真夜中の電話〈ウェストール短編集〉 --- ロバート・ウェストール/作 原田勝/訳 徳間書店 2014
ウェストールは結構好きで、
わりと長編を中心に読んでた気がしますが
初めて短編集を読んでみて
圧倒された。
切れ味がすごい。テンポも最高。
もちろん、特有の、なんとも言えない味もあって。
表題作の「真夜中の電話」だけは原著"The Call"が手に入ったので読みました。
英語ももちろんだけど和訳もおもしろかった。
思えば
「弟の戦争」が(これまで読んだウェストール作品の中でも)好きだしもしかしたら
この訳者さんの文章との相性も良いのかも。
ところで
今回初めて知りましたが
著者は一人息子のために、と初めて(かどうかはしらんけど、出版は最初)書いた本で
賞を取ってデビューして
その後息子さんを交通事故でなくされています
そのあと怒涛のごとくたくさんの物語を書かれていますが
幽霊ものが目立ちます
たった一人の(しかもその子のために物語も書いたって!)大切なbeloved息子を亡くす って
ほんのちょっと想像しかけるだけでも
胸が抉られる思いです
しかも奥様も心痛で亡くされたような格好になっています
…たとえ幽霊でもいいから…
会いたい、話ができれば、っていう気持ちでいらっしゃったのかなって
思うだにやはり心が痛いです
し
いっそう物語が胸に響いてくるように感じます
収録された物語は全部面白かったけど
「羊飼いの部屋」が、好きかなぁ。
ボーイスカウトって、イギリスの、(少なくとも少し前の時代の)、
(そしてもしかしたら階層などで違うのかもしれないけども)
少年の基本的な素養っていう側面があるのかもね?
ウェストールの短編最高ですっ
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