2020年10月14日

「言葉の守り人」


言葉の守り人 --- ホルヘ・ミゲル・ココム・ペッチ/著 吉田栄人/訳 国書刊行会 2020

作者はメキシコの詩人なんだそうですけど

マヤ語を(も)喋る
マヤ人
なんだそうで

メキシコ人であり、マヤ人であるというアイデンティティを持っている人が
今でもたくさんいるんだなー!っていうのが
(自分の見識の浅さにまた気づいちゃったゎ〜って思うとともに)
目を開かされた気持ちです

そうなんだ。

ストーリーがあるような、ないような
現実のような、夢のような
そんな物語ですが

イヤ確実に、主人公の少年は成長していくから
やっぱり物語なんだろうけど

「ぼくは逃げ出したくなった。でも、どこへ?
ぼくは考えた。違う自分になることから逃げる必要があるのか。
自分であり続けるために逃げたとしても、疑問を持ち続けることに変わりはないではないか。
迷路に迷い込んだような気がしたが、一番簡単なこと、それも一番やりやすいのは、違う自分のままでいること、つまり誰かに決めてもらったもののままでいることなのではないかと思った」


この、血族に選ばれた少年は、いくつもの秘儀を経て、
自分の新しい名前を得るのだけれど、それは誰にも話してはいけなくて。

ル・グゥインの「ゲド戦記」〜earthseaシリーズ〜でも重要なモチーフであったこの
「本当の名前」という概念は
そういえば昔のマヤの人々が持っていたものだったよね。
(この絵本で読んだ〜)
今もそうなんだぁ!

「荷車は荷物とぼくを背中に載せて運んでいる。でもぼくはぼくで、不安という重荷を背負っている。どっちが重たいんだろう。荷車が運んでいる荷は、ぼくが背負っているものとは全く違う性質のものだ。荷車のは荷物だけど、ぼくのは苦悩だ。荷車は荷物を下ろしてしまえば、重みから解放される。それに対して、ぼくの不安は増すばかりのような気がした」

「名前は自分の家の中と同じようにいつもきれいにしておけ。なぜなら、名前は魂が住む場所だからじゃ」


なんかこういうフレーズにいちいち感動する。

「その守ってくれる奴(フ・カナン)というのは、たとえば、何かの言葉かもしれんし、何かの音や歌、祈りかもしれん。あるいは石だったり、星だったりする。草や木、花、種かもしれん。もしかしたら、トカゲや犬、鳥、あるいは風や色かもしれん。どっかの場所だったり、道でも構わん。緯度や水たまり、川、泉にある水かもしれん。
人間は自分を守ってくれる奴が誰なのか知らないでいると大変なことになる。要するにものや言葉、植物が力であり、それらが守ってくれる奴なんじゃ。わしらはそれぞれに自分を守ってくる奴を見つけねばならん。それを見つけるには見つけ方を知っておるものの助けが必要なんじゃ」


この、その子を守ってくれるもの、その子を守る精霊、などの伝承(と、一応言っとく)は
世界中の民族に見られるものだと思いますけど

私がどっかで読んだだけでも
アメリカの(ネイティブ)インディアンにも(トーテムとかって言ったり)
アイヌにも
その見つけ方が伝えられているけど

日本でも
子どもの身につけるものの背中に刺すという、背守も似たような魔除けだと思うし
(意匠はどう選ぶんでしたか?)

アイヌの伝承ではその子を守る精霊を見つけてもらう、その見つけ方の話や
あとどこのみなさんでしたか(アフリカかな?)
妊娠している間に、お母さんがその子の歌をつくる、
その歌がその子を一生守る…… っていうのもあったっけ。

どれもこれもすてきだー

わたしたち今の日本人は、どうやってそれを見つけたらいいんでしょうね?

「『黙ってしゃべるというのは心の中で話す方法じゃ。それは自然界の言葉の中でも最も知恵に満ちた言葉であり、魂だけが知っておる。それに、沈黙の言葉を使えば、お前の心の声を聞くことができるのはお前しかおらんことになる』
さらに付け加えた。
『普通の人間は沈黙を恐れる。なぜなら、黙ってしまうと、自分と向き合うことになるからじゃ。自分の中の沈黙の言葉を聞きたがらぬ者は、いとも簡単に他人の餌食となり、奴隷にされてしまう』」


彼(主人公の少年)は、おじいさんの導きで、自分の魂と向き合いガイドに出会うんだけど

今の私たちにも、また違う形で、ガイドが与えられ導かれているのかもしれないね。

「『お前の心は言葉の守り人であって、言葉をしまっておく洞穴じゃない。言葉がそこにずっと隠れていることなんかないんだ』
春が来たら、言葉を風に乗せてあちこちに運んでもらえ。言葉に赤や白、黄色、青といった花の服を着せてやれ」


こんな物語。

ちょっと、「アルケミスト」()を思い出したりもする。



あ、そうそう。
つい数日前ですけど、facebookで、
その人のガイドを通訳するお仕事の女性(アメリカ人)の動画を見た。

その方曰く
人間のガイドには7タイプあるんだとか。
(うろ覚えだったからyoutube探してみました)

1 angels
2 ancestors
3 ascended masters
4 nature spirits
5 star beings
6 animal guides(個体ではなく、種としての動物)
7 deities

ほほぅ......
posted by しろくま at 15:18| Comment(0) | こんなん読みました^^
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