2018年04月25日

上田由美子さん講座「子どもたちと向き合うことば」

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これはタチツボスミレでしょうかねぇ(♡の葉っぱに薄めの色の花)
風が強かったせいもあるんだけど、どうしても葉っぱの方にピントがあってしまいました

さて
2月と3月に1回ずつ、児童文学の翻訳者(など…)の上田(上条)由美子さんのお話を聞く機会がありました
タイトルは「子どもたちと向き合うことば」
2月は「子供のことばの育て方〜子どもたちと向き合うことば」
3月は「昔話と創作(幼年物語)〜耳で聞くよろこび」
という内容で

特に3月のおはなしがおもしろかったので
かいつまんでですが、備忘録的にメモしておきたいと思います。
(手書きのメモの判読が難しくって…これだと一生読まないと思うのよね…)

わたしが中でも一番心に残ったのは

「昔話は象徴性のある語り方をする」というところです
(たしかに足を切ったり耳を切ったりするわよねぇ。でも、)
即、殺してしまえという意味ではない。

これが、夢と同じところなんやね。

さて、そのほか。

・こどもは本能的に言葉を欲しい(食べたい!)と思っている。食べ物と同じくらいに切実である。人間になるため、心、頭を育てるために必要。繰り返し聞きたがる。

たしかに。子どもたちって言葉に貪欲よね。ことばがじゅーっと染み込むように吸い込まれていくっていうか。

昔ばなしについて
・昔話の魅力はは耳で聞いてわかりやすい、おもしろいこと。
これから言葉を自分のものにしていく子どもたち、とくに小学校低〜高学年の子どもたちは多くの表現を欲している。新しい表現・内容に意欲的に飛びつき、自分で確認しながら手ごたえを得て使っていく。

・昔ばなしの特徴
@ 余計なもの、不要なものが省かれてきた
A 主人公は初めに述べられる
B 問題解決のために、主人公がすぐに行動に移る
C 主人公の行動とそこで起きる出来事が筋をつくる
D 次に起きる出来事、主人公の行動は寄り道をしない。まっすぐに目的・解決へ向かう
E おはなしの動き どんどん期待を高める繰り返しの手法。
クライマックスの後に、はっきりした解決、そのあとスッパリ終わる。余計な説明はなし。
満足さをあらわす言葉などで終わる
F 登場人物の描き方が単純明快。いいおじいさんはいいことしかしない、悪いおじいさんは悪いことだけをして報いを受ける。

・人間は複雑なものだから、良いところもよくないところもある。大人の文学作品の中で描かれる子のようなものは、耳で聞く物語にとっては難しすぎる。一人に一つの性格を付与するという方法を、昔話はかんがえだした(M・リューティ)

・昔話には普遍的な人間が描かれている。そこに描かれる人間は普遍性を持っている。
・昔話は聴く人、語る人によろこび(希望)を与え、元気をもたらすものという性質がある
長く人間を支え、伝えていきたいという強い意欲をわかせてきた

・昔話の語り口の特徴
→ 繰り返し(語句、形の上の繰り返し)少しずつ変化、楽しみ、工夫をくわえながら繰り返す。
だんだん大きくなる、高まっていく
→ うた、唱え言葉。(繰り返しやリズム、テンポ)
→ 認識する―― 知っていることをもう一度、知っていると認識するよろこび
特に子どもは、確かめながら自分のものにしていく喜びを感じていて、大人のように退屈はしていない。
(その言葉を自分のものにする過程で、模倣したり、使ってみたりする。ごっこ遊びやまねっこあそび)
→ 繰り返しの積み重ね (「ミリーモリーマンディのお使いのおはなしなどにみられる)

再話について
・再話は、する人の世界観、自然観、生きてきた背景、人生観、子ども観などを反映する。
・文体、語り口については、語られてきた薄暗い囲炉裏端、語る人の立てる音、みぶり、聞く人の相槌の音、よく知っているおばあさんなどの語り手の顔…などなどが語り口の面白さをつくっている。
・だから、土地言葉で語られたものをそのままでは共通語にならない。もっとぴったりくる五感を持つ言葉を探し当てる。
・呼吸との関係…原話のなかの呼吸のリズムを再現する。

(松谷みよ子「民話の世界」より)
・緩やかに語る部分と、畳みかける部分が必ずある。
・呼吸、息づかいが必要。あまりに磨き上げ、文学にしてしまってはいけない。
・民話の本質は語るというところにある。最初の息づかい、一息。

幼年童話について(絵本や昔話と共存する。書き言葉の世界にだんだん慣れていく)
・2タイプある。
ひとつは日常生活的な作品、身のまわりに起きること、擬人化もある
もうひとつはファンタジーのような作品(「エルマーのぼうけん」など)

・特徴であり、必要なのは
魅力的な登場人物
題材の魅力(ばしょ・もの)
テーマの魅力(例えば、ミリーモリーマンディは愛されている)
表現の楽しさ
未知のものに出会う楽しさ
繰り返し
会話や行動で運ばれるストーリー
目的に向かって一直線
登場人物が少ない
気もち、心理、考え、背景、時間、環境などについて説明的な描写は少ないほうがいい
耳に心地よく響く言葉

---ここまでは昔話と共通しています---(このあたりも思いだすところです)


そして創作なので、
・広がり、多様性、深さのある世界にこれから子どもは入っていく。書き言葉を身につけていく。
・かいた人(作者)の個性が際立つ
そのため、作品によって合う子と合わない子がいる。
(これを解決する力はまだ子どもには発達していないので、楽しめない)
・Ainsworthはそれをうまく描いている作家の一人。

あと、おもしろいなと思ったのは、
外国(英文)の昔話は
一行ずつの短い文章、っていう特徴があって、これを日本語にすると、文末がすべて「―-た。」
となって少し強い感じになる。
ただ、一行の短い文で終わっているんだけれど、次の文章が
"And" "Then" ではじまったり、これがずっと続いたりする。これを何かの形で(訳文に)残したい。
幼い子どもたちにはその「間」がいるのではないか、
既知のものを確認して確かめながら(聞きすすめて)行きたい、次の新しいsituationに入っていくときの息継ぎになっているのでは、


というお話でした。
たしかに、記憶に新しいところではいかにも古そうな、これもそうだった。

ちょうどこのお話を聞いたとき、わたしは藤田浩子さんの語りの「ふうふうぱたぱた」を覚えていた最中で、
(福島弁はできないのでわたしのできる言葉に直してみたんだけれども)
藤田浩子さんの語りの文章(書き起こしたもの)も
「・・・でね、」「・・・だったんだけども」のような言葉を頻繁に使いながら
短い分がつながっている構造だなぁ、って思っていたところなので
(英文のように「.」ではなく「、」で、どんどんつながっているんだけども)

なるほど〜〜〜 そういう効果があるのね。と、思ったのでした
そして思えば、簡潔にこまめに理解をしながら、どんどん遠くへ、おはなしの中へ運ばれていくという効果があるよね。

やっほー!これだけメモしておけば
後でまた読み返せる〜♪♪♪
posted by しろくま at 14:03| Comment(0) | 日々雑感
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