2024年01月03日

答えを急がない力 negative capability

IMG_2024-01-03-161242.jpeg
今朝の朝日新聞の9面です
(写真はblog用に小さくしているので、読めないと思います。実際の誌面もしくはwebsiteをどうぞ。)

作家で精神科医の帚木蓬生さんと環境ジャーナリスト・翻訳家の枝廣淳子さんへのインタビュー。

お二人とも、negative capabilityに関するご著書がおありとのこと。
negative capacilityについて
「答えの出ない事態に耐える力」
「すぐに結論に飛びつかず、一度答えを保留して、本当にそうか、違う見方はないか、と考え続ける力」

と表現していらっしゃいます。

わたくし今年の抱負(?)に
「深い息をして考える」って書きましたけど

そうだな。
「考える」もそうだな。深く考える。しかも忍耐強く考える。結論を急がないで視野を広く考える。
考え方も重要だな。

ってこのお二人のインタビューを読んで思いました

ご著書興味があるけど読むかどうかわからない(すでに積読がひどい状態やし)
のですが

記事から少し抜書きを

「世の中は明確な答えのある問題ばかりではありません。むしろ人間社会は、解決できない問題の方が何倍も多いのではないですか。先が見えず、どうしようもない不安に耐えながら、熟慮する。答えが出なくても問題に挑み続ける力こそ、ネガティブ・ケイパビリティです。
これに対し、正の能力、ポジティブ・ケイパビリティは、答えを見つける問題解決をさします。学校教育もそうですよね。テレビでクイズ番組を見ても、記憶した答えを素早く吐き出すことを競います。
でも、多角的、長期的な視野でものを考えることも大事です。早く答えを出すと見落とすものがあるからです」

「人の脳はわからない状態に耐えられず、すぐにそれが何かを決めつけて、理解したつもりになろうとします。
ノウハウ、マニュアル、ハウツーものが歓迎されるのは、悩まなくてもすむからです。だけど、そこには落とし穴がある。深い問題が浮かび上がらず、浅薄な理解に留まってしまうのです」

「19世紀の英国の詩人キーツが兄弟への手紙の中で、シェークスピアが『ネガティブ・ケイパビリティを持っていた』と書いています。この能力によって、シェークスピアは複雑な人の本質に迫ることができたのでしょう。それは他者を思いやる共感と、深い理解にもつながります」

「トランプ前大統領は、ネガティブ・ケイパビリティが欠如している典型だと思います。物事を決めつけ、他人を攻撃しますよね。寛容を切り捨てた言葉には勢いがあるから、人気が出るんです。SNSでもそうですが、不寛容な方が主張が強く、競争で優位に立ったりするものです。
不寛容の行き着く先は戦争です」

「軍事力を強化すると、人は強気になります。でも、軍備を背景に強気になるのは、決して良いことではありません。戦争における論理の正しさは、弱い方が持っていることが多いのです。強者はそれを軍備でたたきつぶして、うやむやにしてしまう。強者の理論に走らず、弱者の理論を探ることが大切ではないですか」

「相手を『敵』と決めつけて、一気に答えを出そうとしてはいけません。問題を解決できなくても切れずに、なんとか持ちこたえていくことが必要です。寛容が踏みにじられた先に、戦争があります。寛容を保つことこそ、平和を支える精神だと私は思います」


(以上箒木さん)

(以下枝廣さん)

「ある会社では、『今日はモヤモヤしよう』と言って、最初の30分は結論を出さないと決めて会議をすることがあるそうです。気になっていることや、今の会社の方向性とは違う意見を出し合います。その時間を持つことで、結論が変わったり、同じ結論だとしても深みが出たりするんです」

ほほう。もやもやにもちゃんと意味と役割と効果がある。
もやもや大事やな〜〜


ーーー考え続けるのが苦しくて、答えに飛びつくこともあります。
「思考停止ですよね。(中略)
今日を生き抜くのに必死な時は、5秒でいいから『今の必死さはどこにたどり着くんだろう』と考えてみましょう。今やっていることは、自分が長期的に目指す姿につながっているのか。つながっていなくても『生き抜くためにやっている』と認識するだけで違います」


対処療法的な解決が国や企業にも多いというご指摘。

「解決してくれそうなテクノロジーがあると飛びつき、深く考えるのをやめてしまうことも多いと感じます」
例えば太陽光発電などの再生可能エネルギー対策。
それからGDPコンシャスな経済成長。
「根本の問題は、みなが幸せになるように富が分配されていないことであり、経済成長は対処療法だと思います」

また読み返したいところを、いっぱいコピってしまった

2024年の私たちに、必要なご指摘だと思います

posted by しろくま at 16:07| Comment(0) | 新聞より
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: