2024年02月24日

「セカンドキャリア 引退競走馬をめぐる旅」

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セカンドキャリア 引退競走馬をめぐる旅 --- 片野ゆか/著 集英社 2023

この頃とんと本が読めない。
理由はですね
最近暇があればYouTubeばっかり見てるからですね

いやーおもしろいのよ。。。

ところでこの本は
なんだか可愛らしい表紙ですが
(馬が可愛いし!リードロープピンクだし!丸ゴシックだし!)
結構ガッツリしっかり取材された引退競走馬に関するルポルタージュです

いやもう馬好きの皆さんに読んでほしい!

元調教師で、現引退競走馬を支援する取り組みをされている、角居勝彦さんの言葉
「馬から見て逃げ腰にならず、馬が動いても基本的に体幹軸を動かさないこと」

ホースクリニシャンの宮田さんが引退競走馬と向き合う(リトレーニング)時の様子
「宮田さんがさらに指を高く上げると、四肢の動きは次第にスピードアップしていった。
これは母馬が子馬を敵から遠ざける行動を再現したもので、
競走馬時代に体験できなかった馬社会の基礎を学ぶプログラムだ。
リトレーニングをする馬にとって特に重要な課題は、駈歩を続けながら母親役の宮田さんの言葉や行動に意識を集中することだ」


緊張が高まり冷静さを失いかけた馬に、名前を呼ぶ。
「名前を呼ぶと同時に、宮田さんは両腕を下ろして姿勢を低くした。
これは母馬がリラックスして草をハンデいる姿をイメージさせるポーズで、
子馬にとっては『もう心配ない、安全だよ』という情報だ」


このほか
馬を使ったセラピーや放課後活動、
引退競走馬を乗馬に転用する取り組み、
馬を扱う人材を養成する学校、
馬の糞を堆肥に使った農業の取り組み
JRAによる引退馬支援活動の始まりなど

読み応えがありました。

わたしの母も、小さい頃は家で馬を飼っていたらしい。

今では、私たちの生活に縁遠い動物になりすぎて、
馬たちの美しさ、優しさ、穏やかさ、思慮深さを知る前に
怖い、あぶない、荒い、汚い。。。。ってイメージを持ってしまいがちになっているよね。

犬や猫とも違う、草食動物で、群れで暮らす動物の、馬のことを
もっといろんな人が知って触れられるようになるといいなぁ。
これって多様性を尊重して共に生きる ってことよねぇ。

posted by しろくま at 01:13| Comment(0) | こんなん読みました^^

和オペラ「卒塔婆小町」と「赤い陣羽織」

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いやもうすっかり前の話になってしまいましたけど
オペラ見に行ってきました
二本立てっていうのでしょうか
「卒塔婆小町」と「赤い陣羽織」ってどちらも
和風の作品でした

ただの和風調ではなく
狂言の茂山千三郎さん演出&衣装・装束プラン担当ということで
本物の!狂言の!豪華な衣装を身につけた方々による舞台でした
衣装だけでなくて所作も。摺り足で、中腰で〜
(あと歌自体も色々凝っているのだろうなー。わたしよくわかりませんけど)

素敵だったわー

卒塔婆小町は(元々能の演目を三島由紀夫が戯曲に仕立て直し、それをまたオペラ化したものらしい)
妖しいお話で特に舞台のしつらえが素敵だったし

赤い陣羽織はコメディで舞台もほぼ能舞台

やっぱオペラはコメディが好きなのだ〜〜
(狂言もだけど、オペラも言葉がいまいち聞き取れないから、コメディだとわかりやすいのよねぇ)
そうそう馬も出てきたし〜(茂山千三郎さんによる馬の孫太郎。さすが!)

子分役の若い方のジャンプが大層よかった。もう一回見たかった!

堪能しました〜〜
posted by しろくま at 00:40| Comment(0) | 日々雑感

月蛙展

書きたいことはいろいろあるのに、なかなか時間がとれないわ。

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先日、姫路で開催されている、月蛙展 蛙山水U2005〜2023
に行ってきました。
蛙のモチーフで製作されている絵の展覧会です。
洋画家の方だけど、画材も色々、反故紙の裏を使われていたりとアイディアも多彩で
むしろ日本画っぽさも感じられてなんとも素敵です。

この方に、何年か前(半年くらいだったかなぁ??)水彩画を教えていただいたことがあります。
県立美術館で開催されていた、市民向けのカルチャー講座です。
なので、わーい先生の展覧会だ♪ って喜んで出かけましたら、偶然在廊されてて
久しぶりにお会いできました。

美術館では4年間講師をされていたそうで、
その間もちろん、たくさんの生徒さんがいらしたわけだから
私のことを覚えていらっしゃるわけがないのだけれど
でも

どんな絵を書かれてました?
って、絵のことは覚えていらっしゃるらしい。絵を思い出したらどんな人だったか思い出すらしい。
すごいなぁ。

それで数ヶ月前にも同じようなことがあったのを思い出しました。

2回くらい、乗馬のクリニック(指導)を受けた西崎先生。

11月に別の、グラウンドワークセミナーでお会いした時に、
実はレッスンしていただいたことがあって〜〜とお話ししましたら
もちろんこちらも覚えていらっしゃるわけはないのだけど

どの馬乗ってました?
って。

馬を思い出したら、誰がどんなふうに乗ってたか思い出せるらしい。

プロってすごいわー
っていうかそういう人がプロなのか

お二人にただただ感銘を受けてしまいました。

月蛙展は明日まで。お近くの方はどうぞお出かけください〜
posted by しろくま at 00:29| Comment(0) | 日々雑感

2024年02月10日

「カムイのうた」


カムイのうた --- 菅原 浩志/監督・脚本、シネボイス、2023 日本
十三まで行って観てまいりました

いやー、あの叔母さん(イヌイェマツ)役、島田歌歩さんやってんねぇー!(気が付かなかったです)

それはさておき
美しい自然と
いわれなき差別と
凄みのあるユーカラの対比が
鮮烈な印象でした

アイヌの人たちに限らず、わたしたちが自分たち(日本人)以外の人たち(白人以外か)を下に見ることはまだ終わってないよね。。

わたしはちいさいころまでは札幌に住んでいたし、母が北海道出身なので
当時の札幌では、表立ってひどいことは見たことないんだけども、
子どもながら雰囲気はなんとなくわかっていた。
(それで関西に引っ越してきてからは、同和教育っていうのがこっちにはあるのを知って
おんなじ日本なのに学校でやることが違うんだーと思ったけど
そこにあるものはおんなじなんだって今は思ってる)

いまウポポイとかいくと、若い人たちが踊りや工芸品やらを楽しそうに
見せてくれるのをみると
ほんとうにいいなぁって思う

美しいものは美しいんだものね

この世に知里幸恵さんがいてくれたのは
奇跡的な、神がかったことで、かみさまありがとうって思う
でも、あのような差別と迫害がなかったとしたら
もっとたくさんの幸恵さんがいたかもしれないと悲しく思う

posted by しろくま at 19:35| Comment(0) | たまに観る映画のはなし