競走馬私論〜プロの仕事とやる気について --- 藤澤和雄/著 詳伝社黄金文庫 2003
少し前に引退された、
JRAの異色の調教師、ということで興味を持って読んでみることにしました。
"Happy people make happy horses"
お若い頃のイギリスでの修行時代に、
彼我の
「馬の強さ」の差を
「欧米との決定的な差は馬にかける愛情と時間だと思っていた」
人間と馬とのコミュニケーション、
馬が幸せであるかどうか
が大事なんだとおっしゃる
この辺り、
子育てとおんなじだなぁ
って思いながら読みました。
あと調教も日英ではずいぶん違うみたいで
「調教では『速い時計を出すこと』よりも『気分よく走らせること』を優先すべきだろう」
「イギリスでは時計を基準にした調教はしない」
「時計にこだわる日本のやり方は緻密なように見えるが、すべての馬を同じモノサシで見ようとしているところに難点がある」
「馬には個体差がある。
たとえば脚が曲がっていても走る馬はいる。
歩様が悪くても、飛節の形が悪くても、肩の傾斜がぎこちなくても、走る馬は走る。
そう言った個体差を見極めて、それぞれの馬に合った調教をするのが調教師の役目である」
あれ〜コレ子育て本ですか???
足りないとこを責めるよりいいとこ伸ばしていくほうがずっといいし
その子がハッピーになるよねぇ
(昨日だったか新聞に載ってたアメリカの大学で政治学教えてる研究者の人も
自分の英語は拙かったけど得意な科目で認めてもらった、できることに注目してくれる文化だって言ってたっけ)
っていうか
命を育てる、育てるっていうとなんだかおこがましくって
育つ力に寄り添う、って
そういうことじゃない?
馬も人もお野菜とかも(たぶん)
そうそうこの方、
競馬のプロですけどでも調教師でも
売りに出ている馬が(競馬で)走るか走らないかは、わからない
っておっしゃるのよね
こないだYoutube見てたらジョッキーの武豊さんが仰ってた
「馬見たって僕たちだって走るかどうかわからないですよ
みんなパドックで何見てるんでしょうね?」
っていうのをなんか思い出したなぁ
面白かったです
日本中、世界中ハッピーホースだらけになってほしいです