2024年06月26日

people pleaser

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青空にphoenixが飛んでたので撮ってみました。

ところで
先日、自分の基準で(自分にOKを出そう)!って書いたんですけど

そのあとインスタを触ってたらたまたま
英語圏のお兄さんが(自己啓発セミナーっぽいところで)
こんなことを言ってる動画を見ました

「ぼくはねー、自分の娘が絵を描いてぼくに見せに来たら
あーいいね!上手だね!最高だね!! とはぜーーーーーったいに言わないんですよ
代わりに、きみはどう思うの?って聞くんだなぁ
でないと、いつも他人の評価を求める、people pleaserになってしまうんですよ〜」

ほほぅ。
この人のことをちょっとググってみたら
たいそう評判が悪くってwikipediaにはナンパ講師。なんて書かれてる
なんか誰かを怒らせたんでしょうかね〜〜

ともあれ
このpeople pleaserっていう言葉は記憶に残って
以来折々に考えてました。

人を喜ばすこと自体は素敵なことだし
子どものうちは、たとえば親にほめてもらうのもうれしくて
それで自分に自信を持てるようになったりもするんだとおもう

ただ
ほめるなら、やったことではなく、行為や成果ではなく、
その子の心の向きを誉めましょうというのは野口晴哉が書いてて
うちのちゅん2を育ててた時はそれを意識してたんだけど
成果より「その子の存在」を誉めるっていうか認めるのが理想的だとは思うよね

ともあれ

あぁそうか、と思い当たったのは
people pleaserというのは
自分以外の人の、相手の、良い反応を【自分への報酬】【自分の肯定】と考える
っていう心の癖のことかな

誉めてくれたから私(のしたこと)はOK
認めてくれたから私はOK
逆にそれがないと私は不十分で、OKじゃなくて、
もっと努力したり成果を出したりしないといけない

ってこれ
人の心を操るためにとても効果的なテクニックじゃない?
詐欺をさせられたり、親に人生を操られたり
ってときにも使われているような気がするなぁ


ともあれ
子どものころはともかくも、大人になったらさ。
自分で、自分自身に
いいよ、それでOK、よくやったね、すてきだね!って
心から言えるようになっていたいよね
それが人生を簡単に心地よく美しく生きやすくするね。
posted by しろくま at 17:23| Comment(0) | 日々雑感

「沈黙の書」

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沈黙の書 --- 乾石智子/著 創元推理文庫 2017

オーリエラントがオーリエラントと呼ばれるようになる前の
物語なので
地形も違うし雰囲気ももっと古代っぽい

オーリエラントというのは「言葉のあまねく広がる大地」
という意味なんだそうで(それにルビがついている)


「光あれ」に対して「言葉あれ」のような

むかーしむかし
学生時代に合気道の偉い御師範が
道場で

「世界は 『し』(の音)から始まった」
というお話をしてくださったのを
なんだか思い出してしまった

あれてっきり、日本の神話の話だと思ってたのだけど・・・

posted by しろくま at 14:45| Comment(0) | こんなん読みました^^

「馬のこころ Horse Brain, Human Brain」

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馬のこころ Horse Brain, Human Brain: The Neuroscience of Horsemanship --- ジャネット・L・ジョーンズ/著 尼丁千津子/訳 パンローリング 2021

アマゾン見てみたら2021年11月に買ってた。読み終えるのに3年近くかかってた。
たぶんだけど、今思えば、
ウマのことをある程度はわかっていないと興味深く読めないのよ。

著者は脳科学者だそうで、長年馬にも携わって乗るだけでなく調教などもしているそうな。
(若いころ落馬して脳にダメージを負って断続的な健忘症を患うようになり、
そこから脳に興味を持って学ぶようになった、ってYouTubeで言ってた)


すごく貴重な内容満載な本なので、最初のほうに読んだ(思い出すのにたぶん2回読んだ)ことはもうわすれているし
何回も読み直したい本ではあるのですがまずは読了後の感想としては

馬を理解するのに馬の脳の働きや癖や「人間の脳との違い」を学ぶことは
必須やなー
ってことでしょうか

犬にでもそうだもんね
擬人化して考えるもんね
犬(馬)にこれをしたらかわいそうとか
これが好きだろうとか

ちがうもんね

犬(predator)でもずいぶん違うってのに馬(prey animal)ではなおさら!!!

好きなら、そしていっしょになにかしたいなら
相手のことを理解しなくっちゃだよね
例えば思いやりの置き場も間違ってしまうものね。

ということで
ほんの少しですが、何度も思い出したいところを抜き書き。


目の違い: 桿体が多く、「動き」を読み取ることにたけている。素早い小さな動きを察知する
鼻の違い: 例えば、ストレスホルモンをかぎ分けることができる。
      自信をはぐくむために、なんでも匂いを嗅がせるのがよい
扶助と解放: 必ず解放する。使い続けると、神経系の疲労によりその力を感じなくなる。音声も含む。
馬には前頭前野がない: カテゴリー知覚をしない。(代わりに、かすかな違いを把握する)
      考えず瞬時に反応するのも前頭前野がないから。
      評価しない。目標を立てたり結果を予想したりしない。検討、計画、戦略を立てたりしない。
      だから悪意を持った意地悪や嫌がらせもしない。
集中ではなく反応する。注意する時間を増やしていくことが、集中の訓練


人間の脳と馬の脳は、お互いの固有受容覚によってコミュニケーションをしている
なのでよりよい乗馬のためには
・乗り手の人間が固有受容覚を発達させる必要がある。反応時間も早くなる。(馬にも伝わって馬の固有受容覚も鋭くなり、両者の体を通したコミュニケーションが取れるようになる)
・筋肉の分離ができるように訓練する。(個別の筋肉だけを、他と切り離して動かせること)

ミラーニューロンの働きを活かす(誰かがうまく乗馬しているところを見る!)

「試して学習」は馬の生来の性向。
馬は人を試す。でもそれは、人が何を望んでいるのかを知りたいから。

圧迫と解放: 数秒間のうちに解放することで、脳内で結びつく※
そして報酬は2,3秒以内!

「負の強化にはすぐに対応しなければならない」
「負の強化はウマに従って反応することを教えるが、ウマとウマを扱う人のあいだに強い信頼関係を気付くものではない」

馬を構いすぎない。人とのかかわりは一日2時間程度に(ストレスになるし、恐怖心の強い、臆病な馬になる)


ところで
わたしの個人的なことでいうと

最近痛感したのがこれ(↑の※)です
「馬は3秒たったら忘れる」って聞いたことがあったけど
ほんとにマジその通りだったのね(先日習った先生には1秒って言われた)
わたしはなんとのんびりと乗っていたことか・・・


馬は本当に人間に対して大目に見てくれてるっていうか、寛大だし
やさしいんだなぁ。。
と読んでて何度も思いました

最後に著者による「ホースマンシップ」の定義はですねぇ
「ウマが最優先」
だそうです
「真のホースマンは生涯にわたって学び続け、誰かに教えを乞うことを怖いとも恥ずかしいとも思わない。
どんなウマも、新しいことを教えてくれる。
調教での騒動から始まり人間同士のいざこざに至る何らかの問題が生じたとき、彼らにとって最も重要な問いは『ウマにとって最善の策は何だろう?』」

「ホース『マン』という言葉が依然として使われているのは、
真のホースマンシップ精神を伝えられるジェンダーレスな言葉を、私たちはまだつくりだせていないからだ」


いいわ!ほんとに!


最後にちょっとだけ苦言なんですけど
すごい本なのに読みにくいところが結構あって
軽い調子のジョークっぽい言い回しをちゃんと訳してあったりするのもちょっと読みにくいんだけど
それにたとえば
「衝動」「感情」「気持ち」
って違い分かりますー?(特に後の2つ)

何の訳語なんだろうなぁ。情動、っていう言葉とかいう言葉も使えたんじゃないのかなぁ
惜しいーーー
posted by しろくま at 14:34| Comment(0) | こんなん読みました^^