2015年02月16日

「河合隼雄の幸福論」


河合隼雄の幸福論 --- 河合隼雄/著 PHP研究所 2014


先日本屋さんでばっちり目が合ったというわけではないんだけども
さりげなーく
目配せしてくれたような本で…


つい買ってしまった。
(この帯はあんまり好きじゃないなぁ。速攻外す。)

新聞に連載されたものを収録した本のようです


「幸せとは」というテーマに沿っている以外は
内容(エピソード)はあまり一貫していないのが多彩でとっても面白い。


河合先生が、その時々にふとお考えになったこと
なんだけども
その洞察のルートがなんとも独創的でさすがっていうか、すてきなんだなー


「心と体」という章で
こんなくだりがあります

「外国で生活していて、日本人は社交的な場面で身のこなしがぎこちない人が多いことを強く感じていた」
「アメリカで日本人二世の人たちと話していて、
日本から来た日本人は遠くから歩き方を見るだけですぐわかると言われたことがある」


この文章と趣旨は違うのだけど

先日TVを見ていたら、
戦後(だったかなぁ?)の銀座を闊歩しているモダンガールたちが映っていて
もちろん今の私たちよりもずっと(そうでもないか?)体格は貧弱なんだけれども
びっくりしたのはその歩き方で

なんというか足だけを前後に動かしてるっていうか…(しかも若干前かがみ)

一方で
別の日にこれまたTVでほんの数秒映った
インドのサリー姿の女性の歩き方のなんと美しかったこと

そういえば
竹内敏晴さんじゃなかったかなぁと思いますが
(この方の本大好きなんです…たくさんあるから、半分も読んではいないんだけど。)

ご著書で
インドの町中で道を渡って歩いてくる若い男性の歩き方が
それまで見た中で一番美しい歩き方だった
みたいなことを書いていらっしゃったのは…

そういえば私自身も。
きづけばつい足だけでちょこちょこって歩いてる。

あれ以来いつもあのインドの女性の、ゆったりと骨盤と連動して歩く
(ジャガーやチーターみたいなしなやかな肉食獣を思わせる)
あの姿が頭に浮かんで、
そのたびにはっ!としてゆったりと歩こうとしてみたりしています。
(骨盤内臓器の血行もよくなるんじゃぁないかなって思うなー?)


さいごに
この本のごく終りのほうにこんな文章がありました
導入は(ご趣味で吹いてらした)フルートの和音の話でね。

(フルートは単音しかでないので和音は出せないのだけど、
単音を出しながら和音を意識することが大切なのだって)

「その時に鳴っていない音が大切なのである。
(中略)
同じ『悲しいです』の下に、いろいろな和音があり、
それによって随分と味が変わるはずであり、
そこには言われていない和音を聴くことが非常に大切ではなかろうか。
音のない音に耳を傾ける態度が、他人を深く理解するのには必要であると思われる」


そして、同じ章でもうひとつ。
フルートの高音を出すときには、
「体の感じは逆にむしろおなかの下のほうへ下がっていって、それを支えるようにならないと駄目」
とおっしゃっていますが

これは(PTAの)コーラスの練習でも全く同じことを先生に言われます
高音を出すときは
おなかをぎゅっと下へ下へ引っ張って(いるような感じで)!

河合先生はこう言います
「どれほど上昇しても、それをしっかりと支えるためには、
何らかの下降がそれに伴って生じていないといけない。
高い位置と低い位置との間に存在するある種の緊張が、
高いものを支え、厚みを与えるのだ」


あー同種の体験からでも
人生の要諦に帰結するこの連想が河合先生の洞察のすごさ。






posted by しろくま at 22:14| Comment(0) | こんなん読みました^^
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