2012年11月15日

"A Christmas Story"


A Christmas Story --- Richard Burton/author, Hodder & Stoughton


気の早いクリスマス本シリーズ、これの次は

この本のなかで、末盛千恵子さんがご紹介されてる本書です

著者は往年の名俳優(だそうな)リチャード・バートン
といっても、わたしは存じ上げないのですけども…


お若いころはイギリスでシェークスピア劇などをたくさん演じられて
それからハリウッド映画の方に出てこられたのかな
(上記リンク先wikiナナメ読み:より)


演技は(たぶん)拝見したことないですが
文章は素晴らしいですね?
特にはじめのところなんて…流れるような、というか、
声に出して読むとリズムや抑揚にうっとりします

小さい頃の…回想のような内容でしょうか

ウェールズの片田舎の炭鉱の町で
立て板に水のように喋る鉱夫のおじさんと
その(寡黙な)仲間たちと
クリスマスイブの晩に外に行ってなさいって家から出されるのです

大人の男たちと焚き火に当たりながら
どうして家にいちゃいけないんだろう
クリスマスプレゼントはなんだろう
お家に帰りたいなぁ
って
あれこれ思いめぐらせるこの利発な少年が

はっと思いつくのは…「きっと、お姉さん死んじゃうんだ」


末盛さんの本にはこうあります

「小さい時にお母さんが亡くなり、
一番上のお姉さんはまるで連れ子のようにリチャード・バートンを連れてお嫁に行きました。
お母さんが亡くなったのがクリスマスの日でした。
(中略)
あるクリスマスの日に、親戚のおばさんがリチャード・バートンに、『外で遊んでいなさい』と言うので、
また姉さんが死ぬのだと思ってしまいます」



本書には「おかあさんはぼくが2歳の時に死んだ。それからというもの姉夫婦と一緒に暮らしている」

としか書いていないのですけども
(母のいないクリスマスにも慣れた、的なところはあるにはありましたが)

コレ、末盛さんが独自に得られた情報なんだろうかな?
お母さんが亡くなったのもクリスマス…だったらもう何倍も劇的になりますので
大事なとこじゃないかと思うんですが

(でも、末盛さんは著者を「13人兄弟の末っ子」と紹介しているけれど、
この本のIntroductionでR・バートンの奥さまは13人兄弟の12番目の息子って書いてますし
wikiにも
しかもお姉さんCisは彼を連れてお嫁に行ったのではなくってもう結婚されていたみたいですし、
実際おかあさんは13人目の子どもを産んで5日後に亡くなったっていうことですから、
…事実関係が微妙に違うので…
末盛さんももしかして覚え違いされたりすることもあるのかも?しれませんね?)


ま、それはともかく…(わたしの読み落としでしたらスミマセン)


一番印象に残ったシーンは

酔って喋りまくってたおじさんが夜も更けてすっかり黙ってしまって、
そのあと
「歌おうぜ」

それまでむっつり黙っていた、きっと顔もすすや油で汚れているだろう鉱夫たちが
".. sang with astonishing sweetness a song about a little engine."


泥の中に咲くハス…といったらちょっと大げさっていうか取ってつけたような比喩ですけど


苦しい労働、苦しい(だろう)生活をしている労働者たちの
しかし美しい歌声が
まるで聞こえるようでそのシーンが目に見えるようで

心をうたれました


(それに、「クリスマスの亡霊」と同様、こういう労働者階級の社会が舞台の、しかも少年が主人公の、願わくばあったかいお話ってワタシ好きなのだわ)


昔のウェールズ地方の、英語じゃなくてウェールズ語を話していた人たちの
物語なこともあってかどうか
短い本なのに、フツーに子どもの本読むよりも多少骨があります(っていうかちゃんと全部読みとれてる気がしないのです)が

当時の炭鉱町(著者の出身地)の写真もたくさん収録されているこの本は

とってもおすすめ。クリスマス前に、いかがでしょうか。



すえもりブックスから和訳が出されるということなので
すっごく楽しみ!に待ってるところです^^









posted by しろくま at 20:41| Comment(0) | こんなん読みました^^
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: