おとうさんのちず --- ユリ・シュルヴィッツ/作 さくまゆみこ/訳
(以下、絵本の勉強会用に書いたレポートです^^
字数の制限があるので、中途半端な気もしますけど、まぁそのまんま。)
表紙には絵地図が描かれています。
異国風の建物や人、木などの自然、象・ラクダなどの動物や魚、近代的な都市や船などの、親しみやすくわかりやすいイラストが描かれています。
まるで実際にその地を旅するようで、たのしい、わくわくした感じがします。
空を飛ぶような男の子の後ろ姿も描き込まれています。
旅人はこの男の子なのでしょう。
その地図を、遺跡の石造り風なレリーフが取り囲み、左右の上端には、これも古代風な月と太陽。
昼と夜、すなわち一日、そして毎日の生活を表しているようです。
ストーリーは、戦争で家族が遠い国に逃亡するところからはじまります。
シュルヴィッツはユダヤ系であり、この戦争は第2次世界大戦で、死から辛うじて逃れてきた家族なのだとわかります。
ある日なけなしのお金で、パンの代わりに地図を買った父。
その教養の高さ・知的さを感じさせるとともに、知的飢えをも思わせます。
同居人は作家であり、やはり文化人です。
でもみんなぎりぎりの生活。
物静かな作家は、大きな音を立てて乏しい食料を食べます。
イマジネーションで心を満足させ、生きる力を支えているのです。
イマジネーションは人間の持つ最高の力・能力であり、この絵本のテーマであると思います。
はじめは父に怒りを感じた少年でしたが、地図に魅せられ、ふしぎな地名が「魔法の呪文」になり、狭い部屋にいても心は遠くの国々へ旅します。
イマジネーションは飢えを忘れさせ彼の心の成長をも支えます。
「やっぱり おとうさんは ただしかったのだ」


