2012年07月19日

「教師のためのからだとことば考」


教師のためのからだとことば考 --- 竹内敏晴


ちゅん2がこの本がテーブルの上にあるのを見て

「ママ、学校の先生になるの?」

( ´艸`) なりませんとも〜

本屋さんで棚をじーっと眺めていると
目に飛び込んでくる本があるものですが
これも、それ。

竹内敏晴さんといえば、
「ことばが劈かれるとき」
「子どものからだとことば」
「『からだ』と『ことば』のレッスン」

くらいでしょうかね、これまで読んだの?(blogでもご紹介しましたっけ)
どれも相当おもしろい…っていうかかなり触発されるのでしたが


今回は、報道などで「少年を自殺に追いやった壮絶なイジメ」の事件を毎日目にするものですから
この
教師に向けて書かれた…竹内さん曰く「からだの荒野であるところの日本の教育界」…
のいびつなところを

子どもの無言の言葉である「からだ」という点に着目してあぶり出すような
ずいぶん以前(1982-3年ごろ)に書かれた内容は
今の日本の教育を理解するうえでも
かなり示唆的なものであると思いました


「あの人、学校の先生っぽいよね…」
って
いい意味でも悪い意味でも
わたしたち結構もってる共通の感覚があるように思うのですが

でもそれは学校の先生に一般的に強くみられるというだけで
現代の日本に生きるわたしたち自身も多かれ少なかれ
同様に持っているものなのだとおもいます

(だからこの本も、自分に引き寄せて十分納得しながら読めるのです)



わたしたちは自分自身の一部である自分の「からだ」について

どれだけ理解して
理解しようとして感じて
そもそもその存在を自覚しているのかな

「からだの内側の感じ」に
どれだけ気づいているのかな

それが
「アタマ」…意識…とどれだけかい離しているものか
どれだけ抵抗しているものか

自分に対してもそうなのだから
他人の「からだ」…存在そのものを理解して受け入れることなんて
あるいはそもそも認識することなんて
できないんでしょうね


その「無感覚さ」




話は変わるようですけど
TVのバラエティ番組で、この頃はあまり見ませんけど
タレントさん達の「おバカ」ぶりを笑って楽しむようなものがあるでしょう

あまりよい趣味ではないなぁと思うのでわたしはあまりみませんが

だいぶ前ですけど、そんなふうにたくさんの回答者がいるようなクイズ番組で
家族が見ていたのでたまたま眺めていたら

ステージに出てきた人が実際に歌っているのか、「口ぱく」なのかを
当てるクイズがあって
結構難しくってみんな当たらないのですが
ただひとり、元プロボクサーの具志堅用高さんだけが

全問正解

すごかったです…
からだのプロ、の、それも、戦いで勝ち負けのある世界ですから
半端ではないプロなんですよね…
の、凄みを感じましてとても印象に残ってました

そのほかの問題ではおちゃめな回答をして出演者に笑われてましたが

こんなすごい人をどうして笑うんだか不思議でなりませんでした




この
からだに対する感受性、っていうのが
決定的に無視されているのが今の時代のわたしたちの不幸なのかも。



本文中、すごいところは沢山あって
結構メモしたり線引いた知りながら読んだのですが
個人的には、とくに…

こどもにすぐ「ゴメンナサイ」と言わせる無神経さ(「一見『のびのび』した姿が決定的に非人間的でありうる」

「『吐く』とか『失語』とかの症状が…(中略)『からだのことば』だと主張しています」
(スイスの精神科医ビンスワンガーの話)


それから、「おわりに」にある

「ただ、娘が伸び伸びと健康的に育って、なにか一つこれが好きだと一生を賭ける仕事に巡りあってくれればよいが、とだけ願っていた」

というくだりに激しく同感。






教員の方も、そうでないかたも、ぜひご一読をお勧めいたします〜^^
ハズレなしよ♪








posted by しろくま at 10:24| Comment(0) | こんなん読みました^^
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