死の国からのバトン --- 松谷みよ子/著 偕成社 1976
「ふたりのイーダ」の続編ということで
というわりにはこれまで読む機会がなくて
わざわざ探して読みました。思いのほかの手間
なんていうのかなぁ
わかったのは
たいそう社会派の物語で
こういうのってもしかすると社会(っていうか経済優先の社会)ではうさん臭く扱われたりしがちかも?
土地の名前は変えてありますが
新潟の阿賀野川の第二水俣病のことだとすぐにわかる(大人なら)
「イーダ」より少し大きくなった直樹(と、ゆう子)が亡き父の故郷を訪れ
苦しい苦しい時代の先祖(の霊)と邂逅し
ふしぎな猫のふるまいからはじまる、公害病の兆候が出てくる頃の話
直樹はイイカンジに現代っ子で
でも柔らかい魂を持っています
松谷みよ子さんらしい
昔話のモチーフや
民俗民話の世界が素敵に織り込まれています
おもしろくも心に重いはなしです
直樹は、わたしより10年ちょいくらい上の世代なのかなー
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