2021年04月28日

「山をこえて昔の国へ」


山をこえて昔の国へ −- ウィリアム・メイン/作 神宮輝夫/訳 岩波少年文庫 1989

図書館で何気なく手に取ったのですけど
(馬に乗った赤毛の女の子の表紙が印象的だった)
たくさん馬が出てきそうな雰囲気だったしさぁ

おもしろかったー

古代のイギリスと、現代のイギリスが交錯する物語。
サラッとしすぎていて、(描かれていないところも結構あって)
よくいえば想像の余地が大きい。

リッチモンド、ベンデール、キャリック山…

って
わたしは地図を見ながら読み進めるのが好きなんですけど
(イギリスの作家の物語は、結構実際の土地が作品の中に出てくるよね。郷土愛が強い??)

この本も、最初なかなか地図で(実際の場所を)探せなかったんですけど

作家をググって、北ヨークシャー出身だとわかってから
北ヨークシャーで探したらすぐに判明。

(キャリック山はまだわかんない)

ともあれ

こんな作家がいたのかと発見した気分〜

あとがきで
神宮輝夫さんが
タイトルはマザーグースの一行って書かれていた。

見てみたら
“Over the Hills and Far Away”

んまー
好み。

ええな〜!
いいわねぇこのタイトル!!

このタイトルを読んで物語を思い返したら、
またそこに遥かな時の空間が広がる思いがします。



それから。
子どもたちとずっと一緒に旅をするポニーたち。

ポニーよねぇやっぱり。イギリスの上の方は?(なんかを思い出すんですけど)

馬同士の会話とか、馬の習性みたいなものが丁寧に描かれていて
この人(作家)馬が好きなんだろうなぁ(あるいはよく知っているんだろうなぁ)と思ったし
そういえば
バルサの物語なんかでもよく馬は出てきたけど
まるで乗り物のように描かれていただけで、こういう親密な視点はなかったな〜


古代の、まだアングロサクソンが入り込んでいない時代のイギリスの
人たちが描かれているのもなかなか興味深かったです。

他の作品も読んでみたい。
posted by しろくま at 12:20| Comment(0) | こどもの本

2021年04月24日

「石の花」


石の花 −- バジョーフ/作 佐野朝子/訳 岩波少年文庫 1981

小さい頃・・・小学校の低学年の頃でしたが
このお話がだーーーーーい好きで

孔雀石ってどんなんかなーーって空想しておりましたっけ

大人になって改めて読むと
やっぱりおもしろーい!
民話調の、というか
バジョーフが聞いて育った民話が、この人の体を通して出てきているような。

それから
ロシアの農奴の暮らしを描いていたんだなぁって思う。
キレイなばかりではなく厳しくて不条理な世界でもあったのね。

思えば
小さい頃読んでいたのは、この中の「石の花」と「山の親方」だったんやなー


なんとも色鮮やかな
そして地に足のついた
お話です

面白かった〜〜
posted by しろくま at 16:34| Comment(0) | こんなん読みました^^

2021年04月17日

「神様の御用人10」


神様の御用人10 −- 浅葉なつ/著 メディアワークス 2021

そういえば3月に発売を待ち構えて買って読んだんですけど
おさかなやに書くの忘れてたー

今友達に貸してて手元にないですが

前半、(昔から何故か好きな)アテルイの運命が辛くて読むの若干しんどかったな。
後半以降は楽しく読めました

後感想はぼちぼち思い出したら書きます〜

posted by しろくま at 17:47| Comment(0) | こんなん読みました^^

「エルメスの道 Le Chemin d’Hermes」


新版 エルメスの道 Le Chemin d’Hermes −- 竹宮惠子/作 中央公論新社 2021

竹宮惠子さんですから漫画です。
あとがきで初めて知ったけど、エルメスの社史らしい。

馬具職人だった初代から、人材に恵まれた家系の歴史
イタリアも家族で受け継ぐ伝統のイメージがあるけど
エルメスもそうなのねぇ。

バッグやスカートに最初にファスナー(アメリカで発明されていた)を使ったのも
エルメスだったとか。

あの、ライセンス林立の時代に
(タオルとかハンカチとか、トイレのスリッパとかたくさんあったものねぇ)
それを選択肢なかったのも、今の高いステータスへの道だったのねぇ。

結構面白かったです。


le chemin は道
鉄道は le chemin de fer
というのも地味におもしろいかも(英語はrailwayなのにー)
posted by しろくま at 17:39| Comment(0) | こんなん読みました^^

2021年04月13日

「パリの調香師」 Les Parfums


パリの調香師 Les Parfums --- グレゴリー・マーニュ/監督・脚本 フランス 2019

映画でも音楽でもフランスのものは日本では
あまりなじみがないんだけれどもわたしはとても好きなんですが

ほら
シナトラの"My Way"だってさ
もともとはフランスの"Comme d'habitude"(クロード・フランソワ)ですけど
シナトラがなんだか壮大に歌い上げるのに対して
フランソワの方はなんだか日常の個人的な… なんかとってもちっちゃいのよね。

そこが
いいのだ

ということで

この映画ですが

メジャーな館でひととおり上映が終わりまして
我が《宝塚の某ちっちゃな劇場》にやってまいりまして
早速観に行ってきました

よかった……

人付き合いの下手なかつて有名だった調香師の女性と
(ファッションがおしゃれで素敵〜)

離婚して娘と暮らしたいけどお金がない、正社員でない感じの運転士の男性と

ロマンスが生まれるってわけでもないんだけどそうでもなさそうなところもあったり

絶妙な距離感と
かすかな苦みと
温かいユーモア

あーいいなぁ


おすすめです〜
posted by しろくま at 16:57| Comment(0) | たまに観る映画のはなし

2021年04月09日

「詩人になりたいわたしX」


詩人になりたいわたしX −- エリザベス・アセヴェド/著 田中亜希子/訳 小学館 2021

本当にたまたまなんだけど、一つ前に読み終わった「図書室の魔法」と同じく
主人公は15歳の女の子で
物語はその子の日記という体裁で

とはいえ
あれはイギリスが舞台だったけどこっちはアメリカで
あの主人公はSF好きでこっちは詩。

「皮膚を体と同じようにぶ厚くしないといけなかった」

もう最初にとにかくこれにやられました。


彼女の両親はドミニカから来た移民で
母親は特に敬虔なカトリック信者で
彼女をとっても束縛する。

第二部は読みながらBilly Joelの
“Only the Good Die Young”を思い出したわ
当時中学生だったわたしはロザリオを持って教会へ行く
ヨーロッパ系の女の子を想像していたけれども
そうか。BillyもNYっ子
シオマラのような子を歌った歌だったかもなんだな

Xiomara(「いつでも戦える人」という意味だそう)という名の彼女は
小さい頃から腕力で戦ってきたけれど
今は言葉が彼女の手にある。彼女の力となっている。

だから
タイトルのXって「わたし。シオマラ」のこと。
彼女の紡ぐ言葉が本当に素敵。

この本を読みながら

女は女に生まれるのではなく女に「なる」のかもしれないけど
詩人は詩人に生まれるんだなぁ
ってしみじみ思ったんだよね

原題は”The Poet X”なんですけど
この子Xは詩人になりたいんじゃなくってもう詩人なんだよね

だからとっても素敵な訳だったなと思うけれども
このタイトルにはやっぱり賛同しかねるのでありました



彼女の詩を原文で読みたくてたまらなくなって原書を注文してしまった〜^^


おすすめですー


posted by しろくま at 23:29| Comment(0) | こんなん読みました^^

2021年04月07日

「図書室の魔法」(上)(下)


図書室の魔法(上) −- ジョー・ウォルトン/作 茂木健/訳 創元SF文庫 2014


図書室の魔法(下) −- ジョー・ウォルトン/作 茂木健/訳 創元SF文庫 2014

SF文庫から出てるけどもSFじゃないけどね。
主人公の女の子15歳は大の読書家でSFファン。
彼女の日記の体裁で物語が進みます。
利発で聡明な女の子なんだけど、
頭でっかちなところと無防備なところと、なんだかいろんなところがアンバランスで。。。

あれ、中二病ってイギリスにもあるんだろうか。
まぁなかなか難しい年代であることに間違いはないでしょうけども。
それに彼女には、何か生い立ちからの困難がありそう。
それが、彼女の視点から語られる。

わたしは結構最後の方まで、
で、本当のところは?って明かされるんじゃないかって思ってたんだけど
そういえば日記だものね。それはないか。

でも、この子の、言葉で正確に世界を表現しようあるいは書き留めようというあり方は学びたいと思う。

下巻の最初の方で
フェアリー(おじいさんっぽいんだけどさ)が
「なるようにしかならん」
って
2度行ったところ

ここはハッとして、何かが切り替わってもう元に戻らないのを感じて
ああ、ターニングポイントだ、
って思いました。


思えば
子どもの頃までは、世界は魔法に満ちていたっけなぁ

このお話、そう派手なことが起こるわけではないのに何故だかとっても
面白かったです


それはそうと
もうしょっちゅう言ってる気がしてますけど
邦題ってもうちょっとどうにかならないもんでしょうかねぇ。。。

「図書室の魔法」っていうと
図書室にしか魔法がないみたいじゃないですか
この子にとっては魔法が人生のリアリティの一つ(というか大部分)なのに。

原題は”Among Others” です
いいなこのタイトル。シンプルで、すごい深みがあって、容赦なくて孤独で、温かい
posted by しろくま at 23:16| Comment(0) | こんなん読みました^^