2021年10月16日

「ユージン・スミス写真集 A Life in Photography」


ユージン・スミス写真集 W. Eugene Smith: A Life in Photography --- W. ユージン・スミス/著 クレヴィス 2017

先日映画「MINAMATA」を観たので
ユージン・スミスの写真が見たくて図書館で借りてきました
(予約してからちょっと待った)

20代の頃から最後の仕事となった(んだと思う)50代の水俣の写真まで
建設現場や工場・農場の労働者たちや家族や
戦場の戦士たちや民間人や
往診の医師や産婆さん
アフリカ・ランバレネのシュバイツアー博士
日立
そして水俣の人たち・・・

被写体は世界中の人たちだけど
わたしは写真ってそんなに見たことがなくて知らなくて
でも
その人たちがたくさんの背景を背負ってそこにいることが伝わる

彼の撮る写真はそんな写真

表紙はユージン・スミス(当時28歳)のお子さん2人だそうです
「楽園への歩み The Walk to Paradise Garden」そうタイトルがつけられている
このとき彼は、沖縄戦の従軍から(負傷して)帰ってきたばかり

「兵隊たちは土塁の後ろに身をふせるが、スミスは、迫撃弾の炸裂煙を背景にムーアの写真を撮ろうと立っていた」
(ムーアは彼が被写体としていた兵士)

彼が水俣を撮り始める直前に、ニューヨークで開いた回顧展のタイトルは
"Let Truth Be The Prejudice" だったそうですが(日本でのタイトルは「真実こそ我が友」)
このタイトルの意味について元伴侶のアイリーンさんがこう書いていました

「今の時代こそ、過去と未来と同様にこれを必要としている。
『Prejudice』は『先入観』であり、普通『偏見』となる。
『Let』は『願わくば、そうなりますように、そうなるようにしましょう』であり、私たちが持つPrejudice(先入観)がTruth(真実)と等しくなりますようにという願いなのだ。
私たちには生い立ち、生きてきた環境、全ての体験により先入観がある。
直接体験したこともない、知らない世界がその外にあり、外の世界を伝える伝達者(ジャーナリズムを含む)からの情報を元に判断を下している。したがって、その判断は実際の真実とはきっと異なる」

(中略)
「彼の願いは私たちの先入観ができるだけ真実に近寄ることであり、ジャーナリストの仕事はそこに近づけるという試みだ。


だが、ジャーナリストも皆と同じく先入観の持ち主だ。だからユージンはジャーナリズムから『客観』という言葉を省くべきだといつも言っていた。

(中略)
『客観的(objective)である』というのはウソであり、大切なのはfair(公平)でありhonest(正直)であることなのだ」


ユージン本人は日立(水俣に取り組む前)での仕事の後にこう書いてます
「私は、力の及ぶ限りの内省をいく度も重ね、真実が偏見となることを厭わなかった」



映画のジョニーデップ、実際のEugeneの写真とすごいそっくり

posted by しろくま at 16:02| Comment(0) | こんなん読みました^^
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