
セカンドキャリア 引退競走馬をめぐる旅 --- 片野ゆか/著 集英社 2023
この頃とんと本が読めない。
理由はですね
最近暇があればYouTubeばっかり見てるからですね
いやーおもしろいのよ。。。
ところでこの本は
なんだか可愛らしい表紙ですが
(馬が可愛いし!リードロープピンクだし!丸ゴシックだし!)
結構ガッツリしっかり取材された引退競走馬に関するルポルタージュです
いやもう馬好きの皆さんに読んでほしい!
元調教師で、現引退競走馬を支援する取り組みをされている、角居勝彦さんの言葉
「馬から見て逃げ腰にならず、馬が動いても基本的に体幹軸を動かさないこと」
ホースクリニシャンの宮田さんが引退競走馬と向き合う(リトレーニング)時の様子
「宮田さんがさらに指を高く上げると、四肢の動きは次第にスピードアップしていった。
これは母馬が子馬を敵から遠ざける行動を再現したもので、
競走馬時代に体験できなかった馬社会の基礎を学ぶプログラムだ。
リトレーニングをする馬にとって特に重要な課題は、駈歩を続けながら母親役の宮田さんの言葉や行動に意識を集中することだ」
緊張が高まり冷静さを失いかけた馬に、名前を呼ぶ。
「名前を呼ぶと同時に、宮田さんは両腕を下ろして姿勢を低くした。
これは母馬がリラックスして草をハンデいる姿をイメージさせるポーズで、
子馬にとっては『もう心配ない、安全だよ』という情報だ」
このほか
馬を使ったセラピーや放課後活動、
引退競走馬を乗馬に転用する取り組み、
馬を扱う人材を養成する学校、
馬の糞を堆肥に使った農業の取り組み
JRAによる引退馬支援活動の始まりなど
読み応えがありました。
わたしの母も、小さい頃は家で馬を飼っていたらしい。
今では、私たちの生活に縁遠い動物になりすぎて、
馬たちの美しさ、優しさ、穏やかさ、思慮深さを知る前に
怖い、あぶない、荒い、汚い。。。。ってイメージを持ってしまいがちになっているよね。
犬や猫とも違う、草食動物で、群れで暮らす動物の、馬のことを
もっといろんな人が知って触れられるようになるといいなぁ。
これって多様性を尊重して共に生きる ってことよねぇ。