2025年03月28日

「ハングルへの旅」

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ハングルへの旅(新装版) --- 茨木のり子/著 朝日文庫 2023

茨木のり子さんが!
韓国語を長年勉強されて
韓国に造詣が深くていらっしゃったなんて

軽い驚きとともに読み始め
文章の美しさに更にやられ
多様な角度からの考察も面白くて
(チャプチェのレシピまで載っている)

いや〜〜ええ本に出会ったわ〜〜

1976年から韓国語を習い始められたそうで
当時は(韓流ブームのずっと前ですから!)今よりもっとずっとこの隣国に対する日本社会の感情もよくないころで
本書にもありますが頻繁に「なんで韓国語?」って聞かれたんでしょうね

「動機」という章の最後にこう書かれています

「こんな風に私の動機はいりくんでいて、
問われても、うまくは答えられないから、
全部をひっくるめて最近は、
『隣の国の言葉ですもの』
ということにしている。
この無難な答でさえ、わかったような、わからぬような顔をされてしまう。
隣の国のことば―――それはもちろん、南も北も含めてのハングルである」


心を寄せたら、知りたいと思うから。それに、つきるかなぁ(わたしはね)


一緒に学ぶ人々のこと
旅した韓国でのこと
日本の方言との類似性の考察
ソッタム(俗談:諺)や韓国文化のこと
日本を知る韓国の詩人たちのこと

など。。 おもしろそうでしょう??
おすすめですー
posted by しろくま at 12:07| Comment(0) | こんなん読みました^^

「『不時着』しても終わらない」

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「不時着」しても終わらない --- 黒田福美/著 主婦の友社 2021

私らしい、「愛の不時着」ロスの方法。OSTを聴く以外に
 @ ハングルを勉強する。
 A 韓国の文化を知る(本がメイン)
 B このドラマについて書かれた本を読む。

でもってこの本はもちろんBなのであります

ほんとうは、茨木のり子さんの「ハングルへの旅」を読み始めたんですけども
ちょっと休憩してこっちを先に読み終わりました。(まぁなんせ、ロスという勢いがある)

著者の黒田福美さんは、日本と韓国の両方で活躍される俳優さんの先駆け、
的な方のようで
韓国でお仕事をされたほか
韓国で暮らした経験もお持ちですし
(なんと、20年に
仕事仲間も、友人知人も、たくさんいらっしゃって
そんな中で見聞きされた韓国の様子が、とてもおもしろいです

1984年に初訪韓、っていうことですから
オリンピック前の韓国もご存じで
いいなぁぁ!(わたし韓国を一人旅したのが90年の春でしたから、ソウルはもう結構近代的だった)

そうそう、その一人旅の時に、関釜フェリーってのに乗ったんですけど
この本にもありました。「ポッタリ(風呂敷包み)チャンサ(商売)」っていうのねー、
行商のおばさまたち。

(もうないんだろうなぁ)

見開き2ページがエッセイ1本。
そこで紹介されるのが韓国の人々の価値観や、美意識や、社会常識や、社会制度や・・・
生き生きしたエピソードの一つ一つが、面白かったです。

あと「恨(ハン)」と呼ばれる、でもよくわからない
韓国の人々の心の深いところのものの説明
を初めてわかりやすく書いてあるものを読んだかも。

最後に一つ
「上着を着る、が オフィシャルスタンダード」
っていう初めのほうのエッセイでこんなくだりがあって

「たとえば、市長に会うために市長室に入っていくと、
市長はそれまで執務をしていた手を止め、ハンガーにかけてあった上着をさっと着て、
『ようこそいらっしゃいました』とあいさつをしてくださいます。
オフィシャルな場で人に会うときは、必ず上着を身につけるのです」


「男性たちの独特の仕草」って説明されているんですけども
これ、すくなくとも30年前の日本にはありましたよね〜
わたし、かっこいいなぁと思ったことがあります^^
(ま、人にもよるけど)
posted by しろくま at 11:40| Comment(0) | こんなん読みました^^