こんぴら狗(いぬ) --- 今井恭子/著 くもん出版 2017
これ面白かったわぁ! もったいなかったけど一気に読んでしまいました。
表紙はなんだか一昔前の感じなんだけど、去年の暮れに出たばかりの新しい本のようです。
むかし、庶民の娯楽がお伊勢参りだったりこんぴらさん参りだったりしたころ…
(もちろん娯楽というだけでなく願掛けも熱心にされてのことではございましょうが)
代理参拝、のなかにあろうことか、犬を!
犬を、飼い主のかわりにお参りに行かせる、っていうことが行われていたんだそうです
犬よ犬!!
首に、「こんぴら参り」と札をかけて、
初穂料と道中の餌代相当のお金を首につけた袋に入れて…
もうこれだけで半分くらい読めちゃうよね
思えば
昔の日本って、前にこれを読んだ時にも結構びっくりしたんですけど
道中の(ときに見知らぬ)人々の善意を信頼して何かを託すようなことが結構行われていて
しかもわりかしそれがきちんと届いたようなことで
これはイマドキは難しいような気がするね。
(逆に、犬の代参みたいなことは、SNSでフォローしたりされたりして話題になって案外うまくいくような気も…するけど…)
ええとようするにこれ(こんぴら狗、と呼ばれたそうです)は歴史的事実だそうで
この物語のエピソード自体はもちろん(調査に基づいた)創作でしょうけれども
お江戸から、
睦月くんという(どう見ても雑種の)わんちゃんが
道中いろんなことがありながら、3か月ほどで金比羅さんに行って帰ってくる…という話です。
どうも小さいことに引っかかってしまうのは同じく今日読み終えたこの本にもあったんだけどさ
作中では名前が漢字で書かれたのは命名時の一回だけで、
あとは全てカタカナで「ムツキ」って書かれ呼ばれるんですよねこのわんちゃん。
わたしの頭の中ではついつい「襁褓」に変換されるわけ。だってさぁ…
これは…… どうも具合が悪かったです(最後まで完全には慣れなかったわ)
最後の道連れの一行とのくだりもなかなかよくて。
大変面白かったです!
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