
馬をたすけ 人をたすけ〜名伯楽・角居勝彦がめざす「陽気ぐらし」 --- 片山恭一/著 道友社 2024
乗馬繋がりのお友達が勧めてくれて、お借りして読みました。
角居さん、競馬界のビッグネームですけど
一度だけお会いしたことがありますが(セミナーの先生でした)
物静かで、穏やかな、自己主張されない方で
それが妙に印象に残っている
そうかー宗教人でいらしたたのねぇ
タイトルにもなっている、「陽気ぐらし」というのは
「すべての人間が互いにたすけ合って仲良く暮らす」という天理教の理想なのだそうです
年間4000頭とも5000頭とも言われる、日本で(たぶん)屠殺されている馬たちを
どうしたら救えるか(しかもサステナブルに)という活動を
圧倒的な実行力で地道に取り組んでいらっしゃるご様子がすごく迫力があって
日本に多いサラブレッドは、特に乗馬向きの馬ではない(と一般的にも言われている)けれど
鋭敏でデリケート、感受性が豊かなことから、メンタルケアに向いているのだそうです
ほほぅ
「馬は人間の気持ちに応えようとして100パーセントも120パーセントも頑張ろうとする動物だ。
走り終えた瞬間に命を落とすくらい頑張ってしまう。だから、ギリギリまでやる必要はない。
難しいのは『待つ』こと。
馬のリズムに合わせる。
たいてい人間の方が待てなくなる。失敗しても仕掛けたくなる。
そのほうが、馬のために何かしているという実感が得られて安心だから。
待つことの難しさ。『馬のリズムに合うまで待て』」
ところで
明日早朝から半日家を空けるため、
今預かっているわんこをさっき、近所のペットホテルに預けてきました。
思えばこの子は
保護犬で、峠道に捨てられていたそうなんですが
純血種の老犬(推定)で、動物愛護協会の方曰く、
「ブリーダーが(繁殖に使えなくなって)捨てたんでしょう」
保護された当初は、
お散歩もされたことがない様子
人間の手から食べ物をもらったこともない様子
だったそうで
今でも
私たちが何を食べていても全く欲しそうにしないのは
多分食べられるものだと思っていないからなんじゃないかなぁ
それがしみじみと不憫だし
幸せになってほしいと心から思う
これだけたくさんの犬たちが今飼われているけれども
それを生産しているのはブリーダーさんだけれども
(様子を知らないのでわたしの空想ではありますが)
そこにいる子たちは家庭で飼われている子たちとは違うわけで
撫でてもらっているだろうか お散歩には行けるんだろうか
そういうわんこたちが世の中にはきっとたくさんいるんだろうなぁって
馬のこともなんとかしたい、馬にも幸せになってほしいと心から思うし
馬よりずっと身近な犬たちや猫たちも
なんとか本当に幸せになってもらいたいなぁと思う
5月の薫風がなぜか秋風のように冷たく切なく感じる
ペットホテルからの帰り道だったのであります