ニルスのふしぎな旅(1)〜(4) --- ラーゲルレーヴ/作 香川鉄蔵・香川節/訳 偕成社文庫 1982
ニルスのふしぎな旅ってわたしの世代ならだれでも知ってるじゃぁないですか(たぶん)
小さい頃読んだし、テレビアニメもやってたし(見たような)
でもー
あれって「全訳」じゃぁなかったって
あんまり知られてないよね(しかも読んだはずの内容も忘却の彼方)
去年でしたか、NHKの番組のテキスト
で、読んだのよね
それでがぜん興味がわきまして
古本で買っていたのを
ようやくこのお盆休み(って何の休み…)を利用して読みました
4冊がっつりありますが
読み始めたら案の定ハマってしまい目が上げられず4冊なんてすぐでした
(例によってその間家事等は停滞しております)
なじみのないスウェーデンの地図を、ネットで探しながら読みました
楽しかった!!!!!
そもそもがスウェーデンの国の地誌や歴史を子どもたちにわかりやすく教えるためにって
企画された物語であったらしく(で、書き手として彼女に白羽の矢が立ったそうです)
そう思って読むとあぁここはずいぶん説明しているなぁとか
もっというとどうしようもなかったニルスがあっというまにいい子になったなぁとか
っていう若干興ざめなところもあるにはありますけどでも
なんといったってお話がおもしろいわ。
ところどころに昔話が挟まったり
クオレや、飛ぶ教室(も、そうだったかなぁ)を思わせるような作中作品(物語)もあったりして
(っていうか別の系統か)
まあるいくちばしのガン(アッカ)がイヌワシの子どもに魚を運ぶところ
なんって
かわいすぎ(≧∇≦)
100年に一度現れる幻の町の話や
湖の干拓を思いとどまる話なんて
あー!って思いだしました。小さい頃に思い浮かべたイメージや感覚を。
今回読んでわたしが一番すてきだなーと思ったのは
作者の独特の擬人化の感覚というか
まるで、大地が意志や意図や感情を持っているかのような書きぶりのところどころ。
すてきだなー
あーおもしろかった
遠くのスウェーデンをとても身近に感じたし
行ってみたくなったよ(もう心は飛んでいましたkが)
そうそう、こういうのはできれば原書で読みたいけれどスウェーデン語はとても無理だよねー
最後に、賢いアッカがニルスに語る
「あんたがたは大きな土地をもっているのだから、すこしばかりのはだかの岩礁や、
沼や、湿地、さびしい山や、遠くの森などを、
わたしたちのような貧しい鳥や獣が安心していられるように、
わたしたちにわけてくれることは、じゅうぶんできるのだ、ということを考えてもらいたいのだよ」
っていうセリフがあるんだけど
この「貧しい」は、個人的には気になったところです
「かわいそうな」でもないんだよね。
「なにももたない」っていう風に読み替えて読みたい気持ち。
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