2020年09月14日

「人間のトリセツ」


人間のトリセツ〜人工知能への手紙〜 --- 黒川伊保子/著 ちくま新書 2019

このごろ凝って黒川さんの本を続けて何冊か(数えた。6冊か〜。これで7冊目)読んだけれども
これが一番好きかもしれないなぁー

この本で初めて、黒川さんが自閉スペクトラムだって読んだのと
(ああ、それで、特定の感覚に鋭敏かつ知的なのね。お仕事に生かしていらっしゃいます)
語り口もたおやかで好き。
しなやかな母親視点があるところも。

「日本語では『ありがとう』、英語では I love you. 自尊心をつくる魔法のことばたち」

「20世紀に人々が憧れた理想のエリート脳(今もうっかり、子どもをそう育てようとしている親たちがいる)は、人工知能と変わらない。人工知能時代に、存在価値が薄れる人たちである」


一番(っていうのも実は、決めかねるけどもね)面白かったのは

p135からの「イタリアの絶妙、ドイツの美学、日本の中庸」からの数章ですねー

黒川さんはの脳の使い方のタイプ(「感性モデル」)を
プロセス志向共感型とゴール志向問題解決型の二つであるとして
それぞれ女性脳、男性脳と便宜上読んでいるけれども

一方で言語の発音の特性から
「脳のすぐ近くで筋肉を使い、頭蓋骨の中に音を響かせる言語は、感性モデルに影響を与えている。
母音を主体に音声認識をするイタリア語と、強く擦る子音を多用するドイツ語の使い手では、(中略)
イタリア語はその使い手をプロセス志向共感型に、
ドイツ語はその使い手をゴール志向問題解決型に導く傾向がある」


母音だけではなく、子音を使うときのブレスコントロールも関係するそうですが。

でね、日本語は興味深くて
訓読み主体で(イタリア語のように)プロセス志向共感型
音読み主体で(ドイツ語のように)ゴール志向問題解決型
のように、表現することができるというのね。

載っている例は
「嬉しいです。ありがとうございます」「お納めください」と
「光栄です。感謝していいます」「ご査収ください」


ほほぅ。こうやって、「親しみ」と「敬意(や、緊張感)」を
選択する語彙で表現していると。

……っていうのは一例ですが、こんな感じで

まぁいえばなぞときですけど、とっても面白かったです^^

あぁそうそう。タイトルはいかがなものかと思います。
キャッチ―で、きっと売れるタイトルなんだろうけど。中身はもっとステキよ。
posted by しろくま at 19:18| Comment(0) | こんなん読みました^^
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: