山おとこのてぶくろ --- 松谷みよ子/文 田島征三/絵 ほるぷ出版 1984
「大人のためのおはなし会」をすることになって、
仲間とテーマを「涙」にすることに決めて、
ストーリーテリングのためのおはなしを探して探して…
なんかもう絶望的になっていたとき。
運命的な感じで(と、思ったんだけど…)出会ったのがこの絵本。
みちのくに伝わるいくつかの昔話をベースに、松谷みよ子さんが書かれた物語です。
東北の厳しい自然。そのなかで、働いて、働いても苦しい暮らし。
疲れて、疲れて、あくびをしただけで、
いつくしんで育てた何よりも大切な娘を、山おとこにとられてしまう…
山おとこは、娘をさらい、人を食い、宝物を蓄えている存在であっても
そういう存在であるからこそ
深い悲しみを抱えていて…
なんだか暗いおそろしい話のようだけど
クライマックスの場面で
切実な気持ちを語って涙を流す、山おとこの姿に
そしてそのことをのちのちも「ふと、おもいだす」お花の姿に
心の深いところがじーんとします
大好きになってしまったお話。
あす、伊丹の酒蔵(文化財)の中で語ります。
「大人のためのおはなし会 その4 わたし、が、なくとき。」
よろしければどうぞお越しください。
絵本を中心に、切ない涙、嬉しい涙、可笑しい涙…を取り揃えてお待ちしております。
満席となっておりますが、会場が酒蔵なのでスペースにまだ余裕があり
若干のお席を増やすことは可能です^^