2022年06月10日

「『青』の民俗学〜地名と葬制」


「青」の民俗学〜地名と葬制 --- 筒井功/著 河出書房新社 2015
おもしろかったですわ〜〜〜〜

地名というのは、
もしかすると数千年もの昔から、あまり変わらずに残っている稀有なもののようで
文献に書かれていると検証できたりもするし
あるいは文字の無い時代から、実は、音として受け継がれてきたものであるらしく
(場の形状や雰囲気を表す形で、残っているとかわりにくいのかな。利用が変わるとそれに連れて変わることもあるでしょうね。。
ともあれ)


すごいね?
博物館的なものが日常の中に、実は口伝遺産のように。


「青」という文字を当てられたり
アオ、アフ、アワ・・・などが訛ったり
オオ に変わったりもしつつ
実は墓や葬送などに関わる土地を示しているという仮説のもと
日本各地の「青」地名を、古墳とのつながりなどを手がかりに順々に論じているのですが

いちいち地図とか見ながら(Google mapありがとう!!)読んでたらもう時間がかかってさー!
おもしろかったです〜

青が葬送と関連があるかももちろん、面白いテーマですが

思うに。
というか
改めて思い至ったというか
その昔から
生まれてきた人たちは必ず死ぬわけだから
たくさんの人が死んでいたわけで
その亡骸をどうしようか、というのは結構頻繁に起きる問題だったはずですよね。
人が死んだらどうするか。
これほんと、今の私たちにももちろん繋がる、大きなテーマだわ。

それを
日本各地、昔は一体どうしていたのか
今みたいに
焼いたりしないわけで(一部焼いて川に流すところもあったみたいですけど)

川に流す。
海に流す。
穴に落とす。
森に放置する。(こういう島では、犬を買うのを禁じていたそうな)

筵をかぶせて森に放置して、腐るまで毎日顔を見に行く。っていう地方もあり
なかなかに(今の感覚で見ると)壮絶な葬送法の数々が紹介されていました
本書で紹介されている土地の中には、わたし自身も旅行ですぐ近くまで行ったことがあるような、ところもあって衝撃。
昔は地元の人はみんな分かってただろうけど、今じゃ誰もが普通に行けるところだったりするよねぇ。。観光地なら特に。。。

そして
それはきっともっとたくさんあったはず。
今「青」地名として残っていないところもきっと。


そうそう、ちょこっとググってみただけですが
「青」という色名は、古代の日本では「グレー」くらいの意味だったようですね
「白」「黒」と
それ以外は「赤」は明るい色という意味、
「青」は暗い色という意味。
(地方によっては黄色も「青」、と呼ぶところがあったそうな)

そう言われてみれば真っ赤な嘘、というのは今でも明らかな嘘のことだし
顔が青ざめる、は薄く影がさす、顔色が悪くなり濁る、みたいな感じですよねー
まだ言葉の中に、残ってるんだなぁ


余談ですが「人間いたる所青山あり」の青山は
骨を埋めるところという意味でございましたっけね


死者の赴くところ、という場の名前に
青 という表現をあてたのも興味深いけれど
私たちの祖先がその土地その土地でいろいろな葬送をして暮らしてきた
そのことと、その場所とを、もっとリスペクトしたいなと思いました。
posted by しろくま at 16:09| Comment(0) | こんなん読みました^^
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