2021年10月21日

「日本の島々、昔と今。」


日本の島々、昔と今。 --- 有吉佐和子/著 岩波文庫 2009
(1981年発行の書籍を文庫化したものです)

有吉佐和子はおもしろい!
っていうかこんなにおもしろいと思わなかった。
わたしにしてみたら昔の人で、ちょうど子どもの頃もうすでに活躍されてた感じで
「複合汚染」なんて教科書で習ったもんだから直接読んだことがなかったのよね、そういえば。

昭和54年から55年まで、著者が直接
日本のいろんなところの島々に出かけて、おもに漁業の観点から見聞きし取材したルポです。

島はですね

焼尻島・天売島(北海道)
種子島
屋久島
福江島(五島列島)
対馬
波照間島
与那国島
隠岐
竹島
父島
択捉・国後・色丹・歯舞
尖閣列島
(竹島、北方領土、尖閣には、上陸されていませんが。)

わたしが行ったとあるのは、波照間だけだな・・・(もう船しかなかったけどね。当時は、飛行機が飛んでたのね。)

本書は
もう、どこから紹介したらいいのかわかんないくらい面白いのですが
印象的なのは
著者の博識ぶりと行動力と
それから
日本の島嶼地域(ほぼ僻地)の人々の生活の厳しさと
それから
その人たちの魅力。

特に
「隠岐」の章で出てくる、組合長米津さんの人となりと来し方の面白そうなこと。
すごいおもしろい小説になるんじゃないかしら・・・(もうあったらスミマセン)

小さい島々が国際的な力関係のはざまで
翻弄されている様子が
今もそうだなと思うし
そこに焦点を当てて横断的に斬って見せた著者の力量はすごいです

いろいろハイライトしたいところはあるけれど
一番最後に書かれている

「改憲論や軍備強化を主張する日本人は、どこと戦争して、誰が死ぬと思っているのだろう」

に、激しく共感します

やっぱり男性には、逆立ちしてもこの本は書けないのだ。

おすすめです


(おまけ)

もう1箇所引用しとこう。(ただし本書の平均的な雰囲気の部分ではありません。わたしにはツボ)

「『あのォ、浦島太郎が乗ったのは、アオウミガメでしょうか』
『いや、あれはアカウミガメです。あれは雑食で、獰猛な顔つきをしています。アオウミガメは草食ですから、見てごらんなさい、仏さまのようにいい顔ですよ』
わたしは浦島太郎のフォークロアの世界伝播地図について知識があり、アカウミガメの生息分布と必ずしも一致しないのを知っていたが、異を唱える気にはなれなかった。何より、アオウミガメの顔が仏さまのようだと言う倉田さんの信念に圧倒されたからである。
東京にアオウミガメのステーキを食べさせてくれるレストランが何軒かあるのを知り、帰ったら必ず出かけてコロンブスと同じ気分で乾杯しようと思った」
posted by しろくま at 17:46| Comment(0) | こんなん読みました^^
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