2012年12月10日

「奇跡のリンゴ」

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奇跡のリンゴ --- 石川拓治/著 NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班/監修 幻冬舎

2006年に放送された、この方↑リンゴ農家の木村秋則さんを特集した番組が
NHKオンデマンドで今年いっぱい限り、みられるそうです(無料)
(っていうか来年からみられなくなるの???)

木村さんと木村さんのリンゴは―――農薬と肥料が欠かせないとされているリンゴ栽培で、無農薬無肥料でりっぱなリンゴを生産されている木村さんは―――
自然農や無/低農薬・有機農業あるいはオーガニック食品の世界(?)ではとても有名な方で

雑誌やオーガニック野菜通販の機関紙なんかでは結構取り上げられていたりするので
わたしもこの方の逸話のいくつかは聞き及んでおりまして

本が何冊か出ているようだけれど
とりたてて改めて読んでみようとは思っていなかったの
でも

↑のNHKオンデマンドで動いて語る木村さんを拝見しまして
やっぱり何か読みたくなって
そうだ、うちに一冊なんかあったなー…


って探したらこの本がでてきました
(以前bookoffで買ったもの)


NHKの取材から生まれた本と言えば以前にも金森学級のことを取り上げた本を読みまして
このときもわたしは番組が先で本があとでしたが
今回もそのようになりました
このときにも思いましたが

木村さんが直接ご自身のことを書かれている本よりもおそらく
内容はともかく
いい意味でもそうでなくても客観的に距離をとる迫り方なのだろうとおもいます

だから

超自然的体験のところはかなり抑えて書いてあるし(当然と思います)

無農薬栽培という既成事実にないことを成し遂げた木村さんが
周りの同業者との軋轢に悩んだ様子を評して
「パイオニアとは秩序の破壊者の別名」なんて表現することが
できるんですよね
ご自身で書かれた本だったらきっとこうではなかったでしょう


それにしても

死に物狂いでリンゴの木と向き合い続けた木村さんの歳月の
なんと壮絶で
そしてその果実(そこから得たもの)のなんという…
美しさ…ていうの?宇宙的な感じすらする…真理の輝きって気もするっていうか
(感想)


「『私は病気だけを見て、その病気だけをなんとかしようとしていたんだな』
病気も自然の一部なのだ」

「自然の中に、孤立して生きている命など存在しない。自然をどれだけ精緻に分析しても、人はリンゴひとつ創造することはできないのだ。
バラバラに切り離すのではなく、ひとつのつながりとして理解すること。
科学者が一つ一つの部品にまで分解してしまった自然ではなく、無数の命がつながり合い絡み合って存在している、生きた自然の全体と向き合うのが百姓の仕事なのだ。だから、百の仕事に通じなければならない」



ワタシちゅん2がほんの小さいころに、自然農の本に感銘を受けてはまったことがありまして

だってねー

書かれている事柄がことごとく、「命」の真実とでもいえるようなことで
農業のお話なんだけれども
「子どもの命」を育むこととあまりに共通点が多かったんです


それでこの本のこのくだりを読んで
…だから、農業(自然農)と人育ては同じなんだなー
そして人をみるということで、やっぱり医療もそう(であるはず)なんだなー
って合点がいきました


木村さんはひたすらリンゴの生きる様子を見ています。
眼だけではなくて体と感覚のすべてを使って

葉の様子
幹の様子
木につく虫の様子
虫を食べる虫の様子
根の様子
木が根を張る土の様子
周りに生える草の様子



そうしてリンゴを通して愚直に、ひとつひとつ、しっかりと、
命とは、生命とは、宇宙とは…の秘密を…公然の秘密なんだろうけどね、人間はなかなか気づかないだけで…(だから法則っていうべきか?)
発見していかれたのですね


有名な、「リンゴの木に声をかけて育てた」エピソード。

もちろん、厳しい試行錯誤の中で弱い木は枯れていったそうなのだけれど
隣地との境で、(おそらくそんな風変わりな姿を見られるのを恥じて)
声を掛けなかった一列のリンゴの木は一本残らず枯れてしまったのだそうです

このエピソードを一番最後に持ってこられたこの著者の姿勢にも
とても好感を持ちました



あーおもしろかった
そして
親として人として突きつけられるものの多い本






posted by しろくま at 20:51| Comment(0) | こんなん読みました^^
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