2012年10月17日

「人生に大切なことはすべて絵本から教わった」


人生に大切なことはすべて絵本から教わった --- 末盛千枝子 現代企画室


タイトルとしては若干おおげさじゃないかなと思うんです
100歩譲って「書物」としたとしても

(だって写真集やら他の本の話題も多いし)


でも印象的なタイトルであることは間違いなくて
書名は以前から存じておりましたが
実際に手に取ったのはやっぱりこの講座でこの本に触れた講師の方がいらっしゃったからです


末盛千枝子さんとおっしゃる、たくさんのすぐれた絵本を手掛けていらした編集者の方が
齢70に近づかれてから
1年にわたって同じ場所で継続的に、
様々なテーマで講演されたものをまとめた本だということです

たくさんの絵本を紹介されながらのお話は
どれもおもしろくて上質でそれに
なんというか
襟のただされる感じがするのは、この方のお人柄なのか
それとも
しゃんと前を向いて生きてこられた来し方から醸し出されるエネルギーなのか…


あとがきに、絵本「からすたろう」のことが書かれていました。

これはわたしにとってもとても大切な絵本で…

作者の八島太郎さんが、おそらくご自身の子ども時代を重ねあわせてつくられた本だと思いますが
最初に出版されたのはアメリカ(1954年)なのです。
(そして日本版の出版に尽力されたのが末盛さん)

著者はこの本は(知ってはいたけど)なかなか手が伸びなかったとおっしゃっています。
それを、島多代さん(余談ですが新幹線の生みの親・島秀雄さんの娘さんだそうな)というご友人に紹介されて。
「でも島さんが言うにはこの本はアメリカのお母さんたちにとって大切な本になっているというのです」

ここを読んだらなんだか泣けてきました。
(そもそも、「からすたろう」を読むたびに泣けるのですけどね)


それ以外に
印象に残ったところ…たくさんある中のいくつか…を書きとめておきますので
どんな内容だかご推察くださいませ〜〜
(タイトルはその章の名前です)

★ 死と向き合う
「2008年10月3日の朝日新聞の夕刊で、お坊様でいらっしゃる有国智光さんという方が、
15歳で亡くなった息子さんのことを語っておられます。
(中略)
その方が、『小さい悲しみはやがて消えていく。深い悲しみは私を育てる。
大きな悲しみは慈しみにつながる』と言っているのですね」


★ 戦争をめぐって
IBBYの創始者イェラ・レップマンさんの逸話…ナチスが焚書のように本を燃やした戦後のドイツの復興には、子ども達の読む本が必要、という活動をされたそうです)

「そこでレップマンは、世界中に『ドイツの子どもたちに本を送ってください』という手紙を書いて、すごくたくさんの本が世界中から集まりました。
ところが、ベルギーからは『私たちはドイツのために何回もひどい目にあってきました。ドイツなんかのために、何もする気持ちにはなりません』という断りの手紙が来たそうです。
その後がレップマンのすばらしいところで、
『わかりました。ですが、そうであればそうであるだけ、もう二度とそのようなことが起こらないためにも、ドイツの子どもたちに本を送ってください』という手紙をベルギーに再度送ったのだそうです。
そうしたら、ベルギーから、本当に美しい宝物のような本がたくさん届いたということです」



★ 科学者たちの勇気

「そして、1992年10月31日、つい最近ですが、
カトリック教会はやっと『ガリレオに罪はなかった』と宣言するんです。
今ごろ、ガリレオに罪はなかったと言ったって、一瞬、『なにを今さら』と思いますね。
何百年もたっているのですから。
しかし、日本人には、昔のことを今さら言っても仕様がないと考える傾向があると思いますが、
ヨーロッパというか、キリスト教は、それが何百年経っていようと、間違いだったということを認める。
何百年経っていようと権威者が自らの誤りを認めるということは、すごいことではないかと思います。最近の新聞には、ガリレオが病死だったのかどうか検査もすると書いてありました」



あぁそれからね!!!

アメリカでの、修道院のシスターを被検者とした(成育歴が見事にトレースできるからだそうです)あるアルツハイマーの学術研究結果のことを
お話されたくだりがあって
それはこんなふうでした

「生物学的、医学的にはアルツハイマーの症状を呈していても決しておかしくない所見なのに、
そうならなかったシスターたちの成育歴をみると、
子ども時代の読書、あるいは子ども時代の読み聞かせというのが、
共通の大きいな理由だとしか思えないというお医者さんの説でした。
(中略)
物事をあまり悲観的に考えないということ、そういうことの刷り込みがとても大切なことだということではないかと思うのです」


(★ 絵本はハッピーエンドでなければならない)

--->胸をなでおろされた方もいらっしゃるのでは!??( ´艸`)



おもしろかったです!
ご紹介の本、ぜーーんぶ読んでみた〜〜い^^


posted by しろくま at 23:14| Comment(0) | こんなん読みました^^
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