細菌ホテル --- キム・ソンファ、クォン・スジン/文 キム・リョンオン/絵 猪川なと/訳 岡田晴恵/日本語版監修 金の星社 2020
この頃、絵本をあんまりご紹介しておりませんでした。結構読んではおりますんですが
わたしはこども(ちゅん2)を育てるとき、
まぁそもそも大してきれい好きでも潔癖でもないこともありまして〜
「菌との共存」を心して暮らしていたわけですが
菌との共存っていうのはあれですわ
もちろん、有用な菌は利用する(お味噌作ったり、EM菌使ったり。味噌は素手で作るから、家族の常在菌入り〜)一方で
適切に雑菌を浴びて育つ。病院のスリッパの裏とかはダメだけど、大抵のものは舐めてよい。公園の土くらいちょっとは食べてよい。
大体、産道を通る瞬間から、菌にさらされ菌と共生するのが人間なんでありますから。
そうやって丈夫になっていくわけですから。
(でも現代日本人は、インドに行くと下痢したりするんだけども。)
なんですが
去年からのコロナ大騒動で
なんだかなー・・・ってことが増えておりますねぇ。
抗菌剤じゃぶじゃぶ使って。。それが河川から海へと流れてるだろうな。
そんな中
この絵本を手に取る機会がありました
細菌ホテルっていうのは人間の体のことです
「あったかくてジメッとした、すばらしいホテル」
語り手は「大腸菌」
「ところで、体重は何キロ?
『えっ?30キロだけど・・・・?』
ふーん。なら、そのうちの3キロは細菌だ!
体重の10ぶんの1は、細菌の重さなんだ。
これからは体重をきかれたら、細菌の重さをひいて『27キロです』っていうべきだね」
つまり、「菌もわたし」なんであります。しかも結構な割合で。
体の中に菌がいないとどうなるか。「無菌ホテル」
抗生物質をどんどん使い続けるとどうなるか。
なんてことも、ユーモラスな絵とともに、楽しみながら体験できるような絵本になっています。
作者は生物学・分子生物学者だそうです。
個人的には、
シーソーの片方に地球上の細菌が乗っていて、もう片方に地球上の動植物が全部乗っていて
シーソーは細菌の方に傾いてる、っていう絵がインパクトがありました。
そりゃ、たまには強い困った菌もいるけどさ。
(ここではウィルスは扱われていないっぽい)
これ全部を、目の敵にするのって不毛どころかむしろ破滅だわね。
細かいところが面白いから、読み聞かせというよりは
おうちで手に取ってじっくり読んでほしい絵本です〜