて植物の名前で

夏からはじまって、京都の山沿いの四季が生き生きと…生き生きすぎるくらいに…
(というのは、ふつうは目に見えない生き物が当たり前に出てきたり木と交歓したりするから。)
描かれていて

この主人公にはなんというか浮世離れしたマイペースさがあるし
(家のお掃除はしていなそう)
もどかしいけど率直で好感が持てるのですけど

それに脇役というのはあまりに気配の濃い、もと親友の"幽霊”と愛犬と…


いろんな気配のものたちと一緒に、まるで(京都の)四季を体験したかのような。


巻末近く、「桜」の章

「…それがための『給金はいかほど』か。銭勘定とは無縁の、と云っておきながら、この人はこの矛盾に気づかぬのか。ああ、しかし世の中とはかくなるものなのだろう。衆生は平気でこの矛盾を背負い込めるほどに健康なのだろう。」


こういうあたりが、わたしにはとてつもなくはまる







posted by しろくま at 21:18| Comment(0) | こんなん読みました^^
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: